イメグリミンはメトホルミンと一部同じ化学構造を有する、テトラヒドロトリアジン系に分類される新規化合物である。
【薬理作用】
メトホルミン:膵外作用(肝臓・骨格筋での糖代謝改善)
イメグリミン:膵作用(グルコース濃度依存的なインスリン分泌促進)と膵外作用
【安全性】
・乳酸アシドーシス
臨床試験では認められていない。(市販直後調査で1件の報告あり)
重度急性腎不全ラットを用いた非臨床試験では、乳酸アシドーシスの惹起は認められなかった。そのリスクはメトホルミンよりも低い可能性がある。
・胃腸障害
悪心・下痢などの消化器症状はメトホルミンと同様。併用により高率となる。
・低血糖
リスク「低」
【用法用量】
1回1000mgを1日2回朝、夕に経口投与。他の経口糖尿病治療薬と異なり、増減の設定がない。
※現在、eGFRが45mL/min/1.73m
2未満の腎機能障害患者には投与が推奨されていないが、製造販売後臨床試験において安全性および忍容性が示されたため、添付文書が改訂される予定である。
・15≦eGFR<45:1回500mgを1日2回
・eGFR<15:1回500mgを1日1回
詳細な作用機序や有効性・安全性については、審査報告書(
https://www.pmda.go.jp/drugs/2021/P20210630002/400093000_30300AMX00280_A100_1.pdf)、インタビューフォーム(
https://www.info.pmda.go.jp/go/interview/1/400093_3969026F1027_1_009_1F.pdf)
を参照
(投稿者 小森)