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2026-06-26

COXコックス:1 vs 2

  • シクロオキシゲナーゼ(cyclooxygenase:COX)が遊離したアラキドン酸を酸化させてprostaglandins(PG)G2が形成される
  • その後に産生される各種PGsは,局所で増加した発痛物質ブラジキニンの痛覚受容体感受性の閾値を低下させ疼痛を増悪させる
  • NSAIDsはCOXの疎水性チャネルを封鎖することでアラキドン酸が酵素活性部位に結合することを防ぎ,抗炎症,鎮痛効果を発揮
  • COX-1は多くの細胞に構成的に発現し,胃粘膜,血管内皮,血小板および腎臓における組織保護作用を有するPGsの生合成に関与
  • 一方, COX-2は通常は細胞内にはほとんど存在しないが, 関節リウマチなど炎症組織において炎症関連細胞に著明に発現する


- NSAIDsCOX1 & COX2 -


(投稿者 川崎)

2026-03-17

日本内科学会 第251回近畿地方会より

😀 個人的に気になった報告

演題4 分節性動脈中膜融解症による腹腔内出血をきたした1例
  • 動脈瘤からの出血を疑い血管造影検査を行ったところ,中結腸動脈瘤のほか血管の数珠状の不正な拡張・狭小化があり,分節性動脈中膜融解症(Segmental arterial mediolysis: SAM)による動脈瘤破裂と診断された.中結腸動脈瘤のコイル塞栓を行い,入院7日後に退院となった.SAMは血管の攣縮や高血圧,動脈硬化,喫煙などが関与するとされる.外傷のない腹腔内出血を認めた際にはSAMを鑑別に挙げ,造影CTによる血管性病変の検索を考慮する必要がある.

演題33 麻雀で徹夜をした後,翌朝大学の講義を受けていて発症したてんかん発作の1例
  • 最近日本では競技としての麻雀が普及し人気を博している.健康麻雀として高齢者の認知症予防に取り入れている所もある.国内外でテーブルゲームでのてんかん発作の報告例があり,特に囲碁,麻雀などはよく目にする.いずれも治療はゲームの中止と経過観察で改善している.本症例は競技中ではなく,その後に起こしていることがこれまでの報告例とは異なっている.

演題51 Cap polyposisを呈するびまん性腸炎を発症したIgG4関連消化管病変の1例
  • X-3年より1日3-4回の水様性下痢を自覚していた. 下部消化管内視鏡検査で横行結腸から直腸にびまん性に血管透見の低下と白色調の付着物を伴う小隆起性病変を認め, Cap Polyposis (CP) と診断した. 【参考】CPは比較的まれな大腸の炎症性疾患であり,病変の表面が線維性膿性滲出物をともなう肉芽組織で帽子(cap)のように覆われていることを特徴とする.CP発症の原因は不明で,幅広い年齢層で発症し,女性に多いとされる.病変は直腸~S状結腸に存在することが多い.症状として下痢,血便,下腹部痛などがあり,ときに低蛋白血症を呈することもあるが,CRPなどの炎症所見は正常範囲であることが多い.

演題166 オピオイド投与中のせん妄に対してオピオイドスイッチングにて改善を認めた1例
  • 放射線治療やNSAIDs,アセトアミノフェンを開始するもコントロール不良であり,X+13日にモルヒネ投与を開始した.疼痛は改善しX+24日に退院したが,その後疼痛が悪化しADLが低下したため,X+38日に再入院した.モルヒネを増量するも改善乏しく,縮瞳やせん妄を認めたため,X+56日にオキシコドンへ変更した.【参考】オピオイドスイッチング(旧称:オピオイドローテーション)は,がん疼痛治療などで現在使用中の医療用麻薬(オピオイド)から別のオピオイドへ変更すること.

演題195 繰り返す身体診察が診断につながった感染性心内膜炎の1例
  • 入院翌日に血液培養からStaphylococcus属が検出された.本症例では初回の身体診察で末梢徴候を認めず,数時間後の再診察で新たに眼瞼点状出血を認めたことが診断の契機となった.感染性心内膜炎は発熱等の非特異的な症状のみでの発症が多く早期診断が難しい疾患であるが,末梢徴候等の身体所見が診断の鍵となりうる.過去の報告では点状出血の出現時期は発熱から数日以内といった表現に留まる.本症例では発熱から16~20時間後に点状出血が出現しており,発症当日から繰り返し末梢徴候を確認する有用性が示唆された.

💁 学会に関する過去の投稿 ➜ コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

2026-01-25

血小板無力症(グランツマン病:Glanzmann’s thrombasthenia)

  • 概略 正常小板数にも関わらず出血傾向を呈する先天性疾患
  • 原因 血小板膜糖蛋白(GP)IIb/IIIa欠損で常染色体劣性遺伝
  • 由来 スイスの臨床医 Eduard Glanzmann (1887-1959) (
  • 頻度 最近の疫学調査はない(1986年の全国調査では222例)
  • 症状 鼻腔または口腔の粘膜、皮膚表層の出血が主体である
  • 日常 誘因なく治療介入を要す出血症状が出現することは稀
  • 指導 出血リスクや血小板機能を抑制薬剤(NSAIDs)の回避
  • 対処 圧迫止血および鼻や口腔の粘膜出血は抗プラスミン剤
  • 手術 重篤な出血や外科手術では血小板輸血が唯一の治療法
  • 経過 一般的には成人になるに従い出血症状は軽減していく


- 先天性血小板機能異常症の概念図 -

(投稿者 川崎)

2026-01-22

今週の一枚 🎯

2日前より発熱と咽頭~後頚部痛を訴える若い女性


(投稿者 川崎)

2025-09-03

トリプタン感覚

  • トリプタン系薬剤(片頭痛治療薬)に出現する特有の副作用で、頚部や胸部,咽頭,肩の絞扼感~圧迫感,痛み,息苦しさなどがある。通常は服用後20~30分で出現し、10分から数時間で自然に消失することが多い。 食道平滑筋の運動亢進や肺動脈に対する影響、骨格筋のエ ネルギー代謝の異常、痛感受性の増加などが原因と考えられている。


👺 トリプタンの問題点
  1. ノンレスポンダー ➜ 頻度は約10–30%でブランド変更やNSAIDsを併用
  2. トリプタン感覚 ➜  心電図変化なく心臓や脳の有害事象にも関連せず
  3. 血管収縮作用 ➜ 心疾患や脳血管障害、未コントロール高血圧で禁忌


🚑 片頭痛 に関する過去の投稿 ➜ コチラ

 
(投稿者 川崎)

2025-05-11

DOAC score

  • 心房細動(AF)患者の出血リスクを評価するための従来の臨床意思決定ツールは、ワルファリン治療を受けている患者向けに開発されたもの
  • DOACスコアは直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)を服用している心房細動患者の出血リスクを個別に推定するための開発された臨床リスクスコア
  • 年齢、CCr/eGFR、低体重、脳卒中/TIA/塞栓症の既往、糖尿病、高血圧、抗血小板薬やNSAIDsの使用、肝疾患、出血歴から判定(計算ページ
  • DOACスコアは、COMBINE-AF(25,586人)およびRAMQ(11,945人)を含む両検証コホートにおいて、HAS-BLEDスコアよりも高い予測性能を示した



💁 DOACに関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2025-01-17

薬剤性好中球減少症 Drug-induced neutropenia

  • 末梢血の好中球数が500/μl以下と定義することが多く,無顆粒球症や顆粒球減少症,agranulocytosisなども概ね類似した意味で用いられる.
  • 発生頻度に関して1.1~5.0例/100万人/年という報告がある.早期に認められる症状として発熱は必発で,その他に悪寒や咽頭痛などが挙げられる. 
  • 機序には免疫学的(アレルギー性:抗甲状腺薬のプロピルチオウラシル他)と骨髄造血細胞に対する毒性(中毒性:クロルプロマジン塩酸塩やβラクタム系抗菌薬など)がある.
  • アレルギー性なら過去にその医薬品に感作されていれば1時間~1日以内に発現し,感作されていなければ抗体が産生されるまでに1週間~10日を要する.中毒性なら発症までに数週間を要する.
  • 患者側のリスク因子:高齢,女性,腎機能低下,自己免疫疾患の合併などの場合に発症頻度が高い.明確ではないが遺伝的素因(HLA型、薬物代謝酵素の遺伝子多型)なども考えられている.
  • 発現投与量は医薬品により異なる.例えば抗甲状腺薬では用量非依存性で,サルファ剤(サラゾスルファピリジン)では用量依存性との報告がある.一方,同じ医薬品でも報告により用量依存性、非依存性の相反する報告もみられる.
  • 添付文書で血液検査が求められている薬剤には,チクロピジン塩酸塩やチアマゾール(開始2月は2週に1回),サラゾスルファピリジン(開始3月は2週間に1回,次の3月は4週間に1回,その後は3月ごと),クロザピン(投与初期に発現する例が多いので投与開始後18週間は入院管理下)がある.
  • 無顆粒球症の原因となり得る医薬品は多数にのぼるが,抗甲状腺薬,チクロピジン塩酸塩,サラゾスルファピリジン,クロザピン(治療抵抗性統合失調症治療薬)など頻度が高い医薬品以外にも,H2ブロッカー,NSAIDs,抗不整脈薬,ACE阻害薬などが重要である.


💣 おまけ

(投稿者 川崎)

2024-09-13

進行性骨化性線維異形成症 Fibrodysplasia ossificans progressiva: FOP

  • 別名 ストーンマン症候群,Stone Man Syndrome(おそらく現在では非推奨)
  • 概要 全身の骨格筋や筋膜,腱,靱帯などの線維性組織が進行性に骨化する
  • 初報 1692年にGuy Patinが木になった“turned to wood” 若者として報告(
  • 原因 BMP typeIの受容体ACVR1の変異で常染色体顕性(優性)遺伝形式をとる
  • 疫学 乳児期〜学童期に初発/本邦では80人ほど(有病率は200万人に約1人)
  • 症状 軟部組織の腫脹,関節の拘縮,呼吸障害など(平滑筋と心筋は骨化なし)
  • 治療 対症療法(ステロイドやNSAIDs,ビスフォスフォネートなどの試みあり)
  • 予後 徐々に悪化し40歳以上ではほぼ全介助(50歳代以降の生存者も少数確認)

参考)難病情報センター,他

10歳のパキスタン人男児
(左腕に腫瘤があり肩の外転が35度の角度に制限)

2024-08-06

ポンセ病 Poncet's Disease

  • 結核による非化膿性反応性関節炎(感作されたCD4+ 細胞が関節に移動し関節炎?)
  • フランスの外科医 Poncet A に由来 (Congres francaise de chirurgie 1887;1:732-9
  • 関節症状の持続期間は3日〜6年と様々ですべて非びらん性および非変形性の関節炎
  • 多発性関節炎で(結核性関節炎は単関節炎),中手指節関節や膝,手足首の小関節
  • 患者の48%に全身症状はなくほとんどの症例で結核は肺外性(リンパ節結核が最多)
  • 通常はすべての患者は抗結核治療により関節破壊なく完全に解消(NSAIDsの併用有)


💁 結核に関する過去の投稿 ➜ コチラ(PC版は右欄から選択可)

(投稿者 川崎)

2024-08-02

PAPAパパ症候群

  • Pyogenic Arthritis, Pyoderma gangrenosum and Acneの略語
  • 邦名では化膿性無菌性関節炎・壊疽性膿皮症・アクネ症候群
  • PSTPIP1の機能獲得型変異による常染色体優性(顕性)遺伝
  • PSTPIP1関連炎症性疾患とも言われる自己炎症性疾患の一つ
  • 3歳以下で化膿性無菌性関節炎として発症し他は思春期以降
  • 治療はNSAIDsやステロイド,免疫抑制剤や生物学的製剤など
  • 頻度は現在日本に100名ほどで生命予後は比較的良好である


自己炎症疾患(autoinflammatory diseases)の特徴

(投稿者 川崎)

2024-03-23

後頭神経痛 Occipital neuralgia

  • 症状 発作性で数秒から数分持続する刺すような後頭部痛
  • 分布 大後頭神経,小後頭神経,第3後頭神経に関連する
  • 誘因 長時間の同一姿勢や頚椎の異常,精神的ストレス他
  • 疫学 10万人あたり約3.2人で初診時の平均年齢は54.1歳
  • 診断 病歴と身体検査,診断用神経ブロックに対する反応
  • 鑑別 片頭痛,群発頭痛,緊張性頭痛,頸椎筋靭帯性など
  • 治療 NSAIDs,抗うつ薬,ブロック注射,ボツリヌスなど
  • 予後 通常は1週間ほどで軽減(稀に数ヵ月続くことあり)


大後頭神経と小後頭神経の走行概略図

💁 頭痛に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2024-03-05

アスピリン喘息:AIA→AERD→N-ERD

  • 従来はAIA(aspirin-induced asthma)であったが近年はAERD(aspirin-exacerbated respiratory disease)と呼ばれるようになってきた.その本体はプロスタグランディン(PG) 合成酵素であるシクロオキシゲナーゼ(COX)-1阻害作用をもつNSAIDsにより,気道狭窄症状(鼻閉,喘息など)を呈する非アレルギー性の過敏症(不耐症)である.よって最近ではN-ERD(NSAIDs-exacerbated respiratory disease)という用語が提唱されている.これはNSAIDs不耐症の気道型で,他のNSAIDs不耐症は皮膚型(急性および慢性蕁麻疹や血管浮腫)や混合型(気道型+皮膚型)である.
  • AERDの誘発閾値は常用量の1/5以下のため,少量でも十分な注意を要する.過敏症状は,NSAIDsの注射薬,坐薬,内服薬の順に出現が早く重篤である.貼付薬,塗布薬,点眼薬も禁忌と考える(下の表2を参照).また添加物(とくにパラベンや亜硫酸塩)を含有した医薬品(吸入薬や液体薬)の急速投与やミント摂取練り歯磨きにより,とくに重症不安定例では過敏反応が生じる場合がある.正確な機序は不明であるが,添加物やミントが,NSAIDsと構造式上類似しており,弱いCOX-1作用を有していると推定する専門家も多い.





💁 アスピリンに関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2023-12-21

今週の一枚 🎯

下腹部で来院した症例

🔒 解説
  • 恥骨結合部に骨硬化像と周囲の軟部影の増生が目立つ
  • 当初は虫垂炎を疑ったが同疾患を示唆する所見はなし
  • CT後に恥骨の結合部に明瞭な圧痛点があることを確認
  • 環状断や矢状断(下図左と中)でも恥骨結合炎を示唆
  • MRIのSTIRでも同部位の信号上昇を確認(下図右の赤丸)
  • 恥骨結合炎と診断してNSAIDs処方(初期は抗菌薬併用)
  • 本例の誘因は不明で化膿性を示唆する所見はなかった

🔓 恥骨結合炎(Arthritis of the pubic symphysis)
  • 概略 左右恥骨を結合する線維軟骨円板に炎症が生じた整形外科的疾患
  • 誘因 恥骨筋,長・短内転筋,大内転筋など恥骨に接合する筋肉の酷使
  • 患者 アスリートに多いが帝王切開や婦人科,泌尿器科の手術後にも有
  • 診断 初発で正診された例は54%にすぎない(例:診断までに1-37日)
  • 治療 生活指導と鎮痛薬,化膿性なら6週間以上の抗菌薬やドレナージ


👻「今週の一枚」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

2023-10-05

今週の一枚 🎯

深部静脈血栓症の疑いで循環器内科を紹介された症例




(投稿者 川崎)

2023-09-30

薬剤性腎障害 Drug-induced renal injury

📗 分類
  1. 直接型 ➜ 用量依存性に発症頻度が増加
  2. 過敏型 ➜ 用量非依存性でアレルギー機序が関与
  3. その他 ➜ 免疫学的機序を介した糸球体障害(微小変化型、膜性腎症)、腎血流低下、血管障害、閉塞性腎症など

📘 機序
  • 尿細管障害(急性尿細管壊死)➜ アミノグリコシド系、セファロスポリンなど
  • アレルギー機序(急性間質性腎炎)➜ メチシリン、NSAIDs、ST合剤など
  • 腎血流障害 ➜ NSAIDs、ACE阻害薬、造影剤、シクロスポリンなど
  • 血管障害 ➜ シクロスポリン、溶血性尿毒症症候群など
  • 尿細管閉塞 ➜ メトトレキセート、サルファ剤、化学療法時の高尿酸血症など
  • 尿細管機能異常 ➜ Fanconi症候群、尿細管性アシドーシス、リチウムなど
  • 免疫機序 ➜ 微少変化型ネフローゼ症候群、膜性腎症、血管炎など


🐾 豆知識
  • アレルギー機序が関与した薬剤性腎障害(急性間質性腎炎)では尿中の好酸球が増加

👤 実例Sysmex Journal Web 2020;21:46-52
  • 54才女性が1週間前から続く39度の発熱を主訴に入院した.前医で解熱鎮痛薬アセトアミ ノフェンと抗菌薬クラリスロマイシンとガレノキサシンが投与されていた. 
  • 尿細胞診は入院日の検査で好酸球増多はなかったが第2病日に14%に増加した.腹部エコーとCT検査で両腎に腫大を認めガリウムシンチグラフィで両側腎に集積を示した.
  • 腎生検所見では糸球体には異常なく,間質全体に高度の細胞浸潤があり好酸球も散在していた.薬剤性間質性腎炎と診断した.
  • Crは2.44 mg/dL まで上昇したが,上記薬物の中止とプレドニソロン30 mgの内服で,2月後に正常化した.ちなみに3剤のLST(リンパ球刺激試験)はいずれも陰性.

💁 尿検査に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2023-08-03

今週の一枚 🎯 やはり外頸静脈は要注意

慢性心不全症例が下腿浮腫で来院(体位は座位)

🐤 解説
  • 外頸静脈は膨隆して呼吸性変動はなし ➜ まさに怒張
  • 頭部を上下左右に動かしてもらったが怒張は変化なし
  • 内頸静脈は視認せず吸気時(クスマウル徴候)も陰性
  • 胸部X線やBNP値を確認したが以前の所見と変化なし
  • 下腿痛でNSAIDsを多用していたことが判明(Na貯留)
  • 現行の内服薬は変更せずに鎮痛薬少し控えるよう依頼

🐦 独り言
  • 当ホームページでは「頸静脈の怒張なし」の乱用に以前から警笛を鳴らしています(過去の投稿) .「頸静脈の怒張」とは呼吸性などの変動が消失した状態を意味するため,「頸静脈の怒張なし」は「中心静脈圧がめちゃくちゃ上昇してるわけではない」を表します.またこの怒張は外頸静脈には稀に出現しますが,内頸静脈には出現しないはずです(血行動態が破綻して死亡)
  • 本例で外頸静脈が怒張していた理由は不明です(圧迫する腫瘤等もなし).しかし先日,頸静脈膨隆の原因が「重複した内頸静脈の一方が瘤化」であった症例報告をたまたま眼にしました(J Surg Case Rep 2023;2023:rjad366).中にはこういう患者さんもおられるのかもしれません.もっとも今回の動画の患者さんは初診だったため,以前から存在したか否かは不明です.

👻「今週の一枚」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2023-04-25

忘備録

🚑「救急対応ドリル 外来から在宅までの60問」から(総合診療 2023年4月号
  • 甲状腺クリーゼではNSAIDsは遊離ホルモンを上昇させることがあるため避ける(必要ならアセトアミノフェン)
  • 感染性心内膜炎の抗菌薬投与は血培陰転化から日数を数える(例:MSSAなら陰性日を1日目として6週間)
  • 正常ABIでも末梢動脈疾患を強く疑ったら運動負荷後ABI測定を考慮(20%あるいは20mmHg以上の低下で陽性)
  • 急性脊髄障害で考える病態はFACET(Fracture, Aorta, Compression:馬尾症候群, Epidural abscess, Tumor)
  • 全尿路結石の1-2%はシスチン尿症:常染色体潜性(劣性)遺伝で若年者あるいは珊瑚状結石では要考慮)
  • 奇脈(吸気時の収縮期血圧低下>10mmHg)は心タンポナーデで有名であるが重症喘息や緊張性気胸でも有

💁 忘備録に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2023-03-22

手足症候群 Hand-Foot Syndrome

😅 先日の研究会で...

  • 概要 抗がん剤により手と足(特に手掌と足底)に生じる皮膚有害反応
  • 歴史 以前はフッ化ピリミジン,近年はカペシタビンやキナーゼ阻害薬
  • 所見 紅斑・腫脹.角化,色素沈着,水疱,爪甲変化,知覚異常・疼痛
  • 機序 薬剤による表皮細胞への直接的・間接的障害+外的な機械的刺激
  • 検査 手足症候群と因果関係のある臨床検査値異常は報告されていない
  • 鑑別 湿疹(洗剤皮膚炎や指掌角皮),白癬,凍瘡,掌蹠膿疱症,乾癬
  • 対処 生活指導(物理・熱刺激・日光の回避),皮膚保護,2次感染予防
  • 投薬 休薬,尿素軟膏やヘパリン類似物質など,NSAIDs,ステロイド他

原因となる医薬品と頻度

グレード 臨床領域 機能領域
1 しびれ、皮膚知覚過敏、ヒリヒリ・チクチク感、 無 痛性腫脹、無痛性紅斑、色素沈着、爪の変形 日常生活に制限を受ける ことのない症状
2 腫脹を伴う有痛性紅斑、 爪甲の高度な変形・脱落 日常生活に制限を受ける症状
3 湿性痂皮・落屑、水疱、潰瘍、強い痛み 日常生活を遂行できない症状



紅斑・腫脹の実例

💁 抗がん剤に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2022-05-18

リチウム中毒 Lithium Intoxication

  • 炭酸リチウムは躁病および双極性障害の躁状態に対して広く使用されている薬剤
  • 主に小腸から吸収され生体利用率100%(肝で代謝や排出なし)で95%が腎排泄
  • 治療域(0.6~1.2 mmol/L),中毒域(1.5~),致死域(3.0~)と濃度が近接
  • 過量服薬,脱水,感染,他薬との相互作用(利尿剤,降圧剤,NSAIDsなど)で上昇
  • 症状は中枢神経(意識障害や振戦,構音障害)と消化器(悪心,嘔吐,下痢)他
  • 重症例では昏睡,痙攣,循環器所見(洞不全やQT延長症候群,致死性不整脈など)
  • 急性リチウム中毒の治療は輸液療法,胃洗浄,HDやCHDFなど積極的な血液浄化療法
  • 透析の適応:腎機能障害,重度の中枢神経障害,リチウム濃度が致死域・上昇傾向


 リチウム中毒の一例の経過

💁 中毒に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2022-04-29

NSAIDs 👾 心不全

  • 心不全の増悪因子は多数あります(覚え方の一例:FAILURE).薬剤性も臨床ではしばしば経験され,特に非ステロイド系抗炎症薬(Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs: NSAIDs)による増悪が知られています(ガイドラインにも明記
  • NSAIDsが心不全を悪化させる機序に,輸入細動脈の収縮による腎血流量低下やループ利尿薬の尿細管分泌阻害があります.よってNSAIDsの安易な服用は避け,必要に応じてアセトアミノフェンやトラマドール等の代替薬を提案(
  • NSAIDsの添付文章には「腎のPG生合成抑制で循環体液量が増え心仕事量が増加するおそれ」と記されています(例:ロキソニン®).経皮鎮痛消炎剤に記載はないようですが注意は必要(モーラステープL®5枚=ロキソニン®1日分:引用
💁 NSAIDsに関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)