感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン(2017年改訂版)では,抜歯などの菌血症を誘発する歯科治療に対する感染性心内膜炎の予防にはアモキシシリン2gの術前1時間以内の経口単回投与が推奨されています.
- 成人の高度リスク患者に対し,抜歯などの菌血症を誘発する歯科治療の術前には予防的抗菌薬投与を推奨する(推奨の強さ1:強く推奨する,エビデンス総体の強さB[中])
- 成人の中等度リスク患者に対し,抜歯などの菌血症を誘発する歯科治療の術前には予防的抗菌薬投与を提案する(推奨の強さ2:弱く推奨する(提案する),エビデンス総体の強さ C[弱])
🐌 深堀
- アモキシリンの量に関して添付文書には「ヘリコバクター・ピロリ感染を除く感染症ならば成人:アモキシシリン水和物として、通常1回250mg(力価)を1日3~4回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。」と記載されています.2gは通常量の2倍なので必要時にはおおむね許容されると思われます.ただし1日量であり1回量ではありませんが...
- アモキシリンの投与に関して添付文書には予防投与の記載がないため,本来は保険請求できません.ただし投与しないことは患者さんの多大な不利益になり,これは公的保険制度の理念・趣旨に反します.社会保険診療報酬支払基金の回答を見つけることはできませんでしたが,必要時には投与すべきと思われます.査定されても250㎎ 8錠(2g)で約80円ですし...
💁 予防投与に関する過去の投稿 ➜ コチラ
(投稿者 川崎)