- 対象 孤立性の感染性心内膜炎の連続患者728名
- 内訳 計123例(16.9%)が大動脈二尖弁(BAV)
- 予後 年齢や性別、合併症の指数で補正後に検討
- 期間 追跡の中央値は67.2ヵ月(IQR: 19~120)
- 生死 三尖弁(TAV)と比較しBAVで差なし(図)
- 合併 BAVで弁周囲または神経学的合併症が増加
💁 同論文の考察より(3段落目のAI翻訳/引用論文は割愛)
- 塞栓症のリスクは、疣贅の大きさ(>10 mm)および可動性と相関することが確立されている。本研究においては、BAV-IE(二尖の感染性心内膜炎)とTAV-IE(三尖の感染性心内膜炎)の間で、疣贅の長さおよび塞栓性イベントの頻度に有意差は認められなかった。しかし、主要な神経学的イベントの発生率は二尖弁患者で高く(それぞれ22% vs. 14%、p = 0.027)、主要な神経学的イベントの発生はBAVと独立して関連していた。 これまでの報告と同様に、BAV-IE患者ではTAV-IE患者よりも周弁合併症が多くみられた。
- この周弁病変に対する感受性の高さは十分には解明されておらず、我々は大動脈二尖弁に依存する異常な血流が大動脈基部に影響を及ぼしている可能性を推測している。より懸念される仮説として、感染性心内膜炎の進行過程の後期に弁周囲合併症が発生することを考慮すると、若年層であるこの集団では感染性心内膜炎が疑われず、診断および紹介が遅れる可能性があるという点が挙げられる。 さらに、膿瘍は通常、感染性心内膜炎の進行の後期に発生するため、診断前に投与された経験的抗菌薬治療が診断の遅れやBAV-IEにおける培養陰性率に関連した可能性もある。
🚑 感染性心内膜炎に関する過去の報告 ➜ コチラ
(投稿者 川崎)