このブログを検索

検索キーワード「指導医 研修医」に一致する投稿を日付順に表示しています。 関連性の高い順 すべての投稿を表示
検索キーワード「指導医 研修医」に一致する投稿を日付順に表示しています。 関連性の高い順 すべての投稿を表示

2025-10-30

今週の一枚 🎯

時々脈が遅くなる高齢者(糖尿病の教育入院中)

🔥 三枝ブロック(trifascicular block)
  • V1誘導でrSR'パターンで右脚ブロック
  • Ⅱ誘導が下向き(R<S)で左軸偏位
  • PQが5 ㎜以上なので1度房室ブロック
  • 上記3所見が共存なので3枝ブロック
  • モニターで高度ブロック確認(下図)

💘 追記
  • 当院では毎週木曜日の早朝にモーニングカンファレンスを行っています.各科の専門医(指導医)が研修医向けに行う臨床に役立つ30分レクチャーです.
  • その日は講師が時間になっても現れませんでした(失念していた模様).そこで2年目の研修医の先生が急遽,最近経験した症例の提示を行ってくれました.
  • 当直中の夜中に病棟から心電図を見て欲しいとコールされ,正しく診断していました(素晴らしい👍)ちなみに心電計の自動診断は3所見の列記のみです.
  • 無症状なので安静を指示し翌朝に循環器内科にコンサルトの指示(これもナイス)「毎週水曜の心電塾が役立った」とも言ってくれて...塾長として涙物😂
  • 参考:三枝(三束)ブロックは刺激伝導系が広範囲に障害された病態(右脚・左脚前枝・左脚後枝の全て)で完全(三度)房室ブロックに移行するリスク有

👻「今週の一枚」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

2024-08-24

AIDPエーアイディーピーとアマン

👥 先日のカンファレンスから
  • 指導医A 「AIDPとアマンがあり,フィッシャーを入れることもある」
  • 指導医B 「AIDP? アマン?」(研修医が理解していたか否かは不明)

📪 概略
  • ギラン・バレー症候群(GBS)の二大病型で電気生理所見から分類可能(GBSの診断自体には不必要).もっともAIDPとAMANの臨床的な差は僅かであるため臨床像からの鑑別は難しい.両者の治療法も区別されていないため,その病型分類に臨床上の大きな意義はないと考えられている.

📫 AIDP
  • 脱髄型でacute inflammatory demyelinating polyradiculoneuropathyの略.運動神経神経軸索と先行感染因子(キャンピロバクター)に発現するガングリオシド GM1,GD1aとの分子相同性による発症.初期病変はランビエ絞輪部Naチャネルの分散と傍絞輪部ミエリンの離開による微細変化(nodopathyという呼称が提唱)で,神経伝導の安全因子が低下して非脱髄性伝導ブロックが生じる.

📬 AMAN
  • 軸索型でacute motor axonal neuropathyの略.多くは抗GM1抗体などの抗ガングリオシド抗体等の自己抗体が検出される.ランビエ絞輪部の軸索膜表面に補体沈着が起こることが知られ,軸索膜上のガングリオシドを標的とした免疫反応が一次病変であると考えられている.

📭 おまけ
  • Fisher症候群(外眼筋麻痺,運動失調,腱反射消失を三徴とする特異な症状)はヒト神経系におけるGQ1bの発現によって規定され,GBSの亜型とすることもある.現在ではビッカースタッフ脳幹脳炎は中枢病変を伴うフィッシャー症候群としてとらえられている.



(投稿者 川崎)

2022-12-25

心筋イメージング:輝きを放つ一枚

書籍(非売品)
表紙(表,背,裏)・序説・あとがき

序説

 心臓核医学検査は、循環器診療の有用な検査法の一つとして確立され、診断、病態評価、治療法の選択、予後評価に寄与している。
 1970年代からTl心筋シンチグラム(心筋血流)と心プールシンチグラフィ(心機能)を二本柱として発展してきた。後者の検査頻度は少なくなったが、1990年台からMIBG(心臓交感神経機能)、BMIPP(心筋脂肪酸代謝)、MIBI/tetrofosmin(心筋血流)が登場し、目的に応じて使い分けられている。最近、骨シンチグラム製剤であるPYPが急性心筋梗塞のみならず、トランスサイレチン型心アミロイドーシスの診断に感度・特異度が優れることが報告され、検査件数が増加している。
 京都府立医大付属病院で約20年、パナソニック健康保険組合松下記念病院で約20年の計40年あまり心臓核医学検査に携わってきた。現在なお運動負荷心筋イメージングおよびその診断に従事しているが、時折輝く画像に出会い、胸をときめかせている。
 主治医の依頼に応じ、診療に役立つイメージングをし、的確な診断をすることが最も大切であることは言うまでもない。当初は画像がnuclearならぬunclearと揶揄されたが、機器の進歩もあり、最近はnew clearと評価されているらしい。
 心臓核医学のそれぞれの核種による画像には典型例、希少例、自慢例があり、著者の性格上、後二者を中心に循環器専門医のみならず、レジデント、研修医にも見ていただきたいと思い、本書を手掛けた。ややとっつきにくく、敬遠されがちなこの分野に少しでも興味を持っていただくには、画像を見て“interesting”と感じてもらうのが一番と考えた。
 心臓核医学画像は基本的には集積低下/欠損を判定するものであるが、補助情報を加えて読影し、さらに臨床所見、心電図、心エコー、冠動脈造影などを組み合わせることにより、その画像がとても優雅に見えることがある。アイソトープを注射して撮像するという単純な検査であるが、時にとっさのひらめきによる工夫で磨かれた画像になることもある。
 提示された画像を優雅と感じるか否かは、読影者の知識・感性・努力・追及心に大きく左右される。優雅な心筋イメージングを見出す“匠”になったつもりで、画像を集めてみた。40年の歴史故、セピア色と化した画像が含まれることも味わっていただきたい。唯我独尊、自画自賛、尊大不遜との批判を覚悟の上である。
 “心臓核医学の基礎・研究および一例一例を大切にすること”をご指導していただいた足立晴彦先生(なかつかさ・足立医院)に深謝する。また、後輩でありながら常に循環器病学の最新情報を教示していただき、自由に心臓核医学検査を続けさせていただいた川﨑達也先生(パナソニック健康保険組合松下記念病院副院長)に謝意を表する。京都府立医大 旧第二内科で心臓核医学の臨床・研究をともにした鳥居幸雄、宮永一、中川博昭、窪田靖志、稲垣末次、中川達哉、片平敏雄、志賀浩治、馬本郁男、原田佳明、大槻克一、谷口洋子、伊藤一貴、寺田幸治、松本雄賀、中村智樹、米山聡嗣、木下法之、足立芳彦、阪本健三、松下記念病院でともに循環器診療を楽しんだ高橋 徹、川崎信吾、神谷匡昭、万井弘基、肌勢光芳、坂谷知彦、宮井信幸、谷口琢也、三木茂行、浅田聡、山野倫代、赤壁佳樹、階元 聡、張本邦泰、酒井千恵子、本田早潔子、松木あゆみ、川俣博史、車古大樹の諸先生に感謝したい。さらに、常に読影に最適な心筋イメージングを作成していただいた松下記念病院RI検査室の放射線技師、鹿園貴士、廣谷有立、高田春彦、中井恵莉、出口紘平の諸兄に感謝する。最後に本書の出版にあたり、終始多大なるご協力をいただいた株式会社朝陽堂会長高橋東作氏(幼稚園から高校までの同級生)に謝意を表したい。

あとがき

 最後まで見ていただいたことに感謝する。
 一枚でも二枚でもinterestingと感じていただく画像があったなら幸いである。
 書き終えると、冠攣縮、肥大型心筋症、完全左脚ブロック、PESP、心房がよく登場し、通常の心臓核医学の成書とはかけ離れる内容であることを再認識した。心臓核医学の分野もデータ・診断の標準化がすすんでいると耳にする。標準化は重要なことであるが、心臓核医学を斜めから見て楽しむことも忘れないでいただきたい。
 本書は京都府立医大旧第二内科→循環器内科の心臓核医学部門の歴史を物語る一冊としての画像集になったとも言える。心臓核医学は循環器診療の一つの検査法にすぎないが、その一枚の画像を大切にする心を持ち続けることが、診療の質を高めるだけでなく、新たな発見を世界に発信することにつながると信じている。医者として、循環器内科医として、40年以上の長きにわたり心臓核医学に従事できたことを幸せに思っている。

※「輝きを放つ一枚」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 杉原)

2022-11-28

🏆 論文

🎉 当院の循環器内科で経験した症例が NEJM に掲載 🎉

  • ウェレンス症候群の1例ですがポイントは心カテ待機中にST上昇
  • 緊急カテーテル検査では前下行枝近位部の完全閉塞でした(下図)
  • 最近では高度狭窄よりも血栓が関与した病態と考えられています

😀 追加コメント
  • 命名はオランダの循環器内科医 Wellens らの報告に由来します(Am Heart J 1982;103:730-6).よって英語表記はWellen's syndromeではなくてWellens' syndromeあるいはWellens syndromeが正しいと思われます.しかしWellen's syndromeの誤記も散見されます(一流誌の実例:Circulation 2019;140:1851-2).
  • 日本語の発音ではェレンスと呼ばれることが多いと思います.でもオランダ語ではヴェレンスと濁ることを友人から教えてもらいました(例:).それ以降,当院でも研修医に濁音のェレンス症候群と教えていました.しかしNEJMのAudio Summaryではェレンスと濁っていないことを同じ友人から教えてもらいました.よって最近は再度ェレンスと指導しています.
  • 本論文は今年の2月に投稿して4月に修正の返事がありました.たった150語なのに文言の修正を計3回,図の修正を計3回(解像度など)も指示されました.8月に採択の連絡があり9月に掲載です.当院の戦績(NEJMイメージ論文)は25戦して3勝22敗で採択率🏆12%です.大学病院や有名病院でないわりには善戦かも...😅

💁 論文の過去投稿は コチラ(ウェブ版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

2022-07-29

滴状心:医学用語?

昨日のカンファレンス 💨
  • 滴状心という用語をめぐって,指導医と初期研修医の先生の間でちょっとしたやり取りがあったので少し調べてみました.

  1. 循環器学用語集(第4版)日本呼吸器学会用語集にはいずれも記載されていて(医学用語?),英名はともにdrop heartでした(drople heartではない😳)
  2. 類似語としてcardioptosiaという表現を見つけましたがいずれの用語集も含まれず,PubMedで100年以上前の論文が一つだけヒット(Br Med J 1918;1:721
  3. cardioptosiaの対訳になる(と思われる?)心臓下垂症という用語を見つけましたが,Google Scholarでは一つもヒットしませんでした(心臓下垂なら数件あり)
  4. 問題はその定義ですが,Google Scholarで”definition of drop heart"あるいは"drop heart was defined"を検索しても何も表示されませんでした 😥
  5. 日本離床学会のページには「カルテに記載されている印象では心胸郭比(CTR: cardiothoracic ratio)が30-35%以下の場合」と記載されていますが...(

  • 滴状心はもちろん慢性閉塞性肺疾患(COPD)で認めることがある胸部X線に関連した異常所見です.
  • 単に心胸郭比が小さいだけでなく,肺過膨張による両側からの心圧排&横隔膜平坦化による下方への心牽引が特徴
  • 個人的には,あまり厳密な定義を持たないにもかかわらず生き残っている医学用語って,なんかいいな~と思います 😙

💁 医学用語に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2022-06-10

昨日のカンファレンスより

🚑 発熱と右顔面に発赤を認める高齢者
  • 研修医A 「他に熱源もないため顔面の蜂窩織炎と診断しました」
  • 研修医B 「顔面の蜂窩織炎って珍しいと思うんですけど…」
  • 研修医A 「珍しいけど顔面に出ることもあるみたいです」
  • 研修医B 「丹毒とはどう鑑別するんですか?」(指導医の方を見て)
  • 指導医   「違いは病変の深達度だけど…😓…調べておきます」

👿 復習
  • 丹毒:主にA群β溶血性連鎖球菌(GAS)による真皮浅層の感染症
  • 蜂窩織炎:病変の主座が真皮深層から皮下組織にある皮膚感染症

👾 鑑別
  1. 紅斑:丹毒は浅層のため比較的境界明瞭 vs 蜂窩織炎は深層のため境界明瞭 
  2. 部位:顔面は丹毒が多い/深層を欠く耳介波及は丹毒を示唆(Milian's ear sign)

丹毒の一例(水疱性丹毒)

参考)日内会誌 2018;107:951-3(解説および図)

  • 本例はまさしく上図と同じで耳まで紅斑が及んでいたため丹毒が疑われました.ただし各種培養からは菌は検出されず.

 💁 研修医と指導医のやり取りに関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2022-04-25

先日のカンファレンスから…

現場中継 💨
  • 指導医 「失神を生じる原因は?」
  • 研修医 「起立性低血圧」
  • 指導医 「その他には?」
  • 専攻医 「体位変換性の失神」
  • 指導医 「それはトートロジーだよ」

💀 トートロジー(tautology)
  • 【名】同義語反復,類語反復(発音:tɔtɑ́lədʒi/トトロジィ/音声
  • 実例:俺はオレだから,記憶喪失で記憶なし,楽しいといえば楽しい
  • あまり意味をなさない表現で,ネガティブな印象を与えることが多い

🉐 指導医 vs 研修医に関連する過去の投稿 ➜ コチラ
(投稿者 川崎)

2022-04-23

たこつぼ漁

  • 医学生 「今回のクリクラではたこつぼ心筋症が印象的でした」
  • 指導医 「おもしろい病名だろう,日本人が見つけたんだ 😤」
  • 医学生 「でも蛸壺ってあんな形じゃないんですけど...」
  • 指導医 「蛸壺の形?」
  • 医学生 「おじいちゃんの代まで和歌山でタコ漁をやってました」
  • 指導医 「マジ?」
  • 医学生 「家の周りにタコ壺がいっぱい転がっているんです」

📷 実際の実家周囲の写真

🐙 ひとり言
  • たこつぼ心筋症の名付け親は広島市民病院の佐藤 光先生です.1983年に第1例を経験され,1990年に3例報告(多枝 spasm により特異な左室造影像「ツボ型」を示した stunned myocardium.臨床からみた心筋細胞障害,児玉和久,土師一夫,堀 正二(編),1990:p56-64) 
  •  佐藤先生は実際のたこつぼ漁は知らないそうですが,神戸大学出身(1963年卒)で明石のタコ漁が有名であったため思いついたそうです(心臓 2006;38:872-81).上記の角ばった蛸壺は一般的な形態ではないかもしれませんが,佐藤先生が和歌山出身ならこの病名はなかったかも
💁 研修医と指導医のやり取りに関する過去の投稿 ➜ コチラ


(投稿者 加納/川崎)

2022-04-20

第119回日本内科学会講演会

😊 当院初期研修医が「医学生・研修医の日本内科学会ことはじめ」で発表
  • 演題 265 意識障害を呈する患者の身体所見から神経精神ループス(NPSLE)を疑い,ステロイドパルス療法が奏効した1例(総合診療科 土橋 哉仁先生)
  • 演題 268 子宮内膜癌を合併し多量の胸腹水を伴ったSLEの一例(総合診療科 河野 泰己先生)
  • 演題 352 多発筋膿瘍と亜急性の経過で進行する髄膜炎を認めた1例(総合診療科 熊田 早紀子先生)
  • 演題 371 貧血を伴う前立腺癌の背景に寒冷凝集素症を発見した一例(総合診療科 梶 健太郎先生)

😀 個人的感想
  • いずれも複雑な病態の症例でしたがとても良い発表でした 🎉
  • 山根先生をはじめ指導医の先生方も本当にお疲れ様でした 👍 

💁 “学会”に関連する過去の投稿 ➜ コチラ(ウェブ版なら右欄からも選択可能)

(投稿者 川崎)

2022-03-01

百聞不如一見 Seeing is believing

カンファレンスの一コマ 💨
  • 研修医 「とにかく膀胱のエコーがすごかったんです」
  • 指導医 「写真見せて 😃」
  • 研修医 「あっ,写真はとってなかったかも…」
  • 指導医 「マジ? じゃ,白板に絵を描いて」
  • 研修医 「こんな感じでした」
  • 指導医 「う〜ん...伝わらない 😑」

📷 とにかく記録
  1. 百聞は一見に如かず:画像の記録は何よりも大切です(特にERのエコー)
  2. 電子カルテに取り込む手技が煩雑な時は,とりあえずスマホで撮影もOK
  3. 下図は初期研修医の抜かりない記録があったために論文化できた症例です
  4. 失神症例で,膀胱エコーがバカボンの「目ン玉つながりのおまわりさん」
  5. 最終的な診断は,巨大膀胱憩室を伴う尿貯留に関連した神経調節性失神


💁 膀胱に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2022-01-09

心筋イメージング:輝きを放つ一枚

健診での心電図でST上昇
運動負荷Tl心筋SPECTのBull‘eye表示(上)とドック健診時の心電図(下)



(投稿者 杉原)

2022-01-04

いつも"いい質問"ありがとうございます 🙏

  • 初期研修医 「先生,心電図で教えて欲しいことがあるんですけど…」
  • 心臓専門医 「OK! なんでもきいて頂戴(自信満々😤)」
  • 初期研修医 「左脚後枝ブロックなんですけど」
  • 心臓専門医 「後枝? 前枝じゃなくて後枝?」
  • 初期研修医 「先生いつも右脚ブロックと左脚前枝ブロックは精査って言ってるでしょ」
  • 心臓専門医 「そうだよ.だって二束ブロックだからね」
  • 初期研修医 「でも左脚後枝ブロックって,どんなんかな〜って思って」
  • 心臓専門医 「う〜ん…後枝ブロックは右軸偏位くらいかな…モゴモゴ

👽 左脚後枝ブロック(Left Posterior Fascicular Block: LPFB)の診断基準(引用:ただし諸説あり)
  1. 右軸偏位(>90度)
  2. 誘導 IとaVLでrS波形
  3. 誘導 II, III, aVFでqR波形
  4. 誘導aVFでqR>45ms

※右室肥大および右軸偏位を生じる他疾患の除外も必要

自験例の波形

🎍 あけおめ
  • いつも若い先生からの意外な質問で勉強させてもらっています.本当に感謝しています.今年も指導医をビシビシ鍛えてやってください.
💁 研修医と指導医のやり取りに関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2021-11-16

🍛 カレーアレルギー

カンファレンスの一コマ 💨
  • 研修医 「本例の主訴は ”カレーを食べると必ず吐く” です」
  • 指導医 「カレー?そのカレーが古くなってたんじゃないの」
  • 研修医 「外食や自炊,ルーにかかわらず常に吐くそうです」
  • 指導医 「カレーアレルギー?そんなん聞いたことないけど」

カレー粉の成分
  1. 辛味 ➜ カイエンペッパー,コショウ,チリーペッパー,ニンニクほか
  2. 芳香 ➜ クミン,コリアンダー,シナモン,ナツメグ,カルダモンなど
  3. 色調 ➜ ターメリック(鬱金またはウコン),サフラン,パプリカほか

😎 松下なんでも調査隊
  • カレーに含まれる食材(甲殻類やピーナッツなど)アレルギーは散見されます.スパイス自体に対するアレルギーの報告もあるようですが,スパイスの塊であるカレー粉(curry powder)に対するアレルギーは不思議と目にしません(でした).
  • しかしカレー粉はヨモギ花粉(mugwort pollens)と交差反応性を示すため,実は隠れたアレルゲンだそうです().実際に "Allergy to curry: case report" というタイトルの論文も見つけました(Allergol Immunopathol 2011;39:383-5).

💁 アレルギーに関する過去の投稿 ➜ コチラ(PC版なら右欄からも選択可能です)

(投稿者 川崎)

2021-05-05

酸素飽和度100%

カンファレンス中の一コマ 💨
  • 研修医 「サチュレーションは100%で正常でした」
  • 指導医 「室内気で酸素飽和度100%は正常なの?」
  • 研修医 「100%…正常…異常??」
  • 指導医 「呼吸数はどうだったん?」

  • 健常者のSpO2は96-99%とされています。しかしSpO2=100%でアラームは鳴りません。SpO2=100%は安全域か否かは原因によると思います。
  • 室内気でSpO2=100%になる原因として多いのは過換気状態です。過換気状態になる原因として代表的な病態は過換気症候群です。
  • 一方、過換気状態には過換気症候群以外にもさまざまな病態があります。体表的な病態と具体的な疾患を下の表にまとめます。

参考)内科救急見逃し症例カンファレンスM&Mでエラーを防ぐ(医学書院 2012;53-8)

病態 想定される疾患
疼痛、発熱や交感神経亢進による呼吸数増加 大動脈解離、急性心筋梗塞、急性腹症、感染症、骨折、甲状腺機能亢進症、薬物中毒(アンフェタミン中毒など)、セロトニン症候群など
呼吸中枢障害による呼吸数増加 脳血管疾患(脳出血、脳梗塞、クモ膜下出血)
低酸素に対する代償で呼吸数増加 急性呼吸不全(気管支喘息、肺炎など)、急性心不全、肺塞栓症など
代謝アシドーシスに対する代償性過換気 糖尿病ケトアシドーシス敗血症など
呼吸筋麻痺による換気量低下に対する代償で呼吸数増加 ギランバレー症候群、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、重症筋無力症など

🎻 振り返り
  • 今回、救急外来で経験した症例は、急性虫垂炎の痛みにより過換気状態になりSpO2=100%(室内気)になっていたと考えられました。

(投稿者 中西)

2021-02-05

”日本語は難しい”問題

⛔ カンファレンス中の一コマ 💨
  • 研修医 「ガーグルベイスンの中の吐物は~」
  • 指導医 「ちょっと細かいけど,ガーグルベースやで」
  • 研修医 「ベイスン? ベース? ベースン?」

👀 ガーグルベース(ケア)®
  • 医療機器を販売しているアイエスケー(ISK)株式会社の登録商標(多分)
  • ただ同社のカタログには口腔衛生汚物受小型ベースンとも記載されている
  • 一般名はうがい受けと思われる(ステンレス製なら膿盆と呼ぶことが多い)

😊 おまけ
  • gargle ➜ うがい,うがいをする/発音 ➜ gɑ́rgl(ガーゴゥ)実際の音声
  • basin ➜ たらい,ボウル,盆地,入り江/発音 ➜ béisn(ベイスン)実際の音声

💋 発音に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2021-01-03

🐽 トンテキ

臨床現場 💨
  • 研修医 「本例の最終食事は来院1時間前のトンテキです」
  • 指導医 「トンテキ? 何それ?」
  • 専攻医 「豚=トンのステーキです」

🐷 トンテキ
  • 牛肉のステーキであるビフテキに対して用いられる豚肉の料理
  • 厚い豚肉を濃厚なタレと一緒に炒めて千切りキャベツを添える
  • 三重県の四日市市の名物料理として有名?(四日市トンテキ

😊 おまけ
  • ちなみにビフテキはビーフステーキの略語ではなくて,ステーキを意味する仏語bifteck(ビフテック)に由来(出典:日本ハムのコラム
  • 先日の「メバチコ」のように特定の地域で用いられる用語ではないようですが,ビフテキ自体も耳にする機会は確実に減少(ほぼ死語?)

🉐 肉に関連する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2020-12-12

網膜色素線条症

臨床現場 💨
  • 研修医「既往歴に網膜色素線条症があります」
  • 指導医「網膜色素線条症? なんじゃそれ? 網膜色素変性症じゃないの?」
  • 研修医「網膜色素線条症みたいですが…」

👀 網膜色素線条症 (Angioid streaks)
  • 概要 網膜のブルッフ膜の弾力線維に断裂が生じる眼疾患
  • 主因 常染色体劣性遺伝の弾力繊維性仮性黄色腫の一症状
  • 鑑別 骨パジェット病,鎌状赤血球症,鉛中毒,外傷など
  • 症状 無症状〜出血・血管新生による視野欠損や視力障害
  • 治療 出血や血管新生に対しレーザー治療(効果は不確実)
  • 予後 緩徐な進行であるが発症後は進行性で回復は難しい


黒矢印が網膜色素線条,白矢印が脈絡膜新生血管膜

🉐 眼科に関連する過去の投稿 ➜ コチラ (ウェブ版なら右欄の分類からも検索可能)

(投稿者 川崎)

2020-08-04

SNAPPS法

  • 研修医や学生に対して外来棟で行う医学的な教育方法の一つ
  • 米国の医師Wolpawらが開発した(Acad Med 2003;78:893-8
  • SNAPPSとは,以下の6ステップの頭文字から命名されている


👉 日本語訳
  1. 病歴と所見を簡単に要約する
  2. 鑑別診断を2~3に絞る
  3. 比較対比して鑑別診断を分析する
  4. 不明な点や代替アプローチについて指導者に質問する
  5. 問題に対する診療計画を立てる
  6. 自発的に学習できる項目を選択する

🉐 関連投稿(教育編)

(投稿者 川崎)

2019-11-07

陥没呼吸

  • 呼吸困難感を訴えてERに搬入された症例
  • 来院時には起座呼吸で会話は不能であった


🔎 解説
  • ビデオ前半では鎖骨上に周期的な陥凹があり,ビデオ後半では消失している
  • 本例の陥凹は1峰性である ➜ 頸静脈の拍動は通常2峰性(正常波形はコチラ
  • y下降が目立たない症例もあるが(実例),x下降は本例のように持続しない
  • 本例はウィーズを聴取したため陥没呼吸(吸気時の鎖骨上窩の陥凹)と判断
  • 気管支喘息の重症発作と診断 ➜ 幸い短時間作用型吸入β刺激薬のみで改善

🚑 臨床現場
  • 一緒に対応した初期研修医に「鎖骨上の所見をどう判断する?」と質問したら,「心不全ではなくて陥没呼吸と思います」とすぐに答えてくれた.彼らの成長は常に指導医の励みです.

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2019-06-13

最近知ったコト


👂 総診カンファでの指導医と研修医のやり取りが耳学問としてとても役に立ちます

(投稿者 川崎)