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2025-07-21

フィジカルクイズ(No. 13 & 14)

  • 循環器Physical Examination講習会は故・吉川純一先生が2003年に立ち上げられた身体所見に関する研究会です.「生きた physical examination」を体感・習得して,「感動できる」ものにしていきたいと思っています.
  • 2025年4月から毎週金曜日に循環器に関するフィジカルクイズを2題ずつX(旧Twitter)で発信しているので,よろしければフォローしてみてください(@PhysicalExamin1).こちらにも2週分ずつまとめてアップします.



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(投稿者 川崎)

2025-07-20

LADA & LADY

  • LADA: latent autoimmune diabetes in adults(主に海外で使用,典型例は35才以降)
  • LADY: latent autoimmune diabetes in youth(小児を含む若年者に発症したLADA)
  • SPIDDM: slowly progressive insulin-dependent diabetes mellitus(緩徐進行1型糖尿病)


👺 LADAの定義(以下のすべてを満たす)
  • 35歳以降の発症
  • 既知の膵島関連自己抗体のいずれかが陽性
  • 糖尿病の診断後6ヶ月以降にインスリン治療が必要


💁 自己免疫性糖尿病に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2025-07-19

ピトレシン(一般名 バソプレシン/Vasopressin)

日本版敗血症診療ガイドライン2020より

CQ6-9-1&2
  • 成人敗血症患者に対する血管収縮薬の第一選択としてノルアドレナリン,ドパミン,フェニレフリンのどれを使用するか?
Answer
  • 第一選択としてノルアドレナリンを投与することを弱く推奨する。(GRADE 2D:エビデンスの確実性=「非常に低」)

CQ6-10-2
  • 成人敗血症患者に対する血管収縮薬の第二選択としてバソプレシンを使用するか?
Answer
  • 第二選択としてバソプレシンを使用することを弱く推奨する。(GRADE 2D:エビデンスの確実性=「非常に低」)


ピトレシンの効能又は効果添付文書
  • 下垂体性尿崩症、下垂体性又は腎性尿崩症の鑑別診断、腸内ガスの除去(鼓腸、胆のう撮影の前処置、腎盂撮影の前処置)、食道静脈瘤出血の緊急処置

💣 追加コメント
  • 敗血症などによる急性低血圧やショック時の補助療法としては適応外使用であるが企業見解が提出され,「バソプレシン【注射薬】」を「急性低血圧」、「ショック時の補助治療」に対して処方した場合、当該使用事例を審査上認めるという社会保険診療報酬支払基金の判断がなされている。
  • 企業が提出している用法・用量についての記載は点滴静注:生理食塩水、5%ブドウ糖などで溶解し、0.01~0.04 U/分で持続静注.具体的には1アンプル(1 ml中合成バソプレシン20単位,528円)を生食19 mLで溶解して(1 mlあたり1 U),シリンジポンプで0.6〜2.4 mL/Hで投与
バソプレッシン
💁 バソプレシンに関する過去の投稿 ➜ コチラ
 
(投稿者 川崎)

2025-07-18

日本内科学会 第248回近畿地方会より

😀 個人的に気になった報告

演題64 Gitelman症候群と診断した反復性低K血症と低Mg血症の1例
  • 本症はNa-Cl共輸送体(SLC12A3遺伝子)の変異に起因し、遠位尿細管でのNaおよびCl再吸収障害をきたす疾患である。類似疾患のBartter症候群との鑑別が必要であるが、本症は低Mg血症や低Ca尿症を伴うことが特徴である。軽度の脱水や胃腸症状を契機に重篤な電解質異常を反復するため、KおよびMg補充に加え、適切な水分電解質摂取を含む生活指導が重要である。

演題69 Pantoeaによるカテーテル関連血流感染の1例
  • カテ先培養と血液培養の結果でPantoea sp.が検出された。薬剤感受性結果から抗生剤をCTRXに変更し、その後症状の再燃なく、抗生剤を2週間投与したため退院となった。グラム陰性桿菌であるパンテアはカテーテル関連血流感染の原因菌として非常に珍しい。

演題102 ピサ症候群を呈した抗凝固療法中尾状核出血の1例
  • 右へ傾くピサ症候と左への体幹のねじれを呈し、右上肢固縮と姿勢時振戦、軽度の右下肢単麻痺も認めた。ピサ症候は立位や座位時に増強、仰向けになると正中に戻り、腰曲がりはなかった。頭部CTで左尾状核に直径1.5cmの血腫、左側脳室へ穿破を認め責任病巣と判断した。

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(投稿者 川崎)

2025-07-17

今週の一枚 🎯

健診で心雑音を指摘された症例

😎 解説
  • 心尖部で収縮期雑音を聴取する
  • Ⅱ音(S2)不明瞭で逆流性雑音
  • 右鎖骨(上)では雑音は不明瞭
  • 心エコーで僧帽弁逆流を認めた
😛 追加コメント
  • 大動脈弁狭窄の収縮期駆出性雑音と異なり(自験例)、僧帽弁逆流の雑音は鎖骨にあまり放散しない。息止めをしない聴診では、呼吸音に埋もれて雑音を認識することが難しい。是非ASとの鑑別に利用したい。
  • MRでは逆流性雑音がⅡ音を超えるため、Ⅱ音の認識が困難になる。ただしこの原則は心尖部では当てはまるが、肺動脈弁領域ではあてにならない。その理由はⅡ音の肺動脈成分(2P)を聴取するためである。

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(投稿者 川崎)

2025-07-16

呑気症 Aerophagia

  • 概略 過剰な空気の嚥下で消化管内に多量の空気が貯留
  • 分類 器質的な異常がない機能的疾患で消化器系心身症
  • 症状 頻回のげっぷや腹部の膨満感,排ガスの異常など
  • 別名 呑気症候群,空気嚥下症,噛みしめ呑気症候群他
  • 動体 胃や大腸に存在するガスの65~70%は嚥下による
  • 原因 早食,炭酸,クレンチング(噛みしめ),ストレス
  • 治療 関連因子除去,抗うつ薬,消泡薬,歯科調整など


- 呑気症の年齢性別と自覚症状 -

(投稿者 川崎)

2025-07-15

バイオシミラー Biosimilars

📉 バイオシミラー(バイオ後続品)
  • 国内で既に新有効成分含有医薬品として承認されたバイオテクノロジー応用医薬品(先行バイオ医薬品)と同等/同質の品質,安全性,有効性を有する医薬品として,異なる製造販売業者により開発される医薬品

📈 ジェネリック
  • 先発医薬品と同一の有効成分を同一量含み,同一経路から投与する製剤で,効能・効果、用法・用量が原則的に同一であり,先発医薬品と同等の臨床効果・作用が得られる医薬品


💁 つぶやき
  • ジェネリック:有効成分が先発品と同一で血中濃度推移が同様なら認可
  • バイオシミラー:臨床試験で薬物 PK/PD,有効性,安全性の評価が必要

(投稿者 川崎)

2025-07-14

もし座位で認めれば…(フィジカルの高み)

心電図異常+労作時の息切れ(座位)

👼 解説
  • 安静呼吸時には頚部に拍動を視認せず
  • ただし稀に陽性波? ➜ キャノンa波
  • 深吸気保持で陽性波が連続出現(矢印)
  • 脈触診併用で同波は収縮期直前(a波)
  • 本例の最終診断は両心室肥大型心筋症

👳 独り言
  • 肥大型心筋症ではa波が明瞭になることが多いと思います.当院の研究でも7割以上の症例でa波を視認しています.ただしこの数値は臥床であって(典型的な自験例),座位でa波を認める症例は10%にすぎません.座位のa波視認は,HCMのフィジカル診断に対して感度10%ながら特異度は100%
  • 座位でa波を認める他疾患は3度房室ブロック(自験例)や期外収縮(自験例)によるキャノンa波です.その機序は右房収縮時に三尖弁が閉鎖しているためです(この場合はa波が規則正しく出現しないので視診でも鑑別可能).三尖弁狭窄では規則正しいa波ですが超稀(腫瘍による類似病態の自験例
  • HCMでa波が目立つ機序は右房の後負荷増大(≒右室のコンプライアンス低下)です.よって右室肥大を有する肥大型心筋症ではa波が目立ちやすいと思います(左室肥大のみでもベルンハイム効果のため右室コンプライアンスは低下).右室肥大を伴うHCMの頻度は1~2%と稀ですが(PLoS One 2017;12:e0174118),ぜひ右心系HCMのフィジカル診断に挑戦してみてください.

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(投稿者 川崎)

2025-07-13

第139回日本循環器学会近畿地方会より

😃 個人的に気になった報告
 
2-12 クレアチニンキナーゼ欠損症を合併したST上昇型急性心筋梗塞の一例
  • 右冠動脈(RCA)#2 閉塞を認め,経皮的冠動脈形成術を施行した(total ischemic time 144分)。術後,高感度トロポニンI(hs-TnI)の上昇は認めたが,クレアチニンキナーゼ(CK)の上昇は認めなかった(peak CK[IU/L]/CK-MB[IU/L]/hs-TnI[pg/mL])=169/5/16863)。

2-16 自己免疫性心筋症の関与が示唆された虚血性心筋症の一例
  • 心臓MRI検査では冠血流支配領域に一致しない壁運動低下を認めた。さらに血液検査や心筋病理において,自己免疫性心筋症を疑う所見が得られ,至適薬物療法にも関わらず心機能は進行性に低下を認めた。

7-31 irAEによる洞不全症候群に対して心房リードレスペースメーカ植え込みを行った1例
  • ペースメーカ感染を認め全身麻酔下に経皮的リード抜去術を施行,全システム抜去術に成功した。元々のペースメーカ設定はAAIR⇔DDDR,60ppmであったが,累積心室ペーシング率が1%未満であったため心房リードレスペースメーカ(Abbott社製Aveir AR)の植込みを選択,右心耳基部に留置しAAI60ppmの設定とし た。

8-27 シトステロール血症の病原性変異の網羅的文献検索と早発性冠動脈硬化症
  • シトステロール血症はABCG5/G8遺伝子の病原性変異により発症する疾患で血中シトステロール高値に加えLDL-C高値,アキレス腱肥厚を伴い,家族性高コレステロール血症との鑑別を要する。


👻 当院からの発表
  • 2-10 冠動脈ステントで誘発されたコーニス症候群の1例(循環器内科 角本拓也ほか)
  • 4-16 心電図変化が気胸部位の推定に有用であった1例(循環器内科 江上 晟ほか)
  • 8-24 シンプル頚静脈©:負荷頚静脈法の学習アプリ(循環器内科 川﨑達也ほか)

江上先生は優秀賞ゲット & すべて英語論文として発表前に出版 👏

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(投稿者 川崎)

2025-07-12

ジフテリア Diphtheriae

  • ジフテリア毒素を産生するCorynebacterium diphtheriaeを病原体とする感染症
  • 感染経路は主に飛沫感染や接触感染で潜伏期間は1日~10日(通常2日から5日)
  • 症状は呼吸器(発熱や咽頭痛)、皮膚(発疹や潰瘍)、心筋炎,神経麻痺など
  • 日本は定期予防接種で2000年以降報告はない(海外では現在も一部で集団発生)
  • 診断は鼻汁や咽頭拭い液、皮膚病変から毒素産生性C. diphtheriaeを分離・同定
  • PCRでジフテリア毒素遺伝子検出や培養細胞を用いたジフテリア毒素の検出も可
  • 治療はマクロライドやPC系抗菌薬、抗毒素(ワクチンによる予防が極めて有効)
  • 濃厚接触者に対しては予防的な抗菌薬の投与を検討(感染症法では二類感染症


ジフテリアで特徴的な首のふくらみ(bull neck)

(投稿者 川崎)

2025-07-11

AS=鎖骨放散・大

健診で心雑音を指摘された症例

😎 解説
  • 心尖部で収縮期の雑音を聴取
  • Ⅱ音(S2)明瞭で駆出性雑音
  • 右鎖骨(上)でも雑音は明瞭
  • 心エコーで大動脈弁狭窄あり
😛 追加コメント
  • 大動脈弁狭窄の収縮期駆出性雑音は鎖骨や頚部に放散する(ことが多い)。頚部は呼吸止めをしないと聴診が難しいが、鎖骨では息止めは不要。呼吸音にかき消されない大きな雑音があればASが多い。
  • やり方は聴診器の膜部を鎖骨上にのせるだけ(左右どちらでもOK)。MR雑音では鎖骨への放散が小さいため(雑音が呼吸音に埋もれる)、両者の鑑別に役立つ。ちなみに本例では大きなⅣ音あり。

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(投稿者 川崎)

2025-07-10

今週の一枚 🎯

臥床時の呼吸困難感

😶 解説
  • 右横隔膜挙上と右胸水貯留の疑い
  • バイタルサインは正常内であった
  • 座位の酸素飽和度も97%(室内気)
  • 腹部の膨隆と高度の下腿浮腫あり
  • 半側臥位でCT撮像 → 大量の腹水
  • 4Lの排液後は臥床時の息切れ消失
  • 腹水の原因は肝硬変+悪性疾患




🚑 現場中継
  • 救急隊から一報で「起坐呼吸」と聞いて心不全を想定した.到着後の問診では直前ひと月は糖質のみの食事だったことも判明.よって脚気による心不全を疑った.
  • しかし身体所見では頚静脈は座位で視認せず,心音にも特記すべき異常はなし.最終的に大量腹水による(特に臥床時の)横隔膜圧迫が呼吸困難感の原因と判断.

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(投稿者 川崎)

2025-07-09

肺毛細管腫症 PCH: pulmonary capillary hemangiomatosis

  • 病態 毛細血管が気管支壁や血管壁,肺胞隔壁,胸膜に増殖浸潤
  • 臨床 肺の動静脈が破壊され肺高血圧症を引き起こす極稀な疾患
  • 初報 オランダ病理医Wagenvoortら(Histopathology 1978;2:401-6
  • 疫学 男女差はなく発症は30~40歳代が中心(本邦で100例程度)
  • 症状 非特異的(呼吸困難,喀血,胸痛で発症し右心不全へ進行)
  • 原因 不明(血小板由来成長因子や常染色体劣性遺伝の関与?)
  • 画像 胸部X線=結節網状影,胸部CT=小葉中心性の淡い結節影
  • 鑑別 肺動脈性肺高血圧症PAH肺静脈閉鎖症PVOD(病理組織要)
  • 治療 肺移植のみ完治療法(PH治療薬は通常抵抗性で予後不良)


- 急激に悪化して剖検で肺毛細管腫症 PCH と診断された54歳女性 -

(投稿者 川崎)

2025-07-08

😊 看護学生に教えてもらいました

  • 指導医師 「あの患者さん,喜寿が77歳って知ってたよ」
  • 看護学生 「喜寿,知っていた…どういうことですか?」
  • 指導医師 「認知症らしいけど,しっかりしてるってこと」
  • 看護学生 「それって,結晶性知能だと思うのですが…」
  • 指導医師 「けっしょう…せい…ちのう?」
  • 看護学生 「ええ,結晶性知能流動性知能の結晶性」
  • 指導医師 「…けっしょうって…どんな漢字かくの?😢」

結晶性知能(AI概要を参考)
  • 定義:長年の経験や教育、学習を通じ獲得される知能
  • 内容:言語能力、理解力、判断力、洞察力、知識など
  • 加齢:20歳以降も緩徐に発達して高齢になっても維持

流動性知能(AI概要を参考)
  • 定義:新しい状況に適応する情報を獲得し処理する能力
  • 内容:推理力や問題解決能力、記憶、計算、直感力など
  • 加齢:20代をピークに低下傾向(認知症で低下が目立つ

(いつもながら素晴らしい看護師のかげさん🐱🍌デザフェスL240•241 のX投稿より)

(投稿者 川崎)

2025-07-07

フィジカルクイズ(No. 11 & 12)

  • 循環器Physical Examination講習会は故・吉川純一先生が2003年に立ち上げられた身体所見に関する研究会です.「生きた physical examination」を体感・習得して,「感動できる」ものにしていきたいと思っています.
  • 2025年4月から毎週金曜日に循環器に関するフィジカルクイズを2題ずつX(旧Twitter)で発信しているので,よろしければフォローしてみてください(@PhysicalExamin1).こちらにも2週分ずつまとめてアップします.



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(投稿者 川崎)

2025-07-06

レオカーナ Rheocarna

  • LDLおよびフィブリノーゲンの直接血液吸着療法(血漿分離が不要)
  • 2021年に保険収載されLDL-Cの値に関わらず吸着療法の実施が可能
  • カネカメディックスが販売(添付文書:ACE阻害薬を服用例は禁忌)
  • 対象は血行再建術不適応な潰瘍を有す閉塞性動脈硬化症例(CLTI
  • 従来のリポソーバーによる吸着療法はLDL-C高値と血漿分離が必要


💁 透析に関する過去の投稿 ➜ コチラ
 
(投稿者 川﨑)

2025-07-05

ビルロート徴候

  • 「ビルロート徴候?」と思った方もおられるのでは? 投稿者もある問題の選択肢で見たときに「??」でした.でもBillroth法と聞けばピンと来る医療従事者が多いと思います.
  • 胃切後の再建法の一つ,Billroth 法に関連する症状:ダンピング症候群(早期:動悸や発汗,めまい/後期:低血糖,倦怠感など)や輸入脚症候群(腹痛や吐気・嘔吐,体重減少など)

👻 復習(胃切後の再建法)
  • Billroth I 法 ➜ 残胃と十二指腸の直接吻合(生理的だが縫合不全がやや多い)
  • Billroth II 法 ➜ 残胃と空腸を吻合し十二指腸は閉鎖(ダンピング症候群など)
  • Roux-en-Y 法 ➜ 残胃と空腸を吻合し残空腸をY字型に吻合(全摘後では最多)

看護roo

💁 胃癌に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2025-07-04

指定難病の医療費の自己負担割合

  • 難病に認定されたら高価な薬剤を投与しても自己負担はほぼないと考えている医師は少なくありません(me too 😑 でした).でも決してそうではないことを医事課の方に教えてもらいました.

厚生労働省) 

💰 おまけ
  • 市町村民税の目安:一般所得Ⅰ=約160万円~約370万円、一般所得Ⅱ=約370万円~約810万円、上位所得=約810万円~
  • つまり年収が850万のサラリーマンが肺高血圧症治療薬を服用していたら,最低2万円/月です(年24万はかなりの負担)

(投稿者 川崎)

2025-07-03

今週の一枚 🎯

心不全で通院中の症例(座位)

😋 解説
  • 安静で頚部に拍動なし(重症心不全なし)
  • 深吸気負荷で鎖骨上窩に拍動出現(矢印)
  • 深吸気を保持したが拍動は速やかに消失
  • 本例はHFpEFで症状は長年安定している

😎 コメント
  • 心不全の「シンプル頚静脈©」では,拍動を視認するか否かの定性法を採用しています.しかし拍動上縁の位置を考慮した半定量評価も可能です(鎖骨上窩=軽症,頚部中央=中等症,顎下=重症:過去の投稿
  • 上記の位置に基づく半定量法に加えて,本例のように拍動の持続時間を考慮した半定量法も可能です.つまり安静時に拍動=重症,深吸気後に拍動持続=中等症,深吸気持続で早期のみ拍動=軽症(本例)です.

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(投稿者 川崎)

2025-07-02

もりそ:健康とおいしさを追求したソース

守口市×松下記念病院×金紋ソースで作り上げた減塩ソース

  • 守口市民に長く愛されるをテーマに松下記念病院の心不全チーム(医師、管理栄養士、理学療法士、看護師など)が「身体にやさしい」を。金紋ソースが「おいしさ」を監修しました。守口市の食文化になるようにと願いを込めて「もりそ」と名付けました。「もりそ」でおいしく、減塩生活をはじめよう!!
  • 守口市の瀬野市長からも「守口市は市民の健康寿命の延伸を重要施策の一つに掲げています。地元の病院と企業、行政が協力して作った減塩ソースが、市民の毎日の食卓で健康への意識付けを促す名物となり、非常に嬉しく思います。このソースはふるさと納税の返礼品にもなっています。」と喜んで下さいました。松下記念病院の地下売店でも購入することが可能です。


開発秘話など ➜ コチラ
  • 守口市の瀬野市長が動画に出演されています🙇
  • 投稿者も登場 😁 トップバッターで一発撮りです

(投稿者 川崎)

2025-07-01

心不全HFrEFの治療

Fantastic 4 が基本
  1. ARNI (angiotensin receptor/neprilysin inhibitor) アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ACE阻害薬ARBも考慮可)
  2. β遮断薬 (beta blocker) ベータ遮断薬
  3. MRA (mineralocorticoid receptor antagonist) ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬
  4. SGLT阻害薬 (sodium glucose co-transporter 2 inhibitor) ナトリウム/グルコース共輸送体2阻害薬

心不全ガイドライン2025の記載(表19)
ACE阻害薬
  • エナラプリル 2.5 mg/日より開始,維持量5~10 mg/日,1日1回投与
  • リシノプリル 5 mg/日より開始,維持量5~10 mg/日,1日1回投与
ARB
  • カンデサルタン 4 mg/日より開始(重症例・腎障害では2 mg/日),維持量4~8 mg/日(最大量12 mg/日),1日1回投与
  • ARNI サクビトリルバルサルタン 100 mg/日より開始,維持量100,200 または 400 mg/日,忍容性があれば目標用量まで徐々に増量1日2回 投与
β遮断薬
  • カルベジロール 2.5 mg/日(重症例では1.25 mg/日)より開始,維持量5~20 mg/日,1日2回投与
  • ビソプロロール 0.625 mg/日(重症例では0.3125 mg/日)より開始,維持量1.25~5mg/日,1日1回投与
MRA
  • スピロノラクトン 12.5~25 mg/日より開始,維持量25~50 mg/日,1日1回投与
  • エプレレノン 25 mg/日より開始,維持量50 mg/日,1日1回投与
SGLT2阻害薬
  • ダパグリフロジン 10㎎/日,1日1回
  • エンパグリフロジン 10㎎/日,1日1回

👹 独り言
  • ACE阻害薬・ARB・ARNI・β遮断薬は最大量を目指す
  • MRAは投与量にこだわらず,SGLT2阻害薬は固定量

(投稿者 川崎)