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2019-08-11

HAS-BLED (ハズ・ブレッド)

  • 抗凝固療法を導入(予定)の心房細動患者の出血性リスク評価方法
  • オランダの循環器内科医Pistersらが開発(Chest 2010;138:1093-100

👿 方法 下記項目の有無を確認
  1. Hypertension:収縮期血圧>160mmHg ➜ 1点
  2. Abnormal Renal/Liver Function:腎機能障害(慢性透析や腎移植,血清クレアチニン>2.26mg/dL),肝機能障害(肝硬変などの慢性肝障害,ビリルビン値>正常上限2倍,AST/ALT/ALP>正常上限3倍)➜ 2点(各1点)
  3. Stroke:脳卒中 ➜ 1点
  4. Bleeding or predisposition:出血歴,出血素因や貧血などの出血傾向 ➜ 1点
  5. Labile INR:INR不安定,高値またはTTR(time in therapeutic range)<60% ➜ 1点
  6. Elderly:年齢>65歳 ➜ 1点
  7. Drugs/alcohol:薬剤(抗血小板薬やNSAIDs併用),アルコール依存症 ➜ 2点(各1点)

👾 判定 各項目のスコアを合計
  • 0点 ➜ 低リスク(重大な出血発症リスク1%/年)
  • 1~2点 ➜ 中等度リスク(同リスク2~4%)
  • 3点以上 ➜ 高リスク(同リスク4~6%)

独り言 👴
  • HAS-BLEDは簡便で有効なスコアであるが,塞栓症を発症するリスク評価法 CHADS2スコア と重複する部分が多いため,出血リスクも塞栓症リスクも高いと判定される症例が少なくない.このような症例では抗凝固薬の減量が必要か否かは今後の検討課題です.

心房細動関連の投稿 👲

(投稿者 川崎)

2019-05-12

STSスコア

  • STS=The Society of Thoracic Surgeons=米国に本部を置く胸部外科医を中心とする学術団体
  • 同学会提唱のSTSスコアは成人心臓手術の死亡率や合併症発生率などのリスク評価法の一つ
  • 2002年~2006年のデータを元にオリジナル版を作成(Ann Thorac Surg 2009;88:S2-22 & S23-42
  • 定期的にアップデートされ現在の最終版は2018年版Ann Thorac Surg 2018;105:1411-8 & 1419-28
  • リスクモデルとして冠動脈バイパス術,外科的弁置換術・形成術,およびその組み合わせから選択
  • 近年はTAVI(経カテーテル的大動脈弁植込術)にも応用:高リスク>8%,中リスク4-8%,低リスク<4%

項目 身長や体重,性別,人種,生活習慣,既往歴,内服薬,採血,NYHAなど40以上の因子
結果 死亡率,腎不全,脳卒中,長期挿管,縦隔炎,再手術,長期入院などを同時に評価可能

🔍 実際の計算 ➜ Online STS Risk Calculator


👴 他のリスク評価方法にはEuroSCOREJapanSCOREがあるよ

(投稿者 川崎)

2023-12-25

🏆 論文

  • 当院のリハビリテーション室のPT笠井先生の研究が出版されました
  • 吸気負荷を用いた頸静脈の座位定性法による心不全リスク評価です
  • 同評価法は心不全の多様性(REF vs PEF他)によらず一貫して有用
サブグループ解析

😀 当院の頸静脈評価
  • 当院では頸静脈の座位定性法を知って以降,積極的に臨床活用してきました.つまり安静時に右鎖骨上に拍動があるか否かです.視認しなければ心不全は安定していると判断していました.しかしある時,安定しているにも関わらず運動負荷後に頸静脈拍動が出現した症例に遭遇しました.本例は残念ながら数ヵ月後に死亡されました.
  • この時に心疾患の慢性期では負荷が重要であることを再認識しました.負荷心電図や負荷心エコー図と同様に,負荷頸静脈です.そこで負荷頸静脈の報告を検索したのですが,ほとんどないことが分かりました.これは頸静脈評価の従来定量法(例:45度半坐位で胸骨角からの垂直距離を測定:ルイス法)に問題があると考えました.
  • 近年普及してきた座位定性法なら,負荷後も頸静脈の判定が容易です.早速6分間歩行で行ってみると,予想以上にいい結果が得られました(笠井論文).運動が困難な症例も少なくないので,吸気負荷(前負荷増大)に対する反応を確認しましたが同様に良い結果でした(車古論文).今回は第三弾で心不全の多様性に対する検討です.

💁 論文の過去投稿は コチラ(ウェブ版なら画面右の分類からも選択可)

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2020-05-20

🏆 論文

  • 当院の理学療法士である笠井先生(日本心臓リハビリテーション学会認定指導士)の研究論文が出版されました
  • 内頸静脈は中心静脈圧の推定に有用ですが特定の体位(例:45度座位)を要するなど簡便な評価法とは言えません
  • そこでよりシンプルな座位定性法(座位で鎖骨上に見えるか否か)を導入し心不全例の6分間歩行前後で判定しました
  • 安静時に内頸静脈を視認しなくても負荷後には14%で視認でき,陽性群は運動耐用能が低く心事故も高率でした
  • 同判定方法は極めて容易であり,慢性心不全症例の新たなリスク評価法として臨床現場への普及が期待されます

(Am J Cardiol 2020;125:1524-8)

 👻 独り言
  • 内頸静脈を評価する従来定量法ではカルテ記載が複雑になります(例:内頸静脈の変動上縁は45度座位で胸骨角から垂直方向に3cm).しかし今回の座位定性法ではとてもシンプルに記載できます(例:座位陰性).おまけにその判定も容易に身に着けることができます(実際の症例 ➜ コチラ).本手法はクスマウル負荷蹲踞負荷などにも応用できるのでとても実践的だと思います.

(投稿者 川崎)

2026-02-21

知っ得:ガイドライン

📗 12誘導心電図
  • 低リスク手術でのルーチンの術前12誘導心電図は推奨されない(推奨クラスIII No benefit・エビデンスレベル B)

📘 BNP/NT-proBNP
  • 中,高リスク手術において,臨床的リスクにて上昇リスク群(例 血管手術でRCRI 1項目以上,非血管手術2項目以上)では,さらなるリスクの層別化にBNPまたはNT-proBNPの測定を考慮してもよい(推奨クラスIIb・エビデンスレベル C)(付帯事項:アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬はBNP値に影響を与える可能性があり注意する.RCRI(Revised Cardiac Risk Index)「低リスク群」に測定する意義は低い)

📙 心エコー図
  • ルーチンの術前経胸壁心エコー図検査は推奨されない(推奨クラスIII No benefit・エビデンスレベル C)(付帯事項:臨床的に適応になるような状況では心エコー図検査を考慮してもよいが,心エコー図検査のためだけに必要な手術が遅れないように注意する)


(投稿者 川崎)

2025-04-05

本邦独自の評価ツー ル:HELT-E2S2スコア

  • 脳梗塞発症リスクを判断するCHADS2やCHA2DS2-VAScのスコアは海外で開発
  • HELT-E2S2スコアは本邦のデータに基づき開発された脳梗塞リスク評価ツール
  • 具体的には5つのレジストリの統合解析J-RISK(Circ J 2021;85:1254-62、他)
  • 独立危険因子6つ:年齢、高血圧,脳卒中既往,BMI、持続性/永続性心房細動
  • HELT-E2S2スコアの何点以上を抗凝固療法開始とするかは今後の検討を要する
  • 読み方はヘルツ(独語herzは心臓 😁)・イーツー・エスツーが多いと思う...



(投稿者 川崎)

2023-02-17

チャールソン併存疾患指数  Charlson comobidity index: CCI

  • 入院時の併存疾患から死亡リスクを評価する簡便な臨床指標(10年予後はココで計算可能)
  • 提唱は米国の医師 Charlson らで1200余名のデータに基づく(J Chronic Dis 1987;40:373-83
  • 各項目の有無から低リスク=0,中等リスク=1~2,高リスク=3~4,超高リスク≧5に分類

💀 追加コメント
  • オリジナル論文では1年後と10年後の予後を予測しているが,四半世紀以上前の比較的少数の臨床データに基づくため注意が必要
  • ただし現在でも一部の疾患では活用されている.例えば急性胆嚢炎ではCCIASA-PSを組み合わせて治療方針を決定している(下図)


- 急性胆嚢炎の治療フローチャート -


💁 胆嚢炎に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2022-04-08

Revised Cardiac Risk Index: RCRI

👹 概略
  1. 高リスク手術(鼠径上の血管または腹腔内・胸腔内の手術 )
  2. 虚血性心疾患の既往 
  3. 心不全の既往
  4. 脳血管障害(脳卒中あるいは一過性脳虚血)の既往
  5. インスリンを要する糖尿病
  6. 腎機能障害(Cr >2.0 mg/dL)

👺 判定例Can J Cardiol 2017;33:17-32
  • 0点=3.9%, 1点=6.0%, 2点=10.1%, 3点以上=15%

💁 リスク評価に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2021-08-15

TIMI ティミ リスクスコア

非ST上昇型急性冠症候群(NSTE-ACS)の迅速リスク評価法
米国の循環器医Antmanらが開発(JAMA 2000;284:835-42
最初に提唱され最も検証されている(以下の7項目で判断)
  1. 年齢(65歳以上)
  2. 3つ以上の冠危険因子(家族歴,高血圧,高コレステロール血症,糖尿病,現喫煙)
  3. 既知の冠動脈有意狭窄(≧50%) 
  4. 7日以内のアスピリンの服用
  5. 24時間以内に2回以上の狭心症状の存在
  6. 心電図における0.5mm以上のST偏位の存在
  7. 心筋バイオマーカーの上昇

🐒 実際の計算 ➜ コチラ(0点=5%〜7点=41%まで自動計算)

👻 呟き
  • 循環器専門医は本スコアを意外に知らないような気がします.非循環器専門医(特に初期研修医)から「ACSで, TIMI ティミ リスクスコア4点です」と連絡をもらっても慌てないようにしなければ…😅

(投稿者 川崎)

2022-06-20

🏆 論文

🎉 当院の循環器内科で行われた臨床研究が出版されました 🎉 

  • 対象は心不全で松下記念病院に入院した138例です.退院前に簡易定性法による頸静脈評価に加えて,吸気負荷を追加しました.
  • 退院後の予後は,安静時に拍動を認めた症例(下図の)で心事故(死亡または心不全再入院)が有意に高率でした(予想通り).
  • さらに安静時には視認しなくても吸気負荷で拍動が出現する症例(クスマウル徴候陽性)も同様に予後不良でした(下図の).


😀 負荷頸静脈
  • 循環器疾患は負荷することで診断の感度と特異度を改善することができます.負荷心電図,負荷心エコー図,負荷心筋シンチグラフィしかりです.最近は心臓カテーテル検査時にも負荷を行う機会が増えてきました(冠血流予備量比など)
  • もちろん身体所見にも負荷はありますが,臨床現場ではあまり用いられていないように思います.当院では2020年に6分間歩行後の頸静脈所見が心不全症例のリスク評価に有用であることを報告しました(Am J Cardiol 2020;125:1524-8).
  • 6分間歩行は運動可能な症例に限定かつ診察室での施行は不可能です.本論文はこれらの問題点を克服するために実施されました.クスマウル徴候が陽性の症例は,安静時に拍動が視認できる症例と同程度に予後不良であることは驚きです.

💁 論文の過去投稿は コチラ(ウェブ版なら画面右の分類からも選択可)

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2022-09-28

DASI: Duke Activity Status Index 🏃 Duke活動状態指標

  • 冠動脈疾患,心筋梗塞,心不全など心血管疾患患者の機能的能力を評価するツール
  • 日常の活動程度から構成される12個のYes-No質問に答えていく(自動計算ページ
  • 肯定的な回答の合計点で判定(0から58.2の範囲で高スコアほど機能的能力が高い)
  • Duke大学の医師である Hlatky らにより開発された(Am J Cardiol 1989;64:651-4

💁 リスク評価に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2026-03-20

論文 🏆 低灌流の身体所見パート2

  • 当院で行った臨床研究が論文になりました.Kasai K, Kawasaki T. Peripheral Perfusion Index as a Marker of Hypoperfusion in Heart Failure. Cardiology 2026 Feb 9:1-10. Epub ahead of print. (PMID: 41662304
  • 以前に当科から,心不全症例の低灌流を反映する身体所見の中で,腋窩と指先の温度差および指先の冷感の有無はいずれも,Nohria-Stevenson分類と同程度のリスク分類に利用できることを報告(Cardiology 2025 May 5:1-11
  • 今回は簡便かつ客観性のある指標 Perfusion Index (PI) を用いた検討です.PIはパルスオキシメータの拍動性血流成分と非拍動性血流成分の比から算出される指標で,心不全例でのリスク評価は初めてと思われます.

- 心不全例の末梢PIと心血管事故 -

💁 論文の過去投稿は コチラ(ウェブ版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

2026-09-04

キキクル(危険度分布)

  • 気象庁が提供する防災情報システムで「危機が来る」に由来する愛称
  • 大雨に伴う災害リスクを地図上でリアルタイムに色分け表示(下図)
  • 土壌雨量指数・表面雨量指数・流域雨量指数という3つの指数を使用
  • 4種類:土砂キキクル、浸水キキクル、洪水キキクル、大雨キキクル
  • 白(心構え)、黄(注意)、赤(警戒)、紫(危険)、黒(災害切迫)

- 雨による災害リスク評価 -

(投稿者 川崎)

2026-06-16

メタロ・バランス Metallo-balance

👥 先日の外来で…
  • 患者さん 「こんど近所でメタロバランスします」
  • 担当医師 「メタロ…バランス…何ですかそれ?」
  • 患者さん 「血液でする癌健診みたいらしいです」
  • 看護師長 「そういえば**医院でもやってたわ」

💁 メタロ・バランス がんリスク検査
  • 血液中の亜鉛など17種の微量元素濃度を測定し、健常人とがん症例のデータから、統計学的手法を用いて現在がんであるリスクを評価
  • 早期がんリスクにも対応した新しいタイプの検査(認知症のリスクも可)。採血のみの簡便な検査で、事前準備も一般的な採血と同じ
  • 対応がん:男性6種類=大腸・胃・肺・すい臓・肝臓・前立腺、女性9種類=大腸・胃・肺・すい臓・肝臓・乳・子宮頸・子宮体・卵巣

(投稿者 川崎)

2018-05-25

Glasgow Blatchfordスコア


曲線下面積は0.92(95%信頼区間 0.88–0.95)
  • 論文中の図より推測される同スコアの最適な分割値は6点あたり
  • つまりBUN≧70あるいはHb<10なら緊急内視鏡を考慮すべし 🏥

🔃 以前にもよく似た投稿がありました ➜ Blatchford スコア

(投稿者 川崎)

2018-07-08

コレステロールの目標値

  • 病院では二次予防が多いためLDL-C<100 mg/dl(重症なら70 mg/dl)だけですむことが多い
  • ただしガイドラインに基づいた脂質異常症に対する管理目標値は上記のように単純ではない

原典)日本動脈硬化学会(編): 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版
吹田スコア Suita score
(投稿者 川崎)

2021-11-10

ASA PS: American Society of Anesthesiologists Physical Status

  • 術前の麻酔科における簡便なリスク評価で予後とも相関する
  • 米国麻酔科医会の依頼で作成(Anesthesiology 1941;2:281–4
  • 現在の仕様は2014年版で,最終更新は2020年12月 ➜ コチラ

❻ 以下の6クラスに分類(緊急手術ではEを追加)
  1. 手術の対象疾患は局在的で全身的な障害なし(例:他が健康な症例の鼠径ヘルニアあるいは子宮筋腫)
  2. 軽度の系統的な障害(例:喫煙者,妊婦,コントロールされた高血圧や糖尿,新生児または80歳以上)
  3. 重症の系統的な障害(例:コントロール不良の糖尿や高血圧,COPD,BMI 40以上の肥満:本邦は35?)
  4. 生命をおびやかす高度の系統的疾患(例:3月内の心筋梗塞や脳血管障害,血液透析,EFの高度低下)
  5. 瀕死状態で手術でも助かる可能性は少ない(例:動脈瘤破裂でショック,広範な肺塞栓,多臓器不全)
  6. 脳死状態の臓器移植ドナー

(投稿者 川崎)

2025-02-08

抜管後の上気道~気管狭窄

  • 気管挿管に伴う合併症の一つで発生頻度は0.1%以下
  • 救急外来で挿管例での発生頻度は約1%(270例中3例)
  • 3例の診断は喉頭ファイバー1例で他はCT(肺野条件)



危険因子
  • 長期挿管(>48 時間)
  • 女性
  • 大口径の気管チューブ
  • 挿管困難
  • 外傷症例

抜管前の具体的対応
  • 喉頭および周辺組織の浮腫の評価 : 画像評価、喉頭鏡・ファイバースコープによる直接観察を考慮する
  • 頭部挙上
  • 利尿による浮腫軽減
  • ステロイド投与
  • 再挿管のための特殊な器具の準備(緊急気管切開セットを含む)
  • 抜管時の麻酔科医の立ち会い
  • 予防的非侵襲的陽圧換気の準備
  • 抜管時のチューブエクスチェンジャーの使用など


👀 復習
  • 人工呼吸器からの離脱は SAT & SBT(Spontaneous Awakening Trial/自発覚醒トライアル & Spontaneous Breathing Trial/自発呼吸トライアル)
  • SAT成功基準を満たし,次のSBT成功基準を満たしたら抜管を検討(ただし抜管後の上気道狭窄や再挿管のリスクを評価した上で実施したい)

(投稿者 川崎)

2023-12-13

心室三段脈とマラソン

😑 初診外来
  • 検診で心室三段脈が記録された若い方が,循環器内科を受診されました.自覚症状はなく特記すべき既往歴もありません.ただ,翌月にフルマラソンの出場を予定している様です.

2022年改訂版 不整脈の診断とリスク評価に関するガイドラインの記載
不整脈患者の運動許容の条件と設定
  • 心室期外収縮(PVC)が単形性で,安静時または運動中の単発ないし2連発の場合には,運動制限は必要ない.運動により減少ないし消失するPVCは,運動制限の必要はない.無症候性中年男性(42~53歳)6,101人を対象に運動負荷試験を行い,安静時,運動中,運動後の回復期のPVCを高頻度(2連発または30秒間に10%以上の出現),低頻度,無群に分け,23年間追跡した前向き対照比較試験では,運動中および回復期のPVC高頻度群で心血管疾患死亡が有意に多かった76.運動中や運動後の回復期のPVCが増加する例,多源性や3連発以上を認める例では精査が必要である78, 332.特に,運動により増加する右脚ブロック型でQRS幅が130 msを超えるPVCは精査が必要である332

引用論文
 😗 再診時
  • 本例は負荷心エコー図で肺高血圧や壁運動異常(虚血)は誘発されず,PVCも増加しなかった.ガイドラインの記載通り運動制限は不要であるが,フルマラソンとなると話は別かもしれない.
  • ご本人と話しているとマラソンにこだわりはなく,なんとなく出場してみようと思っただけの様子.それならば「やめといたらどう?」と提案したら,あっさりと「じゃあ,やめます」と 😁

💁 マラソンに関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2021-12-12

第132回日本循環器学会近畿地方会より

T1-19 ピロリン酸シンチが陰性であった肥大型心筋症歴のある野生型トランスサイレチン型アミロ イドーシスの一例
  • 病初期の場合などにピロリン酸シンチは偽陰性を呈することもあり,Apical sparingを認める肥大心では生検での診断を考慮することも重要と考えられた。

T2-5 COVID-19ワクチンにより心室細動が誘発されたと考えられたBrugada症候群の一例
  • 本症例ではワクチン接種後の発熱がVFの誘因となった可能性がある。ESCではBrugada症候群に対するCOVID-19ワクチン接種に際して,解熱薬の投与を推奨してい る。

T4-35 心臓MRI T1強調画像にて冠動脈にhighintensity plaque(HIP)を認めた左前下行枝慢性完全閉塞病変の一例
  • 心臓MRIによる冠動脈不安定プラークを検出する手法が注目を集めている。本症例でも術前の不安定プラークの予測に心臓MRIによる冠動脈HIPが有用であった。

T6-25 完全皮下植込み型除細動器リード脱落をきたしたReel症候群の1例
  • 透視下でS-ICDジェネレータ側面をリードが周回しており,上体を捻るような動きで再現性を持ってジェネレータにより電極リードが牽引される様子が観察され,Reel症候群と診断した。

T8-49 がん合併下肢末梢型深部静脈血栓症は,抗凝固療法なしで半数が悪化,そのうち約2割が中枢型に進展する
  • がん患者に合併する下肢末梢型DVTは,抗凝固療法導入・継続できない場合は8.3%が中枢型DVTに移行することが示された。

👻 当院からの発表
  • T1-6 吸気に対する頸静脈反応:心不全のリスク評価(循環器内科 車古大樹先生ほか)
  • T4-32 身体所見による肥大型心筋症の診断(循環器内科  川﨑達也ほか)
  • T5-2 ばち指が最終的に消失した肺癌を伴う狭心症の1例(循環器内科 土橋哉仁先生ほか)
  • T5-29 Becker徴候を記録できた大動脈弁閉鎖不全症の1例(循環器内科 車古大樹先生ほか)

みんなとてもよかったです 😇 4演題とも英語論文として投稿中あるいは採択後もいいね

💁 学会に関する過去の投稿 ➜ コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)