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2026-09-11

クラゲ刺傷

  • 先日,クラゲに刺された症例をカンファレンスで議論しました.
  • 当院は海から離れたエリアにあるためこのような症例は稀です.
  • 担当医が調べてくれたことを忘備録としてアップしておきます.
   
💢クラゲ刺傷💢
  • クラゲが属する刺胞動物は、1本の触手に数千の刺胞を持つ。刺胞に含まれる毒素によって、様々な症状が生じる。クラゲが自発的に人を襲うことはなく、偶発的に接触することで危害は生じる。世界中で年間1億5000万件程度のクラゲ刺傷が起きているとされる。危険なクラゲの種類として、ハコクラゲ、ライオンタテガミクラゲ、ヤナギクラゲ等が知られる。
  • 症状は、あまり重篤でないことが多い。軽度な症状としては、痛み・掻痒感・皮疹がある。重度の症状として、呼吸困難、筋痙攣、胸痛、水疱、流涙、嘔気・嘔吐、大量発汗、嚥下困難、腹痛などが生じることがある。クラゲ刺傷に特異的な検査は特に存在しない。
  • 治療は、 ①淡水でなく海水で傷口をしっかり洗浄する(淡水は未発射の刺胞を刺激する)。 ②ピンセットや手袋を使って、皮膚から触手を取り除く。 ③酢や消毒用アルコールを皮膚に塗布する(カツオノエボシに対して酢は使用禁)。 ④疼痛に対し、カラミンローションやヒドロコルチゾン軟膏に塗布する、温水に浸すなどの対症療法を行う。 ⑤痛み止め、抗毒素、抗ヒスタミン薬を処方することもある。

【参考】

(投稿者 岡本/川崎)

2026-08-23

Dr.水野の心音聴診クイズ

  • 症例01:【解説公開】呼吸困難を訴える42歳 男性 〔2016/5/13〕
  • 症例02:【解説公開】労作時の呼吸困難を訴える47歳 女性 〔2016/9/21〕
  • 症例03:【解説公開】急な胸痛を訴える68歳 男性 〔2017/3/6〕


🐙 独り言
  • 少し前のコンテンツですが、ご存じない方も少なくないと思い、このブログにアップしました。水野 篤先生の軽妙な語り口もあり、とても楽しい仕上がりです。進行はクイズ形式で、投稿者は選択肢を一つ誤答 😓
  • Dr.水野の心音聴診クイズは無料で閲覧できますが、CareNetへの登録が必要です(医師限定)。関連コンテンツとして「Dr.水野のうたう♪心音レクチャー」もあります(臨床医学チャンネルCareNeTVの有料コンテンツ)。

(投稿者 川崎)

2026-07-14

論文 🏆

  • 2026 FIFAワールドカップもそろそろ4チームに絞られてきました(今朝は6時からで、イングランドがノルウェーに勝利)。予想通りフランスが圧倒的な強さで順当に駒を進めています(本投稿作成時)。
  • 循環器内科のメンバーでサッカーの話をしているときに、2018年ロシア大会の時に、当院で経験した心筋梗塞の症例が話題になりました。本ブログにアップされていないようなので投稿しておきます。
  • 日本 vs ベルギー戦(ベスト16)で、午前3時にキックオフでした。日本が(奇跡的?)に2点リードしたのですが、同点に追いつかれました。まさにそのタイミングで胸痛が出現した中年男性です。
  • 確か午前5時前に呼び出しの電話があって、病院に向かいました。心電図変化も典型的なST上昇ではなかったため、「MIじゃなくて、蛸だな~」と思っていました。でも冠動脈が閉塞していました。


⚽ 裏話
  • ちょうど先日、この患者さんが外来を受診されました。ワールドカップの最中でもあるため、「8年前、懐かしいですね~」と談笑しました。もっとも今回の北米大会も、早朝の試合が多いので、油断はできませんが…😅
  • 本例を論文にしてくれた初期研修の先生が、2019年4月の医学生・研修医の日本内科学会ことはじめで発表してくれました。その時にSNSでともてバズっていました。(本例は後にアップ済だったことが判明しました)

💁 論文の過去投稿は コチラ(ウェブ版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

2026-05-28

今週の一枚 🎯

労作とは関係ない胸痛を訴えて来院した高齢者

💀 解説
  • 左写真:耳垂に皺あり(フランク徴候が陽性)
  • 右写真:「胸部症状はどこですか?」の質問後
  • 手掌で心臓のあたりを指すパームサイン陽性
  • 緊急カテで左回旋枝に高度狭窄を認めPCI施行

💫 臨床裏話
  • 本症例は他院で肥大型心筋症として長年フォローされていた方でした.来院時の心電図では著明な左室肥大を認めました(ST上昇はなし).心エコー図では不均一な左室肥大がありましたが,明らかな壁運動異常はないと判断.高感度トロポニンも陰性
  • 非発作時には心電図のST低下が少しだけ改善しました.しかし派手な左室肥大を呈する肥大型心筋症例では,後負荷や前負荷,心拍数の変化でST-T部分が変わることは稀ではありません.我々もこの時点では積極的に冠動脈疾患を疑っていませんでした.
  • 一旦,入院で経過観察しつつ,かかりつけ医からの情報提供を待つことにしました.しかし,その後も断続的に5-10分持続する胸部症状が出現しました.フランクサインとパームサイン(いずれも虚血性心疾患と関連)もありCAGに踏み切りました.

👻「今週の一枚」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

2025-09-18

今週の一枚 🎯

朝の歩行時に胸痛が出現するが15分程度で改善しその後は何ともない症例

💣 重症の冠動脈疾患
  • 本症例の心電図と心エコー図は正常
  • しかし明瞭なⅣ音(第4音)を聴取
  • 病歴からも冠動脈疾患が示唆される
  • 翌日入院して冠動脈造影 CAG を実施
  • 右冠動脈には有意な狭窄なし(左図)
  • 左冠動脈は主幹部に高度の狭窄あり!
  • 4F(直径1.3 mm)のカテがウェッジ
  • 同日,転院し準緊急バイパス術を施行

😑 独り言
  • 本例では毎朝歩行時に症状が出るが,その後は何ともないという点が興味深い.これは通り抜け現象(walk-through phenomenon)あるいはウォームアップ狭心症(walk-through angina)<ICD-11用語> と呼ばれ,循環器用語集にも掲載されている.
  • 臨床では稀ながら経験し(過去の自験例),重症の冠動脈疾患であることが多い(個人的見解).正確な機序は不明であるが,「心筋虚血時にブラジキニンなどが産生され疼痛が出現→ブラジキニンの強力な血管平滑筋弛緩作用があり血管拡張」など?

👻「今週の一枚」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

2025-08-14

今週の一枚 🎯

前日からの胸痛を訴える若者(突然発症で吸気時に増悪/気胸の既往歴あり)



(投稿者 川崎)

2025-07-09

肺毛細管腫症 PCH: pulmonary capillary hemangiomatosis

  • 病態 毛細血管が気管支壁や血管壁,肺胞隔壁,胸膜に増殖浸潤
  • 臨床 肺の動静脈が破壊され肺高血圧症を引き起こす極稀な疾患
  • 初報 オランダ病理医Wagenvoortら(Histopathology 1978;2:401-6)
  • 疫学 男女差はなく発症は30~40歳代が中心(本邦で100例程度)
  • 症状 非特異的(呼吸困難,喀血,胸痛で発症し右心不全へ進行)
  • 原因 不明(血小板由来成長因子や常染色体劣性遺伝の関与?)
  • 画像 胸部X線=結節網状影,胸部CT=小葉中心性の淡い結節影
  • 鑑別 肺動脈性肺高血圧症PAHや肺静脈閉鎖症PVOD(病理組織要)
  • 治療 肺移植のみ完治療法(PH治療薬は通常抵抗性で予後不良)


- 急激に悪化して剖検で肺毛細管腫症 PCH と診断された54歳女性 -

(投稿者 川崎)

2025-06-11

ACSのDダイマー

  • 救急現場ではDダイマーを血栓との関係で測定することが少なくありません.例えば肺血栓塞栓症や深部静脈血栓症,急性大動脈解離を疑うときです.一方,脳梗塞が疑われる症例で測定することは稀で,実際にあまり役に立たないようです(過去の投稿).
  • 今回,カンファレンス中にACS(急性冠症候群)でDダイマー測定の意義が議論になりました.循環器内科医の直観では,疾患特異性に欠けるため役立つとは思えません.ただ指導医として自信をもって説明することができなかったため,調べてみました.

📒 Clin Biochem 2022;104:22-29
  • ACS疑い患者3,557名の後ろ向き研究では,Dダイマーは再発性心筋梗塞および全死亡率に関する独立した予後予測情報を提供する可能性を示したが,Dダイマー値は95パーセンタイルを超える場合を除き,診断性能を向上させるものではなかった.

📕 Blood Coagul Fibrinolysis 2006;17:621-4
  • ACSを呈し心筋酵素が正常で救急外来を受診した124名の患者では,D-ダイマー検査はカテーテル検査所見と有意に関連した.

📒 Cardiol Res 2018;9:17–21
  • ACSが疑われる75名の検討では,Dダイマー測定は心筋梗塞と不安定狭心症を区別するための高感度かつ比較的高い特異度を持つマーカーとして適切であると考えられた.

📕 Am Heart J 2000;140:379-84
  • 急性胸痛を呈する連続257名の検討では,D-ダイマー値>500 μg/Lは心筋梗塞の独立した診断価値を有し,心電図および病歴の診断感度を73%から92%に上昇させた.

📒 急性冠症候群ガイドライン(2018年改訂版)
  • 初期診断に記載されているバイオマーカ―は,クレアチンキナーゼ(CK),クレアチンキナーゼMB分画(CK-MB),ミオグロビン,AST(GOT),LDH,H-FABP,心筋トロポニンT,心筋トロポニンI,ミオシン軽鎖ミオグロビンで,Dダイマーの記載は見当たりませんでした.

💁 Dダイマーに関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2025-03-25

論文🏆ウェレンス症候群の亜型

  • 当院循環器内科の張本先生が経験された症例が出版されました
  • 30分の胸痛発作の9時間後に来院されました(来院時は無症状)
  • 心電図で軽度のST上昇とT波終末部陰転化(下図矢頭、要比較)
  • 高感度トロポニンTは0.165ng/mLで心エコーで壁運動異常なし
  • 緊急カテーテル検査で右冠動脈中間部に高度狭窄を認めPCI施行
  • 術後経過は順調でクレアチンキナーゼ上昇はありませんでした


😀 追加コメント
  • 前下行枝の近位部の高度狭窄で、心電図記録時には症状がないにもかかわらず、ST上昇とT波終末部の陰転化を示すウェレンス症候群(Wellens' syndrome)という病態はよく知られています。緊急の対応(PCIなど)を必要とします。
  • 本例はウェレンス症候群の右冠動脈版(亜型)と考えられるのではないかと思われます。類似の報告がないため論文にしてみました。心電図の変化は軽微ですが、元来下壁梗塞の心電図変化は、前壁梗塞ほど派手ではありませんし...

🎉「論文」の過去投稿は コチラ(ウェブ版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

2025-01-30

今週の一枚 🎯

胸痛で来院した中年男性


(投稿者 川崎)

2024-09-18

心膜周囲脂肪壊死 Epipericardial fat necrosis: FEN

  • 心膜周囲脂肪壊死によって急性胸痛を呈する稀な良性疾患
  • 初報は2005年スペインの放射線科医Victor Pinedaら(※)
  • 突然の胸痛で発症するため救急部門を受診することが多い
  • 救急部門で胸部CTを撮影した全7,463例中の20例が同疾患
  • 確立された診断基準はない(厳密には病理組織検査を要す)
  • 三徴は胸痛+炎症所見を伴う脂肪組織像+隣接心膜の肥厚
  • 咳や発熱などの付随症状に乏しいく炎症反応はなし~軽度
  • 対症療法のみで特別な対処は不要(多くの症例で誤診疑い)

A, B:左心横隔膜角の心膜外脂肪層に軟部病変
C, D:診察から3月後には軟部組織病変が消失

💁 心膜に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2024-08-08

今週の一枚 🎯

咳嗽後の胸痛と呼吸困難

👀 解説
  • 頚部〜前側胸部に気腫の疑い
  • 身体所見でも握雪感や捻髪音
  • CTでは縦隔気腫も生じていた
  • 胸痛はあったがST-T変化なし
  • ただし胸部誘導の波高は減弱
🔍 縦隔気腫
  • 縦隔に遊離ガスが存在する病態で,胸部エックス線撮影やCT検査で診断できる.特に大動脈弓の外縁で明瞭なことがある(spinnaker sail sign, angel wings sign).
  • 原因は激しい咳嗽による肺胞の破裂や自然気胸,胸部外傷,ガス産生菌感染症,医原性(内視鏡や気管支鏡による損傷あるいは人工呼吸管理)などが考えられる.
  • 本例は間質性肺炎とステロイド投与による組織脆弱性に関連すると思われた.なおハンマン徴候(Hamman's sign:心収縮期に同期した捻髪音)は聴診できず.

参考)日本救急医学会,他
👻「今週の一枚」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

2024-05-26

第137回日本循環器学会近畿地方会より

😃 個人的に気になった報告
 
1-9 ペースメーカ留置時に偶発的に採取した心筋片より診断に至った心アミロイドーシスの一例
  • 経静脈PM植込み時にポケットから採取した脂肪とリード先端より偶発的に採取できた心筋を提出し,病理検査で心筋組織にアミロイド沈着を認めた。伝導障害例や高齢者では生検の実施が困難な場合があり,我々は経静脈PMの植込み時に低侵襲でアミロイド沈着を証明できた症例を経験したので報告する。

3-21 右腋窩-右外腸骨動脈バイパスにより心不全の改善を認めたCoral reef aortaの1例
  • 主に腎動脈上の腹部大動脈に起こる限局性,珊瑚状の石灰化及び狭窄病変が特徴的であるCoral reef aortaは,難治性高血圧,臓器・下肢虚血を呈する。後負荷増大による心不全をきたしExtra-anatomical bypassが奏功した症例を報告する。

3-28 右総腸骨動脈の慢性完全閉塞病変に対して0.035 CROSSLEADを用いて秒でwire crossできた一例
  • CTO病変にCROSSLEADを“秒”で通過させることに成功。0.035 CROSSLEADは従来の0.035ワイヤーと異なりトルクレスポンスも良く操作性にも優れているため,このようなCTO病変 治療における1stワイヤーとなり得ると思われた。

6-19 Ehlers-Danlos 症候群に合併した特発性尺骨動脈瘤破裂の1例
  • エコーでは,右尺骨動脈瘤を認めた。しかし,造影剤アレルギーの既往があり,TEAは困難と判断し,経過観察となっていた。翌週に,急激に右前腕の腫脹,尺骨側の神経障害を認めた。エコーで,同部位の破裂を認め,緊急手術となった。術中所見は,血管壁は破綻しており,尺骨動脈の中枢側および末梢側を同定して結紮。

6-35 心膜外脂肪壊死の一例
  • 数日前からの上下肢浮腫と深吸気時胸痛を主訴に前医を受診,両側胸水貯留を指摘され当院へ紹介。入院加療とするも,約1週間で症状は自然軽快し心嚢水と胸水も減少したため,第9病日より外来フォローとした。その後も症状は再燃せず,2か月後のCTでは楕円形腫瘤と心膜肥厚は消失。心膜外脂肪壊死は急性の胸痛を呈するが,保存的治療で自然軽快する良性疾患である。腹膜垂炎等と同様の機序による脂肪壊死が病因とされている。胸痛をきたす疾患の一つとして考慮すべきと思われた。


👻 当院からの発表
  • 3-7 頸静脈所見が診断に有用であった心房頻拍の1例(循環器内科 林 寛人ほか:優秀賞,写真中央)
  • 4-6 身体所見が診断に有用であった急性大動脈弁逆流の1例(循環器内科 髙林彩香ほか)
  • 6-1 急性心筋梗塞を契機に診断された心アミロイドーシスの1例(循環器内科 本田早潔子ほか)
  • 6-2 身体所見から形態学的診断に迫ることができた右室流出路狭窄を有する両室肥大型心筋症の1例(循環器内科 川崎達也ほか)

すべて英語論文化(1つは掲載済,2つは投稿中,もう1つは投稿準備中)

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(投稿者 川崎)

2024-02-29

今週の一枚 🎯

昨夜からの胸痛でERに搬入された症例

👂 解説
  • 座位で右耳垂に45度の皺あり(フランク徴候)
  • 耳垂の皺は二本あり(double earlobe crease)
  • よくみると外耳道の毛(ear-canal hair)あり
  • 心電図にはST変化なし(後壁誘導 V7-9 含む)
  • 心エコー図では下壁に軽度の壁運動低下あり
  • 緊急CAGで回旋枝(#13)に99%の狭窄を確認
  • 引き続きPCIで治療(治療中もST-T変化なし)

👀 フランク徴候あれこれ
  • 45度の耳垂皺(フランク徴候/Frank's sign)が冠動脈疾患と関連することはメタ解析でも確認されています(Int J Cardiol 2014;175:171-5).
  • 本例のように外耳道毛が合併した耳垂皺例では冠動脈疾患の確率がより上昇するという報告もあり(Indian Heart J 1989;41:86-91 ➜ 典型自験例)
  • しかし「座位皺 vs 臥位皺」や「片側皺 vs 両側皺」の差異はあまり検討されていません.本例のように同一側に複数本ある耳垂皺の追加意義も不明

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心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2023-12-10

日本内科学会 第242回近畿地方会より

😀 個人的に気になった報告

演題53 慢性心不全の治療中に急性腎障害が契機となり発症したセフェピム脳症の1例
  • 抗生剤をセフェピムに変更したが,投与開始3日後より意識障害及び左上肢有意の四肢ミオクローヌスを認めた。セファロスポリン系抗生剤の中でもセフェピムによる中枢神経障害は比較的頻度が高い。

演題62 代謝物の血中濃度の変化を経時的に追えた銀杏中毒の1例
  • 朝に約20個と昼に約50個食べた。翌0時30分頃から嘔気あり、トイレに行く際に浮動性めまいがあった。その後嘔吐3回と下痢2回程認めたが、その他腹部症状やけいれん症状はなかった。入院時の血清及び尿からメチルピリドキシン(MPN)が検出され銀杏中毒と確定診断した。

演題63 呼吸機能検査後に気胸を発症した1例
  • 定期受診時,胸部X線写真では軽度の線維化を認めていたが,気胸は指摘できなかった.呼吸機能検査を施行したところ,右胸痛及び呼吸困難を自覚し,酸素飽和度も低下した.聴診上,右肺音の減弱を認め,胸部X線写真で,右2度気胸を認めた.胸腔ドレナージを行い,当科緊急入院とした.改善に乏しく,第8病日に胸腔鏡下ブラ切除術を施行した.以降は気胸の再発はなく経過している.

演題102 茶葉の生食健康法で徐脈を来したと思われる1例
  • 24時間ホルター心電図検査では平均心拍数47/分、最小心拍数37/分で間欠的2~3度房室ブロックを認めた。茶葉の生食をやめたところ労作時息切れ症状消失した。24時間ホルター心電図でも平均心拍73/分、最小心拍数47/分で房室ブロックも消失していた。茶葉に含まれるテアニンは交感神経系を抑制し、血圧降下作用や脈拍低下作用があることが知られている。潜在的房室伝導機能低下症例においては、茶葉の生食によりテアニン摂取量が増大し、徐脈を誘発する可能性があり注意が必要と考えられた。

演題103 コロナ禍に何度も発熱で来院し最終的にPFAPA症候群が疑われた1例
  • 発熱に随伴する症状には咽頭痛と関節痛が毎回あり、ほか有熱時の口内炎、軽い腹痛、頭痛が見られることがあった。家族性地中海熱あるいはPFAPA症候群が鑑別に挙げられ、コルヒチンの内服を開始した。PFAPAは、周期性発熱(Periodic Fever)、リンパ節炎(Adenitis)、咽頭炎(Pharyngitis)、アフタ症(Aphthosis)の略語で、幼少期、通常は5歳より前に発症する。慢性の経過をたどるが、予後良好で経過とともに症状が改善する傾向にある。


👻 当院からの発表
  • 演題111 身体所見が診断の手がかりになった静脈洞型心房中隔欠損症の1例(循環器内科 大江 彩佳先生)
  • 演題169 失語・記銘力障害で発症したMOG抗体関連疾患(MOGARD)による皮質脳炎の1例(脳神経内科 竹田 みゆき先生)

😊 上記のうち1編は英語論文として現在投稿中です

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(投稿者 川崎)

2023-06-14

👴 歴史クイズ




(投稿者 川崎)

2023-06-01

🎯 今週の一枚

労作時の胸痛で来院した男性の両耳



(投稿者 川崎)

2023-05-11

今週の一枚 🎯

他科で加療中の担癌症例(胸痛なし)



(投稿者 川崎)

2023-04-05

論文 🏆

  • 当院の循環器内科専攻医である野口先生が経験した症例が出版されました
  • 近医で心雑音を指摘され紹介 ➜ 心エコー図で右室へ突出する瘤状構造物
  • 収縮期に同構造物と右室壁が近接し,右室流出路はモザイク血流シグナル
  • 明らかな短絡血流なし ➜ 最終的に未破裂の右バルサルバ洞動脈瘤と診断
  • 弁膜症なく術後に雑音が消失 ➜ 未破裂の動脈瘤に起因した雑音と確定
  • 論文には実際の音声ファイルがないのでYouTubeにアップ(ココです)


😀 考察
  • PubMed検索で未破裂バルサルバ洞動脈瘤の報告が42例ありました.その診断契機は胸痛,息切れ,併存循環器疾患,房室ブロックの順に高頻度でした.心雑音を有した症例も2例報告されていましたが,いずれもバルサルバ洞動脈瘤とは異なる併存心疾患に起因した雑音です.本例は純粋に動脈瘤によって雑音を来した世界初の症例報告かも知れません.
  • 本例は初診の家庭医の先生(専門は消化器内科)が雑音に気が付かれたため診断に至ることができました.素晴らしいことに,紹介状には「肺動脈領域の収縮期雑音の精査をお願いします」と記載されていました.先日,お会いした時にお話ししていたら,聴診は「ポケット心音」で勉強されてるとお伺いしました.まさに”アプリ開発者冥利”につきます😂

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※ 心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2023-04-01

忘備録

先週に開催された『第20回 循環器 Physical Examination 講習会』より

  • 拍動しない外頸静脈は評価に用いない(首を回転させると変化もする)
  • 心尖拍動は指先全体,雑音のスリルは手掌遠位部,胸骨拍動は手掌近位部
  • 楽音用雑音は dove-coo や seagull cry でレバイン分類は4度以上が多い
  • 僧帽弁逆流では軽度なら高調音(blowing),重症なら低調音が加わる
  • 僧帽弁逆流でも音が小さいときにはⅠ音とⅡ音の聴取は可能である
  • YouTubeのフィジカル Stanford Medicine 25 はお薦め(例:AR)
  • MRは3分類:変性(MVP他),心室性(テザリング),心房性(弁輪部拡大)
  • 心房性MRでは左腋窩でⅢ音(S3)が聴取しやすい
  • Ⅰ音の規定因子は心収縮力・タイミング(弁の開放程度)・弁自体
  • S雑音(S murmur)は鎖骨下部~心尖部までS字状に伝播(過収縮で出現?)
  • 外傷部位や手術創の聴診を行うこと(シャントから高心拍出性心不全など)
  • 前尖の僧帽弁逸脱では背中や椎体で雑音を聴取する
  • 血液の比重は1.05
  • 息切れ+S3 ➜ 心不全(非代償性),胸痛+S4 ➜ ACS(急性冠症候群)
  • 「知りたいことはすべてオンラインにある」
  • Muehrcke line は爪下の浮腫なので爪の発育によって移動しない
  • Mees’ lineは爪自体の異常:爪の発育で移動して圧迫では消えない
  • 手掌・足底の皮疹はPHSと覚える:P 掌蹠膿疱症・H 手足口病・S 梅毒
  • 羽ばたき振戦は高CO2血症でも生じる
  • Lincoln singはARによる足の拍動(リンカーン大統領の写真で足のぶれ)
  • 拳骨テスト(Fist sign)は先端巨大症で手を握っても爪が隠れない(容積増大)
  • 胸部X線は側面像から見る(見逃しやすいところから始める)
  • 心房細動では頸静脈波のx谷が浅くなる
  • ADSの右脚ブロックは一次孔欠損なら左軸,二次孔欠損なら正常軸または右軸

聞き間違いがあるかも...😅スイマセン

💁 忘備録に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)