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2019-06-08

SCAD スキャッド

SCAD=spontaneous coronary artery dissection=特発性冠動脈解離
  • 50歳以下の女性に多く,ACSの0.07-1.1%(欧米)、AMI患者の0.31%(日本)
  • 従来から報告されている冠動脈硬化の危険因子をほとんど有さないことが特徴
  • 誘因は妊娠(特に後期から産褥期),ホルモン療法および感情的ストレスなど
  • 急性期治療に関して,保存的加療と比較したPCIの有効性は示されていない
  • PCIは進行性虚血の存在例や血行動態が不安定な例,近位部病変例に考慮
  • 5年間の心血管イベント率38%,再解離27%(そのうち42%が30日以内に発生)
  • 海外の研究でβ遮断薬の導入が再解離率を減少させる可能性が示されている
参考)急性冠症候群診療ガイドライン(2018 年改訂版)

 - SCADの分類 - 

CAGで典型的な解離所見を確認できる例(上図Type 1)は25-43%にすぎない.半数以上のSCAD症例では明らかな内膜のフラップはなく,びまん性かつ辺縁が滑らかな狭窄所見を認めるのみであることに要注意.このような場合は冠動脈イメージングの併用で冠動脈壁内の偽腔を確認することを考慮する.


(投稿者 川崎)

2019-06-07

膵性脳症 Pancreatic encephalopathy

  • 定義 膵炎に随伴して生じて精神神経症状を呈した病態
  • 初報 Rothermichらが提唱(J Clin Endocrinol 1941;1:872)
  • 症状 失見当,意識障害,錯乱,病的反射,運動失調など
  • 機序 膵障害によるニコチン酸低下?膵酵素による脳障害?
  • 治療 対症療法+サイアミン?(Semin Neurol 2009;29:136-53)
  • 予後 不良(ショック,ケトアシドーシス,多臓器不全など


膵臓の関連投稿 💨

(投稿者 川崎)

2019-06-06

クラウンド・デンス症候群の治療

Crowned dens症候群46症例の検討(洛和会病院医学雑誌 2016;27:43-6)
  • 82.6%はNSAIDsだけで治療,17.4%の症例でステロイドによる加療
  • ステロイド使用の理由は,腎機能障害・激しい痛み・痛み遷延など

🚀 実際の処方

通常はNSAIDsの常用量で1週間前後で痛みは軽快するようです.ただし難治性の場合は(感染の合併が否定できたら),プレドニゾロンで1日10~15mg程度を併用すると2~3日で痛みは消失する(ドクターサロン 2016;60:649-52).ちなみに難治性の痛風や偽痛風では経口プレドニゾロン15~30mg/日(漸減し3週間で中止/1-3日では再発例あり)(⬅ 過去の投稿).

🎓 指導医からの一言 「ポイントは回旋制限,左右に首が回らなくなったら怪しい!」

😱 頸部痛の復習

(投稿者 川崎)

2019-06-05

オースチン・フリント雑音

当院の初期研修医 吉岡先生の論文が出版されました 🎉


大動脈弁逆流(高度)と大動脈弁狭窄(軽度)を認める症例の心尖部で記録

心音図の解説 ➜ 拡張中期ランブルと前収縮期雑音からなるオースチン・フリント雑音+Ⅲ音

👉 ちょこっとメモ
  • 米国の医師 Austin Flint が発見(Am J Med Sci. 1862;44:29–54)
  • 主に心尖部で聴取する拡張中期 and/or 前収縮期の低調性雑音
  • Flintは妥協を許さない厳格者で医学に人名をつけることを嫌った
  • 機序として左室流入血との衝突や心内膜面を擦る音などが提唱

👊 オースチン・フリント雑音を認めた他の自験例 ➜ 心音図塾 【症例93】

(投稿者 川崎)

2019-06-04

僧師(そうし)

  • 師匠となる僧侶のこと(高野山大学)/師僧(しそう)とも記載
  • 高徳の僧を意味する和上や和尚に近い用語と考えられる(参考)

💫 医師かつ僧侶である先輩が自らを僧師と呼ばれていたことを耳にしました.その他にも僧医,医僧,お坊さん医師などいろいろな呼び方があるようです.

➜ 近年,ホスピスや緩和ケア分野で注目されているようです(コチラ).

🉐 関連投稿

(投稿者 川崎)

2019-06-03

尿管結石の疼痛管理(特に水分)

☆ Mindsガイドラインライブラリからの要約
  • 第1選択 ➜ NSAIDs(腎機能低下例では要注意,アスピリン喘息例では禁忌)
  • 第2選択の鎮痛薬 ➜ モルヒネ製剤,ペンタジンなど(臭化ブチルスコポラミンは補助的)
  • 芍薬甘草湯は即効性がありNSAIDsよりも鎮痛効果に優れるという報告あり(下図)
  • 排石促進薬(尿管拡張作用) ➜ カルシウム拮抗薬(ニカルジピン)やα1遮断薬
  • 薬剤抵抗性 ➜ 尿管ステント留置や腎瘻造設,ESWLやTULによる砕石治療

👻 補液や水分摂取について 
  • ガイドラインの記載 ➜ 「疼痛管理の一環として輸液を行う場合,強制大量輸液で鎮痛薬の使用量の減少や排石率が増すことはない」
  • 知人の泌尿器科専門医の意見 ➜ 「悪いことはない.むしろ感染のリスクを減らすと思う」
  • 西横浜国際病院 ➜ 「大きさが5mm以下の結石については、鎮痛剤で痛みをコントロールしながら水分摂取を積極的に行うことにより比較的速やかに自然排石が可能」

尿管結石疝痛発作25例  芍薬甘草湯(2包=5g) vs ロキソプロフェン(60mg)

💫 マラソン愛好家の先輩医師の意見
  • 「マラソン中に足がつったときにも芍薬甘草湯はすぐに効くよ!」

(投稿者 川崎)

膵鉤部癌

膵鉤部は上腸間膜静脈の背側、上腸間膜静脈より左側に位置する。
ここに発生する癌は膵外進展が強く、十二指腸水平脚や上腸間膜動脈、上腸間膜静脈に浸潤するほか、神経周囲浸潤も多い。
また、後腹膜の深部に進展していくため、気づきづらい。

(投稿者 田嶋)

日本内科学会 第224回近畿地方会より

個人的に気になった演題 👀

演題2 Pseudo-progressionから免疫関連有害事象(ir-AE)を疑い診断し得た胃癌患者の1例
  • Pseudo-Progressionとは免疫療法によって活性化されたリンパ球が腫瘍に集簇して腫瘍が大きくなる現象で原疾患の本当の増悪との見極めが大切.ir-AE=immune-related adverse event.

演題19 経皮的リンパ管閉塞にて腹痛が緩解した乳糜腹水を伴った慢性腹膜炎の1例
  • リピオドールを用いたリンパ管造影はリンパ漏に対する診断手技のみならず治療方法として有効であることを報告.

演題34 Backwash ileitisを併発し治療に難渋した潰瘍性大腸炎の1例
  • 潰瘍性大腸炎の病変は一般的に大腸に限局するが,backwash ileitisでは類似した炎症が回盲弁を越えて連続的・び慢性に回腸に波及している.ileitis=回腸炎.

🎊 当院からの発表は以下
  • 演題79 急性肺血栓塞栓症を合併した脳梗塞の1例(吉岡 希ほか,総合診療科)

(投稿者 川崎)

2019-06-02

右 vs 左

  • 拡張障害による急性心不全で入院した症例の頸部(座位,呼吸調整なし)



(投稿者 川崎)

2019-06-01

妊娠と心疾患

妊娠の際に厳重な注意を要する,あるいは妊娠を避けることが強く望まれる心疾患

⚠ 上記の中で項目3は要注意 ➜ NYHAとLVEFはand/orの関係と考えられる(心エコー 2019;20:476-85)
⚠ 例え安定している拡張型心筋症例でも左室駆出率がある程度低下していれば専門施設への紹介を考慮

(投稿者 川崎)