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2024-12-03

白内障術後の緑内障

  • 患者さん 「眼と頭が痛くて吐き気がします」
  • 若手医師 「もしかして緑内障発作…ヤバい」
  • 指導医師 「眼の病気をしたことあります?」
  • 患者さん 「昨年に白内障の手術をしました」
  • 指導医師 「なら緑内障は考えにくいかな~」
  • 若手医師 「😕…なんで?」

🐙 原発閉塞隅角緑内障
  • もともと隅角が狭い眼球に生じる.眼軸が短く水晶体と虹彩が瞳孔縁で接しているため.房水は前房へ向かえず後房に貯留する(瞳孔ブロック).虹彩は前房側に持ち上げられ前房深度が浅くなるため,隅角が閉塞して房水の流出が妨げられて眼圧が上昇する(下図5aの上).
  • 虹彩切開術(レーザーか手術で孔)を行うと,瞳孔ブロックが解除できる(下図5aの下).ただし白内障がある症例では人工眼内レンズ移植が第一選択となる.人工眼内レンズは水晶体よりもはるかに薄く,房水が虹彩と人工レンズの間から前房へ向かう(下図5b)。

💁 緑内障に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2024-12-02

心不全の身体所見

  • 心不全の本体は左室充満圧の上昇(左室拡張末期圧ではない)あるいは左房圧の上昇と理解できます.よって肺動脈楔入圧(pulmonary capillary wedge pressure: PCWP)と強い関連を有する指標が心不全管理には有用です.
  • どうやら身体所見(自覚症状を含む)の中では頸静脈の膨隆(≠怒張/回避したい用語)が一番強い関連だったようです.これは個人的な肌感覚にも合っているかなと思います(もっともPCWPは滅多に測定していませんが...)

👀 おまけ
  • 上記論文はDr. Mark Draznerのグループからの報告です.ドレズナー先生はテキサス大学サウスウェスタン医療センターの内科教授で,心臓病学の臨床主任です.
  • 専門は心臓移植を含む重症心不全の治療などと思われます.特に心不全症例での右房圧と左房圧の関係では他の追随を許さない程の業績を挙げられています.
  • ただしX(旧Twitter)ではフォロワーが3,112名と寂しい限りです.あまり発言されていませんが... 2017年3月から計765ポストで,最近では月に一回くらい
Xより(@MarkDrazner

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2024-12-01

プロッター Plotter

先日,医療機関の機器更新を相談する会議であまり聞きなれない言葉(プロッター)を耳にしたので調べてみました.

  • 出力機器の一種で主に線を用いて描く(プリンターは点で描く)
  • かつての用途は建築や機械の設計で製図した図面を出力すること
  • 高精細な図を大判の紙に描けるという強みで最近見直されている
  • インクジェット形式も開発されて紙以外の特殊素材にも印刷可能

インクジェット式プロッターの例

(投稿者 川崎)