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2017-03-31

首吊りの医学用語

  • 首吊り=縊首(いしゅ),縊頸(いけい,いっけい)
  • 首吊りによる死亡=縊死(いし)
  • 頸部に残る痕=縊溝(いっこう)

参考
  • 首絞め=絞頸(こうけい)
  • 首絞による死亡=絞死(こうし)
  • 首絞による殺人=絞殺(こうさつ)

(投稿者 川崎)

2022-02-17

🎯 今週の一枚

転倒した高齢者のCT


(投稿者 川崎)

2025-01-23

今週の一枚 🎯

息切れが再発した拡張型心筋症例(座位)

😐 解説
  • 安静座位で頚部に拍動は視認しない
  • 深吸気(保持)でも拍動は出現せず
  • BNP値は157 → 1,400 pg/mLに著増
  • 最終的に心不全増悪と診断して入院
💁 追加コメント
  • 内頚静脈は深部静脈であるため胸鎖乳突筋を介する皮膚面の拍動として認識されます.よって本例のように評価が難しい場合があります.一方,外頚静脈は表在静脈であるため視認は容易ですが,中心静脈圧の推定には不向きです(その理由).
  • 高度の肥満では内頚静脈の観察は困難になります(本例のBMIは約35 kg/m2).BMIがあまり大きくなくても首が太くて短い場合(いわゆる猪首)では同様に観察が困難です.一つの目安は顎下や顎のラインが不明瞭なことでしょうか(下図)

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

👻「今週の一枚」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

2018-03-08

日本内科学会 第219回近畿地方会より

演題1 Spastic Jackhammer esophagusの1例
ナットクラッカー食道の1亜型(jackhammer esophagus/jackhammer=削岩機)と遠位食道痙攣(distal esophageal spasm)の合併

演題5 Painful left bundle branch block syndromeの1例
一過性の左脚ブロック出現時に胸痛を認めるが,冠動脈病変がない病態

演題108 当科で経験したブロンコレアの2例
ブロンコレア(気管支漏/bronchorrhea)は泡沫様と卵白様の二層性痰が100ml/日以上喀出される病態で,肺胞上皮癌・気管支拡張症・慢性気管支炎・肺結核などに伴う場合と原因不明の場合がある

演題125 首下がり症候群発症後第三病日に急性呼吸不全を呈した慢性心不全の1例
首下がり症候群(dropped head syndrome)とは体幹に対して頭部が前屈した病態と定義されている

演題139 自然縮小を示したperigraft seromaの1例
大動脈瘤などに対する人工血管留置後に生じる合併症で,人工血管からの血漿成分の濾出によって生じた漿液腫

演題201 過食によりDiabetic Lipemiaを合併した2型糖尿病の1例
diabetic lipemia(糖尿病性脂血症)とは(本来は1型)糖尿病に合併した高度の高脂血症(インスリン不足による高TG)

(投稿者 川崎)

2025-01-10

頸部ジストニア Cervical dystonia

  • ジストニアとは中枢性の持続的な筋緊張を特徴とする運動異常症のひとつ
  • 頸部ジストニアは首の筋肉に生じた局所性ジストニアで,別名は痙性斜頸
  • 薬剤(特に向精神薬の開始や減量・中止),脳疾患,外傷,習慣他が影響
  • 前屈・後屈・側屈・回旋・前方偏倚・後方偏倚・側方偏倚・側弯・肩挙上
  • 原因治療+ボツリヌス治療(第一選択),内服,手術,鍼,理学療法など

薬剤性の頸部ジストニアを呈した1例

💁 首に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2023-05-05

首の回しすぎに要注意

息切れを訴える症例(端座位)

🐦 解説
  • 顔がほぼ90度左側を向いている ➜ 各種頸静脈にも影響あり
  • 内頸静脈 ➜ 拍動を視認し吸気後は上縁上昇(頸部の上1/3)
  • 外頸静脈 ➜ 胸鎖乳突筋までは怒張(吸気負荷への反応なし)
  • 前頸静脈 ➜ 安静時に周期的拍動が明瞭(上縁は内頸と同じ)
  • ただ吸気では前頸静脈上縁はあまり変わらない(内頸と乖離)

😀 ショート動画は多くを語る
  1. 安静時の前頸静脈の心周期に伴う明瞭な拍動(上縁の上下運動)を考えると,外頸静脈にも同様の拍動が観察されてしかりです.よって本例は顔を左方に強く向けたことで外頸静脈が胸鎖乳突筋に圧排されていると考えられます.つまり「頸静脈拍動の評価時には首の回転はほどほどに」
  2. 内頸静脈の拍動上縁は吸気負荷後にかなり上昇しています(広義のクスマウル徴候が陽性).一方,明瞭な拍動を認めた前頸静脈の上縁は,吸気負荷でもさほど上昇していません.つまり「中心静脈圧の推定に,内頸静脈以外はあまり頼ってはいけない(特に周期的拍動を欠く時)」
  3. 「内頸静脈が座位で視認できる時に,吸気負荷で拍動が消失する症例があるのでは...」という意見があるようです.一見もっともらしく聞こえますが,個人的にはあまり経験したことがありません.つまり「座位で陽性ならクスマウルで悪化(吸気陽性)」😑 これは現在調査中です

※ 心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2017-01-02

第五のバイタル

古典的バイタルサイン=血圧,心拍数,体温,呼吸数(酸素飽和度は含まない!)

総合診療医の徳田安春先生は第五のバイタルサインとして静脈圧を提唱している
静脈圧は頸静脈の怒張で判定する(下記の図は急性心不全治療ガイドラインより)

図.非観血的中心静脈圧の推定法

 覚え方  ざっくり45度で4.5cm以上なら異常

ただし頸静脈は首が太くて短い(猪首)ときには判定が難しいことが少なくない
高齢者では手背の位置(心臓からの高さ)と手背静脈の怒張が静脈圧の判定に有用
頚静脈
(投稿者 川崎)

2024-08-23

酷暑もあと少し?

虚血性心疾患でフォロー中の症例(座位)

😊 解説
  • 外頚静脈を明瞭に視認(矢印) ➜ 静脈圧上昇?
  • ネックックーラーを外すと外頚静脈は視認不能
  • 深吸気負荷で内頚・外頚静脈ともに視認できず
  • フィジカル所見から心不全状態ではないと判定
  • 自覚症状はなく予定採血のBNP値も正常範囲内
  • 最終的に首掛けクーラーによる偽陽性と考えた
👔 ネッククーラー
  • このneck coolerがいつ頃から使われているのか知りませんが(首かけ扇風機よりは後発?),今年は特に見かけるようになりました.保冷剤による冷却効果だけではなくて,冷却プレートへの通電で直接冷やすタイプもあるようです.
  • 本症例には心不全の既往はなかったのですが,今までなかった外頚静脈が目立ち「あれっ?」と思いました.しかしネッククーラをしたままで吸気負荷を追加したら外頚静脈は見えなくなりました(上記動画には含まれていません).
  • 長い歴史をかけて磨き上げられた身体所見ですが,時代とともにアップデートしていく必要があります.コロナ禍以降は診察室でもマスク装着がスタンダードになったため,それを加味した判定などです(一例:マスクでマスク)

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2023-06-01

🎯 今週の一枚

労作時の胸痛で来院した男性の両耳



(投稿者 川崎)

2017-04-05

Crowned Dens Syndrome クラウンド・デンス症候群

先日の内科学会で聞きなれない症候群が発表されていたので調べてみました
クラウンド・デンス症候群とは環軸関節に生じた偽痛風発作(crown=王冠,dens=歯状突起)
  • 症状 首の周囲の激しい疼痛(ほとんど動かせない)
  • 疫学 平均年齢は78歳,男女比は1:2.5で女性に多い
  • 診断 CTで軸椎歯突起周囲の石灰化(MRIは無力)
  • 治療 NSAIDs (難治例はステロイドやコルヒチン)

分かりやすい解説 ⇒ 黒坂大太郎.Crowned dens syndrome(CDS)
多数例の報告論文 ⇒ Crowned dens症候群46症例の検討.洛和会病院医学雑誌2016;27:43−46

(投稿者 川崎)

2024-08-06

ポンセ病 Poncet's Disease

  • 結核による非化膿性反応性関節炎(感作されたCD4+ 細胞が関節に移動し関節炎?)
  • フランスの外科医 Poncet A に由来 (Congres francaise de chirurgie 1887;1:732-9)
  • 関節症状の持続期間は3日〜6年と様々ですべて非びらん性および非変形性の関節炎
  • 多発性関節炎で(結核性関節炎は単関節炎),中手指節関節や膝,手足首の小関節
  • 患者の48%に全身症状はなくほとんどの症例で結核は肺外性(リンパ節結核が最多)
  • 通常はすべての患者は抗結核治療により関節破壊なく完全に解消(NSAIDsの併用有)


💁 結核に関する過去の投稿 ➜ コチラ(PC版は右欄から選択可)

(投稿者 川崎)

2018-11-06

甲状腺機能分類

  1. 顕性機能亢進症(overt hyperthyroidism)
  2. 潜在性機能亢進症(subclinical hyperthyroidism)
  3. 正常(euthyroid)
  4. 潜在性機能低下症(subclinical hypothyroidism)
  5. 顕性機能低下症(overt hyperthyroidism)


関連投稿

(投稿者 川崎)

2017-11-28

カーネット徴候 Carnett's sign

腹痛を訴える症例で腹壁を緊張させたときに圧痛が増悪すれば陽性
米国の外科医/軍医J.B. Carnettが報告(J Surg Gynecol Obstet. 1926;42:625-632)

方法の一例
  • 仰臥位に寝てもらい圧痛点に指を置く
  • 首と肩を少し持ち上げてもらう(または膝を進展して両下肢を挙上)
  • 挙上に伴う圧痛の変化を確認する


解釈
  • 陽性 ➜ 腹壁由来の疼痛を示唆(例,腹直筋血腫)
  • 陰性 ➜ 腹腔内臓器由来の疼痛を示唆(例,虫垂炎)

(投稿者 川崎)

2023-04-01

忘備録

先週に開催された『第20回 循環器 Physical Examination 講習会』より

  • 拍動しない外頸静脈は評価に用いない(首を回転させると変化もする)
  • 心尖拍動は指先全体,雑音のスリルは手掌遠位部,胸骨拍動は手掌近位部
  • 楽音用雑音は dove-coo や seagull cry でレバイン分類は4度以上が多い
  • 僧帽弁逆流では軽度なら高調音(blowing),重症なら低調音が加わる
  • 僧帽弁逆流でも音が小さいときにはⅠ音とⅡ音の聴取は可能である
  • YouTubeのフィジカル Stanford Medicine 25 はお薦め(例:AR)
  • MRは3分類:変性(MVP他),心室性(テザリング),心房性(弁輪部拡大)
  • 心房性MRでは左腋窩でⅢ音(S3)が聴取しやすい
  • Ⅰ音の規定因子は心収縮力・タイミング(弁の開放程度)・弁自体
  • S雑音(S murmur)は鎖骨下部~心尖部までS字状に伝播(過収縮で出現?)
  • 外傷部位や手術創の聴診を行うこと(シャントから高心拍出性心不全など)
  • 前尖の僧帽弁逸脱では背中や椎体で雑音を聴取する
  • 血液の比重は1.05
  • 息切れ+S3 ➜ 心不全(非代償性),胸痛+S4 ➜ ACS(急性冠症候群)
  • 「知りたいことはすべてオンラインにある」
  • Muehrcke line は爪下の浮腫なので爪の発育によって移動しない
  • Mees’ lineは爪自体の異常:爪の発育で移動して圧迫では消えない
  • 手掌・足底の皮疹はPHSと覚える:P 掌蹠膿疱症・H 手足口病・S 梅毒
  • 羽ばたき振戦は高CO2血症でも生じる
  • Lincoln singはARによる足の拍動(リンカーン大統領の写真で足のぶれ)
  • 拳骨テスト(Fist sign)は先端巨大症で手を握っても爪が隠れない(容積増大)
  • 胸部X線は側面像から見る(見逃しやすいところから始める)
  • 心房細動では頸静脈波のx谷が浅くなる
  • ADSの右脚ブロックは一次孔欠損なら左軸,二次孔欠損なら正常軸または右軸

聞き間違いがあるかも...😅スイマセン

💁 忘備録に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2016-07-02

項部硬直

仰臥位で頭部を持ちあげると抵抗がある所見.髄膜刺激時(髄膜炎やクモ膜下出血など)を生じたときに出現するサイン.

問題点 感覚的な所見で客観性に欠ける.例えばパーキンソンでも硬くなる.

ポイント 頭部を左右に動かしても抵抗はなく,前屈のみで出現する.ケルニッヒ徴候やジョルト・サインと組み合わせて判断する.首を自発的に前屈して顎が胸につくか否かも参考になる(neck flexion test).

おまけ 「けいぶ(頚部/頸部)」硬直ではなくて「こうぶ(項部)」硬直


(投稿者 川崎)

2022-02-11

Right Radial™

  • 冠動脈インターベンション施行時に使用するガイディングカテーテル
  • 右手首アプローチで右冠動脈を治療するときに用いられることがある

👀 特徴(製品紹介からの抜粋)
  • engage操作はJRと同様にClockwiseで容易にengage可能。
  • Normal engageにおいてJRよりバックアップが良好。
  • GCの「押し」と「引き」でのバックアップ調整が容易です。
  • Clockwiseに回すことで容易にdeep engageできます。

💁 PCI(冠動脈インターベンション)の関連投稿 ➜ コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

2025-02-07

頚静脈の座位定性法も無敵ではありません

鼠経ヘルニア術前に心電図異常を指摘された症例(座位)


  • 息切れなど心不全を示唆する症状はないが,BNP値は150 pg/ml程度に上昇していた.心エコー図には特記すべき異常所見はなし.
  • 心不全の有無を判定するため頚部を観察したが,大きな腫瘍に占拠されていた.橋本病による長い治療歴あり(現在はeuthyroid)
  • 心音でも心不全を示唆する所見(Ⅲ音やⅡ音肺動脈成分の亢進など)はなし.日常生活から判定した運動耐容能も保たれていた.
  • 胸部圧迫感の自覚はなく,冠危険因子も高血圧のみ.最終的に手術に支障はないと判断して,紹介元の外科医に返書を作成した.
  • 稀ながら頚静脈の座位定性法が困難が状況がある.甲状腺疾患による甲状腺腫,肥満,猪首,座位姿勢の困難例などが相当する.

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2020-08-11

マイヤーソン徴候 Myerson's sign

  • 眉間を繰り返し指で軽く叩いても瞬目(眉間反射)が減弱しない場合が陽性
  • 健常者では眉間反射が次第に消失(原始反射であるため通常は前頭葉が抑制)
  • パーキンソン病の初期症状の一つであるが認知障害や他の変性疾患でも出現
  • 命名はアメリカの神経内科医であるAbraham Myerson (1881–1948)に由来する
  • ただし初報はイギリスの放射線科医Walker Overendら (Lancet 1896;147:619)



👀 独り言
  • どれくらい続けば異常と判断するかを規定した記述は見つけられませんでした.ただし質問コーナーの返答で「正常では1秒間に2回のペースで叩き続けると10回以内に消失する」という記載を見つけました(ココ).実際に自分にやってみると数秒で瞬目がなくなりました😆

🉐 関連投稿(パーキンソン編)

(投稿者 川崎)

2018-03-08

首下がり症候群 Dropped head syndrome

座位あるいは安静立位時に体幹に対して頭部の保持が困難で前屈してしまう病態
初期の命名はfloppy head syndromeであった(初報は以下のどちら/論点の違い)


(J Neurol Neurosurg Psychiatry 2003;74:683–6/左右は別症例・中央は手で頭部を支えている)

  • 症状 頸部の疼痛,視界不良,歩行・嚥下・呼吸障害など
  • 原因 多様(神経筋疾患,薬剤性,炎症性,代謝性など)
  • 治療 基礎疾患の治療+固定器具・理学療法・手術など

👴 パーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症に多いが,甲状腺機能低下症やDPP-4阻害薬でも生じ得る(ようです)

(投稿者 川崎)

2016-09-30

松下金曜会 「肩痛」

肩痛のレッドフラッグと重篤な原因疾患
  1. 目に見える腫脹 ⇒ 関節炎のあらゆる原因(感染を含む),悪性腫瘍,アミロイドーシス
  2. 発熱と悪寒 ⇒ 感染(敗血性関節炎,軟部組織膿瘍)
  3. 腋窩痛 ⇒ 縦隔由来の関連痛
  4. しびれまたは刺痛 ⇒ 神経根障害,ニューロパチー,ミエロパチー
  5. 首を動かすと悪化する肩痛 ⇒ 頸部神経根障害
  6. 腕を動かしても変わらない肩痛 ⇒ 関連痛
  7. 体重減少 ⇒ 腫瘍または感染
  8. 呼吸困難 ⇒ 心疾患(心筋虚血),肺疾患
参考書籍:「聞く技術 答えは患者の中にある」

(投稿者 川崎)