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2024-03-10

アルティメット Ultimate

🚑 若者が全身の筋力低下でERに搬入
  •  医師「何か激しい運動していますか?」
  •  青年「アルティメットをやってます」
  •  医師「アルティメット...(何それ?)」
(※最終診断は周期性四肢麻痺)

🏃アルティメット(Ultimate)
  • 100m×37mのフィールドで行われる7人制のチームスポーツ
  • 意味は究極で技術・走力・持久力など様々な能力を要すため
  • 1968年にアメリカの高校生であるジョエル・シルバが考案
  • フライングディスクをパスしコート端でキャッチすれば得点
  • 身体接触は禁止され世界大会では17点の先取で勝敗を決定


アルティメット(Ultimate)| 競技紹介

💁 スポーツに関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2018-08-23

足底筋膜炎 Plantar fasciitis

物理的ストレスの反復で足底腱膜(plantar fascia)に炎症が生じた病態で足底腱膜炎とも呼ばれる

  • 症状 歩行開始時のかかと(踵骨)疼痛が典型
  • 疫学 主に40~50歳代,若いスポーツ選手など
  • 因子 扁平足などの変形足,肥満,スポーツ他
  • 診断 典型的症状と足底腱膜の付着部の圧痛
  • 鑑別 関節リウマチ,坐骨神経痛,踵骨障害など
  • 治療 安静,ストレッチ,NSAIDs,足底装具など
  • 症例 有森裕子(マラソン),浜口京子(レスリング)

(投稿者 川崎)

2024-03-02

骨化性筋炎 🦴 myositis ossificans

  • 概略 異所性骨化が特徴的な良性軟部病変(外傷性と非外傷性に大別)
  • 誘引 60-75%はスポーツによる外傷や手術の既往後に生じる外傷性
  • 疫学 良性軟部腫瘍の0.2%で全年代に発症(特にスポーツ外傷の若者)
  • 部位 通常は外傷を受けやすい部位である大腿部や上腕部等の腹側他
  • 病理 筋組織内に線維芽細胞の増殖と類骨組織が形成 → 類骨が石灰化
  • 治療 患部安静(36%が完全消失),外科切除(ただし刺激再発あり)


10週間前の外傷を契機に骨化性筋炎を発症した16歳の少年

(投稿者 川崎)

2018-05-19

オスグッド病

正式名称はオスグッド・シュラッター病(Osgood-Schlatter disease),別名は成長痛

名称の由来
  • アメリカの整形外科医Osgood RB (Boston Medical and Surgical Journal 1903;148:114-7)
  • スイスの外科医Schlatter C (Beiträge zur klinischen Chirurgie 1903;38:874-87)

疫学 10~ 15歳の2次成長期のスポーツ選手(ランニングやジャンプ主体)に多い
症状 膝の脛骨付近の疼痛,膝窩の痛み,脛骨粗面部の骨性隆起と圧痛など
機序 急激な骨成長と軟部組織の成長遅れ+反復運動による大腿四頭筋の牽引
診断 特徴的な患者層と身体所見,X線で骨端核の乱れや遊離骨片の発生など
治療 運動中止,対症療法(ストレッチングやテーピング,アイシング),鎮痛薬など
予後 成長期の一過性の病気であるため成長が終了すると多くは自然治癒する

(N Engl J Med 2018;378:e15:図の矢印は脛骨結節の硬化・断裂と軟部組織の腫脹/本例は両側性)

(投稿者 川崎)

2017-03-18

心電図 四方山話

若い男性の心電図


心電塾で朝から脱線した話題で少し盛り上がった(この心電図の本人はどんな人だろうと・・・)
  • 左室高電位 ⇒ 胸壁が薄いため ⇒ スタイルがいい(実際に身長・体重から確認)
  • 心拍数の微妙な揺らぎ ⇒ 迷走神経優位 ⇒ スポーツマン(これはウラが取れず)

(投稿者 川崎)

2018-11-27

学会だより

2018年11月24日に第126回日本循環器学会近畿地方会が開催されました
当院循環器内科から5演題を発表 😄 個人的に気になった演題は下記です

A-12 ステロイド治療が著効した心膜切開後症候群の一例
  • 心膜切開後症候群 post-pericardiotomy syndrome (PPS) ➜ 術後数日~数ヵ月に発症する再発性の心嚢水貯留.発熱や炎症反応(赤沈亢進)を伴い,機序として自己免疫反応が推察されている.予防はコルヒチン,治療はアスピリンもしくはイブプロフェン,状況に応じてステロイド全身投与や心膜腔内投与を考慮.

A-16 右心系感染性心内膜炎疑いで紹介された一例
  • 全身性炎症反応症候群 systemic inflammatory response syndrome (SIRS) ➜ サイトカインを中心とした免疫・炎症反応による非特異的な全身生体反応を把握するための臨床概念.様々な侵襲によって誘引される.

C-36 遺伝性QT延長症候群に対してカルベジロールに加えてナドロールを追加投与し,QTの改善を認めた1例
  • ナドロール ➜ β1非選択性の水溶性薬剤で商品名はナディック®(効能書き).適応は本態性高血圧症(軽症〜中等症),狭心症,頻脈性不整脈.当院では未採用.

E-7 Ganglionated Plexi検出のための高頻度刺激中に冠攣縮による右冠動脈完全閉塞を来した発作性心房細動の一例
  • Ganglionated Plexi ➜ 内因性自律神経の神経節のことで,肺静脈および心房組織に神経線維を出している.発作性心房細動の原因として同神経節の過活動(内因性自律神経過活動説)が提唱され,Ganglionated Plexiのアブレーションが行われることがある.

E-23 スポーツ関連血管病変:バトミントンが誘発と考えられた鎖骨下静脈閉塞からの考察
  • Wrightテスト ➜ 胸郭出口症候群が疑われたときに行う手技で,両上肢を外転・外旋・挙上して患側の橈骨動脈の触知が減弱すれば陽性.

H-6 Carey Coombs雑音を伴う究極Ⅲ音の一例
  • 究極Ⅲ音➜ 重症MRと左室拡張障害により究極的に増強されたときに出現したⅢ音(のことのようです).提示された症例は聴診上は巨大な単一心音であり,その実体はⅡ音と僅かに遅れた巨大Ⅲ音であった.

(投稿者 川崎)

2016-12-23

BRAT diet

下痢や嘔吐など急性胃腸炎時に推奨される食事パターン
バナナ、ライス、アップルソース、トーストの頭文字
いずれの食品も食物繊維が少なく消化しやすい


もちろん短期間ならBRAT dietよりも絶食+水分補給(スポーツ飲料やOS-1など)

(投稿者 川崎)

2026-07-22

ボクサー骨折 Boxer’s Fracture

  • パンチ動作に関連し生じた骨折で環指や小指の中手骨に多い
  • 特に先端の太い骨頭の根本の細くなった部分(頚部)に発生
  • 若年の男性でスポーツや喧嘩、肉体労働に従事する人に多い


- 職場での口論で机を叩きボクサー骨折を生じた56歳男性 -

(投稿者 川崎)

2025-10-08

ケルスス 禿瘡とくそう Celsus' Kerion

  • 毛髪に皮膚糸状菌が寄生した頭部白癬の一病態
  • 脱毛斑を生じて様々な程度の炎症や鱗屑を伴う
  • 戦前は男児の疾患であったが近年は大きく変化
  • 皮膚糸状菌が人から人,動物から人へ感染する
  • 毛嚢から侵入して真皮や皮下組織に化膿性炎症
  • 急性の経過をとり多発する膿疱が特徴的である
  • 炎症の強い例では疼痛が著しく腫瘤形成もある
  • リスクはスポーツ歴,ペット,ステロイド外用
  • 診断は毛髪や黒点の毛包内容を鏡検および培養
  • 治療はイトラコナゾールやテルビナフィン内服


- 柔道教室に通う8歳男児に生じたケルスス禿瘡 -

😃 雑学

(投稿者 川崎)

2023-03-12

腕神経叢損傷 Brachial plexus injury

  • 概要:外傷に伴う腕神経叢(そう)の損傷(別名は神経根引き抜き損傷や腕神経叢麻痺)
  • 原因:腕神経叢(第5~第8頚神経と第1胸神経で構成)の引き抜き,引き伸ばし,断裂
  • 実例:バイク走行やスポーツ中の転倒,機械へ腕の巻き込み,骨盤位分娩や肩難産の乳児
  • 診断:X線,頚部~鎖骨MRI,電気生理学的検査,身体所見(引き抜きならホルネル徴候)
  • 分類:上位型(肩周囲の障害),下位型(前腕~手指の障害),全型(上肢全体に及ぶ)
  • 症状:上肢しびれ~肩挙上や肘屈曲不可,手指麻痺(腕神経叢の損傷部位により異なる)
  • 治療:再建可能なら神経移植術,困難なら肋間神経や副神経の移行術や多数筋移行術など
  • 予後:経時的に軽快~全く回復しないものまで多様(急性期の早急な診断と対応が重要)


A,引き伸ばし;B,後神経節病変(断裂);C,神経節病変(引き抜き)

💁 神経叢に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2026-06-01

フェノコピー Phenocopy

  • pheno(表現型)+ copy(複製)の合成語で、芳名は表現型模倣など
  • 遺伝子型は異なるが、環境要因により同じ表現型が現れる現象のこと
  • 類語にジェノコピー(Genocopy): 異なる遺伝子変異で同じ表現型
  • Phenocopy=環境の遺伝子模倣、Genocopy=遺伝子同士の相互模倣

👬 臨床現場での実例
  • 肥大型心筋症は遺伝子の異常に関連する心肥大と考えられるが、高血圧性心疾患や大動脈弁狭窄症、スポーツ心臓、心臓アミロイドーシス、ファブリー病などもよく似た左室形態を呈する(phenocopy 現象)。よって肥大型心筋と診断する時には、これらのフェノコピー疾患を除外する必要がある。

(投稿者 川崎)

2021-01-21

🎯 今週の一枚

左膝の疼痛で来院した中学生(サッカー部)


(投稿者 川崎)

2019-07-04

梨状筋症候群 Piriformis syndrome

  • 梨状筋内を走行する坐骨神経が絞扼されて生じる病態
  • 症状は殿部の圧痛や坐骨神経領域のしびれ・疼痛など
  • 外傷やスポーツ活動に関連して発症することが多い
  • 治療は梨状筋ストレッチや梨状筋ブロック,稀に手術
  • MRIやレントゲンなどの画像検査では異常なしが多い

(Patrick J. Lynch & KDS4444, Wiki/Sciatic nerve=坐骨神経)

(投稿者 川崎)

2016-08-24

松下心電塾 

僧帽弁収縮期前方運動=SAM(サム)=systolic anterior motion (SAM) of mitral valve

僧帽弁の前尖が収縮期に前方(ビデオでは上方)に引き込まれ流出路狭窄を生じる現象
主に閉塞性肥大型心筋症で観察される所見で,大動脈弁狭窄と類似した血行動態になる


SAMを認める症例で強心剤(ジギタリスやカテコラミン類)を用いると,流出路狭窄が増悪して血行動態が破綻することがある.救急外来ERでSAMを伴うショック症例に遭遇したら,カテコラミン開始ではなくて補液を試みること.通常の外来ではベータ遮断薬の投与および生活指導(脱水や長時間立位の回避,サウナや競技スポーツの禁止など)を行なう.
(投稿者 川崎)

2019-09-18

デーレ小体 Döhle bodies

  • 梢血塗抹標本で好中球に認める直径1〜2μmの卵円形また紡錘形の青味斑点
  • 正確な組成は不明(成熟が遅れた細胞質中にリボゾームが残留と推測:引用)
  • 先天性血小板減少症メイ・ヘグリン(May-Hegglin)異常症に出現することあり
  • 後天性では重症感染症や火傷,骨髄異形成症候群などでも出現する(引用)
  • その名前はドイツの病理学者 Karl Gottfried Paul Döhle (1855-1928)に由来


関連投稿 😡

(投稿者 川崎)

2016-11-27

Paget-Schroetter syndrome

循環器学会地方会で聞き慣れない疾患が2演題,異なる施設から同時に報告されていました

Paget-Schroetter syndrome
  • 定義 : 基礎疾患を有さない症例に生じた上枝の深部静脈血栓症(DVT)のこと
  • 原因 : 通常利き腕側でスポーツに伴うことが多い(バレーボール, 野球, 重量挙げなど)
  • 機序 : 血管内皮の微小な損傷による凝固系の活性化が原因と考えられている
  • 合併症 : 血栓性閉塞,肺血栓塞栓症(上枝DVTの1/3に発症)
  • 治療 : 下肢のDVTと同様でヘパリンやワルファリン,DOAC(直接作用型経口抗凝固薬)

Paget-Schroetter syndromeを含めた上枝DVTの詳細は こちら へ
(投稿者 川崎)

2018-11-17

膝窩動脈補足症候群 Popliteal artery entrapment syndrome (PAES)

先天的な膝窩動脈の走行異常または膝窩部の異常筋束によ り膝窩動脈に圧迫〜閉塞を生じた病態
英国エディンバラ大学の(学生?)Anderson Stuartが初めて報告(J Anat Physiol 1879;13:162)

  • 疫学 30歳以下の若年者に多く発症頻度に左右差はない(両側性が50%以上)
  • 特徴 特に男性で強度の下腿筋運動を行うスポーツ選手(後天的的要因も関与)
  • 症状 下腿の疼痛や腫脹,間歇性跛行,捕捉部以下の狭窄後拡張(動脈瘤)
  • 診断 足関節背屈位での動脈触知,各種画像(エコー・MRA・CT・血管造影など)
  • 治療 血管形成や再建(動脈に器質的病変がなければ腓腹筋内側頭切離や異常筋束切除)


👶 ポイント 間欠的歩行を訴える若い症例(〜30代)を診察時には思い出したい症候群

(投稿者 川崎)

2024-07-06

格闘技ヘルペス Herpes Gladiatorum

  • 特殊な臨床像を呈するHSV(herpes simplex virus/単純ヘルペスウイルス)感染症の一型
  • Gladiatorumはラテン語から派生した言葉で古代ローマの剣闘士や討論会などの論客を意味
  • 濃厚な身体接触を伴うスポーツ選手に発生(レスリングやラグビー,ボクシング,相撲など)
  • 初報は米国のSellingとKibrickによるレスラー間の集団発生(N Engl J Med 1964:270:979-82)
  • 接触によるHSV‒1の経皮的感染で頭部や顔面,四肢など露出部に水疱や膿疱,びらんをきたす
  • 感染拡大しアウトブレイクを引き起こす(4週間のレスリング合宿で175名中60名が発症など)
  • 対策は発症者の治療+接触の多い格闘技の練習・試合は感染リスクがなくなるまで禁止など 
  • 抗ウイルス薬バラシクロビルの予防的内服がアウトブレイク予防に有効(日本は保険適用外)


高校レスリング合宿で生じた格闘技ヘルペスの症例

(投稿者 川崎)

2023-01-01

元旦からフィジカル 🎯 今週の一枚

  • 心房細動でワルファリンを長期内服している症例.アドヒアランスは良好でINR値も10年以上安定していた.定期受診で本人は「調子よい」と言うが採血で貧血が進行していた(INRは安定し過延長なし).ご本人に問うと「実は...」と言って服を脱いで見せてくれた.



(投稿者 川崎)

2017-03-28

スポーツ貧血 Sports Anemia

  • 激しい運動に関連する貧血(トップアスリートでは一般人より貧血の頻度が高い)
  • 原因は足裏の血管内で赤血球が機械的破砕される溶血(鉄欠乏の要因もある)
  • 軍隊の長時間歩行で兵士の尿が褐色になる行軍ヘモグロビン尿症と同じ原理

(投稿者 川崎)