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2022-04-29

NSAIDs 👾 心不全

  • 心不全の増悪因子は多数あります(覚え方の一例:FAILURE).薬剤性も臨床ではしばしば経験され,特に非ステロイド系抗炎症薬(Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs: NSAIDs)による増悪が知られています(ガイドラインにも明記
  • NSAIDsが心不全を悪化させる機序に,輸入細動脈の収縮による腎血流量低下やループ利尿薬の尿細管分泌阻害があります.よってNSAIDsの安易な服用は避け,必要に応じてアセトアミノフェンやトラマドール等の代替薬を提案(
  • NSAIDsの添付文章には「腎のPG生合成抑制で循環体液量が増え心仕事量が増加するおそれ」と記されています(例:ロキソニン®).経皮鎮痛消炎剤に記載はないようですが注意は必要(モーラステープL®5枚=ロキソニン®1日分:引用
💁 NSAIDsに関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2024-03-05

アスピリン喘息:AIA→AERD→N-ERD

  • 従来はAIA(aspirin-induced asthma)であったが近年はAERD(aspirin-exacerbated respiratory disease)と呼ばれるようになってきた.その本体はプロスタグランディン(PG) 合成酵素であるシクロオキシゲナーゼ(COX)-1阻害作用をもつNSAIDsにより,気道狭窄症状(鼻閉,喘息など)を呈する非アレルギー性の過敏症(不耐症)である.よって最近ではN-ERD(NSAIDs-exacerbated respiratory disease)という用語が提唱されている.これはNSAIDs不耐症の気道型で,他のNSAIDs不耐症は皮膚型(急性および慢性蕁麻疹や血管浮腫)や混合型(気道型+皮膚型)である.
  • AERDの誘発閾値は常用量の1/5以下のため,少量でも十分な注意を要する.過敏症状は,NSAIDsの注射薬,坐薬,内服薬の順に出現が早く重篤である.貼付薬,塗布薬,点眼薬も禁忌と考える(下の表2を参照).また添加物(とくにパラベンや亜硫酸塩)を含有した医薬品(吸入薬や液体薬)の急速投与やミント摂取練り歯磨きにより,とくに重症不安定例では過敏反応が生じる場合がある.正確な機序は不明であるが,添加物やミントが,NSAIDsと構造式上類似しており,弱いCOX-1作用を有していると推定する専門家も多い.





💁 アスピリンに関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2017-04-13

NSAIDsの注射

Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugsの略/邦名は非ステロイド性抗炎症薬
経口薬・坐薬・経皮吸収薬・皮膚外用薬として多くの薬剤が使用可能
ただしNSAIDsの注射薬は下記の2種のみ
  • 筋注 ケトプロフェン(商品名カピステン/当院採用)
  • 静注 フルルビプロフェンアキセチル(商品名ロピオン/当院採用)

皮下または筋肉注のスルピリン(商品名メチロン/当院採用)や静注のアセトアミノフェン(商品名アセリオ/当院採用)は抗炎症(Anti-Inflammatory)作用を有しないため厳密にはNSAIDsでないと考える

NSAIDsの詳しくページ ⇒ 痛みと鎮痛の基礎知識 - Pain Relief ーNSAIDs/ピリン系/ステロイド性抗炎症薬

(投稿者 川崎)

2018-11-04

アスピリン喘息 (NSAIDs過敏喘息)

英語名はaspirin-intolerant asthma (AIA)あるいはaspirin-exacerbated respiratory disease (AERD)
  • 機序はアスピリンに対するアレルギーではない(非アレルギー性の過敏症)
  • COX1阻害作用を持つNSAIDsに不耐であるが選択的COX2阻害薬は安全
  • 成人喘息の約5~10%で男女比は1:2/より重症化しやすい/小児は稀
  • 多くは好酸球性鼻茸を合併(好酸球性中耳炎や胃腸症,異型狭心症もあり)
  • 通常検査では診断難/問診が重要(NSAIDs歴,嗅覚低下,鼻茸手術など)
  • 静注用ステロイド急速静注は禁忌/NSAIDs誘発時にはエピネフリン奏効

コハク酸 リン酸 エステル ステロイド
👴 参考文献(一読をお勧め)➜  谷口正実.アスピリン喘息(NSAIDs過敏喘息).日内会誌 2013;102:1426-32

(投稿者 川崎)

2017-10-23

NSAIDs座薬と膵炎

NSAIDs座薬はERCP後の急性膵炎の発症予防に有用である

ただし通常の急性膵炎におけるNSAIDs座薬の除痛以外の有用性は確立されていない
総論 Acute Pancreatitis. N Engl J Med 2016;375;1972-1981
  • 一文のみ"The symptoms can be reduced with rectal NSAIDS (diclofenac or indomethacin)."

ガイドライン 急性膵炎診療ガイドライン2015(第4版)
  • 疼痛コントロールは重要で鎮痛薬は疼痛軽減に効果的かつ診療や治療の妨げにならない
  • どの鎮痛薬が除痛に有用かは不明で,予後改善効果に関する言及は(確認範囲では)なし

(投稿者 川崎)

2022-04-01

急性心膜炎の治療

😐 ひとり言
  • 循環器病ガイドラインシリーズ は最新の循環器疾患を網羅し,無料公開されているのでとても重宝します.しかし感染性心内膜炎を除く心膜疾患,特に急性心膜炎に関する記載は限られています.例えば心筋炎の合併症として言及されていますが,そのガイドライン自体が古くなっています(2009年版).合併症を伴わない心膜炎で治療に難渋することは稀ですが,再発例が散見されるためガイドラインがあると臨床現場は助かるのですが…
(僕が知らないだけならスイマセン 🙏)
  • 合併症を伴わない急性心膜炎の治療は対症療法が中心で,非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やコルヒチンへの反応は良好(引用1).治療期間に対する明確な基準は確立されていないが,1-2週間のNSAIDs投与と3ヵ月のコルヒチン継続(0.5㎎を1日2回)は妥当(引用2)
  • 急性心膜炎は10~20%で再発し(引用1),女性およびNSAIDsの初期治療無効例に再発が多い(引用3).急性心膜炎の再発時にはコルヒチンを併用したNSAIDsの再導入と長期投与が有効な治療方法(引用1)
  • 心膜炎が再発した100例の後ろ向き検討では,プレドニゾロンの高用量投与群(1.0 mg/kg/日を4週間投与後に漸減)は,低用量投与群(0.2~0.5 mg/kg/日を4週間投与後に漸減)よりも重篤な副作用の出現や心膜炎の再発,入院が高率(ハザード比 3.61)(引用3)
  • 急性心膜炎発症後の慢性期合併症には,再発に加えて収縮性心膜炎への移行が知られている.しかし原因が同定できなかった急性心膜炎例の検討では61ヵ月の経過観察中に収縮性心膜炎を発症した症例はなし(引用4)

【引用論文】
  1. N Engl J Med 2014;371:2410-6
  2. N Engl J Med 2013;369:1522-8
  3. Circulation 2008;118:667-71
  4. Am J Cardiol 2007;100:1026-8

💁 心膜炎に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2017-05-02

アスピリン喘息(NSAIDs不耐症)における使用可能薬剤

【安全】
・葛根湯、地竜
・ペンタゾシン、モルヒネ

【ほぼ安全】(COX-1阻害作用がほとんど無い)
・アセトアミノフェン*、1回300mg以下
・塩基性消炎剤(ソランタール*など)
・COX-2阻害の選択性の高いNSAIDs(セレコックス*、ハイペン*、モービック*など)
・PL配合顆粒*

【やや危険】
・アセトアミノフェン*、1回500mg以上
・NSAIDs塗布薬*、貼布薬*、点眼薬*

【危険】
・COX-1阻害作用の強いNSAIDs全般*

*添付文書上、アスピリン喘息には禁忌

参考:http://www.jaanet.org/pdf_files/kanto10.pdf(日本アレルギー協会)http://www.pmda.go.jp/files/000144919.pdf(医薬品医療機器総合機構)

(投稿者 小森)

2020-03-05

2019年度JAMEP 基本的臨床能⼒評価試験 (III. 症候学・臨床推論)

  1. 胸水ドレナージを行う基準として,胸水のpHが7.2未満・グルコース60 mg/dL以下・LDH 1,000 U/L以上が1つの基準として提唱されている.また大量の胸水あるいは胸水グラム染色が陽性であればドレナージを考慮すべき根拠になる.
  2. 痛風発作の急性期の治療としてはコルヒチン・NSAIDs・ステロイドが治療選択肢としてあげられる.コルヒチンは発作の予兆時の超急性期に考慮される治療.NSAIDsは症状に対する効果も高いが腎機能低下時にはステロイドを考慮ガイドライン).
  3. NSAIDs過敏症ではコハク酸エステル化ステロイド製剤よりもリン酸エステル化ステロイドを優先させる(関連投稿).なおロイコトリエン拮抗薬(LTRA)は治療に有用.
  4. 小児気管支喘息はIgE関連喘息と非IgE関連喘息の2つに分けられる.非IgE関連喘息ではウイルス感染が原因になっていることが多い.RSウイルスと同様に乳幼児期に喘鳴を起こすウイルス感染症の一つにヒトメタニューモウイルスがある.
  5. レビー小体型認知症は認知機能障害に加え,繰り返し出現する具体的な幻視やパーキンソニズムなどの中核的特徴を認めることが多い.一方,常同的(=反復的で儀式的な)行動・食行動の異常は前頭側頭型認知症において出現頻度が高い症状で,レビー小体型認知症では稀である.

🉐 関連投稿 ➜ JAMEP(過去の基本的臨床能力評価試験)

(投稿者 川崎)

2017-12-12

利尿薬抵抗性 Diuretic resistance

心不全に対する利尿薬の効果が期待したほど得られない状態

原因N Engl J Med 2017;377:1964-1975の表1より)
1.利尿薬の投与量が不十分
2.アドヒアランス不良
  • 処方薬の未服用
  • 塩分の過剰摂取)
3.薬剤的要因
  • 腸菅浮腫による吸収遅延
  • 利尿薬の尿細管内腔への分泌不全(慢性腎臓病,高齢,薬剤性:NSAIDsやプロベネシド)
4.低蛋白血症
5.低血圧
6.ネフローゼ症候群
7.抗ナトリウム利尿薬
  • NSAIDs
  • 降圧薬
8.腎血流の低下
9.ネフロンのリモデリング
10.神経ホルモン因子の亢進

おまけ
ループ利尿薬は心不全治療ガイドラインのクラスⅠであるがエビデンスレベルB/C
代表的なループ利尿薬フロセミドは持続時間が6時間=last six ⇒ ラシックと命名
フロセミド furosemideの発音【fyo͝oˈrōsəˌmīd】は少し難しい(音声は コチラ から)

(投稿者 川崎)

2019-06-03

尿管結石の疼痛管理(特に水分)

Mindsガイドラインライブラリからの要約
  • 第1選択 ➜ NSAIDs(腎機能低下例では要注意,アスピリン喘息例では禁忌)
  • 第2選択の鎮痛薬 ➜ モルヒネ製剤,ペンタジンなど(臭化ブチルスコポラミンは補助的)
  • 芍薬甘草湯は即効性がありNSAIDsよりも鎮痛効果に優れるという報告あり(下図)
  • 排石促進薬(尿管拡張作用) ➜ カルシウム拮抗薬(ニカルジピン)やα1遮断薬
  • 薬剤抵抗性 ➜ 尿管ステント留置や腎瘻造設,ESWLやTULによる砕石治療

👻 補液や水分摂取について 
  • ガイドラインの記載 ➜ 「疼痛管理の一環として輸液を行う場合,強制大量輸液で鎮痛薬の使用量の減少や排石率が増すことはない」
  • 知人の泌尿器科専門医の意見 ➜ 「悪いことはない.むしろ感染のリスクを減らすと思う」
  • 西横浜国際病院 ➜ 「大きさが5mm以下の結石については、鎮痛剤で痛みをコントロールしながら水分摂取を積極的に行うことにより比較的速やかに自然排石が可能」

尿管結石疝痛発作25例  芍薬甘草湯(2包=5g) vs ロキソプロフェン(60mg)

💫 マラソン愛好家の先輩医師の意見
  • 「マラソン中に足がつったときにも芍薬甘草湯はすぐに効くよ!」

(投稿者 川崎)

2018-02-22

痛風 vs 偽痛風


NSAIDS パルス NSAID
実際のステロイドの使い方日内会誌 2015;104:2039-45
  • 適応はNSAIDsが使用できない場合や多発性関節炎を生じているの場合など
  • 経口プレドニゾロン15~30mg/日(漸減し3週間で中止/1-3日では再発例あり)
  • 膝や肘関節などに水腫を伴う場合は無菌的に穿刺排液後にステロイドを注入
  • 化膿性関節炎の疑いがある場合はステロイドを注入しないこと(関節液を培養)

(投稿者 川崎)

2026-06-26

COXコックス:1 vs 2

  • シクロオキシゲナーゼ(cyclooxygenase:COX)が遊離したアラキドン酸を酸化させてprostaglandins(PG)G2が形成される
  • その後に産生される各種PGsは,局所で増加した発痛物質ブラジキニンの痛覚受容体感受性の閾値を低下させ疼痛を増悪させる
  • NSAIDsはCOXの疎水性チャネルを封鎖することでアラキドン酸が酵素活性部位に結合することを防ぎ,抗炎症,鎮痛効果を発揮
  • COX-1は多くの細胞に構成的に発現し,胃粘膜,血管内皮,血小板および腎臓における組織保護作用を有するPGsの生合成に関与
  • 一方, COX-2は通常は細胞内にはほとんど存在しないが, 関節リウマチなど炎症組織において炎症関連細胞に著明に発現する


- NSAIDsCOX1 & COX2 -


(投稿者 川崎)

2019-06-06

クラウンド・デンス症候群の治療

Crowned dens症候群46症例の検討洛和会病院医学雑誌 2016;27:43-6
  • 82.6%はNSAIDsだけで治療,17.4%の症例でステロイドによる加療
  • ステロイド使用の理由は,腎機能障害・激しい痛み・痛み遷延など

🚀 実際の処方

通常はNSAIDsの常用量で1週間前後で痛みは軽快するようです.ただし難治性の場合は(感染の合併が否定できたら),プレドニゾロンで1日10~15mg程度を併用すると2~3日で痛みは消失する(ドクターサロン 2016;60:649-52).ちなみに難治性の痛風や偽痛風では経口プレドニゾロン15~30mg/日(漸減し3週間で中止/1-3日では再発例あり)(⬅ 過去の投稿).

🎓 指導医からの一言 「ポイントは回旋制限,左右に首が回らなくなったら怪しい!

😱 頸部痛の復習

(投稿者 川崎)

2023-09-30

薬剤性腎障害 Drug-induced renal injury

📗 分類
  1. 直接型 ➜ 用量依存性に発症頻度が増加
  2. 過敏型 ➜ 用量非依存性でアレルギー機序が関与
  3. その他 ➜ 免疫学的機序を介した糸球体障害(微小変化型、膜性腎症)、腎血流低下、血管障害、閉塞性腎症など

📘 機序
  • 尿細管障害(急性尿細管壊死)➜ アミノグリコシド系、セファロスポリンなど
  • アレルギー機序(急性間質性腎炎)➜ メチシリン、NSAIDs、ST合剤など
  • 腎血流障害 ➜ NSAIDs、ACE阻害薬、造影剤、シクロスポリンなど
  • 血管障害 ➜ シクロスポリン、溶血性尿毒症症候群など
  • 尿細管閉塞 ➜ メトトレキセート、サルファ剤、化学療法時の高尿酸血症など
  • 尿細管機能異常 ➜ Fanconi症候群、尿細管性アシドーシス、リチウムなど
  • 免疫機序 ➜ 微少変化型ネフローゼ症候群、膜性腎症、血管炎など


🐾 豆知識
  • アレルギー機序が関与した薬剤性腎障害(急性間質性腎炎)では尿中の好酸球が増加

👤 実例Sysmex Journal Web 2020;21:46-52
  • 54才女性が1週間前から続く39度の発熱を主訴に入院した.前医で解熱鎮痛薬アセトアミ ノフェンと抗菌薬クラリスロマイシンとガレノキサシンが投与されていた. 
  • 尿細胞診は入院日の検査で好酸球増多はなかったが第2病日に14%に増加した.腹部エコーとCT検査で両腎に腫大を認めガリウムシンチグラフィで両側腎に集積を示した.
  • 腎生検所見では糸球体には異常なく,間質全体に高度の細胞浸潤があり好酸球も散在していた.薬剤性間質性腎炎と診断した.
  • Crは2.44 mg/dL まで上昇したが,上記薬物の中止とプレドニソロン30 mgの内服で,2月後に正常化した.ちなみに3剤のLST(リンパ球刺激試験)はいずれも陰性.

💁 尿検査に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2021-06-04

心不全の増悪因子:FAILURE

  • Forgot medication:薬の服用忘れ
  • Arrhythmia/Anemia:不整脈や貧血
  • Infections/Ischemia/Infarction:感染,虚血,梗塞
  • Lifestyle:塩分過剰摂取やストレス
  • Upregulation of cardiac output:甲状腺疾患や妊娠
  • Rheumatic valve or other valvular diseases/Renal failure:弁疾患あるいは腎不全
  • Embolism:肺塞栓など

🚜 ガイドラインに記載されている心不全の増悪因子(82ページの表50)
  1. 急性冠症候群
  2. 頻脈性不整脈(心房細動,心房粗動,心室頻拍など)
  3. 徐脈性不整脈(完全房室ブロック,洞不全症候群など)
  4. 感染症(肺炎,感染症心内膜炎,敗血症など)
  5. アドヒアランス不良(塩分制限,水分制限,服薬遵守などがで きない)
  6. 急性肺血栓塞栓症
  7. 慢性閉塞性肺疾患の急性増悪
  8. 薬剤(NSAIDs,陰性変力作用のある薬剤,癌化学療法など)
  9. 過度のストレス
  10. 過労
  11. 血圧の過剰な上昇
  12. ホルモン,代謝異常(甲状腺機能亢進・低下,副腎機能低下, 周産期心筋症など)
  13. 機械的合併症(心破裂,急性僧帽弁閉鎖不全症,胸部外傷, 急性大動脈解離など)

🙆 循環器疾患の語呂合わせ(英語ですが…)➜ List of cardiology mnemonics

💁「語呂合わせ」に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2017-10-09

イーグル症候群 Eagle’s Syndrome

茎状突起が過長した解剖学的特徴に関連する病態で邦名は茎状突起過長症
※聞きなれない病名ですがこの半年に2度遭遇(ともに院内勉強会 松下金曜会

  • 原因 先天性,茎状舌骨靭帯の石灰化,茎状突起の延長(ただ根本原因は不明)
  • 症状 咽頭痛,嚥下時の痛みや不快感,扁桃に異物触知,頸部痛,耳鳴りなど
  • 診断 3cm以上の茎状突起(通常は2.5cm程度)+関連した自覚症状の出現
  • 治療 NSAIDs内服,ステロイドや局所麻酔薬の局注,外科的茎状突起切除術

分かりやすい症例報告 ⇒ Eagle症候群(茎状突起過長症)の画像診断(耳展 2014;57:160-162)

(投稿者 川崎)

2017-07-08

松下金曜会 「急性消化管出血」

急性消化管出血のレッドフラッグと重篤な原因
  1. 持続性の吐血・血性排便,不安定なバイタルサイン ⇒ 食道あるいは胃静脈瘤の出血,消化性潰瘍,大動脈腸瘻,デュラフォイ病変
  2. 経鼻胃管洗浄中に血液を認めない持続性の血便排泄 ⇒ 憩室症,血管拡張症,NSAIDs潰瘍による下部消化管出血,バイタルが不安定なら十二指腸潰瘍または大動脈腸瘻
  3. 出血後に腹痛 ⇒ 腸間膜または結腸の虚血
  4. 大動脈再建の手術歴 ⇒ 大動脈腸瘻
参考書籍:「聞く技術 答えは患者の中にある」

(投稿者 川崎)

2020-11-16

Löfgren syndrome レフグレン症候群

  • 関節炎と結節性紅斑,両側肺門リンパ節腫脹を三主徴とする急性サルコイドーシスの一型
  • 欧州で罹患率が高い(デンマークで20%,トルコで19.1%,ドイツで8.4%)が本邦では稀
  • 欧米186例の検討:平均37歳で女性85%,多くは無投薬やNSAIDsで1年以内に軽快している
  • 名称はスウェーデンの医師 Löfgren SH の初報に由来(Acta Med Scand 1953;145:424-31


👽 独り言
  • Löfgrenのöにはなかなか馴染めません.ラテン文字 O にウムラウト(¨)を付した文字で,ドイツ語やトルコ語,北欧などで用いられています().ウムラウト(変母音)が表示できないときは大文字は Oe、小文字は oe と代用表記することになっているようです().Löの発音はではなくてのようです.Löffler心内膜炎もフレルと読んでいます.
🉐 サルコイドーシスに関連する過去の投稿 ➜ コチラ (ウェブ版なら右欄の分類からも検索可能)

(投稿者 川崎)

2017-04-05

Crowned Dens Syndrome クラウンド・デンス症候群

先日の内科学会で聞きなれない症候群が発表されていたので調べてみました
クラウンド・デンス症候群とは環軸関節に生じた偽痛風発作(crown=王冠,dens=歯状突起)
  • 症状 首の周囲の激しい疼痛(ほとんど動かせない)
  • 疫学 平均年齢は78歳,男女比は1:2.5で女性に多い
  • 診断 CTで軸椎歯突起周囲の石灰化(MRIは無力)
  • 治療 NSAIDs (難治例はステロイドやコルヒチン)

分かりやすい解説 ⇒ 黒坂大太郎.Crowned dens syndrome(CDS)
多数例の報告論文 ⇒ Crowned dens症候群46症例の検討.洛和会病院医学雑誌2016;27:43−46

(投稿者 川崎)

2024-08-06

ポンセ病 Poncet's Disease

  • 結核による非化膿性反応性関節炎(感作されたCD4+ 細胞が関節に移動し関節炎?)
  • フランスの外科医 Poncet A に由来 (Congres francaise de chirurgie 1887;1:732-9
  • 関節症状の持続期間は3日〜6年と様々ですべて非びらん性および非変形性の関節炎
  • 多発性関節炎で(結核性関節炎は単関節炎),中手指節関節や膝,手足首の小関節
  • 患者の48%に全身症状はなくほとんどの症例で結核は肺外性(リンパ節結核が最多)
  • 通常はすべての患者は抗結核治療により関節破壊なく完全に解消(NSAIDsの併用有)


💁 結核に関する過去の投稿 ➜ コチラ(PC版は右欄から選択可)

(投稿者 川崎)