右室枝冠攣縮
左前斜位での運動負荷心プールシンチグラフィの左から安静時、運動負荷時、ニトログリセリン投与後像(上)、エルゴノビン投与時冠動脈造影(中)、その時の心電図
Sugihara H et al : Circulation 99 : 1644-1645,1999
💚 解説
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運動負荷中にST上昇を伴う胸部圧迫感を訴えた。
- 赤が拡張末期、黄色が収縮末期のそれぞれ辺縁であり、下段はその位相解析像であるが、右室にのみ高度の壁運動異常を生じた(上)。
- ニトログリセリンの舌下投与で症状とST上昇は改善し、右室の壁運動異常も改善した。
- 冠動脈に有意狭窄はなく、エルゴノビン負荷で右冠動脈の右室枝のみに冠攣縮が生じた(中)。
- その冠攣縮時にはV1-4でSTが上昇した(下)。
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ひとり言
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冠動脈造影時、右冠動脈にエルゴノビンを投与したところ、V1-4でSTが上昇し、あわてて左冠動脈を造影したが、冠攣縮は生じていなかった。
- ISDNの投与後に右室枝のみに冠攣縮が生じていることに気付いた。
- わずかな可能性を考えての運動負荷心プールシンチグラフィの施行であったが、右室枝の冠攣縮が再現され、右室虚血が明らかとなった。
- Circulation誌に採用され、表紙を飾らせていただいた。
- 最近では、QGS解析の普及もあり、心プールシンチグラフィが施行されることはほとんどなくなった。
- 右室の評価に役立つ部分はあるのだが---。
※「輝きを放つ一枚」の過去の投稿は
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(投稿者 杉原)