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2026-08-18

専門看護師®と認定看護師®

  • 専門看護師®(Certified Nurse Specialist®)と認定看護師®(Certified Nurse®)はいずれも日本看護協会の登録商標で,専門性の広告が可能です.しかし医師あるいは看護師さん以外のメディカルスタッフには少し分かりにくいかもしれません(投稿者も混乱😥).公益社団法人 日本看護協会のHPデータを生成AI(Opus5)に与えて(食べさせて),分かりやすい表にしてもらいました(内容は要確認).

項目 専門看護師(CNS) 認定看護師(CN)
英語表記 Certified Nurse Specialist Certified Nurse
制度の目的 複雑で解決困難な看護問題を持つ個人・家族・集団に水準の高い看護ケアを効率よく提供し、保健医療福祉の発展と看護学の向上をはかる 特定の看護分野の熟練した技術・知識を用い、あらゆる場で水準の高い看護実践を行い、看護ケアの広がりと質の向上をはかる
役割 6つ:実践/相談/調整/倫理調整/教育/研究 3つ:実践/指導/相談
(実践は高い臨床推論力と病態判断力に基づく)
教育要件 看護系大学院修士課程修了、所定の38単位を取得 認定看護師教育機関修了
A課程:600時間以上/B課程:800時間程度
実務研修 通算5年以上(うち3年以上は当該分野) ※両資格共通
特定行為研修 ― B課程:特定行為研修を組み込んだ教育課程(1〜3区分程度)。B課程認定看護師は「特定認定看護師®」と称することができる
A課程認定看護師も、別途特定行為研修を修了し移行手続きを行うことでB課程(特定認定看護師)になれる
分野数 14分野
がん看護/精神看護/地域看護/老人看護/小児看護/母性看護/慢性疾患看護/急性・重症患者看護/感染症看護/家族支援/在宅看護/遺伝看護/災害看護/放射線看護
A課程 21分野
救急看護/皮膚・排泄ケア/集中ケア/緩和ケア/がん化学療法看護/がん性疼痛看護/訪問看護/感染管理/糖尿病看護/不妊症看護/新生児集中ケア/透析看護/手術看護/乳がん看護/摂食・嚥下障害看護/小児救急看護/認知症看護/脳卒中リハビリテーション看護/がん放射線療法看護/慢性呼吸器疾患看護/慢性心不全看護

B課程 19分野
感染管理/がん放射線療法看護/がん薬物療法看護/緩和ケア/クリティカルケア/呼吸器疾患看護/在宅ケア/手術看護/小児プライマリケア/新生児集中ケア/心不全看護/腎不全看護/生殖看護/摂食嚥下障害看護/糖尿病看護/乳がん看護/認知症看護/脳卒中看護/皮膚・排泄ケア
認定審査 筆記試験(マークシート・四肢択一)100分・40問150点/2026年度はいずれも10月7日実施
有効期間 5年(5年ごとに書類審査で更新)
再認定の要件 過去5年間に100点以上の研究業績等、または24時間の研修 過去5年間に50点以上の自己研鑽等の実績、または24時間の研修
費用
(2026年度・税込)
認定審査料:51,700円
認定料(新規):51,700円
再認定審査料:30,800円
認定料(再認定後):20,900円
認定審査料:51,700円
認定料(新規):51,700円
再認定審査料:30,800円
認定料(再認定後):20,900円
B課程への移行手続き料:3,000円
今後の予定 ― A課程修了者に対する認定審査は2029年度をもって終了(更新審査・再認定審査は永続的に実施)
A課程教育課程の終了時期は、各教育機関の開講状況により異なる

(投稿者 川崎)

2026-05-03

パジェット病 Paget病

  • 汗器官由来の細胞であるパジェット細胞が増殖した表皮内癌の一種
  • 真皮まで浸潤したらパジェット癌(パジェット病に含むこともあり)
  • 乳房パジェット病と陰部や腋などに生じる乳房外パジェット病に二分
  • 乳房パジェット病は乳頭や乳輪に生じて病乳癌と同じように扱われる
  • 乳房外パジェット病が狭義のパジェット病で60歳以上の高齢者に多い
  • 稀な皮膚がんで本邦での頻度は人口10万人あたり男女ともに0.8人/年
  • 乳房外パジェット病は原則として手術切除(+植皮や皮弁などの再建)
  • リンパ節転移が広範囲におよんだり臓器に転移がある場合は化学療法
  • 英国の外科医かつ病理医である Sir James Paget(1814–1899)に由来

参考)日本皮膚悪性腫瘍学会,ほか

パジェット病:肉眼とダーモスコピーの所見

👻 皮膚がんの過去の投稿は コチラ

(投稿者 川崎)

2022-01-11

Orf オルフ

  • パラポックスウイルスによる感染症で羊やヤギなどに生じるが稀にヒトにも発症
  • 日本語名は羊痘(ひつじとう)や伝染性膿疱性皮膚炎,感染性陰唇皮膚炎,痘瘡
  • ヒト感染の初報は米国のNewsonとCross(J AM VET MED ASSOC 1934;84:790-802)
  • 動物は唇や口角に病変が発生(稀に喉・外陰部・乳頭)/ヒトでは接触部の皮膚
  • 診断は病歴(動物との接触)と身体所見によることが多いが,正確にはPCR検査
  • 通常6〜8週間で自然治癒するが免疫不全状態などでは重篤化あり/人人伝播は稀



🐄 独り言
  • Orf (オルフ)という命名がちょっと気になりました(映画『アナと雪の女王』のオラフ(Olaf)と混同したのは僕だけ?).Orf の正確な由来は不明ですが古ノルド語のhrūfa(かさぶた)または古英語のorfcwealm(orf=牛+cwealm=破壊)から派生したという説があるようです.後者のほうが最もらしく思う方が多いかもしれませんが,orfが牛に自然感染することはないようです(Emerg Infect Dis 2013;19:105)

(投稿者 川崎)

2024-12-06

負荷で改善しているわけではないと思います

弁置換術後の症例(座位)

💧 解説
  • 座位で頚部中央に明瞭な拍動を視認する
  • 陥凹なので静脈拍動 ➜ 非代償性心不全
  • 深吸気負荷で胸鎖乳突筋が明瞭になった
  • それと同時に内頸静脈の拍動は不明瞭に
  • BNP:前回172 pg/ml ➜ 今回305 pg/ml
  • 過労回避と減塩指導で早めのフォローへ

💦 個人的見解
  • 吸気時には胸腔内圧が陰圧になるため,健常者では中心静脈圧が低下します.しかし安静座位で内頸静脈の拍動を視認できるほど中心静脈圧の症状した症例(例えば15 cm水柱 or 11 mmHg以上)では,その圧が正常化することはほぼないと思います.実際に圧の測定はしていませんが,頸静脈所見はほぼ悪化します(拍動上縁の上昇あるいは拍動パターンの変化[陥凹から隆起など])
  • しかし日々の臨床では,吸気負荷で内頚静脈の拍動が逆に不明瞭になる症例に稀ながら遭遇します.本例のように吸気という動作に伴い胸鎖乳突筋が明瞭になることもその一つの理由かと思います.内頚静脈は深部静脈であるがため,胸鎖乳突筋を介した皮膚面の拍動で認識する必要があります.胸鎖乳突筋が緊張すると深部の拍動を認識しにくくなるということは容易に理解できます.
  • そもそも論として「安静時に座位で内頚静脈の拍動を認める症例には負荷が必要なのか?」という問題があります.頚静脈評価の普及を願って作成したアプリ「シンプル頚静脈©」では,安静時に陽性なら負荷は不要と謳っています.負荷で重症度を細分化したいとの想いは分かりますが簡便な半定量評価で十分なのかもしれません(例えば3分割法:拍動上縁が鎖骨上窩・頚部中央・顎下)

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2023-03-22

手足症候群 Hand-Foot Syndrome

😅 先日の研究会で...

  • 概要 抗がん剤により手と足(特に手掌と足底)に生じる皮膚有害反応
  • 歴史 以前はフッ化ピリミジン,近年はカペシタビンやキナーゼ阻害薬
  • 所見 紅斑・腫脹.角化,色素沈着,水疱,爪甲変化,知覚異常・疼痛
  • 機序 薬剤による表皮細胞への直接的・間接的障害+外的な機械的刺激
  • 検査 手足症候群と因果関係のある臨床検査値異常は報告されていない
  • 鑑別 湿疹(洗剤皮膚炎や指掌角皮),白癬,凍瘡,掌蹠膿疱症,乾癬
  • 対処 生活指導(物理・熱刺激・日光の回避),皮膚保護,2次感染予防
  • 投薬 休薬,尿素軟膏やヘパリン類似物質など,NSAIDs,ステロイド他

原因となる医薬品と頻度

グレード 臨床領域 機能領域
1 しびれ、皮膚知覚過敏、ヒリヒリ・チクチク感、 無 痛性腫脹、無痛性紅斑、色素沈着、爪の変形 日常生活に制限を受ける ことのない症状
2 腫脹を伴う有痛性紅斑、 爪甲の高度な変形・脱落 日常生活に制限を受ける症状
3 湿性痂皮・落屑、水疱、潰瘍、強い痛み 日常生活を遂行できない症状



紅斑・腫脹の実例

💁 抗がん剤に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2019-04-25

被曝と合併症

症状 線量 (Gy) 発症時期
水晶体の混濁(検出可能)>1~2>5年
早期一過性紅斑22~24時間
一過性脱毛33週以内
水晶体/白内障(支障をきたす)>5>5年
主紅斑反応61.5週以内
永久脱毛73週以内
皮膚萎縮症(第1期)10>52週
硬化(浸潤性線維化)10
毛細血管拡張10>52週
皮膚壊死(遅発性)>12>52週
乾性落屑144週以内
晩期紅斑158~10週
虚血性皮膚壊死18>10週
湿性落屑184週以内
二次性潰瘍24>6週
皮膚がん未知>15年

おまけ 👿
  • グレイ(Gy)➜ 物質(人体を含む)が放射線から受ける単位質量あたりのエネルギー量を示す単位
  • シーベルト(Sv)➜ 人が受ける被曝の単位(=実効線量=吸収線量×放射線加重係数×組織加重係数)
  • ベクレル(Bq)➜ 物質から放出される放射線の物理量を表す単位(=1秒間に崩壊する原子の個数)

🙆 関連投稿

(投稿者 川崎)

2026-02-28

ボーエン病 Bowen's disease

  • 表皮内に限局する有棘細胞癌(進行時はボーエン癌と呼ぶことあり)
  • 原因はヒト乳頭腫ウイルス(特にHPV16),日光暴露,ヒ素中毒ほか
  • 白人では露光部に多いが本邦では必ずしも露光部でない(陰部など)
  • 米国の皮膚科医 JT Bowen に由来(Precancerous Dermatoses. 1912)
  • 外科的切除が第一選択(他は放射線や抗癌剤,レーザー,冷凍凝固)

参考)日本形成外科学会,ほか

ヒト乳頭腫ウイルス16型DNAを検出した手指背のボーエン癌

👻 皮膚がんの過去の投稿は コチラ

(投稿者 川崎)

2024-06-11

表皮水疱症 Epidermolysis bullosa

  • 概略 わずかな外力によって水疱形成を反復する一群の疾患
  • 疫学 男女ほぼ同数で5歳未満が最多(発症は約9割が<1歳)
  • 機序 基底細胞やヘミデスモゾームの脆弱化(単純型)など
  • 原因 常染色体の優性(顕性)遺伝または劣性(潜性)遺伝
  • 診断 病歴と身体所見,病理学的所見(光顕・電顕)による
  • 病型 単純,接合部,優性・劣性栄養障害,キンドラー症候群
  • 症状 四肢末梢や大関節部などに軽微な外力で水疱やびらん
  • 合併 皮膚がん,食道・幽門狭窄,関節拘縮,成長遅延など
  • 治療 根治療法はなく対症療法(それも病型により異なる)
  • 予後 生後間もなく死亡例〜普通の社会生活可能まで多様


手足の局所的な皮膚病変から粘膜・内臓の水疱形成まで多様

(投稿者 川崎)

2024-10-10

今週の一枚 🎯

慢性心不全増悪で入院中の症例(座位)

👿 解説
  • 頸部に明瞭な拍動(陥凹ではなく隆起)を視認する
  • 下から上への緩徐な陽性波 ➜ 静脈性(ランチシ徴候)
  • 外頚より内頚静脈の拍動上縁が高い(内頚を信頼!)
  • 左上肢の挙上に伴い内頸静脈の拍動上縁は上昇
  • 耳垂に揺れはないがその背面には拍動あり(矢印)
  • 本例の心エコー図は重症の三尖弁逆流+肺高血圧

💀 広義の耳ウインクサイン
  • 狭義の winking earlobe sign といえば耳たぶの揺れが必要です(英語の文言通り).でも本例のように耳朶後方の皮膚面が拍動していれば広義の耳ウインクサインとしてもいいと思います.
  • 本例には明瞭な三尖弁逆流がありました.しかし三尖弁逆流がほとんどないにも関わらず,明瞭な内頸静脈の陽性波を認めることが少なからずあります.特に開心術後の症例に多く経験します.
  • 心臓病診断学の実際(吉川純一著)には,その機序として「心膜の閉鎖にからんだ三尖弁輪下降の制限」が提案されています.左心膜完全欠損でも同様の所見が観察されると記載されています.
  • 個人的には,静脈コンンプライアンスの低下あるいは静脈キャパシティーの限界を反映している症例も散見されるのではと思います.よってv波が容易に圧上昇につながるのではないのかな~😐

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

👻「今週の一枚」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

2021-02-18

🎯 今週の一枚

採血で異常値を指摘されて来院した症例



(投稿者 川崎)

2022-12-27

リンパ節腫脹の鑑別:CHICAGO

👽リンパ節腫脹を生じる一般的な原因の頭字語
Cancers(がん) 
  • 血液系悪性腫瘍:ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、急性・慢性白血病、ワルデンストレーム・マクログロブリン血症、多発性骨髄腫(稀)、全身性肥満細胞症
  • 転移性 "固形 "腫瘍:乳癌、肺癌、腎細胞癌、前立腺癌、その他

Hypersensitivity syndromes(過敏症症候群)
  • 血清病
  • 薬剤感受性:ジフェニルヒダントイン、カルバマゼピン、プリミドン、金、アロプリノール、インドメタシン、スルホンアミド、その他
  • シリコン反応
  • ワクチン関連
  • 移植片対宿主病

Infections(感染症)
  • ウイルス性:伝染性単核球症(Epstein-Barrウイルス)、サイトメガロウイルス、伝染性肝炎、ワクチン後リンパ節炎、アデノウイルス、帯状疱疹、HIV/AIDS、ヒトT-リンパトロピックウイルス1型
  • 細菌性:皮膚感染症(ブドウ球菌、連鎖球菌)、ネコひっかき病、甲状腺腫、メリオイデス症、結核、非定型抗酸菌症、原発性および続発性梅毒
  • クラミジア:性病性リンパ肉芽腫
  • 原虫性:トキソプラズマ症
  • 真菌症:ヒストプラスマ症、コクシジオイデス真菌症
  • リケッチア:ツツガムシ病
  • 寄生虫症:フィラリア症

Connective tissue diseases(結合組織病)
  • 関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎、混合結合組織病、シェーグレン症候群

Atypical lymphoproliferative disorders(非定型リンパ増殖性疾患)
  • 血管毛包性(巨大)リンパ節過形成(キャッスルマン病)、異プロテイン血症を伴う血管免疫芽球性リンパ節症、血管中心性免疫増殖性疾患、リンパ腫様肉芽腫症、ヴェゲナー肉芽腫症

Granulomatous disorders(肉芽腫性疾患)
  • 結核、ヒストプラスマ症、マイコバクテリア感染症、クリプトコッカス、珪肺症、ベリリウム症、ネコひっかき病

Other unusual causes of lymphadenopathy(その他のリンパ節腫脹の異常な原因)
  • リンパ節の炎症性偽腫瘍、組織球性壊死性リンパ節炎(菊池リンパ節炎)、大量のリンパ節症を伴う洞組織球症(Rosai-Dorfman病)、洞の血管変化、胚中心部の進行性変化


😎 独り言
  • CHICAGOとうまくまとまっているけど,無理して覚えてもいつも使う環境でなければすぐに忘れます.もっとも毎日鑑別する環境なら覚えなくても勝手に身につきます.こういう語呂って時々見直して頭の整理をするのがいいのかな〜と思います.あとどうしても診断がつかない時の網羅的検索用 😙
  • 他にもALL AGES (age, location, length of time present, associated signs and symptoms, generalized lymphadenopathy, extranodal associations, splenomegaly and fever/年齢、部位、発症期間、関連徴候・症状、全身リンパ節腫脹、節外関連、脾臓腫脹、発熱)などもあります.

💁 語呂合わせに関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2019-08-06

胸痛+皮疹で決まりですが…

  • リウマチ熱による弁膜症に対し大動脈弁と僧帽弁の二弁置換術後例
  • 胸痛と眩暈を訴え循環器内科を受診/明らかな神経脱落症状はない


💁 現場レポート

右胸壁の帯状疱疹であるが眩暈は説明できないと思い耳鼻咽喉科に相談に行った
  • 循環器内科医 「胸壁の帯状疱疹だけど,めまいがひどいから見てくれない?」
  • 耳鼻咽喉科医 「いいですよ.耳鳴りはあるんですか?」
  • 循環器内科医 「耳鳴りはない.顔に水疱もないしハント症候群ではないと思うんだけど…」
  • 耳鼻咽喉科医 「でもハント症候群で顔に水疱がない症例を以前に経験したことがありますよ」

本例は最終的にラムゼイ・ハント症候群の可能性が高いと診断され耳鼻咽喉科で入院
アメナメビルで治療して合併症なく改善(経過中に胸壁以外の皮膚所見は出現せず)

👾 おまけ

※ 心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2016-10-08

MRI と刺青の安全性

MRIでは、ループ形成や金属の存在により熱傷をきたすことが知られています。

医療安全情報: 高周波電流ループ形成による熱傷
http://www.med-safe.jp/pdf/med-safe_56.pdf

タトゥーによるI度熱傷の例
http://www.livescience.com/32801-do-mri-machines-affect-tattoos.html

あと、技師さんがこんなものを見つけてくれました。
MRI合併症と有害事象の調査
https://www.bayer-diagnostics.jp/static/pdf/publications/mriinmedicine/mri_3/MRI_Vol_3-2.pdf
p10 MRIとアートメイク:合併症と有害事象の調査

他にもいくつか論文を探しましたが、1~2度熱傷までしか見つかりませんでした。
論文でも、MRIを受けられない不利益を問題にしていますね。たしかにMRIを受けられない場合は不利益があることは理解できます。

ただ、「無条件大丈夫」とは言えません。
また、皮膚に刺入する顔料も昔と今とでは異なっていると思われ、昔の刺青はどうなのか調査から多くが漏れているのではないかと推察します。

刺青も青系は危ない、とか、赤系は危ない、とか都市伝説的に語られていますが、これらもはっきりした根拠は見つけられませんでした。
ご存知の方は御教授ください。

もちろん、MRI室への金属の持込は、絶対にやめてくださいね☆
http://www.med-safe.jp/pdf/med-safe_94.pdf
(投稿者 小谷)

2023-03-30

今週の一枚 🎯 ツルゴールの低下ならぬ消失

疲労感で紹介受診した高齢者

💧 解説
  • 座位で手背は心臓よりも低位にあったが静脈は見えず
  • 皮膚の張り(ツルゴール,turgor)が低下(回復≧2秒)
  • 最終的に本例は感染症に伴う脱水と診断され入院した

💦 独り言
  • 簡便な脱水指標としてツルゴールの低下やCRT(capillary refilling time/爪床血流充填時間)の延長が有名ですが,高齢者ではあまり当てになりません.しかし本例のようにツルゴールが消失していれば信頼していいと思います.
  • 脱水の他の身体所見として腋窩の乾燥,口腔・鼻粘膜の乾燥,舌の皺,眼球の陥没などが知られています(過去の投稿).なお脱水ならば血管内脱水(Volume depletion)と血管外脱水(dehydration)を要鑑別(過去の投稿)

👻「今週の一枚」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

※ 心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2025-07-25

眼類天疱瘡がんるいてんぽうそう Ocular Pemphigoid

👀 角膜の復習
  • 角膜は上皮・実質・内皮の3層によって構成されている
  • それらの層はいずれも血管を必要としない特殊な構造
  • 角膜上皮は角膜周辺の輪部に存在する幹細胞から供給
  • 徐々に中心へ向かって進行し最終的には表面から脱落
  • 幹細胞から分裂して脱落するまでかかる時間は数週間
  • 角膜移植後半年で上皮はホスト由来上皮に入れ替わる


🔎 眼類天疱瘡
  • 概要 抗結膜基底膜抗体によって結膜に障害を生じる慢性疾患
  • 分類 類天疱瘡の1種(天疱瘡は別で抗デスモグレイン自己抗体)
  • 所見 癒着,睫毛乱生,角結膜炎,血管新生,混濁,角化など
  • 疫学 頻度は1~5万人に1人で60歳以上に多く女性優位(2:1)
  • 治療 人工涙,局所抗炎症薬,内反睫毛抜去,免疫抑制薬など
  • 予後 皮膚の類天疱瘡より不良(最終的には角膜移植:下図)

参考)In: StatPearls,他

- 眼類天疱瘡の角膜移植 -

💁 天疱瘡に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2020-12-23

深爪・陥入爪・巻き爪

臨床現場 💨
  • 医師A「深爪って専門用語で何て言うんですか?」
  • 医師B「う~ん,陥入爪(かんにゅうつめ)?」
  • 医師C「過剰切断爪なんかだったりして…笑」

😎 なんでも調査隊
  • 学会誌にも深爪という記載が散見されるため医学用語として使用できると思います.深爪は陥入爪(かんにゅうそう)や巻き爪(まきづめ・まきつめ)の原因
  • 陥入爪(Ingrown nail)とは爪甲が側爪郭を損傷し,炎症を引き起こした状態.若い男女に多く,様々な外因によって引き起こされる一過性の病態のようです.
  • 一方,巻き爪(Pincer nail)とは爪甲が過度に彎曲した状態.中高年齢の女性に多く,遺伝的素因や生活環境などによる爪変形が継続する病態と考えられます.


左:陥入爪(Ingrown nail) 右:巻き爪(Pincer nail)

🉐 爪に関連する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2022-06-10

昨日のカンファレンスより

🚑 発熱と右顔面に発赤を認める高齢者
  • 研修医A 「他に熱源もないため顔面の蜂窩織炎と診断しました」
  • 研修医B 「顔面の蜂窩織炎って珍しいと思うんですけど…」
  • 研修医A 「珍しいけど顔面に出ることもあるみたいです」
  • 研修医B 「丹毒とはどう鑑別するんですか?」(指導医の方を見て)
  • 指導医   「違いは病変の深達度だけど…😓…調べておきます」

👿 復習
  • 丹毒:主にA群β溶血性連鎖球菌(GAS)による真皮浅層の感染症
  • 蜂窩織炎:病変の主座が真皮深層から皮下組織にある皮膚感染症

👾 鑑別
  1. 紅斑:丹毒は浅層のため比較的境界明瞭 vs 蜂窩織炎は深層のため境界不明瞭 
  2. 部位:顔面は丹毒が多い/深層を欠く耳介波及は丹毒を示唆(Milian's ear sign)

丹毒の一例(水疱性丹毒)

参考)日内会誌 2018;107:951-3(解説および図)

  • 本例はまさしく上図と同じで耳まで紅斑が及んでいたため丹毒が疑われました.ただし各種培養からは菌は検出されず.

 💁 研修医と指導医のやり取りに関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2021-12-16

🎯 今週の一枚

労作と無関係の胸痛が主訴の中年男性



(投稿者 川崎)

2021-04-02

Mitral facies 僧帽弁顔貌

  • facies【名】外観や外見,相(発音 féiʃiìːz フェイシィイーズ 音声)
  • 経過の長い僧帽弁狭窄例で認める特有の顔貌(両頬の紅潮+チアノーゼ)
  • この所見は酒さやSLE,丹毒,COPD+肺高血圧(下図)などでも生じる

👻 おまけ
  • 機序は完全には解明されていませんが,重度の僧帽弁狭窄症による低心拍出と低酸素血症のため,皮膚に血管拡張+チアノーゼが現れるようです.
  • faciesはfaceの複数形ではなく,ラテン語のfaceに由来する名詞で単複同形です.ただしMitral faceの記載も散見されます(他にMitral hueもあり).

(投稿者 川崎)