このブログを検索

検索キーワード「高Mg血症」に一致する投稿を関連性の高い順に表示しています。 日付順 すべての投稿を表示
検索キーワード「高Mg血症」に一致する投稿を関連性の高い順に表示しています。 日付順 すべての投稿を表示

2025-04-03

今週の一枚 🎯

数分間の意識消失を生じた超高齢者

😐 解説
  • 来院時の心電図は徐脈+心房細動+ST-T部分の変化
  • 意識清明で神経学的異常なく頭部CTも特記所見なし
  • 高Mg血症(16.3 mg/dl)が判明(基準値:1.8-2.4)
  • 他の電解質はPが軽度上昇(5.1 md/dl)以外は正常
  • 腎機能は軽度の低下(Cr 1.1 md/dl)で肝機能は正常
  • カルチコールの静脈内緩徐投与と緊急血液透析で対応
  • 最終的に高Mg血症+糞便イレウス+誤嚥性肺炎と診断
  • 意識障害の原因は過剰な緩下剤による高Mg血症の疑い

💁 高Mg血症と心電図
  • 軽度~中等度の高マグネシウム血症ではPR間隔やQT間隔の延長、QRS波の拡大
  • 高度では伝導障害から心停止(一部は顕著なST部分の上昇とT波の増加も観察)
  • その原因としてマグネシウムイオンによる Na+/K+-ATPase 活性の機能的阻害

💫 マグネシウムに関する過去の投稿 ➜ コチラ

👻「今週の一枚」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

2020-05-23

ミルク・アルカリ症候群 Milk-alkali syndrome

  • 大量ミルクとアルカリ(制酸薬や緩下剤)摂取から高Ca血症を生じた状態
  • 三徴は高カルシウム血症,代謝性アルカローシス,腎機能障害(定義なし)
  • 副甲状腺機能亢進症と悪性腫瘍に次いで3番目に多い高Ca血症の原因??
  • 治療は薬剤や食品などの原因中止&血中Caと代謝性アルカローシスの補正
  • イメージが掴みやすいオススメ症例報告 ➜ 日救急医会誌 2013;24:345-50
👴 歴史

1900年初頭に米国のSippyが消化性潰瘍に対して牛乳とMg製剤による治療法を開発した(JAMA 1915;64:1625-30).しかし治療後に嘔吐や意識障害を生じることがあった.これは一過性の高カルシウム血症による反応で,予後が比較的良好であることを英国の臨床医Copeが報告(Br Med J 1936;2:914–7).その後に米国の医師である Burnett らが慢性のより重症例も存在することを報告した(N Engl J Med 1949;240:787-94).前者をCope症候群,後者をBurnett症候群とも呼ぶようです.

🉐 関連投稿(高カルシウム血症編)

(投稿者 川崎)

2020-10-08

高Ca血症:鑑別と治療

🐚 復習
  • 血中カルシウム濃度の著しい上昇は意識障害や急性腎障害を生じ救急対応が必要である(高Ca血症クリーゼ)
  • 高Ca血症による症状の発現は血中Ca濃度の上昇速度に依存するため,血清Ca値のみでは重篤度を判断できない


📛 高カルシウム血症の治療
  1. 十分な輸液 ➜ Ca・リンを含まない生理食塩水を基本とした輸液を十分に行う
  2. 原因薬中止 ➜ 活性型ビタミンD製剤,サイアザイド系利尿薬,テオフィリン他
  3. ビスホスホネート投与 ➜ 輸液を開始後にゾメタⓇなどの点滴(腎障害に注意)
  4. カルシトニン ➜ 骨吸収亢進による高Ca血症ならエルシトニンⓇの併用を検討
  5. 糖質コルチコイド ➜ サルコイドーシスなどではプレドニゾロン20~30 mg/日
  6. 血液透析 ➜ 著しい低P血症は致命的な組織障害の原因となるので注意が必要

PTH PTH関連蛋白 インタクト PTHrP Intact
🉐 関連投稿(カルシウム編)

(投稿者 川崎)

2023-05-08

低体温と不整脈

🐶 動物実験
  • 血液希釈されていない犬を20°Cまで急冷すると50%が心停止に至った
  • 26°Cに冷却した犬の心室筋ではVFやVTは冷却よりも再加温中に頻繁
  • 21°C猫で通常量強心剤(アドレナリン他)が心室性不整脈を全例誘発

👴 ヒトデータ
  • 深部体温が16.9°C~29°Cの偶発的低体温19例では7人がVF, 2人は心静止
  • 日本の60人の検討では深部体温>26°CでVF を発症した患者はいなかった
  • 低体温療法中に低カリウム血症+QTc間隔延長なら平均34.7°CでVTが発症


低体温時の一般的な電気生理学的所見
洞調律 房室伝導 心室脱分極 心室再分極 不整脈
軽度〜中等度
(>30度)
不変〜低下 不変〜低下 短縮〜不変〜延長 延長 心房細動,心室期外収縮,心室頻拍
高度
(<30度)
停止まで延長 延長〜停止 遅延〜不変 延長,消失 心房細動,心室細動,心静止

🍧 低体温に伴う様々な変化
  • 電解質 ➜ 寒冷利尿による喪失と細胞内移動により低下するため,低Ca血症,低K血症,低Mg血症,低P血症を認める.逆に復温期では高カリウム血症に注意
  • 凝固系 ➜ 35°C以下では血小板機能低下や血小板数の減少が認められる.33°C以下では凝固に関わる酵素活性の低下から出血傾向となる. 
  • 免疫系 ➜ 白血球の遊走能・貪食能および炎症性サイトカイン産生・反応の低下が生じる.また感染時に白血球数やCRPが必ずしも上昇しない
  • 耐糖能 ➜ 低体温ではインスリンの感受性が低下し,膵細胞からのインスリン分泌ならびに糖代謝も低下するため高血糖が助長される.

💁 低体温に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2018-07-05

トリグリセライド 6,377 mg/dL

アルコールがトリグリセライドの著明上昇を誘発したV型高脂血症の1例
松下記念病院循環器科 大石佳央梨,他(松仁会医学誌 2011;50:99-103)

【要旨】症例は50歳代前半の男性。全身倦怠感を主訴に近医を受診した。3年前までは採血を含む健康診断を毎年受けていたが異常を指摘されたことはなかった。麺類の摂食1時間後に施行した採血でトリグリセライド6,377mg/dL、総コレステロール620mg/dL、HDLココレステロール31mg/dLであったため精査加療目的で当院へ紹介された。身長 166.0cm、体重70.0kg、眼瞼黄色腫・角膜輪・結節性黄色腫・アキレス腿肥厚はいずれもなかった。当院初診時における少量の白米摂取2時間後の採血では、トリグリセライド2,990mg/dL、総コレステロール750mg/dLと著名に上昇していたが、LDLココレステロールは77mg/dLで正常であった。血清は強乳ビを呈し、静置で上層に乳濁層を伴う白濁が出現した。本症例の表現型は、VLDLの増加を伴った高カイロミクロン血症でありV型高脂血症と診断した。本症例には脂質異常症の明らかな家族歴はなかったが、5年ほど前からエタノール換算で約500g/週の飲酒歴があった。禁酒を含む食事指導を行ったところ、脂質プロファイルは完全に正常化した。本症例は原発性よりも続発性V型高脂血症の可能性が高いと考えられた。

中性脂肪 TG
(投稿者 川崎)

2017-10-27

痙攣 vs 電解質異常

痙攣を生じる電解質異常と言えば・・・(毎週木曜日モーニングレクチャーより)




(投稿者 川崎)

2026-01-28

マグネシウムと意識障害

  • 先日,高マグネシウム血症で意識障害を生じた症例を経験しました(緩下剤の過剰摂取).その機序を脳神経内科の先生に教えてもらいました(┌○ ペコリ)
  • とても興味深かったので忘れないようにここに記載しておきます.なおマグネシウムは低値でも意識障害を生じるようです(日救急医会誌 1996;7:197-201)

👽 マグネシウム 
  • 生体内で4番目に多く存在する陽イオンで(他のイオンは下表),骨に70%弱存在して,細胞内には30%,血中にはわずかに0.2%
  • 血清4~6 mg/dL超で低血圧や嘔気,尿閉,イレウス他を生じ,進行なら骨格筋弛緩性麻痺,腱反射低下,徐脈,呼吸抑制,昏睡
  • 高濃度の細胞外Mgイオンは神経筋接合部のシナプス前からのアセチルコリン放出を抑制し,筋線維細胞膜の興奮性を低下させる
  • 興奮性神経伝達物質グルタミン酸の受容体であるNMDA受容体を阻害する作用があるため,高Mg血症では意識レベルが低下する


体内の3大イオン(Na/K/Ca)

💁 電解質に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2019-01-07

心電図クイズ

  • 意識障害で搬入された担癌症例(黒:今回/茶:2ヵ月前)




(投稿者 川崎)

2023-12-08

心電図マイスターへの道 ⑥

誘導の付け間違い:5パターン
  • Ⅱ 誘導が直線 ➜ RとアースRFの間違い
  • Ⅲ 誘導が直線 ➜ LとアースRFの間違い
  • Ⅰ 誘導ですべて陰性+aVRとaVLが逆 ➜ RとLの間違い(アースRFは正しい)
  • Ⅰ 誘導ですべて陰性+Ⅱ誘導ですべて陰性 ➜ RとLFの間違い(アースRFは正しい)
  • Ⅲ 誘導ですべて陰性 ➜ LとLFの間違い(アースRFは正しい)

Coumel現象(クーメル)
  • 頻脈発作中にwide QRSからnarrow QRSに移行する際に頻拍周期の短縮を認める,あるいは逆にnarrow QRSからwide QRSに移行する際に頻拍周期の延長を認める現象.通常は同側(右脚なら右側,左脚ブロックなら左側)に副伝導路を有する房室回帰性頻拍 ORTを示唆する所見.わかりやすいショート動画はココからどうぞ

ST上昇の鑑別
  • 早期再分極であれば通常,V6誘導でST高×4<T波高であるが,急性心膜炎ではST高×4>T波高となる
  • V2,3のterminal QRS distortion ➜ S波とJ波の両方がない所見で前下行枝の心筋梗塞を示唆(早期再分極 BRE: benign early repolarizationと鑑別に有用)
  • Spodick徴候 ➜ TからPへの移行が右肩下がりでなだらかになること.PR低下と同様に急性心膜炎を示唆する.
  • V4誘導のfish hook pattern ➜ 早期再分極を示唆する所見で,ST終末部が基線に戻らずJ波を形成(魚の釣り針様)

その他1
  • 多形性心室頻拍はQRS波形が異なりRR間隔が(多少)不整で,その亜型にtorsades de pointes(TdP)がある.いずれもQT延長に合併しやすい.
  • 低カリウム血症ではT波の平坦化に加えてU波の出現や増高を忘れずに
  • 漏斗胸の心電図は通常,V1ですべて陰性(P/QRS/T)+時計回転
  • 交代性脚ブロック(Alternating bundle branch block)は3枝ブロックの一種で,右脚ブロックと左脚ブロックが交互に出現する病態
  • 心房粗動の周期は通常300 bpmであるが,I 群薬(フレカイニドなど)で延長することが少なくない(例,250 bpm).その結果,1:1伝導を呈することがある.
  • P波を伴わない非頻脈性のwide QRSなら心室固有調律を考えるが,通常は20-40 bpmであることに要注意.50 bpmならもともと脚ブロックのある接合部調律のことあり
  • 低Mg血症の心電図はQT延長やST低下,T波の平低化など.ちなみにQT延長はMg,Ca,Kのいずれの低下でも生じる.
  • Sgarbossaの基準(左脚ブロック例で心筋梗塞の診断基準)➜ 上向きQRSを示す誘導で1 mm 以上のST上昇(positive concordant),V1~V3 誘導で1 mm以上のST下降(negative concordant),下向きQRSを示す誘導で5 mm以上のST上昇が2誘導以上のいずれか一つ(過去の投稿)
  • スミスの基準ではST上昇あるいはST低下がS波高あるいはR波高の25%以上であれば心筋梗塞を示唆(過去の投稿)➜ 修正Sgarbossaの基準

その他2
  • Ashman(アッシュマン)現象:先行RRが長いと不応期が長くなるため,long-short sequenceで生じたQRSでは変更伝導が生じやすくなること.上室期外収縮や心房細動で見られる.
  • 一見,完全房室ブロックに見えても,一回でもPとQRSが繋がっていれば(RR間隔が短縮する/QRSの形も変化あり),高度房室ブロックに分類
  • 心房中隔欠損 ASD では不完全右脚ブロック(+右脚あるいは正軸)を認めるが,左軸偏位ならば一次孔欠損(心内膜症欠損・房室中隔欠損)を疑う.ちなみにファロー四徴症なら術後に完全右脚ブロックを呈することが多い
  • 平低T波(flat T waves)はR波の1/10以下(ただしR波高が10 mm以上)あるいは-1.0 mm~+1.0 mm
  • ウェンケバッハは基本的にHis束の上(AH伝導)の問題で,徐脈時に多くアトロピンに反応があり運動時には消失する.一方,モビッツⅡ型はHVで切れて頻脈時(労作時など)に多くアトロピンやβ刺激に反応なし(むしろ増悪)
  • QT延長時にはQTを延長させる Ⅲ 群薬(カリウムチャネル遮断薬:アミオダロン,ニフェカラント(シンビット®),ソタコール)はもちろん使用しない
  • 発作生房室ブロック(paroxysmal atrioventricular block: PAVB)は2度房室ブロックに分類され,長時間の心停止からAdams- Stokes発作による外傷やけいれんに至ることが少なくない.
  • 心房細動を合併したWPWとLBBBは似た波形になることがある.しかしWPWではケント束の順行伝導の程度によってQRS波形が多少変化することからも鑑別可能

※参考コンテンツ:心電図マイスターチャンネル,他

💁 心電図マイスターに関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2019-11-02

家族性高コレステロール血症 FH (Familial Hypercholesterolemia)

成人の診断基準(下記の2項目以上でFHと診断)
  1. 高LDL-C 血症(未治療時のLDL-C値 180mg/dL 以上)
  2. 腱黄色腫(手背、肘、膝等またはアキレス腱肥厚)あるいは皮膚結節性黄色腫
  3. FHあるいは早発性冠動脈疾患の家族歴(2親等以内)



  • 原因はLDL受容体変異(8割以上で1000種以上),アポリポ蛋白やPCSK9の遺伝子変異
  • 頻度はFHホモ接合体では100万人に1人程度でFHヘテロ接合体は200~500人に1人
  • FHは稀な疾患ではなく高LDL-C患者の約8.5%(LDL-Cが250 mg/dL以上でFHを疑う)
  • 治療はヘテロ接合体ならスタチン,ホモ接合体ならLDLアフェレシスやPCSK9阻害薬など
  • 個人のリスクを考慮した定期的な冠動脈疾患の評価と家族のスクリーニング検査を施行
  • ホモ接合体や薬物治療抵抗、小児、妊娠中や挙児希望のヘテロ接合体は専門医へ紹介


👶 おまけ
アキレス腱肥厚はX線撮影の9mm以上で診断(エコー診断も可能のようですが・・・)

関連投稿 🉐

(投稿者 川崎) 

2023-04-30

副腎クリーゼ(急性副腎不全症) Adrenal crisis

急激な糖質コルチコイド(glucocorticoid)の絶対〜相対的欠乏による致命的病態
  • パターン1:慢性副腎不全にストレスが加わりステロイド需要量が増加
  • パターン2:長期服用ステロイドが不適切に減量・中止され供給量低下

💣 概略
  • ステロイド補償中の副腎不全症の44%が1度は発症(6.3 件/100 人・年)
  • アジソン病での頻度は約8%/その誘因は感染症63%,手術6%,外傷6%
  • 症状は悪心,腹痛,体重減少,発熱,血圧低下など多様で非特異的(下表)
  • 疑えばACTH,コルチゾールの測定用検体を採取後に躊躇なく治療を開始
  • 例:生食1000 ml/時+ヒドロコルチゾン100 mg静注+持続100-200 mg/日
  • 原発性副腎不全1,675名の後方追跡6.5年で副腎クリーゼによる死亡は1.5%

💢 症状と検査所見
  1. 脱水,低血圧,原因不明のショック
  2. 食欲低下,体重減少,嘔気,嘔吐,下痢
  3. 原因不明の腹痛・急性腹症
  4. 原因不明の発熱,関節痛
  5. 予期せぬ低血糖
  6. 低ナトリウム,高カリウム血症
  7. 貧血,好酸球増多
  8. 高カルシウム血症,BUN上昇
  9. 色素沈着,白斑


💁 クリーゼに関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2017-07-06

高Ca血症の心電図パート2(右胸痛)


V1-3誘導で僅かにST部分が上昇しているように見える
本症例も高Ca血症(補正血清カルシウム値14.1mg/dl)
最終的に肺癌による骨転移(胸痛)+高Ca血症と診断

(投稿者 川崎)

2017-12-27

心電図クイズ(倦怠感)




(投稿者 川崎)

2023-09-30

薬剤性腎障害 Drug-induced renal injury

📗 分類
  1. 直接型 ➜ 用量依存性に発症頻度が増加
  2. 過敏型 ➜ 用量非依存性でアレルギー機序が関与
  3. その他 ➜ 免疫学的機序を介した糸球体障害(微小変化型、膜性腎症)、腎血流低下、血管障害、閉塞性腎症など

📘 機序
  • 尿細管障害(急性尿細管壊死)➜ アミノグリコシド系、セファロスポリンなど
  • アレルギー機序(急性間質性腎炎)➜ メチシリン、NSAIDs、ST合剤など
  • 腎血流障害 ➜ NSAIDs、ACE阻害薬、造影剤、シクロスポリンなど
  • 血管障害 ➜ シクロスポリン、溶血性尿毒症症候群など
  • 尿細管閉塞 ➜ メトトレキセート、サルファ剤、化学療法時の高尿酸血症など
  • 尿細管機能異常 ➜ Fanconi症候群、尿細管性アシドーシス、リチウムなど
  • 免疫機序 ➜ 微少変化型ネフローゼ症候群、膜性腎症、血管炎など


🐾 豆知識
  • アレルギー機序が関与した薬剤性腎障害(急性間質性腎炎)では尿中の好酸球が増加

👤 実例(Sysmex Journal Web 2020;21:46-52)
  • 54才女性が1週間前から続く39度の発熱を主訴に入院した.前医で解熱鎮痛薬アセトアミ ノフェンと抗菌薬クラリスロマイシンとガレノキサシンが投与されていた. 
  • 尿細胞診は入院日の検査で好酸球増多はなかったが第2病日に14%に増加した.腹部エコーとCT検査で両腎に腫大を認めガリウムシンチグラフィで両側腎に集積を示した.
  • 腎生検所見では糸球体には異常なく,間質全体に高度の細胞浸潤があり好酸球も散在していた.薬剤性間質性腎炎と診断した.
  • Crは2.44 mg/dL まで上昇したが,上記薬物の中止とプレドニソロン30 mgの内服で,2月後に正常化した.ちなみに3剤のLST(リンパ球刺激試験)はいずれも陰性.

💁 尿検査に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2022-02-03

🎯 今週の一枚

心不全と末期腎不全で入院中の症例が呼吸困難を訴え,その後に意識消失



(投稿者 川崎)

2026-10-22

今週の一枚 🎯

体動困難でERに搬入された高齢男性

👀 解説
  • 心電図の胸部誘導で上に凸の軽度ST上昇
  • ベッドサイド心エコーで壁運動異常なし
  • 採血で慢性腎臓病の悪化あり(eGFR 11)
  • 補正後Ca 16.0 mg/dl(基準値:8.8-10.1)
  • 骨粗鬆症でエルデカルシトールを内服中
  • 最終診断は脱水および薬剤性の高Ca血症

👉 復習:高Ca血症 → QT短縮(一見,ST上昇様)

👻「今週の一枚」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

2017-07-05

高カルシウム血症と心電図(嘔吐で来院)


少しST部分が上昇しているように見える(特にV2-V4誘導)
心エコー図は正常で,血清Ca濃度が15.1mg/dlと判明

カルシウムイオンは心筋細胞の活動電位第2相に作用する
高Ca血症ではQT間隔が短縮してST上昇様に見えることがある

(投稿者 川崎)

2016-12-10

カマグと腎不全

酸化マグネシウム(Magnesium Oxide, MgO)は緩下+制酸
  • 緩下:難吸収性の炭酸塩となり水分を引き込み腸管内容物を軟化
  • 制酸:胃酸との中和反応による(MgO+2HCl→MgCl2+H2O)

慎重投与(添付文書は ココ )
 腎障害のある患者では高Mg血症(筋力低下,悪心,腱反射低下,呼吸抑制,意識障害,不整脈など)に至ることがある

腎不全症例で緩下剤による排便コントロール必要時は麻子仁丸(ツムラ126)を考慮

(投稿者 川崎)

2018-03-17

横紋筋融解アラカルト

1.健常者における血清CKの半減期は約36時間(Ochsner J 2015;15:58-69)

2.著しい高CK血症(CK:143万 IU/l)を認めた横紋筋融解・急性腎不全の1症例
【症例】26歳、男性 【主訴】発熱・筋肉痛【現病歴】生来健康。来院3日前に腹痛・下痢・発熱が出現し、2日前から全身が痛くなり歩行も困難になった。来院前日近医を受診したところ、CK 101万IU/L、Cr 7.1mg/dLを指摘され、無尿が続くため当院に転院となった。【入院時所見】意識清明、血圧128/89mmHg、心拍数67/分整、体温38.2℃、臍周囲・左下腹部に圧痛、下肢に把握痛あり。AST 3,136IU/l、LDH 46,099IU/l、CK 1,436,200IU/l、Ca 4.6mg/dl、U-A 20.3mg/dl、Cr 10.16mg/dl、アルドラーゼ 4,992U/l、血中ミオグロビン 300,000ng/ml。【入院後経過】第1病日より連日(その後隔日)に血液濾過透析を開始。第14病日に利尿期となり第19病日に透析離脱した。腎生検では糸球体に変化は乏しく、急性尿細管壊死の回復期と考えられる所見であった。【考察】横紋筋融解による急性腎不全は多数報告されているが、CKが100万IU/Lを超える報告は少ない。本症例では軽微な感冒様症状のみであったが、ウイルス感染が横紋筋融解の原因と考えられた。
(第214回日本内科学会近畿地方会 堺市立総合医療センター 小泉先生ほか)

3.当院で経験した筋トレ後にCKが95,100 U/Lまで上昇した症例(Intern Med 2017;56:1175-8)

🏃 長距離走と横紋筋融解については こちら からどうぞ

(投稿者 川崎)

2023-05-30

尿酸:覚え書

  • 痛風はおよそ男性120万人と漸増,女性は5万人で一定(厚労省)
  • 高尿酸血症に対する治療薬は生成抑制薬と排泄促進薬に大別可
  • 一次痛風は54%が排泄低下型,10%が産生過剰型,30%が混合型
  • 2011年に42年ぶりの新しい生成抑制薬(フェブキソスタット)
  • 近年,41年ぶりに新たな排泄促進薬(ドチヌラド)が販売開始
  • 尿酸の排出は2/3が腎臓経由で尿へ,残る1/3が腸管経由で便へ
  • ドチヌラド(ユリス®)は腎臓の再吸収過程を選択的にブロック
  • その高選択性のため尿酸結石の発症はほぼ考慮する必要がない
  • ガイドラインの推奨値6 mg/dlの達成率は痛風症例でも半数未満
  • 血清尿酸値の上昇は全死亡,心不全入院と有意に関連する(※)
  • 利尿薬の尿酸上昇はeGFR低下+NPT4を介す排泄の競合的阻害
  • 心不全患者の血清尿酸目標値は7.0 mg/dL以下(ただし推奨Ⅱb)

💁 尿酸に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)