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2024-09-15

Type 2 inflammation 2型炎症

  • 免疫応答の一つでIL-4,IL-5,IL-13などのサイトカインが中心的役割を示す
  • アトピーなどアレルギー性疾患の症例では2型炎症が病態形成の主たる反応
  • 2型炎症性疾患を1つ患っている人は他の2型炎症性疾患の可能性が上昇する

🐣 深掘り
  • IFNγなどの細胞性免疫に関わるサイトカインを産生するサブセットは1型ヘルパー (Th1) 細胞
  • IL-4 などの液性免疫に関与するサイトカインを産生するサブセットは2型ヘルパーT (Th2) 細胞
  • 慢性炎症性疾患はしばしばTh1/Th2バランス破綻に基づいて理解され2型炎症はTh2に偏倚する
  • (Th1中心の反応はType 1 inflammation [1型炎症] になると思われるがこのような表現は稀?)

💁 炎症に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2025-02-15

CRP陰性の発熱

CRP(C-reactive protein,C反応性蛋白)
  • IL-6,IL-1β,TNF-α,IFN-γなどのサイトカインにより肝細胞で作られる主要な急性相の反応物質
  • 抗炎症作用と炎症促進作用を有し感染・外傷・梗塞・自己免疫・炎症性疾患・悪性新生物で上昇
  • CRPが陰性で高体温を呈する病態として薬剤熱や妊娠,習慣性高体温症などがよく知られている
  • 他にSLE(全身性エリテマトーデス)やCRPが産生できない肝硬変頭蓋内に限局した炎症(下図)


- 無菌性髄膜炎の37歳女性の臨床経過 -

👽 おまけ<
  • 頭蓋内に限局した炎症でCRPが生成されない理由は,各種サイトカインが血液脳関門(Blood-Brain Barrier; BBB)を通過できないためと考えられています.一方,アルコールやカフェイン,ニコチン,GABA,麻薬の一部などは通過できます.
  • CRPの発見は米国の医師 Tillett らである(J Exp Med 1930;52:561-71).はじめは肺炎球菌の細胞壁多糖類(C多糖類/C-polysaccharide)と反応する物質として同定されたため,C-reactive protein(C反応性蛋白)と命名されたようです.

(投稿者 川崎)

2020-02-15

Sepsis ➜ SIRS ➜ MODS

SIRS Systemic Inflammatory Response Syndrome(全身性炎症反応症候群)
  • 宿主への侵襲で産生されたサイトカインによって全身性の炎症反応が惹起された病態

MODS Multiple Organ Dysfunction Syndrome(多臓器障害症候群)
  • 過剰なサイトカインで惹起された炎症反応による2つ以上の重要臓器・系の機能障害

CARS Compensated Anti-inflammatory Response Syndrome(代償性抗炎症反応症候群)
  • 侵襲による過剰な炎症性サイトカイン産生で免疫不全に陥った状態

MARS Mixed Antagonistic Response Syndrome(混合性拮抗反応症候群)
  • 宿主への侵襲で過剰に産生されたサイトカインでSIRSとCARSが同時におこった病態

🐤 独り言
  • SIRSの読み方はサースで,SARS(Severe Acute Respiratory Syndrome:重症急性呼吸器症候群)はサーズ.SIRSとMARSは,なんかSARSとMERS(Middle East Respiratory Syndrome:中東呼吸器症候群)と似ているかも…

(投稿者 川崎)

2025-10-08

ケルスス 禿瘡とくそう Celsus' Kerion

  • 毛髪に皮膚糸状菌が寄生した頭部白癬の一病態
  • 脱毛斑を生じて様々な程度の炎症や鱗屑を伴う
  • 戦前は男児の疾患であったが近年は大きく変化
  • 皮膚糸状菌が人から人,動物から人へ感染する
  • 毛嚢から侵入して真皮や皮下組織に化膿性炎症
  • 急性の経過をとり多発する膿疱が特徴的である
  • 炎症の強い例では疼痛が著しく腫瘤形成もある
  • リスクはスポーツ歴,ペット,ステロイド外用
  • 診断は毛髪や黒点の毛包内容を鏡検および培養
  • 治療はイトラコナゾールやテルビナフィン内服


- 柔道教室に通う8歳男児に生じたケルスス禿瘡 -

😃 雑学

(投稿者 川崎)

2018-11-27

学会だより

2018年11月24日に第126回日本循環器学会近畿地方会が開催されました
当院循環器内科から5演題を発表 😄 個人的に気になった演題は下記です

A-12 ステロイド治療が著効した心膜切開後症候群の一例
  • 心膜切開後症候群 post-pericardiotomy syndrome (PPS) ➜ 術後数日~数ヵ月に発症する再発性の心嚢水貯留.発熱や炎症反応(赤沈亢進)を伴い,機序として自己免疫反応が推察されている.予防はコルヒチン,治療はアスピリンもしくはイブプロフェン,状況に応じてステロイド全身投与や心膜腔内投与を考慮.

A-16 右心系感染性心内膜炎疑いで紹介された一例
  • 全身性炎症反応症候群 systemic inflammatory response syndrome (SIRS) ➜ サイトカインを中心とした免疫・炎症反応による非特異的な全身生体反応を把握するための臨床概念.様々な侵襲によって誘引される.

C-36 遺伝性QT延長症候群に対してカルベジロールに加えてナドロールを追加投与し,QTの改善を認めた1例
  • ナドロール ➜ β1非選択性の水溶性薬剤で商品名はナディック®(効能書き).適応は本態性高血圧症(軽症〜中等症),狭心症,頻脈性不整脈.当院では未採用.

E-7 Ganglionated Plexi検出のための高頻度刺激中に冠攣縮による右冠動脈完全閉塞を来した発作性心房細動の一例
  • Ganglionated Plexi ➜ 内因性自律神経の神経節のことで,肺静脈および心房組織に神経線維を出している.発作性心房細動の原因として同神経節の過活動(内因性自律神経過活動説)が提唱され,Ganglionated Plexiのアブレーションが行われることがある.

E-23 スポーツ関連血管病変:バトミントンが誘発と考えられた鎖骨下静脈閉塞からの考察
  • Wrightテスト胸郭出口症候群が疑われたときに行う手技で,両上肢を外転・外旋・挙上して患側の橈骨動脈の触知が減弱すれば陽性.

H-6 Carey Coombs雑音を伴う究極Ⅲ音の一例
  • 究極Ⅲ音➜ 重症MRと左室拡張障害により究極的に増強されたときに出現したⅢ音(のことのようです).提示された症例は聴診上は巨大な単一心音であり,その実体はⅡ音と僅かに遅れた巨大Ⅲ音であった.

(投稿者 川崎)

2017-04-13

NSAIDsの注射

Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugsの略/邦名は非ステロイド性抗炎症薬
経口薬・坐薬・経皮吸収薬・皮膚外用薬として多くの薬剤が使用可能
ただしNSAIDsの注射薬は下記の2種のみ
  • 筋注 ケトプロフェン(商品名カピステン/当院採用)
  • 静注 フルルビプロフェンアキセチル(商品名ロピオン/当院採用)

皮下または筋肉注のスルピリン(商品名メチロン/当院採用)や静注のアセトアミノフェン(商品名アセリオ/当院採用)は抗炎症(Anti-Inflammatory)作用を有しないため厳密にはNSAIDsでないと考える

NSAIDsの詳しくページ ⇒ 痛みと鎮痛の基礎知識 - Pain Relief ーNSAIDs/ピリン系/ステロイド性抗炎症薬

(投稿者 川崎)

2024-08-02

PAPAパパ症候群

  • Pyogenic Arthritis, Pyoderma gangrenosum and Acneの略語
  • 邦名では化膿性無菌性関節炎・壊疽性膿皮症・アクネ症候群
  • PSTPIP1の機能獲得型変異による常染色体優性(顕性)遺伝
  • PSTPIP1関連炎症性疾患とも言われる自己炎症性疾患の一つ
  • 3歳以下で化膿性無菌性関節炎として発症し他は思春期以降
  • 治療はNSAIDsやステロイド,免疫抑制剤や生物学的製剤など
  • 頻度は現在日本に100名ほどで生命予後は比較的良好である


自己炎症疾患(autoinflammatory diseases)の特徴

(投稿者 川崎)

2017-04-25

肉芽腫性疾患 Granulomatous disease

炎症細胞が集まり周囲をリンパ球や形質細胞,線維組織が取り囲んでいる巣状病変のこと
組織に侵入した異物を貪食・分解できない時,隔離するため形成される炎症反応のひとつ

代表的疾患
  • サルコイドーシス,結核,ヒストプラスマ症(真菌感染症の1つ)

その他の疾患
  • 感染症(梅毒・住血吸虫症・アメーバ赤痢・回虫症・腸チフス・野兎病・猫ひっかき病・心内膜炎・ウィップル病・ノカルジア症・非定型抗酸菌症・アスペルギルス症・Q熱・ハンセン病など),鼠径リンパ肉芽腫,リンパ腫,炎症性腸疾患,血管炎および結合組織病(多発血管炎性肉芽腫症・結節性多発動脈炎・巨細胞性動脈炎・アレルギー性血管炎など),結節性紅斑,薬剤性,異物(硫酸バリウム・造影剤・脂質・縫合糸など),肝胆道疾患(原発性胆汁性胆管炎・脂肪肝・脂肪肉芽腫など)

(投稿者 川崎)

2026-06-26

COXコックス:1 vs 2

  • シクロオキシゲナーゼ(cyclooxygenase:COX)が遊離したアラキドン酸を酸化させてprostaglandins(PG)G2が形成される
  • その後に産生される各種PGsは,局所で増加した発痛物質ブラジキニンの痛覚受容体感受性の閾値を低下させ疼痛を増悪させる
  • NSAIDsはCOXの疎水性チャネルを封鎖することでアラキドン酸が酵素活性部位に結合することを防ぎ,抗炎症,鎮痛効果を発揮
  • COX-1は多くの細胞に構成的に発現し,胃粘膜,血管内皮,血小板および腎臓における組織保護作用を有するPGsの生合成に関与
  • 一方, COX-2は通常は細胞内にはほとんど存在しないが, 関節リウマチなど炎症組織において炎症関連細胞に著明に発現する


- NSAIDsCOX1 & COX2 -


(投稿者 川崎)

2026-07-08

蜂窩織炎と炎症反応

  • 先日、炎症反応(白血球数やCRP)が正常である下腿の蜂窩織炎の症例を経験しました。発症直後ではなくて、下腿の発赤や腫脹、熱感、圧痛(ケルススの四徴候)はしっかりありました。 
  • 個人的には「蜂窩織炎の診断がどうなんだろ~」と思っていました。しかしその後、別の指導医の先生から、論文上は炎症反応が目立たない蜂窩織炎は意外に少なくないことを教えてもらいました。
  • 蜂窩織炎の症例で白血球増多とCRP上昇の頻度は、各々34~50%および77~97%だそうです(Neth J Med 2017;75:366-78Int J Dermatol 2010;49:1012-7J Infect 2005;51:383-9
  • 逆に蜂窩織炎で入院した259人中30.5%が誤診で、正しくはうっ滞性皮膚炎やうっ滞性潰瘍、痛風、心不全、非特異的浮腫、深部静脈血栓症だったようです(JAMA Dermatol 2017;153:141-6

- 蜂窩織炎:白血球数(A)、赤沈(B)、C反応性蛋白(C)、プロカルシトニン(D)と体温との相関 -

(投稿者 川崎)

2017-08-26

松下金曜会 「骨盤痛」

骨盤痛のレッドフラッグと重篤な原因
  1. 疼痛の持続期間<15日 ⇒ 虫垂炎,急性骨盤内炎症性疾患
  2. 淋菌保有者との性的接触,発熱または悪寒 ⇒ 骨盤内炎症性疾患
  3. 異常な膣出血 ⇒ 骨盤内炎症性疾患,子宮内膜症,異所性妊娠(子宮外妊娠),急性虫垂炎,閉経後女性の子宮内膜癌
  4. 一過性の反復痛で始まる進行性の疼痛 ⇒ 付属器捻転
参考書籍:「聞く技術 答えは患者の中にある」

(投稿者 川崎)

2025-10-26

Misty mesentery(ミスティ・メセンテリー)

📢 CTレポートから
  • 開心術前の体幹CT(単純)で「腸間膜リンパ節がやや目立ち,脂肪織の毛羽立ち,misty mesenteryの可能性が...」と記載されていました.
  • その場にいた心臓血管外科医(卒後20年~)と循環器内科医(卒後30年~)はともに「misty mesentery」という用語を知りませんでした.

🚨 Misty mesentery
  • misty(形)霧かかった、霧状の/Mesentery(名)腸間膜(空腸と回腸を後方から支える二重の層)
  • CTで腸間膜脂肪の局所的な濃度上昇で代表疾患は腸間膜脂肪織炎 Mesenteric Panniculitis(自験例
  • その他に腸間膜浮腫、リンパ浮腫、出血、炎症性または腫瘍細胞浸潤など、さまざまな原因がある

- 腸間膜脂肪織炎(mesenteric panniculitis:MP)に類似する腸間膜炎 -

A・B:急性膵炎を有する43歳男性の造影CT横断像(A)および冠状断像(B)。炎症に伴う腸間膜脂肪濃度の局所的上昇と軽度のリンパ節腫大(A、矢印)を認める。膵臓自体はCT上正常にみえるが、腹水(B、矢頭)および後腹膜腔内の液体貯留が認められ、腸間膜脂肪織炎以外の診断を強く示唆する。(AI訳)
C:急性虫垂炎を有する28歳女性の造影CT横断像。虫垂(矢印)の炎症に続発して、腸間膜脂肪濃度の局所的上昇を認める。(AI訳)

(投稿者 川﨑)

2017-07-07

自己炎症症候群 Autoinflammatory syndromes

自然免疫異常が炎症サイトカインを惹起し臓器障害に至る病態(獲得免疫の異常による自己免疫疾患とは異なる
三大項目:原因不明の炎症所見あり+高力価の自己抗体や自己反応性T細胞なし+先天的な自然免疫の異常あり
マクロファージや好中球,NK細胞が責任細胞と考えられ,皮膚や関節,消化管,漿膜,中枢神経などに症状が出現
英国リーズ大学の免疫学者McDermottが1999年に提唱した観念 (McDermott MF, et al. Cell. 1999;97:133-144

疾患例
  • 家族性地中海熱(FMF)
  • 高IgD症候群
  • TNF受容体関連周期熱症候群(TRAPS)
  • クリオピリン関連周期熱症候群
  • 成人発症型スティル病
  • 若年発症サルコイドーシス
  • クローン病
  • PAPA(化膿性関節炎・壊疽性膿皮症・座瘡)症候群
  • SAPHO症候群
  • 遺伝性血管性浮腫(HAE/C1インヒビター欠損症)
  • ベーチェット病
  • 痛風/偽痛風

(投稿者 川崎)

2017-02-10

原因菌の同定に100年を要した感染症

ウィップル病 Whipple's disease

1907年に米国の病理学者であるGeorge Hoyt Whippleにより報告された炎症性疾患
原因菌 Tropheryma whippelii の培養に成功したのは今世紀に入ってから

  • 40歳以上の白人男性に多く,腸管を中心に心臓や肺、中枢神経などの全身臓器に感染
  • 症状は下痢,脂肪便,体重減少,発熱,リンパ節腫脹,心内膜炎,胸膜炎,関節炎など
  • 診断はPAS染色陽性となる炎症細胞内顆粒,PCR,16S rRNA遺伝子の証明など
  • 治療はSM+PCGあるいはSM+CTRXを2週間投与した後にST合剤を1~2年内服する

詳細はこちら ⇒ Whipple's disease. N Engl J Med. 2007;356:55-66.

(投稿者 川崎)

2016-11-21

胃蜂窩織炎

胃蜂窩織炎とは胃壁の粘膜下層を中心に拡がる非特異的化膿性炎症疾患

原因
  • 胃疾患や異物,薬物による粘膜損傷から細菌侵入
  • 抜歯後や上気道炎などの感染巣から血行性感染
  • 膵炎や胆嚢炎など近接臓器から炎症の直接波及
  • 成因が特定できないあるいは不明である特発性
症状
  • 急性期は悪寒・発熱・上腹部痛・悪心・嘔吐
  • 慢性期は食欲不振・上腹部不快感など
治療
  • 従来より観血的治療法を第一選択にすべきという報告が多い
  • しかし近年保存的治療法(抗菌薬)による治癒例も散見される

 参考  急性胃蜂窩織炎の1例 日消誌 1999;96:1226-1270
 ⇒ 各種画像検査で胃体部にびまん性の壁肥厚所見を認め,胃粘膜生検部位から膿汁の流出(後に化膿性連鎖球菌と大腸菌と判明)があったため胃蜂窩織炎と診断して,抗生物質(SBT/ABPC)の投与で手術を回避できた症例報告

(投稿者 川崎)

2023-08-02

ケルススの四徴候

  • 古代ローマ時代の医学者ケルスス(Aulus Cornelius Celsus: 紀元前25年頃 - 紀元後50年頃)が記述した炎症に伴う4つの所見(発赤・腫脹・熱感・疼痛).
  • ローマ帝国時代のギリシャの医学者ガレノス(αληνός:129年頃 - 200年頃)が提唱した機能障害を4徴に加えてガレノスの五徴候と呼ばれることもある.

- 炎症の五徴候 -

(投稿者 川崎)

2020-06-26

プロトピック軟膏(タクロリムス)

  • タクロリムスはヘルパーT細胞によるサイトカイン産生を阻害する。さらに炎症性細胞である肥満細胞にも直接作用することで、ヒスタミン遊離を抑制し、アトピー性皮膚炎に有効性を示す。
  • プロトピック軟膏0.1%の抗炎症作用はstrongクラスのステロイド外用薬と同等である。
  • アトピー性皮膚炎においては、ステロイド外用薬とプロトピック軟膏を適切に選択し、組み合わせて寛解導入することが治療の基本となる。
  • 重症の皮疹には、原則としてまずvery strongクラス以上のステロイド外用薬により皮疹の改善を図ったのち、プロトピック軟膏に移行することが推奨されている。

【使用のタイミング】
  1. 強いクラスのステロイド外用薬に続いて使用することで、症状を確実に安定させる方法
  2. 症状の悪化に合わせて早期に使用することで、ステロイド外用薬を使用せずプロトピック軟膏単独で症状の悪化を抑える方法
  3. 悪化しやすい部位に、再び悪化するのを抑えるためにプロトピック軟膏を適宜継続して使用する方法

(投稿者 小森)

2022-07-11

VEXAS syndrome ベクサス症候群

  • VEXAS=Vacuoles, E1 Enzyme, X chromosome, Autoinflammatory, Somatic(液胞,E1酵素,X連鎖,自己炎症,体細胞)
  • X染色体上にあるユビキチン活性化酵素E1(UBA1)に影響を与える細胞変異に基づく致命的な治療抵抗性の炎症性疾患
  • アメリカ国立衛生研究所のBeckらが25人の男性患者を解析して提唱した病態(N Engl J Med 2020;383:2628-2638
  • 再発性多発性軟骨炎・Sweet症候群・結節性多発動脈炎・巨細胞性動脈炎・骨髄異形成症候群・多発性骨髄腫に類似
  • 成人後期(通常は50歳〜)の男性に発生して,現時点では高用量のコルチコステロイド療法を行うが進行性で死亡率は高い

(投稿者 川崎)

2017-11-25

松下金曜会 「肛門直腸痛」

肛門直腸痛のレッドフラッグと重篤な原因
  1. 体重減少,疲労 ⇒ 癌,感染,炎症性腸疾患
  2. 慢性貧血,血便,発熱,腹痛 ⇒ 癌,炎症性腸疾患,感染(膿瘍)
  3. 数日間で徐々に疼痛が悪化 ⇒ 膿瘍
  4. 感覚消失または筋力低下 ⇒ 脊髄または神経根,末梢神経の癌もしくは感染
  5. 50歳を過ぎた患者で排便習慣が変化 ⇒ 結腸癌
参考書籍:「聞く技術 答えは患者の中にある」

(投稿者 川崎)

2017-07-01

松下金曜会 「炎症性皮膚疾患(発疹)」

炎症性皮膚疾患(発疹)のレッドフラッグと重篤な原因
  1. 皮膚の痛み ⇒ スティーブンス・ジョンソン症候群,中毒性皮膚壊死症,壊死性筋膜炎,カルシフィラキシー
  2. 融合性紅斑(皮膚全体が明るい赤色) ⇒ トキシックショック症候群,中毒性皮膚壊死症,好酸球増加および全身症状を伴う薬疹
  3. 口唇の腫れ,嚥下困難,手掌や足底のそう痒 ⇒ アナフィラキシー
  4. 関節痛 ⇒ 全身性エリトマトーデス,播種性淋菌感染,膵皮下脂肪炎
  5. 触知可能な紫斑 ⇒ 白血球破砕血管炎,ロッキー山紅斑熱
参考書籍:「聞く技術 答えは患者の中にある」

(投稿者 川崎)