このブログを検索

2025-08-22

口腔扁平苔癬 OLP:Oral Lichen Planus

  • 概略 口腔粘膜に網状や斑状の白色病変と軽度角化異常を伴う慢性炎症性病変
  • 症状 びらんや潰瘍を伴う紅斑性病変を生じると不快症状や接触痛などが起こる
  • 鑑別 口腔粘膜の病変(特に白板症や初期口腔癌、他のびらん性疾患は必須)
  • 疫学 一般人口の 1.27%(男0.96%、女1.57%) で人種差や地域差はない
  • 治療 通常は難治性で長期間を要する(ステロイド剤の局所療法など:下図)
  • 病因 不明:発症誘因や増悪因子が想定できる症例では取り除くと改善あり


- 口腔扁平苔癬(OLP)の臨床像 -

(投稿者 川崎)

2025-08-21

今週の一枚 🎯 教育ビデオ

大動脈弁狭窄症(Aortic stenosis: AS)の一例

🎶 解説
  • Ⅰ音とⅡ音の間にある心雑音なので収縮期雑音
  • 雑音は漸増・漸減型(ダイアモンド型 or 菱形)
  • よってⅠ音とⅡ音を聴取できる(特にⅡ音!)
  • 例えば大動脈弁狭窄症やHCMの左室流出路狭窄

🎵 コメント
  • フィジカルの巨匠から以下のような内容のメールをいただきました.「講習会では心音図が心音と一緒に動画として提示される.でも聴衆はとてもそれを目で追えない.心音図をなぞりながら音を聴かせるという風にすればとても理解しやすい.」
  • 「心音図は必ずしも実物でなくて絵でもいいですよ」とも言われましたが,せっかくなので実物を使用してみました.本動画は教育用として作成したので,商業目的を除いてご自由にご活用ください(版権放棄かつ利用時の謝辞記載も不要です)

👻「今週の一枚」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2025-08-20

情報ごみの処理

  • 病院ではペーパレス化が進んでいますが,どうしても個人情報を含む紙が残ります.そんな時は裁断しますが,ホチキスなどを事前に外す必要があります.大学の医局名簿などは書籍の形態をとっているため業務用シュレッダーでも対応が困難です.先日,秘書さんに相談すると溶解処理するといって回収してくれました.なお焼却処分も可能ですが環境的に対する悪影響の懸念があります.

㊙ 機密文書の溶解処理
  • 化学的な溶解によって機密文書を完全に廃棄する方法
  • 情報ごみを箱に入れるだけ(ダンボール1箱~2,000円)
  • クリップ取外し不要,情報漏洩リスク低,環境に優しい
  • ただ業者に一任するため信頼できる業者を選ぶ必要あり

溶解処理の一例日本郵便

🚑 ゴミに関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2025-08-19

待機的虫垂切除術 Interval appendectomy

  • 急性虫垂炎の治療法のひとつで,抗菌薬による炎症の鎮静化後に待機的に実施される虫垂切除術
  • 利点は手術法選択,癌スクリーニング,合併症低下に加え日程調整,医療費削減,早期社会復帰
  • 炎症が比較的軽度で、穿孔や膿瘍などの合併症を伴わない単純性虫垂炎に実施されることが多い
  • しかし近年では複雑性虫垂炎に対してもInterval appendectomy戦略が有効の報告あり(下図表)


🚑 虫垂炎に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2025-08-18

フィジカルクイズ(No. 17 & 18)

  • 循環器Physical Examination講習会は故・吉川純一先生が2003年に立ち上げられた身体所見に関する研究会です.「生きた physical examination」を体感・習得して,「感動できる」ものにしていきたいと思っています.
  • 2025年4月から毎週金曜日に循環器に関するフィジカルクイズを2題ずつX(旧Twitter)で発信しているので,よろしければフォローしてみてください(@PhysicalExamin1).こちらにも2週分ずつまとめてアップします.



👻「フィジカルクイズ」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2025-08-17

デコイ細胞 Decoy cell

  • decoy(猟に使う)おとり,(人を罠に掛けるための)サクラ,(軍事用の)放出おとり/発音《動》dikɔ́i 《名》díːkɔi
  • 大きく均一な好塩基性の封入体の核を持つ尿中脱落細胞で, 悪性細胞と紛らわしい良性細胞という意味でおとり細胞と命名
  • 1970年代にポリオーマウイルスとの関連が明らかになり,特にBKウイルスの再活性化の鋭敏な指標として利用されている 
  • ただしdecoy cellはアデノウイルスやCMVなど他のウイルス感染によっても,尿中(尿沈渣中)に出現する可能性がある


 
(投稿者 川崎)

2025-08-16

医療機関別MDC分析

  • DPC(Diagnosis Procedure Combination:診断群分類包括評価)データのMDC(Major Diagnostic Category:主要診断群)コードを用いた分析
  • MDCは下記の18分野に分類され(その下には傷病名506種類,診断群分類3248分類がある),医療資源の適正配分の計画策定に向けた分析を可能にする

  1. 神経系疾患
  2. 眼科系疾患
  3. 耳鼻咽喉科系疾患
  4. 呼吸器系疾患
  5. 循環器系疾患
  6. 消化器系疾患、肝臓・胆道・膵臓疾患
  7. 筋骨格系疾患
  8. 皮膚・皮下組織の疾患
  9. 乳房の疾患
  10. 内分泌・栄養・代謝に関する疾患
  11. 腎・尿路系疾患及び男性生殖器系疾患
  12. 女性生殖器系疾患及び産褥期疾患・異常妊娠分娩
  13. 血液・造血器・免疫臓器の疾患
  14. 新生児疾患、先天性奇形
  15. 小児疾患
  16. 外傷・熱傷・中毒
  17. 精神疾患
  18. その他

- 釧路医療圏医療機関のMDC分析 -
 
(投稿者 川崎)

2025-08-15

Ⅳ音の深堀

心電図異常を指摘された無症候例

😎 解説
  • 漸増・漸減する収縮期の駆出性雑音あり
  • 前収縮期(拡張後期)に大きな過剰心音
  • 低調成分が主体であるためS4(赤四角)
  • 本例の最終診断は閉塞性肥大型心筋症

😛 追加コメント
  • 洞調律の肥大型心筋症では肥大部位にかかわらずS4を高頻度(約70%)に認める(Circ J  2023;87:1068-74)。
  • なおS4の生じる前提として、心室コンプライアンスの低下あるいは拡張末期圧の上昇に対する心房機能の亢進が必須
  • 増高した心室流入血流が硬い心室を振動させてS4が発生(Tavel ME. Year Book Medical Publishers;1971:44-63)
  • この振動はA波として触知でき(下図),抬起性拍動と合わせて二峰性心尖拍動(double apical impulse)と呼ばれる.
  • なお心房細動ではⅣ音(第4音)は記録されない.また洞調律であっても心房機能が低下すればS4は減弱~消失(


心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2025-08-14

今週の一枚 🎯

前日からの胸痛を訴える若者(突然発症で吸気時に増悪/気胸の既往歴あり)



(投稿者 川崎)

2025-08-13

医療アライアンスとケアミックス病院

  • 先日の会議でアライアンスケアミックスというタイトルの議題がありました.なんとなくぼんやりとしか理解していなかった用語だったので調べてみました.

🚁 アライアンス(alliance)
  • 同盟や提携を意味し,航空会社によるエアライン・アライアンスが有名である.共同で運用することで,各航空会社はより効率的な運航と幅広い路線展開を実現できる.
  • 医療アライアンスとは医療機関間での連携を意味する新しい概念で定型的な枠組みはない.各医療機関が地域医療分析を共有し医療ニーズに応えるため連携を進める.
  • 医療アライアンスを構築するのに重要となってくるのは人財である.現状と地域の医療ニーズを把握し,医療アライアンスの構築のために力を尽くせる人財を育成する.


🍭 ケアミックス病院(Caremix hospital)
  • その定義(厚生労働省)は一般病床と療養型病床または精神病床の混合型であるが,一般病床を有していた病院が療養型病床や精神病床に変わりケアミックス病院として展開されていることが多い.
  • 急性期病棟+回復期リハビリテーション病棟+療養病棟,急性期病棟+地域包括ケア病棟+療養病棟+緩和ケア病棟,回復期リハビリテーション病棟+療養病棟など(訪問看護や介護施設の併設あり)
  • 一般病床と療養型病床など複数の病床機能を備えていても病床数の割合でケアミックス病院にならないこともある(例:一般病床≧80%以上なら急性期病院,療養病床≧80%以上なら療養型病院になる)


(投稿者 川崎)

2025-08-12

TRACP-5b(トラップ ファイブ ビー)

  • 略語 tartrate-resistant acid phosphatase(骨型酒石酸抵抗性酸性フォスファターゼ)の略
  • 分類 TRACPのうち骨由来のアイソザイム成分は 5a(マクロファージ)と 5b(破骨細胞)
  • 実際 血清0.5mlを要し2~4日で判明(目安:男性170~590 mU/dL,女性120~420 mU/dL)
  • 意義 破骨細胞による骨吸収で血中に放出されるため破骨細胞の数や骨吸収活性などを反映
  • 特徴 他指標と比べ血清であるため腎機能の影響を受けにくく日内変動や食事による影響も小
  • 適応 代謝性骨疾患および骨転移(肺癌,乳癌,前立腺癌に限る)の診断補助(判断料144点)
  • 再検 6月以内に1回に限り算定(治療方針を変更した際には変更後6月以内に1回に限り算定)

参考)WEB総合検査案内,他

 
(投稿者 川崎)

2025-08-11

Ⅲ音の深堀

息切れを主訴に受診した症例

😎 解説
  • 心尖部に拡張早期の大きな過剰音を認める
  • S2の約140ms後に出現する低調音(四角)
  • これらの特徴はS3(Ⅲ音/第3音)に合致
  • 本例は最終的に拡張型心筋症と診断された
😛 追加コメント
  • Ⅲ音の機序として,左室充満圧(≒左房圧)の上昇による左室急速流入速度の増大とその突然の停止が推察されている(Jpn Heart J 1976;17:150-62
  • その圧変化は心尖拍動図の急速流入(RF: rapid filling)波として触知することができる(下図参照:上図よりS3が小さいのは心尖に圧端子を置くため)
  • 本例では減弱したS1にも注目(通常は心尖部側でS1>S2).左室収縮力が低下すると左室圧の上昇が緩徐でS1が減弱(Am J Cardiol 1971;28:140-9


心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2025-08-10

脆弱ぜいじゃくX症候群 Fragile X Syndrome 

  • 概要 脆弱X随伴振戦/失調症候群を伴うトリプレットリピート病のひとつ
  • 原因 X染色体長腕末端のFMR1遺伝子の3塩基(CGG)繰り返し配列の延長
  • 機序 神経細胞の核内に凝集体が形成され機能障害に至ると推測されている
  • 症状 男性は発達障害や重度の知的障害,自閉症スペクトラム(女性は軽度)
  • 関連 脆弱X症候群関連疾患は50歳~進行性の小脳失調やパーキンソンなど
  • 身体 細長い顔,大耳介,巨大睾丸,関節過伸展,扁平足、僧帽弁逸脱など
  • 治療 根本的な治療法を開発中(現時点では個々の病態に対する対症療法)
  • 予後 発症後は進行性(本邦は100人未満? 自閉症とされている例が多い?)

参考)難病情報センター,他

脆弱X症候群の顔面特徴(細長い顔,突出する耳と額)

(投稿者 川崎)

2025-08-09

日々勉強

  • 指導医師 「あの患者さん,ひどい便秘みたいだね」
  • 看護学生 「高齢者は嵌入便が多いって聞きました」
  • 指導医師 「かんにゅう…べん…どんな漢字? 😢」

嵌入便
  • 肛門手前にかたい便が溜まってしまった状態
  • 高齢者に多く嵌入便を自力で出すことは困難
  • 手袋とグリセリンなどの潤滑剤で摘便をする


😐 追記
  • 欧米では fecal impaction(FI)と定義されている,俗にいう糞詰まりの状態です.本邦では同様な状態は宿便,糞便充塞,糞便塞栓,嵌入便などと呼ばれていますが,統一した医学用語はないそうです.


(投稿者 川崎)

2025-08-08

OTC類似薬

OTC:Over The Counter
  • 医薬品は医師の処方箋が必要なものと不要なOTC医薬品(=市販薬)に大別される
  • OTC類似薬はOTC医薬品と効果やリスク他が似ているが原則処方箋を要する医薬品

😑 追加コメント
  • OTC医薬品は公的医療保険の適用対象となるため自己負担は1~3割程度で済みます.しかし近年医療費削減のため,これらのOTC類似薬を保険適用から外す検討が進められています(例:医療用医薬品として処方されるロキソニンとOTC医薬品として販売されるロキソニンSの成分はほぼ同じ).OTC類似薬を保険除外することで1兆円ほどの医療費が削減できると算定されていますが,健康被害や患者負担が増加するなどの懸念があるようです.
 
(投稿者 川崎)

2025-08-07

今週の一枚 🎯

労作時の息切れで来院した症例(座位)


🐝 解説
  • 右頚部腫瘍(30年著変なし)
  • 安静座位で頚静脈は視認せず
  • 深吸気負荷後も頚静脈は陰性
  • 心音は明瞭なギャロップあり
  • BNPは著増(>1000 pg/ml)
  • 心エコー図で左室駆出率18%

🐙 頚静脈の座位定性の弱点

身体所見は診断特異度は高いのですが,感度が少し劣るという共通した問題点があります(評価者のばらつきもですが😑).一方,頚静脈の座位定性(シンプル頚静脈)は感度も特異度も臨床的には十分すぎるくらい高いと思われます.ただし特定の病態では役立たないと感じることもあるので,以下に列記してみます.

👻「今週の一枚」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2025-08-06

マイオカイン Myokines

  • 骨格筋から分泌される生理活性物質の総称のこと
  • ギリシャ語 myo(筋)とkine(作動物質)の造語
  • 例えばサイトカインの1つ interleukin-6(IL-6)
  • IL-6は筋収縮で分泌され骨格筋の糖取り込み促進
  • 他のマイオカインは生理作用が不明なものが多い
  • 脂肪燃焼や動脈硬化抑制,代謝改善,免疫向上?
  • 創薬の新たなターゲット候補でも期待されている

- マイオカインの概念 -
バソプレッシン
💁 生理活性物質に関する過去の投稿 ➜ コチラ
 
(投稿者 川崎)

2025-08-05

👂 最近の耳学問

  • P2Y12受容体拮抗薬(阻害薬)➜ ADP(アデノシン二リン酸)の受容体であるP2Y12受容体を阻害することで抗血小板作用を示す薬剤(チエノピリジン系:第1世代,チクロピジン;第2世代,クロピドグレル;第3世代:プラスグレル/非チエノピリジン系,チカグレロル)
  • 対側性変化(reciprocal changes)➜ 急性心筋梗塞例の心電図でST上昇を示す誘導と鏡像関係にある誘導のST低下に対する用語として統一された(ミラーイメージは使用しない).同様に心臓周囲の用語も心膜に統一(心膜液貯留や心膜ドレナージなど/今後は心嚢は使用しない)
  • rVCSS ➜ Revised Venous Clinical Severity Scoreの略で,邦名は改訂静脈臨床重症度スコア.静脈不全を反映し,例えばrVCSS≧3点では日常生活が著しく妨げられると判断でき静脈ステントを考慮(適正使用指針).具体的な評価方法はココ
  • three noes IE ➜ 右心系単独の感染性心内膜炎(IE: infective endocarditis)のうち①静注薬物使用者,②心臓デバイス関連,③先天性心疾患(心室中隔欠損症,ファロー四徴症,僧帽弁弁膜症,大動脈弁弁膜症など)のいずれも認めない症例で,右心系IEの約16%を占めるという報告あり

💁 耳学問に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2025-08-04

フィジカルクイズ(No. 15 & 16)

  • 循環器Physical Examination講習会は故・吉川純一先生が2003年に立ち上げられた身体所見に関する研究会です.「生きた physical examination」を体感・習得して,「感動できる」ものにしていきたいと思っています.
  • 2025年4月から毎週金曜日に循環器に関するフィジカルクイズを2題ずつX(旧Twitter)で発信しているので,よろしければフォローしてみてください(@PhysicalExamin1).こちらにも2週分ずつまとめてアップします.



👻「フィジカルクイズ」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2025-08-03

PCAS ピーキャス

  • post cardiac arrest syndromeの略で邦名は心停止後症候群

- 脳障害の病態生理 -

😐 おまけ
  • PCASといえば体温管理療法(targeted temperature management;TTM)(旧名はtherapeutic hypothermia,低体温療法)
  •  PCASのもう一つの話題は人工心肺を用いたECPR(Extracorporeal Cardiopulmonary Resuscitation,体外循環式心肺蘇生)

🚑 蘇生に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2025-08-02

着用型心臓除細動器(WCD: wearable cardioverter-defibrillator)

  • 着用型ベスト内に接触型心電図電極と除細動パッドを有し有線で致死的不整脈に対して除細動を行う医療機器
  • 体表面から行うがICD(植え込み型除細動器)に劣らぬ診断感度,特異度でわが国でも2014年1月から保険適用
  • 使用例は急性虚血ならびに急性心不全のICD の一次予防の適応が確定するまでの期間,突然死予防を目的など
  • 非虚血性心筋症の報告は限定的:心筋炎後心筋症,たこつぼ心筋症,産褥後心筋症,拡張型心筋症の急性期など
  • 心移植待機例,ICD適応であるが感染でデバイス抜去後や他疾患の治療を優先すべき症例などにおいても要考慮
  • わが国ではWCDの使用は短期(3ヵ月間)が原則としているが,長期使用については,今後も検討が必要である



📍 WCDの使用を考慮する病態
  • 左室駆出率35%以下で、NYHAクラス II もしくはクラス III の心不全症状を有する急性心筋梗塞発症後40日以内の症例
  • 左室駆出率35%以下で、NYHA クラス II もしくはクラス III の心不全症状を有する冠動脈バイパス後または経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後 90 日以内の症例
  • 左室駆出率35%以下で、非虚血性急性心不全発症後90日以内の症例
  • 心移植待機条件を満たす非可逆性重症心不全症例
  • ICDの適応があるが、他の身体的状況により直ちに手術を行えない症例
  • ICDによる心臓突然死二次予防を考慮するが、臨床経過観察や予防治療の効果判定が優先される症例
  • 感染等の理由で一時的にICDを抜去する症例


🔦 おまけ
  • WCDの保険償還には植込み型除細動器(ICD)施設基準を満たす必要あり
  • つまり年に電気生理学的検査≧50例,開心術など≧30例,PM移植術≧10例
  • 関連医療従事者(医師およびメディカルスタッフ)がメーカー研修を受講
 
(投稿者 川崎)

2025-08-01

The efficacy and effectiveness of...

  • 英語論文で多用されているフレーズで,基本的には共に有効性を意味
  • しかし医学など科学の特定の分野では,そのニュアンスは少し異なる

efficacy
  • 理想的な条件下で得られる効果の高さ(例:計画された臨床試験

effectiveness
  • 現実的な条件下で得られる効果の程度(例:実際の日常臨床現場)

💁 おまけ

(投稿者 川崎)