このブログを検索

検索キーワード「皮膚潰瘍」に一致する投稿を日付順に表示しています。 関連性の高い順 すべての投稿を表示
検索キーワード「皮膚潰瘍」に一致する投稿を日付順に表示しています。 関連性の高い順 すべての投稿を表示

2026-07-08

蜂窩織炎と炎症反応

  • 先日、炎症反応(白血球数やCRP)が正常である下腿の蜂窩織炎の症例を経験しました。発症直後ではなくて、下腿の発赤や腫脹、熱感、圧痛(ケルススの四徴候)はしっかりありました。 
  • 個人的には「蜂窩織炎の診断がどうなんだろ~」と思っていました。しかしその後、別の指導医の先生から、論文上は炎症反応が目立たない蜂窩織炎は意外に少なくないことを教えてもらいました。
  • 蜂窩織炎の症例で白血球増多とCRP上昇の頻度は、各々34~50%および77~97%だそうです(Neth J Med 2017;75:366-78、Int J Dermatol 2010;49:1012-7、J Infect 2005;51:383-9)
  • 逆に蜂窩織炎で入院した259人中30.5%が誤診で、正しくはうっ滞性皮膚炎やうっ滞性潰瘍、痛風、心不全、非特異的浮腫、深部静脈血栓症だったようです(JAMA Dermatol 2017;153:141-6)

- 蜂窩織炎:白血球数(A)、赤沈(B)、C反応性蛋白(C)、プロカルシトニン(D)と体温との相関 -

(投稿者 川崎)

2025-08-31

Martorell's ulcer マルトレル潰瘍

  • 概要 高血圧(拡張期?)に関連した下肢の痛みを伴う難治性潰瘍
  • 原因 高血圧性下肢潰瘍、高血圧性潰瘍、壊死性血管性皮膚炎など
  • 由来 スペインの血管外科医 Martorell(Angiology 1950;1:133-140)
  • 症状 疼痛の強い単一または複数の病変(主に下腿前外側部に出現)
  • 疫学 高血圧のコントロール不良な中年(50~70歳)の女性に多い
  • 原因 内側動脈の小細動脈の閉塞により引き起こされる虚血性病変
  • 鑑別 カルシフィラキシス、壊疽性膿皮症、塞栓症、末梢動脈疾患
  • 治療 Ca遮断薬やACE阻害剤、プロスタグランジンE(PGE1)など
  • 予後 他の病因による潰瘍より強い痛みを伴い治療への反応は不良


- マルトレル潰瘍の1例 -

(投稿者 川崎)

2025-07-12

ジフテリア Diphtheriae

  • ジフテリア毒素を産生するCorynebacterium diphtheriaeを病原体とする感染症
  • 感染経路は主に飛沫感染や接触感染で潜伏期間は1日~10日(通常2日から5日)
  • 症状は呼吸器(発熱や咽頭痛)、皮膚(発疹や潰瘍)、心筋炎,神経麻痺など
  • 日本は定期予防接種で2000年以降報告はない(海外では現在も一部で集団発生)
  • 診断は鼻汁や咽頭拭い液、皮膚病変から毒素産生性C. diphtheriaeを分離・同定
  • PCRでジフテリア毒素遺伝子検出や培養細胞を用いたジフテリア毒素の検出も可
  • 治療はマクロライドやPC系抗菌薬、抗毒素(ワクチンによる予防が極めて有効)
  • 濃厚接触者に対しては予防的な抗菌薬の投与を検討(感染症法では二類感染症)


ジフテリアで特徴的な首のふくらみ(bull neck)

(投稿者 川崎)

2024-08-17

Rose gardener's disease バラ園芸家病

  • 真菌の一つであるスポロトリックス菌(Sprothrix schenckii)による皮膚感染症
  • 同菌は土壌や植物に生息するためバラのトゲによる刺し傷から感染すること有
  • その他として感染した猫による引っかき傷によって感染する(人畜共通感染症)
  • 通常は皮膚や皮下組織に潰瘍性の病変を生じる(稀に骨や関節,肺,脳の病変)
  • 治療は抗真菌薬(経口,必要に応じ静脈内投与)の長期投与(数ヵ月〜1年間〜)


(投稿者 川崎)

2023-10-26

今週の一枚 🎯

下腿症状で来院した男性

☆ 解説
  • 皮膚の肥厚と境界不明瞭な色素沈着,鱗屑,苔癬化
  • 右下腿前面の中央付近にびらんまたは潰瘍の治癒跡
  • 本例に下肢静脈瘤を示唆する所見は明らかではない
  • 男性にもかかわらず下腿に体毛をほとんど認めない
  • 最終的に慢性両心不全によるうっ滞性皮膚炎と診断

★ 鬱滞性皮膚炎(Stasis dermatitis)
  • ヒト下肢静脈は,深部静脈・表在静脈(伏在静脈)・深部と表在をつなぐ穿通枝・ポンプ作用を担う静脈洞から構成される.なんらかの原因で静脈圧の上昇を生じて皮膚炎をきたした病態がうっ血性皮膚炎で,重症化すると下肢静脈性潰瘍を生じる.
  • 下肢静脈高血圧のため慢性的に血管透過性が亢進して,フィブリノーゲンや赤血球が血管外に漏出して炎症を惹起し,ヘモジデリン沈着や結合織の増生と硬化を生じる.組織レベルでの動脈血流入が減少して栄養状態が障害されると皮膚潰瘍に至る.
  • 通常は50歳以上の方に多く,男性よりも女性の方が罹患頻度は高い.原因には静脈瘤,肥満,(多胎)妊娠,下肢静脈血栓,心不全,腎不全,高血圧,特定のライフスタイル(例:少ない身体活動や長時間の立位・座位),下肢の外傷後などがある.

👻「今週の一枚」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

※ 心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2023-09-19

壊疽性膿皮症 Pyoderma gangrenosum

  • 概要 慢性に経過し繰り返す蚕蝕性の皮膚潰瘍を特徴とする疾患
  • 病態 活性化好中球が重要な役割を果たす好中球性皮膚症の一つ
  • 疫学 頻度は3-10人/100万人・年で20~60歳に好発しやや女性優位
  • 誘因 採血針など微細な刺激,外傷,術後(乳房再建術後など)他
  • 合併 炎症性腸疾患(最多はUC),関節リウマチ,血液疾患など
  • 採血 CRPや赤沈亢進,末梢白血球・好中球数増多,時にANCA陽性
  • 診断 統一された壊疽性膿皮症の診断基準は存在しない(下表参照)
  • 分類 潰瘍型(最多),膿疱型,水疱型,増殖型,ストーマ周囲型
  • 鑑別 血行障害,血栓性,悪性腫瘍,血管炎,感染による皮膚潰瘍
  • 治療 創部安静+創傷管理,原疾患治療,PSL,シクロスポリンなど


壊疽性膿皮症の診断

インフリキシマブが奏効した壊疽性膿皮症の1例

💣 皮膚潰瘍に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2023-07-25

ウェルナー症候群 Werner syndrome

  • 概略 思春期〜老化徴候を示す常染色体劣性(潜性)の遺伝性疾患
  • 命名 独の眼科医 Otto Werner(Schmidt and Klauning; Kiel: 1904)
  • 原因 第8染色体短腕上のRecQ型DNAヘリカーゼのホモ接合体変異
  • 疫学 本邦の推定患者数は約2,000名(世界報告例の6割が日本人)
  • 症状 白内障や白毛、脱毛、腱石灰化、皮膚萎縮、糖尿病、低身長
  • 予後 動脈硬化性疾患あるいは悪性腫瘍のため平均40歳代で死亡
  • 治療 根本的治療なし(四肢難治性皮膚潰瘍は他部位から膚移植)

参考)難病情報センター、他


(投稿者 川崎)

2023-07-16

第135回日本循環器学会近畿地方会より

😃 個人的に気になった報告
 
3-5 心房細動アブレーション時に喉頭痙攣と思われる換気障害を経験した2例
  • i-gel™を使用した際に,喉頭痙攣と考えられる換気障害を2例経験した.鎮静剤をさらに投与し,深鎮静にすることで換気することができた.

3-24 頸静脈波形が診断に有用であった心タンポナーデの一例
  • Beckの3徴は頸静脈怒張のみであったが,頸静脈波形でy谷の消失を認め心タンポナーデと診断.(投稿者追記:y谷は健常者でも浅いことがあるので要注意)

5-39 線維化した深部中隔起源の心室頻拍に対してケミカルアブレーションを施行した1例
  • 左室,右室,大動脈から焼灼するも消失しない深部起源のPVC/VTに対して中隔枝を選択しエタノール注入が有効であった症例.

7-22 急性前壁心筋梗塞治療後に,造影剤脳症を合併した1例
  • PCI施行2時間後に右半身麻痺,半側空間無視,失語を認めた.頭部CTにて左半球優位に脳溝の広範な高吸収像を認め,頭部MRIでは有意所見を認めず.第3病日より麻痺,失語は徐々に改善し,翌日には 神経学的異常所見は消失した.経過順調で第14病日に独歩退院した.造影剤使用後に神経症状を呈する合併症として造影剤脳症があり,脳血管造影後の報告が多い.

7-24 難治性下肢皮膚潰瘍の治療経過中に診断に至ったウェルナー症候群の一例
  • 患者は糖尿病の罹病期間に見合わない動脈硬化を呈し,難治性下肢皮膚潰瘍,早老性毛髪変化,鳥様顔貌などウェルナー症候群の主要徴候に合致する身体所見を有していた.遺伝子検査でウェルナー症候群と確定.

7-34 下大静脈フィルター関連静脈血栓症に対して血栓吸引療法とSling techniqueを用いて抜去に 成功した一例
  • 充満する下大静脈フィルターに対して血栓吸引療法を行いその後Sling techniqueにて下大静脈フィルターを無事抜去.(投稿者追記:Radifocus guidewireなどをフィルター間に通し先端をスネア―で確保して回収するテクニック)

👻 当院からの発表
  • 2-2 急性冠症候群誘発のたこつぼ心筋症と考えられた1例(循環器内科 西川 晶ほか)
  • 3-21 S. lugdunensisによる大動脈弁輪部膿瘍を伴った感染性心内膜炎の1例(循環器内科 野口理希ほか)
  • 4-22 負荷を併用した簡易定性法による内頸静脈評価と肥大型心筋症の予後(循環器内科 川﨑達也ほか)
  • 5-11 薬剤性の体液貯留で左室流出路狭窄を生じたと考えられた1例(循環器内科 間瀬泰我ほか)

症例報告はすべて英語論文化(1つは出版済,1つは採択済,もう1つは投稿中)

💁 学会に関する過去の投稿 ➜ コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

2023-03-22

手足症候群 Hand-Foot Syndrome

😅 先日の研究会で...

  • 概要 抗がん剤により手と足(特に手掌と足底)に生じる皮膚有害反応
  • 歴史 以前はフッ化ピリミジン,近年はカペシタビンやキナーゼ阻害薬
  • 所見 紅斑・腫脹.角化,色素沈着,水疱,爪甲変化,知覚異常・疼痛
  • 機序 薬剤による表皮細胞への直接的・間接的障害+外的な機械的刺激
  • 検査 手足症候群と因果関係のある臨床検査値異常は報告されていない
  • 鑑別 湿疹(洗剤皮膚炎や指掌角皮),白癬,凍瘡,掌蹠膿疱症,乾癬
  • 対処 生活指導(物理・熱刺激・日光の回避),皮膚保護,2次感染予防
  • 投薬 休薬,尿素軟膏やヘパリン類似物質など,NSAIDs,ステロイド他

原因となる医薬品と頻度

グレード 臨床領域 機能領域
1 しびれ、皮膚知覚過敏、ヒリヒリ・チクチク感、 無 痛性腫脹、無痛性紅斑、色素沈着、爪の変形 日常生活に制限を受ける ことのない症状
2 腫脹を伴う有痛性紅斑、 爪甲の高度な変形・脱落 日常生活に制限を受ける症状
3 湿性痂皮・落屑、水疱、潰瘍、強い痛み 日常生活を遂行できない症状



紅斑・腫脹の実例

💁 抗がん剤に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2021-07-24

肢端紅痛症 Erythromelalgia

  • 肢末端の灼熱感,潮紅,皮膚温の上昇を3主徴とする稀な病態で,原発性と続発性(骨髄増殖性疾患や糖尿病,SLE,多発性硬化症など)に分類される
  • 原因は不明(血管内腔の閉鎖によるAVシャントやセロトニン・ヒスタミン・プロスタグランディンなどの放出過多,交感神経の機能障害説などが提唱)
  • 米国の医師・科学者である Silas Weir Mitchell (1829–1914) が初めて報告したためMitchell's diseaseと呼ばれることもある(Am J Med Sci 1878;76:2-36)
  • 治療はアスピリンや神経プロック,抗セロトニン薬やβ遮断薬,血管拡張薬,セロトニン再取り込み阻害薬である塩酸クロミプラミン(アナフラニール®)など 

図1 ➜ 両下腿から足背部にびまん性の発赤・腫脹・熱感+大腿部にはリベド様皮斑
図3 ➜ 足背部の亀裂と小潰瘍+頻回にわたる冷水浸漬で皮膚はびまん性に白く浸軟

🉐 関連投稿(下肢の疼痛編)
(投稿者 川﨑)

2021-06-27

日本内科学会 第232回近畿地方会より

🐤 昨日WEBで開催/個人的に気になった演題
演題36 ニコチン依存症3例への在宅酸素療法の検討−火災リスクの評価と対策
  • 教訓として認知症もしくはアルコール依存症を合併している独居で見守りのないニコチン依存症患者には,在宅酸素療法の適応はないとおもわれる.

演題37 化学熱傷後の難治性潰瘍を契機に診断となったWerner症候群の1例
  • ウェルナー症候群とは常染色体劣性の遺伝性疾患で,思春期以降に白髪や白内障,皮膚の萎縮・硬化, 音声異常などさまざまな老化徴候が出現する.

演題59 オムツ誤食によりステーキハウス症候群をおこした1例
  • 問診・画像検査から高分子吸水材誤食によるステーキハウス症候群であると判断.緊急内視鏡では食道内におむつの高分子吸水材が充満していた.

演題124 精神疾患があり診断が遅れたGitelman症候群の1例
  • 本症例は幼少時からの塩分嗜好,疲労感,筋痙攣といったギッテルマン症候群の症状が不定愁訴として見過ごされ,精神疾患として対応されてきた可能性がある.

演題145 グラム染色を含めた繰り返す喀痰検査が有用であったCorynebacteriumによる肺炎の1例
  • コリネバクテリウムは皮膚,口腔内,腸管等に常在するグラム陽性桿菌で感染症の起炎菌となることは稀であるが,院内肺炎の起炎菌の11.8%を占めたという報告もある.

演題148 Symmetrical peripheral gangrene(SPG)を来した急性腎盂腎炎の1例
  • SPGは四肢遠位部の虚血性壊死で,二肢以上が同時に侵され,近位動脈閉塞を伴わないものと定義される.多くはDICを併発する敗血症を背景とし,四肢末梢血管の微小血栓や攣縮により発症すると考えられている.

🎓「学会」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

2020-08-21

SAPHO syndrome サホーまたはサフォー症候群

フランスのリウマチ科の医師Chamotらが提唱した疾患観念で特徴的な以下の5つの頭文字から命名(Rev Rhum Mal Osteoartic 1987;54:187-96)
  1. Synovitis(滑膜炎)
  2. Acne(ざ瘡)
  3. Pustulosis(膿疱症)
  4. Hyperostosis(骨化過剰症)
  5. Osteitis(骨炎)
・・・・・・・・・・・

  • 疫学 全人口の0.04%程度(本邦での頻度は不明)/ほぼ性差はなく30-50台に好発
  • 診断 臨床症状+各種画像所見+必要時には生検で他疾患除外などで総合的に判断
  • 分類 関節炎先行型が32%,皮膚症状先行型が39%,同時発症型が29%と概ね同率
  • 特徴 前胸部の疼痛や腫脹が65-90% ➜ シンチグラフィでBull's head sign出現(下図)
  • 治療 NSAIDs,ステロイド,ビスフォスフォネート,生物学的製剤,扁桃摘出術など
  • 経過 生命予後は良好であるが寛解と増悪を繰り返す(多彩:数日軽快〜数年持続)
  • 合併 潰瘍性大腸炎・クローン病・脊椎関節炎など/HLA-B27陽性が高頻度と報告

参考)SAPHO症候群|KOMPAS ほか


(投稿者 川崎)

2019-09-25

日本内科学会 第225回近畿地方会より

🎃 個人的に気になった演題

演題10 ニボルマブによるirAEでSchmidt症候群を合併した症例
  • irAEとはimmune-related adverse event(=免疫関連副作用).Schmidt(シュミット)症候群とはアジソン病に橋本病などの自己免疫性甲状腺疾患を合併する多腺性自己免疫症候群(autoimmune polyglandular syndrome, APS)のⅡ型.ちなみにAPSのⅠ型はアジソン病に特発性副甲状腺機能低下症や皮膚カンジダ症を合併(HAM症候群:Hypoparathyroidism, Addison’s disease, Mucocutaneous candidiasis).詳しくはコチラへ 🐤

演題41 経過観察中に尿中マルベリー体を認めたことからFabry病の診断に至った肥大型心筋症の1例
  • マルベリー=mulberry=クワの実.灰白色で透明の特徴的な渦巻状成分で,近年ファブリー病のバイオマーカーとして注目されている.


演題109 右上肢に発症した複合性局所疼痛症候群(CRPS)の1例
  • 複合性局所疼痛症候群(CRPS)は骨折などの外傷や神経損傷の後に疼痛など多彩な症状が遷延する病態.CRPS=complex regional pain syndrome.本ページでも昨年にアップしています ➜ コチラ 🐥

演題129 動悸・呼吸苦にて来院、診断に苦慮したMa2脳炎の1例
  • 血清中の抗Ma2抗体は細胞内抗原を認識する自己抗体.ほとんどの症例で腫瘍を合併し,本抗体陽性脳炎では辺縁系脳炎を伴うことが多い.

演題185 免疫阻害法でCKMB高値を認めた大理石骨病疑いの1例
  • 大理石骨病は破骨細胞の機能障害によるびまん性骨硬化性病変の総称.CK-BBは通常血中に流出することはほとんどないが,大理石骨病では高値になり得る.CK-BB出現時やマクロCK血症では,通常の検査(免疫阻害法)で誤ってCK-MBが高値に算出されることがある.



🎴 当院からの発表は以下

  • 演題19 市販鎮痛薬の内服で急性ブロム中毒をきたした1例(宗川ちひろほか,総合診療科)
  • 演題164 メサラジンにより薬剤性肺炎を発症した潰瘍性大腸炎の1例(春名優甫ほか,消化器内科)

  • 宗川先生が若手奨励賞(後期)の最優秀演題賞を獲得 🏆
  • さらにすごいことに今回の発表前に英語で論文を完成 🎊

関連投稿 👀

(投稿者 川崎)

2019-04-25

被曝と合併症

症状 線量 (Gy) 発症時期
水晶体の混濁(検出可能)>1~2>5年
早期一過性紅斑22~24時間
一過性脱毛33週以内
水晶体/白内障(支障をきたす)>5>5年
主紅斑反応61.5週以内
永久脱毛73週以内
皮膚萎縮症(第1期)10>52週
硬化(浸潤性線維化)10
毛細血管拡張10>52週
皮膚壊死(遅発性)>12>52週
乾性落屑144週以内
晩期紅斑158~10週
虚血性皮膚壊死18>10週
湿性落屑184週以内
二次性潰瘍24>6週
皮膚がん未知>15年

おまけ 👿
  • グレイ(Gy)➜ 物質(人体を含む)が放射線から受ける単位質量あたりのエネルギー量を示す単位
  • シーベルト(Sv)➜ 人が受ける被曝の単位(=実効線量=吸収線量×放射線加重係数×組織加重係数)
  • ベクレル(Bq)➜ 物質から放出される放射線の物理量を表す単位(=1秒間に崩壊する原子の個数)

🙆 関連投稿

(投稿者 川崎)

2019-02-11

リーシュマニア症 Leishmaniasis

  • サシチョウバエ類によって媒介される原虫リーシュマニアによる人獣共通の感染症
  • 内臓リーシュマニア(肝脾腫・貧血)と皮膚リーシュマニア(潰瘍・結節)に大別
  • 100ヵ国(東アジアは希)で年間70-100万人が新規発症(総罹患者数は1000万以上)
  • 有効ワクチンはなく,アムホテリシンが95%で有効(Br Med Bull 2012;104:175-96)

📎 本邦ではあまり聞きなれない病名ですが,最近のLancet (2018;392:951-70)やN Engl J Med (2019;380:379)でも取り上げられています

(投稿者 川崎)

2018-06-17

第220回近畿地方会(日本内科学会)

2018年6月16日(土)に大阪国際交流センターで開催されました

当院からの発表
  • 演題65 肉眼的・病理学的に異所性子宮内膜症を確認できた月経随伴性気胸の1例 (呼吸器内科 谷口隆介,山田崇央/外科 和泉宏幸)
  • 演題82 聴診が人工弁不全の診断に有用であった1例 (循環器内科 羽生桃子,川崎達也,山野倫代,川俣博史,城田あゆみ,酒井千恵子,張本邦泰,神谷匡昭)
  • 演題99 治療に難渋した鎖骨下動脈盗血症候群の1例 (総合診療科 佐伯雅史,川崎達也,室谷昌俊,羽生桃子,篠本真紀子,小山田裕一/神経内科 藤原康弘)


気になった発表
  • 演題15 インフルエンザB型感染に肝機能障害を合併した1例 (Yamagata系統 ➜ B型は山形系統やビクトリア系統など/A型は香港型やAH1pdm09など)
  • 演題31 GAD抗体陽性1型糖尿病にA型胃炎を合併した多腺性自己免疫症候群の1例 (A型胃炎 ➜ 血中抗壁細胞抗体陽性の胃炎/陰性の胃炎はB型胃炎)
  • 演題38 3度熱傷への皮膚移植全身麻酔下手術中に大量出血を来したCurling潰瘍の1例 (カーリング潰瘍 ➜ 広範熱傷後に生じる胃十二指腸潰瘍で受傷後1週間以内の発症が多い)
  • 演題51 漢方薬の長期服用にて発症した腸間膜静脈硬化症の1例 (腸間膜静脈硬化症 ➜ 腸間膜静脈の線維性肥厚や石灰化のため生じる虚血性消化管疾患で別名は静脈硬化性大腸炎)
  • 演題66 胃癌に伴う胸水をドレナージ後に発症した再膨張性肺水腫に対して非侵襲的陽圧換気(NPPV)で救命できた1例 (再膨張性肺水腫 ➜ 胸腔ドレナージ後に生じる虚脱肺の再膨張・再灌流・血管透過性亢進に起因した肺水腫)
  • 演題69 気管支結石症による閉塞性肺炎の1例 (気管支結石症 ➜ その名の通り気管支内の結石で,肺結核により石灰化したリンパ節が気管支内腔へ穿孔した例が多い)

(投稿者 川崎)

2018-02-11

凍傷 🔁 凍瘡

凍傷(とうしょう,frostbite)=極度の低温で皮膚や皮下組織が障害された病態
  • 第1度 表皮まで ➜ 掻痒,発赤,腫脹,疼痛
  • 第2度 真皮まで ➜ 水疱,びらん,感覚鈍麻
  • 第3度 皮下組織まで ➜ 壊死,潰瘍,離断

凍瘡(とうそう,chilblain)=0~5℃程度の寒冷によって生じる末梢循環障害,しもやけ

(投稿者 川崎)

2017-07-21

カルシフィラキシス Calciphylaxis

慢性腎臓病症例に生じた周囲に有痛性紫斑を伴う皮膚の有痛性難治性潰瘍
カルシフィラキシーやcalcific uremic arteriolopathyなどと呼ばれることもある
  1. 症状 有痛性の紫斑に続く難治性の皮膚潰瘍
  2. 部位 四肢や躯幹,手指,足趾など(上肢は稀)
  3. 病因 細動脈石灰化と多発性微小塞栓の疑い
  4. 頻度 透析患者人口10万人あたり3-4人/年
  5. 治療 ステロイド外用,副甲状腺機能亢進症の治療,細菌感染時は抗生物質
  6. 予後 感染により敗血症を併発することが多く,その死亡率は50%

参考ページ

(投稿者 川崎)

2017-06-24

第123回日本循環器学会近畿地方会より

演題C-26
Klippel-Trenaunay-Weber Syndrome クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群
四肢の片側肥大・皮膚毛細血管奇形・二次性静脈瘤を三徴⇒今回は深部静脈血栓を発症

演題D-49
Floppy eyelid syndrome 眼瞼弛緩症候群
肥満の男性に多い起きる原因不明の病態で,上眼瞼瞼板(瞼)が下垂し内反(瞼が眼球の内側に反り)

演題D-52
逆Rivero Carvallo徴候 逆リベロ・カルバイヨ徴候
吸気時に雑音が減弱する病態⇒今回はstraight back syndrome 直線状胸椎症候群に合併

演題E-21
Type 2心筋梗塞(NSTE-MIの分類)
血管内のプラーク血栓によるものをtype1,酸素供給の不均衡に伴う血行動態が関連するものをtype2

演題E-35
ECMO=Extracorporeal membrane oxygenation:体外式膜型人工肺
VV ECMO=静脈脱血→静脈送血,VA ECMO=静脈脱血→動脈送血(≒PCPS:主に日本で使用される用語)

演題E-50
漢方薬の青黛(セイタイ)
潰瘍性大腸炎で使用されることがある⇒今回は青黛で肺高血圧が出現した(近年,報告が散見)

演題G-3
菌状息肉症(きんじょうそくにくしょう)
皮膚に原発するCD4陽性T細胞の悪性リンパ腫⇒心筋に浸潤して急性心不全を発症

(投稿者 川崎)

2017-05-25

Felty症候群

1924年にFeltyが,脾腫と白血球減少を伴う慢性関節炎を報告し,後にFelty症候群とよばれるようになった.関節リウマチ,白血球(好中球)減少,脾腫が三徴で,関節リウマチ発症後10年以上経過して発症することが多い.
好中球減少の原因については,T細胞異常による骨髄前駆細胞の抑制,顆粒球刺激因子活性の低下,ホルモンによる正常好中球産生の阻害,自己抗体による破壊,脾機能亢進などがさまざまな報告がある。
三徴のほかに,関節外症状である皮下結節・皮膚潰瘍・末梢神経障害などの血管炎様症状が多く認められる.他に,食道静脈瘤・門脈圧亢進症を併発することがある.リウマトイド因子陽性率は高いことが多い.血小板減少,抗核抗体陽性,低補体血症を認めることがあり,全身性エリテマトーデスとの鑑別が必要となる.

(投稿者 室谷)