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2020-01-31

アジミ体操

  • 意識障害の分類であるグラスゴー・コーマ・スケール(GCS)で運動機能(M)の覚え方
  • 帝京大学の救急の安心院(あじみ)先生が考案(プレホスピタル・ケア 2008;21:1-3 ?)

対談.意識障害/一部改変)

🍭 GCSの覚え方
  • 英語のリスニング練習もかねて(字幕も利用できるよ)⇒ コチラ(正常はE4V5M6でeyesは4文字,verval=mouthは5文字,motorsは6文字という説明は分かりやすいね)

🉐 関連投稿(覚え方編)

(投稿者 川崎)

2020-01-30

Index beat

  • ちょっと誤解していたので…(忘れない様にアップしておきます)
  • 測定するのは下図の青矢印(その一つ手前の心拍と思っていました)
  • 心エコー図テクニックの一つIndex beatについてはコチラへどうぞ

🉐 関連投稿(index編)

(投稿者 川崎)

2020-01-29

抗凝固療法中の脳梗塞急性期再開通治療

🗿 目安
  1. ワルファリン服用中 ➜ PT-INR>1.7なら適応外
  2. ヘパリン投与中 ➜ aPTT>1.5倍(目安として>40秒)なら適応外
  3. ダビガトラン ➜ aPTT>1.5倍(目安として>40秒)あるいは最終服用後4時間以内なら適応外
  4. リバーロキサバン,アピキサバン,エドキサバン ➜ PT-INR>1.7またはaPTT>1.5倍(目安として>40秒)あるいは最終服用後4時間以内なら適応外


👶 呟き

直接作用型経口抗凝固薬(ダビガトラン)や抗Xa薬(リバーロキサバン,アピキサバン,エドキサバン)の効果を判定する適切なマーカーが臨床普及していないことが問題です.ただしダビガトランに限り特異的な中和薬(イダルシズマブ)が使用できるため,ダビガトラン服用中の脳梗塞に対しては中和剤投与後の急性期再開通治療は理論的に可能なようです.

(投稿者 川崎)

2020-01-28

NEJM: 新型肺炎 2019-nCoV

  • Lancetと同様に2020年1月24日にNEJM onlineで論文が無料公開(
  • 2019-nCoVに罹患した3例とそのウイルスの遺伝子および分子系統解析
  • レントゲンの症例は61歳の男性で発症8日目と11日目(最終的に死亡)

COVID-19 新型肺炎 コロナ
(投稿者 川崎)

眼瞼下垂


コンタクトレンズ眼瞼下垂 👀
  • 疫学 ハードレンズを10~15年以上使用している女性に多い(平均40歳代)
  • 症状 重いまぶた,目の奥の痛み,顎関節症状や肩こり(開眼時に力むため)
  • 原因 レンズ装用や着脱時の刺激による上瞼結膜の慢性炎症が筋肉に波及
  • 治療 レンズ中止,ステロイド点眼,上眼瞼挙筋の挙筋短縮法や挙筋前転法

(投稿者 川崎)

2020-01-27

守口ヘモグロビン Hb Moriguchi

🔎 概略
  • 遺伝子変異によってアミノ酸が置換されたヘモグロビンの総称である異常ヘモグロビンの一つ
  • 当院(大阪府守口市)で発見されたため Hb Moriguchi と命名(Hemoglobin 1989;13:367-76
  • その他の異常ヘモグロビンにはHbS(鎌状赤血球症の原因)やHbH(サラセミアの原因)など

😶 おまけ
  • メトヘモグロビン(MetHb)とはヘモグロビン内の二価鉄イオンが三価になっているもの
  • 正常者でも僅かに存在(2%未満)/酸素結合能が(ほぼ)ないため増加するとチアノーゼ
  • 先天性MetHbは稀/後天性MetHbは薬剤性や窒素の多量摂取(肥料)あるいはNO吸入など
  • 糖尿病合併時にHbA1cが上昇しにくい(グリコアルブミンや免疫法でのHbA1c測定が必要)

症例報告
糖尿病 2016;59:401-6(一部改変)

(投稿者 川崎)

2020-01-26

Lancet:新型肺炎 The 2019-nCoV

  • 2020年1月24日付けでLancet Online版に論文が無料公開(https://doi.org/10.1016/S0140-6736(20)30183-51
  • The 2019-nCoV infectionと名付けられSARS (severe acute respiratory syndrome)と同様に高いICU入室+死亡率と結論

COVID-19 新型肺炎 コロナ
(投稿者 川崎)

排便時の怒責と血圧

排便時の怒責中に息切れを自覚してERに搬入されたクリニカル・シナリオ1の心不全症例を経験.おそらく排便中の怒責による血圧上昇のため慢性左心不全が悪化したのだろうと指導医は説明.しかし後で調べてみると「排便中の怒責 ➜ 血圧が常に上昇」などというシンプルな反応ではなかった 😱

👉 原則 排便時怒責に伴う血圧変化は怒責程度や体位に関わらず一定のパターン
  1. 怒責開始で血圧は上昇し最大値(バルサルバ法のI相)
  2. 怒責の持続で血圧は低下し最小値(バルサルバ法IIa期)
  3. 怒責の終了時で血圧は再上昇(バルサルバ法IIb期)
  4. 怒責終了後に血圧は一過性低下(バルサルバ法III相)
  5. その後に血圧は反跳性上昇(バルサルバ法IV相)


🉐 関連投稿(血圧編)

(投稿者 川崎)

2020-01-25

ハリソン溝 Harrison's groove (or sulcus)

  • 胸郭下縁(横隔膜の肋骨付着部に相当)の水平陥凹溝のことで,主に吸気時に出現する
  • 先天性または後天性ビタミンD欠乏症による骨石灰化障害(くる病,Rickets)などで出現
  • 命名はEdward Harrison (1766-1838)に由来/もしくはEdwin Harrison (1779-1847)?(


(投稿者 川崎)

2020-01-24

HbA1c vs GA

🔎 概略
  • グルコースは種々の蛋白質と非酵素的に結合する(本来は不安定な結合であるが高濃度グルコースが持続すると安定型になる)
  • グリコヘモグロビン(HbA1c)は赤血球のヘモグロビン(寿命は120日くらい)と結合/過去1~2ヵ月の平均血糖を反映する
  • グリコアルブミン(GA)は血清アルブミン(半減期は約17日)と結合/過去2週間の平均血糖を反映/変動幅はHbA1cの約3倍
  • 1,5アンヒドログルシトール(1,5AG)はグルコースに似た糖アルコールで競合阻害され高血糖で低下/平均血糖は反映しない



🔎 GAの測定を考慮する病態
  • 経口糖尿病薬やインスリンの開始あるいは変更時の効果判定
  • 妊娠時など,より厳密な血糖コントロールを必要とする場合
  • 肝硬変や腎不全,貧血(赤血球の寿命の短縮でHbA1cが低下)
  • 乳び血症やアルコール多飲時(HbA1cは偽高値となりやすい)

おまけ 👴

アルブミンの代謝半減期が変化する病態(甲状腺機能異常やネフローゼ症候群など)ではGAの信頼度が低下するようです.またステロイド糖尿病ではアルブミン代謝が亢進するためグリコアルブミンは極めて低値になるそうです.逆に食後のみ血糖値が異常上昇する場合はGAは高値になるようです.


(投稿者 川崎)

2020-01-23

硬膜下血腫 硬膜外血腫

  • 急性硬膜血腫 ➜ 硬膜直下〜脳表の出血 ➜ CTで脳表を被う三日月型の白い影(下図の左脳側)
  • 急性硬膜血腫 ➜ 頭蓋骨と硬膜の間に出血 ➜ CTで骨直下に凸レンズ形の白い影(下図の右脳側)
(Case courtesy of Dr Ian Bickle, Radiopaedia.org. From the case rID: 28888)


🉐 関連投稿

(投稿者 川崎)

2020-01-22

覚知(かくち)

  • 【名詞】悟り知ること,消防機関や警察が火災や事件などを認知すること
  • 医療現場では救急搬送した症例の覚知時刻や覚知場所などで使われている
  • 救急統計では「覚知時刻は119回線が接続された時刻」に全国で統一(

🉐 漢字に関連する過去の投稿コチラ 👾

(投稿者 川崎)

2020-01-21

心機図

👉 定義
  • 心臓・大血管から発生し,かつ耳では聞こえない低周波の振動のうち,胸壁あるいは皮膚を介して認識しうる振動を,変換器(トランスデューサー)と増幅器を用いて波形として記録したもの 

「心疾患の視診・触診・聴診 心エコー・ドプラ所見との対比による新しい考え方」より

肥大型心筋症に特徴的な心機図(自験例)

😶 心尖拍動図の解説
  • 緩徐流入波(SF)に続く大きな心房収縮波(A) ➜ A波とⅣ音(S4)の一致に注目
  • 立ち上がり点(C)は左室収縮の開始点で概ね心電図R波の頂点付近と一致する
  • 駆出点(E)後に収縮後期の小隆起(end-systole shoulder, ESS)を経て急下降
  • 肥大型心筋症ではE〜ESSの隆起が持続する抬起性拍動を形成することが多い
  • 本例は大きなA波と抬起性拍動で二峰性心尖拍動(ダブルインパルス)を形成
  • 拡張早期最低点(O)の後に急速流入波(RF)が続く ➜ Ⅲ音があればRFに一致
  • 本例はⅡ音(S2)後に低調な振動を認めるがRFとは不一致でⅢ音と断定できず

👶 研修医時代の思い出
  • 超優秀だけどクールでほとんど何も教えてくれなかった先輩が珍しくアドバイス ➜ 「もっと心機図を勉強しろ」

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2020-01-20

前脊髄動脈症候群 Anterior spinal artery syndrome

🔎概略
  • 脊髄の主要な栄養血管は大動脈から起始し,前方3分の2は前脊髄動脈,後方3分の1は後脊髄動脈である.前脊髄動脈は上位頸髄領域では数本の栄養動脈を,また下位胸髄領域では1本の太い栄養動脈(Adamkiewicz動脈)を有するのみである.側副血行路に乏しい前脊髄動脈の血流障害によってその支配領域に神経脱落症状を生じた病態が前脊髄動脈症候群と呼ばれる.
(参考:MSD マニュアル)

  • 疫学 稀で不明(特発例では20〜70代と幅広く生じ,性差なく頻度は脳卒中の1/50〜1/100)
  • 原因 大動脈疾患・手術,心停止など(血栓症や動脈硬化との関連は乏しく原因不明も多い)
  • 診断 MRIで障害レベルの髄内病巣の確認(長軸で平均3.9椎体)かつ可及的な他疾患の除外
  • 経過 症状のピークまでの時間は半数が12時間以内/全例が48時間以内にピークに達している
  • 症状 四肢・対麻痺,知覚障害,膀胱直腸障害など(頸髄は腕肩,胸髄は背部,腰髄は下肢)
  • 治療 原因疾患があればその治療/ステロイドやヘパリンの投与は有効性が証明されていない



(投稿者 川崎)

2020-01-19

触れずに診断!

息切れで来院した症例の頸部所見(左は座位/右は臥床で枕あり)


🐧 解説
  • 座位で明瞭な頸部の拍動が,臥床では不明瞭である.拍動は陽性波 ➜ 頸静脈なら巨大v波(ランチージ徴候),頸動脈ならコリガン脈. ポイントは巨大v波ならば臥床で消失することはない(むしろ増強:ただし強い怒張で拍動が不明瞭になることはある).一方,ランチージ徴候は座位の方が観察しやすい(重力による虚脱増強のため).本例は最終的に高度の大動脈弁逆流によるランチージ徴候と診断された.
  • 頸静脈の拍動が動脈性か静脈性かは触診で概ね鑑別できる.分かりにくい症例でも,呼吸性変動の有無や聴診の併用(例:Ⅱ音を跨ぐか否か)で判断可能.でも視診のみで診断できらたカッコいい.これは心エコー図の前に聴診で弁膜症を診断することと似ている.もちろん視診は診断だけでなく治療効果の判定にも有用 ➜ 自験例

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2020-01-18

DKAアラカルト

DKA (diabetic ketoacidosis)=糖尿病性ケトアシドーシス
  • 血糖値が250 mg/dl未満になれば5%ブドウ糖を含んだ輸液を開始(治療開始4時間〜)
  • メイロンはpH<6.9で推奨されているがDKA改善を示す前向きランダム化比較試験なし


😎 一読をお勧め ➜ Clinical Question 2017年5月15日

(投稿者 川崎)

2020-01-17

第40回 松下バイリンガルカンファレンスより

経過について 😋
  • 順調な場合 ➜ The clinical course was uneventful.
  • 順調でない場合 ➜ The clinical course was complicated by pneumonia, sepsis, and...

検査や手術を受ける 😉
  • 過去 ➜ The patient underwent CT of the chest.
  • 予定 ➜ She is scheduled to undergo surgery for lung cancer.

😸 英語に関連する投稿 ➜ コチラ(画面右の分類からも選択可能です)

(投稿者 川崎)

2020-01-16

今週の一枚(外傷)

図の丸は疼痛部





(投稿者 川崎)

2020-01-15

抗GAD抗体 Anti-GAD antibody

  • GAD=Glutamic acid decarboxylase=グルタミン酸デカルボキシラーゼ
  • グルタミン酸からγ-アミノ酪酸の合成に必要な酵素で膵β細胞や脳などに存在
  • 抗GAD抗体は1型糖尿病の臨床診断前に出現するため早期診断や発症予測に有用
  • 2型糖尿病と診断され徐々に1型の病態を呈す緩徐進行1型糖尿病の診断にも有用
  • 抗GAD抗体の陽性率は1型糖尿病患者では70~80%,2型糖尿病患者では5%程度
  • 1型糖尿病の原因(自己免疫による膵β細胞の破壊)への抗GAD抗体の関与は不明


⭐️ 全身硬直症候群 Stiff person syndrome (SPS)でも50-70%で抗GAD抗体が陽性だよ

(投稿者 川崎)

2020-01-14

グラム染色クイズ

持続する発熱で来院し肝膿瘍と診断された症例のドレナージ液のグラム染色(強拡大)





(投稿者 川崎)

2020-01-13

アームドロップテスト Arm drop test

意識障害が疑われる仰臥位の状態で患者の顔の上に患者の上肢を他動的に持ち上げて離すテスト
  • 顔面を避けるような形で腕が落ちた場合(陽性)➜ 詐病やヒステリーなどを疑う
  • 顔面に当たる形で素早く腕が落ちる場合(陰性)➜ 意識障害あり(脳疾患など)

🉐 関連投稿(少し稀な意識障害)

当初の投稿では陽性と陰性を逆に記載していました.読者の方からご指摘をいただきました(下記コメント欄).当院の脳神経内科の滋賀先生にもいろいろと詳細に教えてもらいました.本当にありがとうございました.

(2022.5.11 追記:川崎)


(投稿者 川崎)

2020-01-12

急性肺塞栓症のレントゲン所見

Hampton's hump(白矢印)+Westermark's sign(白矢頭の間)+Palla's sign(黒矢印)

上記論文の筆者曰く「上記3所見を同時に認めた症例は初報告」だそうですが...
もちろん本例では肺動脈主幹の拡張(knucle sign)も認めています

🙋 確認

ハンプトンズハンプ(Hampton's hump)➜ 末梢へと広がる楔状浸潤影
  • 米国の放射線科医 Hampton らが報告(Am J Roentgenol Radium Ther 1940;34:305–26)

ウェスターマーク徴候(Westermark's sign)➜ 罹患部位の血管影の減少

パッラ(?)徴候(Palla's sign)➜ 肺動脈の下行枝のソーセージ様所見
肺血栓 肺梗塞 ナックル knucle
(投稿者 川崎)

2020-01-11

Cruveilhier-Baumgarten雑音

  • Cruveilhier-Baumgarten症候群で認める腹部の静脈性雑音
  • 同症候群は二次性の門脈圧亢進で(傍)臍静脈が開存した病態
  • (傍)臍静脈は通常,出生直後に血流が途絶して肝円索となる
  • 発音はクリュヴェーリエ・バウムガルテン(表記法-日本医学会)

🔎 名称の由来と出典
  • Cruveilhierはフランスの病理学者 (In: Anatomie pathologique du corps humain 1829-1835;1:16)
  • Baumgartenはドイツの病理学者 (Arb Geb Pathol Anat Inst Tubingen 1907;6:93)

🉐 雑音に関連する投稿コチラ(画面右の分類からも選択可能です)
CB 雑音
(投稿者 川崎)

2020-01-10

感染症クイズ

  • 尿路系の炎症が疑われる高齢者の無染色尿標本
  • 残尿感や掻痒感,排尿時痛などの自覚症状なし





(投稿者 江後/川崎)

2020-01-09

糖尿病性ケトアシドーシスを生じる薬剤

添付文書の副作用に糖尿病性ケトアシドーシスの記載がある薬剤は以下の通り。(当院採用薬のみ)
  • 抗精神病薬:リスペリドン、ペロスピロン、オランザピン、クエチアピン、アセナピン、アリピプラゾール
  • 免疫チェックポイント阻害薬:ニボルマブ、ペムブロリズマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ
  • SGLT2阻害薬:ダパグリフロジン、カナグリフロジン、エンパグリフロジン
  • リトドリン
  • リバビリン

(投稿者 小森)

fine VF

fineの意味 👻 今更ですが...
  • 【形容詞】素晴らしい,立派な,良い,晴れた,元気な,最高級の、細かい,細い
  • 【動詞】細かくなる,〜を細かくする,~に罰金を科す
  • 【副詞】良く
  • 【名詞】微粉,罰金

  • fine VF ➜ 振幅の小さい心室細動(もちろん良いVFや元気なVFではありません👺)
  • 厳密な定義はないと思われるが概ね振幅が0.1 mV (1 mm)から0.2 mV (2 mm)の間
  • 心室細動が長時間持続するとfine VFになり除細動成功のチャンスが減少しやすい
  • fine VFに対する用語としてcoarse VFが知られている(🙋 粗い or ザラザラした)


🉐 関連投稿

(投稿者 川崎)

2020-01-08

在宅用いみず野システム IMIZUNO-HOME system

  • 正式名称はInnovative MonitorIng Zone Under Network Observation for HOme MEdicine
  • 金沢大学工学部と射水市民病院が開発した在宅心不全症例の遠隔モニタリングシステム
  • ベッド上の患者の心拍・呼吸・体温などの生体情報を収集・蓄積・解析して病院に転送


(投稿者 川崎)

2020-01-07

傍胸骨拍動 ぼうきょうこつはくどう

食欲低下と下腿浮腫で来院した女性の胸壁運動(右が頭側でタオルは乳房を覆う)

🐌 解説
  • 明瞭な傍胸骨拍動(というより胸部全体の上下運動)➜ 呼吸は腹式で胸壁運動とは独立
  • 右室が拡大し胸骨裏面に広く張りつくためで,右室収縮期圧は60mmHg以上の予想(
  • 健常者では傍胸骨拍動は触知しない(胸壁の薄い若者ではタッピングを触れることあり)
  • 本例は僧帽弁逆流と三尖弁逆流による両心不全と診断(推定肺動脈収縮期圧は80mmHg)

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

📌 関連投稿傍胸骨拍動

(投稿者 川崎)

2020-01-06

無痛性甲状腺炎 Painless thyroiditis

  • 特徴 甲状腺痛なく甲状腺ホルモンが血中へ漏出(バセドウ病疑いの約1割)
  • 原因 不明だが自己免疫が関与?(慢性甲状腺炎やバセドウ病と合併例あり)
  • 誘因 出産,ストレス,ヨードの過剰摂取,薬剤性,他の自己免疫疾患など
  • 症状 甲状腺中毒症状(動悸やほてり,多汗,振戦,易疲労,体重減少など)
  • 検査 ヨードやTcの甲状腺摂取率低下(ホルモン値ではバセドウ病と鑑別難)
  • 経過 通常3ヵ月以内に自然治癒(ただし甲状腺機能低下症が続くことがある)
  • 治療 経過観察(強い動悸時などにはβ遮断薬)/抗甲状腺薬は不要(≒禁忌)


🉐 甲状腺の関連投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2020-01-05

ETチューブ

  • ET tube=endotracheal tube (ETT) ⇒ 気管内チューブ
  • 米国の咽喉科医Jacksonが1900年初頭に開発(彼の業績
  • tracheal tube(気管チューブ)の1つで口や鼻腔から挿入
  • 他にtracheostomy tube(気管切開チューブ)などがある

🔎 気管切開術はすでに古代史(紀元前3600年?)から行われていた様です(
(Public Domain)

🉐 気管挿管の関連投稿

(投稿者 川崎)

2020-01-04

MAPSO(マプソ)問診

プライマリ・ケアにおける精神的疾患のアプローチ法の一つ
プライマリケア医が遭遇しやすい5大疾患群の頭文字で構成
  1. Mood 気分障害 ➜ うつ状態希死念慮など
  2. Anxiety 不安障害 ➜ 全般性不安障害やパニック障害など
  3. Psychoses 精神病群
  4. Substance induced 物質関連障害 ➜ アルコールや薬物などの問題,他
  5. Organic/Others 器質性・その他 ➜ 認知障害や成人注意欠陥障害など


🙋 聞く技術に関連する投稿コチラ(画面右の分類からも選択可能です)

(投稿者 川崎)

2020-01-02

フォーミュラリー Formulary

💫 最近,耳👂にする機会が増えてきましたが今ひとつピンとこなかったので調べてみました

フォーミュラリーとは
  • 患者に対して最も有効で経済的な医薬品の使用方針


Formulary and formulary system
  • A formulary is a continually updated list of medications and related information, representing the clinical judgment of physicians, pharmacists, and other experts in the diagnosis, prophylaxis, or treatment of disease and promotion of health.
  • 翻訳:フォーミュラリーとは継続的に更新される医薬品および関連情報のリストで,病気の診断・予防・治療および健康増進に関する医師・薬剤師・その他の専門家の臨床判断を示している.


フォーミュラリーの用語解説 
  • 米国で民間保険会社から委託を受けたPBM(薬剤給付管理会社)が作成する医薬品の推奨リストのこと.通常は,①競合のない医薬品,②競合のある中で推奨される医薬品(臨床上の有用性,リベートなど),③競合のある他の医薬品,④後発医薬品に4分類されることが多い.また,全ての医薬品が収載されているわけではない.日本の薬価基準と違い,価格は載っていない.


formulary [fawr-myuh-ler-ee]
  1. a collection or system of formulas.
  2. a set form of words; formula.
  3. Pharmacology. a book listing pharmaceutical substances and formulas for making medicinal preparations.
  4. a list of prescription drugs covered by a health insurance plan.
  5. Ecclesiastical. a book containing prescribed forms used in the service of a church.

Formulary (pharmacy)
  • At its most basic level, a formulary is a list of medicines. 
  • 翻訳:最も基本的なレベルではフォーミュラリーは薬のリストです.


(投稿者 川崎)

2020-01-01

恒例の元旦からグラム染色クイズ

  • 発熱と意識障害 GCS 10 (E4V2M4) で来院した症例
  • 項部硬直もあったため頭部CT後に髄液穿刺を施行




(投稿者 川崎)