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2026-01-31

頭痛ダイアリー

  • 先日,頭痛をしばしば自覚する中年男性が総合診療科を受診されました.痛みは差し込むような片側性で,前駆症状はありませんでした.仕事を中断しなければならないほどつらい頭痛のようです.
  • 片頭痛より群発頭痛を疑いますが(両者の鑑別),持続時間が数分以内と言われました(群発頭痛は15分~3時間).そこで頭痛日記を記録してもらうことにしました(余白に出現と終了の時刻を記入)
  • すると頭痛は15分以上持続していることが判明しました.最終診断は群発頭痛で,ベラパミル(添付文書DI)が予防にとても有効(頭痛ガイドラインでは推奨されていますがあくまでも適応外処方)

頭痛ダイアリー

👉 頭痛に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2026-01-30

気になるカルテ用語:有事再診

  • 最近,有事再診という四文字熟語を院内カルテで見かける機会が増えました
  • 「便利だなー」と思って個人的にもちょくちょく記載するようになりました
  • 先日,その乱用への警句を眼にしました.共感する部分が多かったので共有

  • カルテ上もなんとなく収まりがよく若手医師の間では流行語(もはや定着用語)
  • 若者言葉やバイト敬語など言葉はいきものだが,この有事再診は看過できない
  • 有事とは災害や戦争など国家の非常事態用語で患者の病状に使用するのは不適
  • 悪化時再診または再燃時再診とはっきりと書くべき(必要時再診でもよいかも)
  • まとめ:患者と医師の関係で「有事」という単語は不適切で使用すべきでない


(投稿者 川崎)

2026-01-29

今週の一枚 🎯

- 両側の趾痛を訴える高齢者 -


(投稿者 川崎)

2026-01-28

マグネシウムと意識障害

  • 先日,高マグネシウム血症で意識障害を生じた症例を経験しました(緩下剤の過剰摂取).その機序を脳神経内科の先生に教えてもらいました(┌○ ペコリ)
  • とても興味深かったので忘れないようにここに記載しておきます.なおマグネシウムは低値でも意識障害を生じるようです(日救急医会誌 1996;7:197-201

👽 マグネシウム 
  • 生体内で4番目に多く存在する陽イオンで(他のイオンは下表),骨に70%弱存在して,細胞内には30%,血中にはわずかに0.2%
  • 血清4~6 mg/dL超で低血圧や嘔気,尿閉,イレウス他を生じ,進行なら骨格筋弛緩性麻痺,腱反射低下,徐脈,呼吸抑制,昏睡
  • 高濃度の細胞外Mgイオンは神経筋接合部のシナプス前からのアセチルコリン放出を抑制し,筋線維細胞膜の興奮性を低下させる
  • 興奮性神経伝達物質グルタミン酸の受容体であるNMDA受容体を阻害する作用があるため,高Mg血症では意識レベルが低下する


体内の3大イオン(Na/K/Ca)

💁 電解質に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2026-01-27

👂 最近の耳学問

😋 聞き間違いがあるかもしれませんが…
  • Vasomotor symptoms (VMS)とは血管運動神経症状と訳され,ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり)や大量の発汗(寝汗)、顔面の紅潮など更年期障害(閉経期症状)でよく見られる自律神経の乱れによると考えられる症状のこと
  • α-フェトプロテイン(AFP)にはL1、L2、L3の3種類に分画があり,特にAFP-L3分画は肝癌に対する特異度が高い.しかし妊娠に伴い(特に早期に)増加することがあるため注意を要する
  • 未治療のバセドウ病では血中のALTやASTが上昇することがある.逆に橋本病などの甲状腺機能低下症でも上昇することがある.一方,透析患者でAST,ALTは低値を示す(尿毒症病態の酵素活性異常などによる).
  • アンモニアの偽性高値として血液検体の常温放置がある(赤血球からの遊離や蛋白質の分解のため).2時間でおよそ2倍程度になるため,血液採取後はただちに氷水中に保存する必要がある.
  • Phase Sensitive Inversion Recovery(PSIR)は心臓MRIの撮影法で,安定した心筋遅延造影撮像を可能にする.一度のinversion recoveryパルスに対して2回の撮像を行い位相補正を行うため,厳密なTIの設定や調整が不要(ルック・ロッカー法も不要)
  • Pencil cell(Rod-shaped red cell/鉛筆細胞?)とは、末梢血液塗抹標本(血液検査の顕微鏡観察)で赤血球が細長く、鉛筆や棒のように変形した形態異常のこと.主に鉄欠乏性貧血の状態で出現する.
  • 末端肥大症では成長ホルモンの過剰分泌により腫瘍発生が促進される可能性が示唆されている.中でも末端肥大症では大腸癌の合併が通常の2~4倍で,大腸ポ リープの頻度はさらに高い
  • PVL(paravalvular leak)は心臓人工弁周囲逆流のことで,TAVI(経カテーテル的大動脈弁留置術)では認めることがあるが,SVAR(外科的大動脈弁置換術)では通常認めない.PVLは弁周囲(弁の外)なのでニュアンス的にはperivalvular leakと思うかもしれないが,通常はparavalvular leakを使用

💁 耳学問に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2026-01-26

フィジカルクイズ(No. 37 & 38)

  • 循環器Physical Examination講習会は故・吉川純一先生が2003年に立ち上げられた身体所見に関する研究会です.「生きた physical examination」を体感・習得して,「感動できる」ものにしていきたいと思っています.
  • 2025年4月から毎週末に循環器に関するフィジカルクイズをX(旧Twitter)で発信しているので,よろしければフォローしてみてください(@PhysicalExamin1).こちらのページには2週分ずつまとめてアップします.



👻「フィジカルクイズ」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2026-01-25

血小板無力症(グランツマン病:Glanzmann’s thrombasthenia)

  • 概略 正常小板数にも関わらず出血傾向を呈する先天性疾患
  • 原因 血小板膜糖蛋白(GP)IIb/IIIa欠損で常染色体劣性遺伝
  • 由来 スイスの臨床医 Eduard Glanzmann (1887-1959) (
  • 頻度 最近の疫学調査はない(1986年の全国調査では222例)
  • 症状 鼻腔または口腔の粘膜、皮膚表層の出血が主体である
  • 日常 誘因なく治療介入を要す出血症状が出現することは稀
  • 指導 出血リスクや血小板機能を抑制薬剤(NSAIDs)の回避
  • 対処 圧迫止血および鼻や口腔の粘膜出血は抗プラスミン剤
  • 手術 重篤な出血や外科手術では血小板輸血が唯一の治療法
  • 経過 一般的には成人になるに従い出血症状は軽減していく


- 先天性血小板機能異常症の概念図 -

(投稿者 川崎)

2026-01-24

唾石症 Sialolithiasis

  • 解剖 唾液腺は大唾液腺(耳下腺,顎下腺,舌下腺)と小唾液腺で構成
  • 原因 脱落上皮,迷入異物,細菌などの周囲にカルシウムが沈着し形成
  • 部位 9割以上は顎下腺に発生(ただし最新の欧米報告では耳下腺が最多)
  • 疫学 77例の検討では30代が最多(4~74歳)で男42例,女34例(
  • 症状 唾液疝痛と呼ばれる食事時の疼痛(顎)や腫脹などを引き起こす
  • 診断 CT,超音波検査,唾液腺造影は高感度(臨床診断が不確実な場合)
  • X線 顎下腺唾石の90%は放射線不透過性なため単純X線は正確ではない
  • 治療 局所麻酔による口内摘出術,5mm以上や癒着症例は全身麻酔手術

参考)日耳鼻 2022;125:1405-8,他

- 耳下腺腫脹と疼痛,開口障害を訴える60歳女性 -


(投稿者 川崎)

2026-01-23

虹彩ルベオーシス(Rubeosis iridis)

  • 虹彩の表面に新生血管が形成された状態(赤い刷毛ブラシでなでたよう)
  • 虹彩実質内に存在している静脈や毛細血管から内皮細胞の増殖発芽による
  • 糖尿病に加えて網膜中心静脈閉塞症や慢性網膜剥離など様々な病態で発生
  • ごく早期の発見は難しく,経過が長くても不明瞭(結合組織に覆われる)
  • よって虹彩の血管新生(neovas-cularization of the iris)の方が適当(?)
  • 早期診断なら汎網膜光凝固術または抗VEGF薬の注入との併用により回復


å - 2型糖尿病がある49歳男性の虹彩ルベオーシス -

(投稿者 川崎)

2026-01-22

今週の一枚 🎯

2日前より発熱と咽頭~後頚部痛を訴える若い女性


(投稿者 川崎)