このブログを検索

検索キーワード「膠原病」に一致する投稿を日付順に表示しています。 関連性の高い順 すべての投稿を表示
検索キーワード「膠原病」に一致する投稿を日付順に表示しています。 関連性の高い順 すべての投稿を表示

2026-01-13

循環器学会専門医試験問題より

😅 独り言
  • 先日の出題「心拍出量のFick法」のページに記載されていた問題です.全く分からなかったので,適当に答えたら(もちろん)間違っていました.
  • 薬理作用を考えたら「なるほど…」の選択肢です.反省を込めてここにアップします.当院採用の肺高血圧の治療薬はココ(2022年時点ですが…)


【問題】特発性肺動脈性肺高血圧症の臨床診断で Macitentan と Sildenafil で初期併用療法を行ったとこ ろ,急激な肺うっ血をきたした.最も可能性が高い診断はどれか.







判定


😐 解説:正解 a
  • 肺静脈閉塞性疾患(PVOD)はまれで,診断も治療も難しい難病である.有病率は人口100万人あたり2名以下で,2年以内で死亡する例も多い.肺毛細血管腫症(PCH)とはその異同が議論されている.特発性,遺伝性,薬剤性のほか膠原病と関連しても発生する.
  • PVOD/PCHでは,肺胞中隔から小葉間中隔の微小な肺静脈で狭窄や閉塞が起こる.この抵抗に逆らって血液を流すために右室は高圧を出すが,やがて耐え切れずに右心不全となり,死に至る.確実な診断には肺生検が必要だが,リスクが高いので現実に行われることはあまりない.肺動脈性肺高血圧症(PAH)の診断基準に合致するが,肺拡散能が低下していたり,運動時に極端に低酸素になったり,肺のHRCTで小葉中心性のすりガラス陰影が見られたり,縦隔リンパ節の腫大や小葉中隔壁肥厚が見られたりする場合に,臨床的に診断することが多い.
  • 主病態は肺細静脈の閉塞であり,しかもその閉塞は線維性であるので,平滑筋細胞に働きかけるPAH特異的治療薬は,普通に使えば無効か有害である.肺細動脈を拡張させれば血流は増えるが肺細静脈が閉塞しているのでその手前の肺胞で水腫が起こりうる.しかし,わが国では脳死肺移植は希望者登録をしてから3年以上の待期期間があるのが一般で,移植を待つ間に死亡する例も多い.そこで,肺血管抵抗を少しでも下げて右室の負荷を軽減しようと,PAH特異的治療薬をあえてPVOD/PCHの患者に試みることもある.これには相当な技術と経験が必要で,しかも決して移植に代わる治療とはならない.


(投稿者 川崎)

2026-01-11

Carditis 心[臓]炎

  • リウマチ熱の心炎は,リウマチ熱の主症状で関節炎に次いで2番目に多い症状である.小児では初発例の約50~60%に出現する.頻脈・心雑音で気づかれることが多く,発熱・関節炎の出現後,1~2 週間以内の出現が多い.重症度はさまざまで,軽症で一過性のものから劇症型で死に至るものもある.汎心炎であり,心内膜,心筋,心膜すべての炎症を引き起こすが,多くは弁膜炎を中心とした心内膜炎である.心内膜が最も侵されやすく,心内膜炎のない心筋炎・心膜炎は稀である.


  • The incidence of Lyme disease in the USA is 8 per 100 000 cases and 95% of those occur in the Northeastern region. Cardiac involvement occurs in only 1% of untreated patients. We describe the case of a 46-year-old man who presented with chest pressure, dyspnoea, palpitations and syncope. He presented initially with atrial fibrillation with rapid ventricular response, a rare manifestation of Lyme carditis.


😐 独り言
  • Carditisという用語は成人を対象とする循環器内科医が使うことはほとんどないと思います.通常はもっと具体的に記載します(例:心筋炎,心膜炎,心内膜炎).しかし学会用語集には心[臓]炎の邦訳で収載されています.
  • 調査範囲では,英語論文ではライム病での使用が最多でした(日本語ではライム病自体が稀なためかごく僅か).他は膠原病やリウマチ,COVID-19などに生じた心臓合併症として使用.さらに(なぜか)小児領域で散見😶

(投稿者 川崎)

2025-01-09

今週の一枚 🎯

腎機能が悪化した症例(Cr 1.4 → 4.5 mg/dl)


(投稿者 川崎)

2024-12-15

日本内科学会 第246回近畿地方会より

😀 個人的に気になった報告

演題101 肝硬変に生じたパスツレラ症の1例
  • パスツレラ症は代表的な人獣共通感染症であり,Pasteurella multocidaはヒトを除く哺乳類の口腔内常在菌で,イヌでは75%,ネコではほぼ100%に常在するとされる.免疫能の低下した症例で重症化しやすい.

演題179 Burkholderia属菌によるCepacia症候群の1例
  • Burkholderia属菌は特に嚢胞線維症に致死的な呼吸器感染症を起こす菌として報告され,Cepacia症候群と呼ばれる急性に進行する菌血症を伴う壊死性肺炎は致死率が非常に高く臨床的に問題となる.

演題218 溺水により運動後急性腎不全(ALPE)を発症した 1 例
  • 溺水後の急性腎障害は溺水患者の43%に発生した報告もあり,原因は低酸素による尿細管障害,横紋筋融解症,多臓器不全による全身性炎症反応等が考えられる.

演題234 COVID-19肺炎の経過中にセフトリアキソン脳症が疑われた腹膜透析患者の1例
  • 抗菌薬投与中に意識障害,不随意運動を認めた際には,抗菌薬関連脳症を疑い抗菌薬の中止または変更が必要である.原因薬剤の診断のためには,血中濃度を測定しておくことが望ましい.


👻 当院からの発表
  • 演題35 左鎖骨下静脈経由の二腔ペースメーカ植込み後に両側気胸を生じた1例(総合診療科 國延拓也先生 🎉 すでに論文化してPubMedに収載
  • 演題210 腰椎神経根症による脱神経性筋障害を高CPK血症とともに呈し,炎症性筋疾患との鑑別を要した1例(膠原病・リウマチ内科 正木 暁先生)

💁 学会に関する過去の投稿 ➜ コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

2024-03-21

今週の一枚 🎯

息切れと発熱と全身痛で来院した男性

👤 間質性肺炎
  • 両肺野に透過性低下が散在している
  • 頻度からは細菌感染や真菌感染疑い
  • 細菌は検出されずβDグルカンも陰性
  • 多発関節炎+上肢近位部筋炎を合併
  • 抗Jo-1抗体が550 U/ml(基準値<10)
  • よく見るとヘリオトロープ疹もあり?
  • 膠原病に関連した間質性肺炎と判断
  • 最終的に抗ARS抗体症候群と診断した

👥 抗合成酵素症候群 Anti-synthetase syndrome (ASS)
  • 抗合成酵素症候群は女性優位で(1:3~4),平均発症年齢は50歳代,筋力低下は左右対称性で近位筋優位が多い.
  • 筋外症状の中で最も頻度が高くまた生命予後を左右するのが間質性肺炎であり,抗合成酵素症候群の80%で認める.
  • 本例はステロイド(60 mg/日)+タクロリムスの投与で寛解導入.器質化肺炎像は瘢痕を残さずほぼ消退している.
👻「今週の一枚」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

2023-12-05

TINUティヌ症候群

  • 概要 原因不明の間質性腎炎にぶどう膜炎を伴った病態
  • 略語 Ttubulointerstitial nephritis and uveitis syndrome
  • 疫学 好発年齢は思春期に多く,男女比はおよそ1:8
  • 症状 発熱,全身倦怠感,食欲不振,貧血など非特異的
  • 検査 蛋白尿,尿中β2MG高値,腎機能低下,尿糖など
  • 鑑別 サルコイドーシスやベーチェット,膠原病など
  • 機序 腎間質とブドウ膜の共通抗原に対する細胞免疫?
  • 遺伝 HLA-DR52など特定のHLA型が疾患の発症に関与?
  • 治療 ステロイド点眼・全身投与(自然軽快例も多い)


TINU症候群における自己抗体の仮説的役割
(投稿者 川崎)

2023-11-17

爪囲そうい紅斑 Periungual erythema

  • 爪縁に沿って紅斑, 血管拡張, 出血などを生じた病態
  • 症状は発赤,熱感,疼痛などで診断は視診に基づく
  • 単なる感染症でも生じるが,膠原病と関連しやすい
  • 特に皮膚筋炎で高率に合併(微小血管障害による)

発熱と咳嗽で来院した64歳の男性
最終診断は筋症状を伴わない皮膚筋炎+急速進行性間質性肺炎

💁 膠原病に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2023-10-05

今週の一枚 🎯

深部静脈血栓症の疑いで循環器内科を紹介された症例




(投稿者 川崎)

2023-07-19

関節リウマチ:RF 🆚 IgG-RF

  • 関節リウマチのスクリーニング検査項目にRFとIgG-RFがありました.
  • 両者の違いがよく分からなかったので他項目も含め調査してみました.

RF(リウマトイド因子)
  • ヒトIgG(immunoglobulin G)のFc部分に対する自己抗体である(血清中のRFはIgMが主体).RA(関節リウマチ)に対するRFの感度は80%程度で,発症早期では50%程度.また正常人でも数%はRF陽性であり,加齢とともに陽性率が上昇する.その他,結核や慢性肝疾患,種々の膠原病などでも陽性となることがあり,疾患特異性は低い

IgG-RF
  • 糖鎖にガラクトースを欠損したIgGを抗原とした抗ガラクトース欠損IgG抗体.慢性炎症やSjögren症候群などでも上昇する.IgG-RFはIgM-RFに比べ,感度は低いが特異度が高い.関節外症状や血管炎を伴うRAで陽性例が多く,RAの活動性とも相関するとされている.

抗CCP抗体(抗シトルリン化ペプチド[cyclic citrullinated peptide]抗体)
  • RAに特異的な自己抗体として注目を集めている.その感度は 33~87.2%と報告によりばらつきがあるが,特異度が90~95%以上と極めて高く,健常者の陽性率は3%未満と低い.さらにRF陰性例でも30~50%が陽性となる.早期RAでは感度は40~50%と高くはないが,陽性の場合にはRAである可能性は極めて高い.さらに,抗CCP抗体はRAの進行度,骨破壊度の予測因子としても有用である.

MMP-3(血清メタロプロテアーゼ―3)
  • RAの発症早期から血中濃度は上昇するが,急性,慢性を問わず種々の滑膜炎でも上昇するため,必ずしもRAに特異的な検査とはいえない.ただし,血清MMP-3はRAの疾患活動性の指標としてもきわめて有用である.


💁 関節リウマチに関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2022-12-17

「OP/CEPはありません」

👿 臨床現場
  • 先日,胸部CTの診断欄に「OP/CEPを示唆する所見はありません」と記載されていました.

CEP(chronic eosinophilic pneumonia)=慢性好酸球性肺炎
  • 特徴:女性,40代発症,アトピー素因,2週~4カ月程度の症状先行,非喫煙者など
  • 確定:BALで好酸球≧25%以上,血中好酸球の上昇,肺生検で好酸球性肺炎の証明

OP(organizing pneumonia)=器質化肺炎
  • 特徴:性差なく50~60代で発症し喫煙との関連は否定的(以前はBOOPと呼称)
  • 誘引:気道感染症,薬剤,膠原病,悪性疾患,放射線療法などが報告されている

👾 独り言
  • OPとCEPはともにCTで散在性かつ非区域性に多発する気管支血管束周囲や胸膜直下へのすりガラス状陰影を認めます.
  • 高分解能CTを用いても画像だけでは両者の鑑別が難しので,OP/CEPとひとまとまりとして記載されているようです.

(投稿者 川崎)

2022-03-29

腰部交感神経ブロック

👶 2022年改訂版 末梢動脈疾患ガイドライン 中の記載

下肢閉塞性動脈硬化症(lower extremity artery disease: LEAD)
  • 腰部交感神経節ブロックは,交感神経の過緊張を低下させることにより,疼痛緩和と側副血行路の血管拡張からの下肢血流増加を目的とする.
  • CLTI(包括的高度慢性下肢虚血)を対象とした研究で疼痛緩和の報告はあるが,切断のリスクを軽減する明確エビデンスはない.

バージャー病(Buerger disease)
  • 血行再建術の適応のない重度の虚血肢には,内視鏡的交感神経焼灼術などの交感神経遮断手術も考慮してよい.
  • ただし足関節血圧が60 mmHg未満やABIが0.3未満では効果は期待しづらい.

レイノー現象(Raynaud syndrome)
  • 壊死に陥った場合には,内科的治療では疼痛コントロールも困難であることが多く,交感神経節ブロックないし交感神経節切除を行うことになるが長期にわたる効果にはエビデ ンスはない
  • 膠原病を背景疾患とする場合には,原疾患が活動性の場合には原疾患に対する治療を行いつつ上記内科的治療が無効な場合には交感神経節切除を考慮する.

肢端紅痛症(erythromelalgia)
  • 有効な治療法は少なく,まずアスピリンに加え血管拡張作用のある抗血小板薬を使用する.無効な場合には交感神経節切除を考慮するが,その効果に定まった評価はない.

複合性局所疼痛症候群(complex regional pain syndrome: CRPS)
  • 薬物療法が有効でない場合には,交感神経ブロックや外科的な交換神経節切除などを考慮する

💁 下肢動脈に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2021-11-28

血液培養陰性心内膜炎 Blood culture negative endocarditis (BCNE)

💀 想定される病態
  1. もともと培養困難な細胞内寄生菌であるバルトネラ属やコクシエラ属(Q熱含む)など
  2. 栄養要求の高い遅育性細菌(nutritionally variant streptococci:NVS)や HACEK,真菌
  3. 血液培養採取前に抗菌薬がすでに投与されていた場合(通常なら培養陽性となるが...)
  4. 非感染性(膠原病のLibman-Sacks心内膜炎や悪性腫瘍,ベーチェット病,リウマチ性他)

👽 一言追加
  • 心エコー図で疣腫を認めなくても感染性心内膜炎の臨床診断は可能です.同様に血液培養が陰性でも心内膜が侵されている所見があれば診断できる場合があります(Duke臨床的診断基準).
  • 血液培養陰性心内膜炎が疑われる場合にはもちろん,抗菌薬によるエンピリック治療を速やかに開始します.そして病歴聴取から病原体を想定して,血清学的検査や特殊培養などを追加します.

関連投稿
  1. ㊗ 論文(多彩な末梢サインを認めた症例)
  2. 末梢サインの頻度
  3. 感染性心内膜炎における感染部位
  4. 😳 ヘェ〜

(投稿者 川崎)

2021-11-11

膠原病と漢方薬

症状に合わせた漢方薬の使用
ステロイドの量を減らす 柴苓湯(さいれいとう)
レイノー現象対策 当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)
むくみ 柴苓湯(さいれいとう)
更年期症状(肩こり・のぼせ・冷え)の改善 加味逍遙散(かみしょうようさん)
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
血小板の減少対策 加味帰脾湯(かみきひとう)
関節痛や神経痛対策 関節リウマチなら大防風湯(だいぼうふうとう)
NSAIDsの代用なら桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)
口の渇き対策 白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)
痰や咳対策 麦門冬湯(ばくもんどうとう)エキス
こむら返りや筋肉の痙攣対策 芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)
患者さんが知りたいリウマチ・膠原病(香川英生先生;現代書林:2011)より一部改編

📘 同書籍からのトリビア
  • ループス・エリテマトーデスのループスはラテン語の「オオカミに噛まれた傷に似た皮膚症状」の意味
  • サルコイドーシスはラテン語で「肉のようなものができる病気」の意味

💁 膠原病に関する過去の投稿 ➜ コチラ(PC版なら右欄からも選択可能です)
💁 漢方に関する過去の投稿 ➜ コチラ(PC版なら右欄からも選択可能です)

(投稿者 川崎)

2021-10-22

SLEの活動性評価

  • 幾つがある中でSLE Disease Activity Index(SLEDAI)が有名
  • カナダのグループが提唱(Arthritis Rheum 1992;35:630-40
  • 10日以内に認めた臨床所見の24項目を点数化(合計 0~105)
  • 目安:≧8点=活動性,1〜4点=低活動性,0点=寛解(

(厚生労働省 049 全身性エリテマトーデス

💁 膠原病に関する過去の投稿 ➜ コチラ(PC版なら右欄からも選択可能)

(投稿者 川崎)

2021-09-17

IgG4関連疾患 IgG4-related disease (IgG4-RD)

  • 観念 多数のリンパ球とIgG4陽性形質細胞浸潤,線維化による慢性炎症性疾患
  • 初報 信州大学の膵臓グループの濱野英明先生(N Engl J Med 2001;344:732-8
  • 疫学 中高年男性に好発し本邦では約8,000人が罹患していると予想されている
  • 症状 発熱等の全身症状は稀で臓器腫大の圧迫症状や画像診断で偶然発見が多い
  • 好発 唾液・涙腺,膵臓,肝胆,後腹膜,腎,肺,リンパ節(全身に生じ得る)
  • 採血 通常CRPは低値で血清IgG4が上昇(135mg/dL以上:ただし必須ではない)
  • 原因 不明だが自己免疫性疾患の疑い(自己免疫性膵炎やミクリッツ病が典型)
  • 鑑別 悪性腫瘍,膠原病,血液疾患,炎症性疾患など(鑑別には生検を要する)
  • 治療 中等量ステロイド(0.5~0.6mg/kg/日)が著効(減量・中止で再燃あり)


- 典型例の臓器病変 -

(投稿者 川崎)

2021-09-03

軽症例は意外に多いかも…

膠原病外来から非典型的な症状で紹介された症例(仰臥位で枕あり)

🐨 解説
  • 外頸静脈の明瞭な拍動を頸部で観察可能するが内頸静脈拍動は目立たない
  • 外頸静脈の陥凹はx谷よりy谷の方が目立つ ➜ フリードライヒ徴候の疑い
  • 外頸静脈は吸気保持で虚脱せずにむしろ陥凹の不明瞭化 ➜ クスマウル徴候
  • よくみると前頸静脈が拍動 ➜ 枕の高さを考慮すると中心静脈圧の上昇なし
  • 心エコー図は一見正常だが吸気で心室中隔が左室側へ偏位(septal bounce)
  • 最終的に(膠原病に関連した)収縮性心膜炎(の初期または軽症例)と判断

😋 独り言
  • 収縮性心膜炎は典型例なら診断はあまり難しくありませんが,本例のような軽症例では見逃され不定愁訴と誤診されていることが少なくありません(他の自験例
  • 本例も座位での身体所見には異常がなかったため,心エコー図を型通りオーダーしても正常所見しか得られなかった可能性があります(もっとも逆もありますが…😅)

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2021-08-31

肺胞蛋白症 Pulmonary alveolar proteinosis (PAP)

  • 病態 末梢気腔内にサーファクタント由来の蛋白様物質が異常蓄積した疾患の総称
  • 初報 米国の病理医であるRosenらが報告した(N Engl J Med 1958;258:1123-42
  • 原因 自己免疫性,先天性,続発性(骨髄異形成症候群,膠原病,粉塵吸引など)
  • 疫学 本邦では約900人? 自己免疫性なら男女比が2:1で診断年齢の中央値は51歳
  • 症状 労作時の呼吸困難感40%,無症状30%,咳嗽10%,重症例では呼吸不全ほか
  • 採血 血清KL-6およびサーファクタントプロテイン(SP-AやSP-D),LDHの上昇など
  • 画像 CTですりガラス陰影,メロンの皮様,crazy-paving shadow(不揃いな敷石状)
  • 診断 気管支鏡で白濁した肺胞洗浄液,細胞・組織診で弱好酸性細顆粒状物質など
  • 治療 分離肺換気を用いた洗浄療法(10-20L),GM-CSF吸入,ステロイドは非推奨
  • 予後 10年生存率88%(ただし定期的な全肺洗浄要),先天性の予後は極めて不良



🉐 肺の稀な病態
(投稿者 川崎)

2021-07-02

コーガン症候群 Cogan's syndrome

  • 観念 眼症状内耳障害を主とする慢性炎症性疾患(血管炎症候群の一つ)
  • 由来 米国の眼科医であるCoganの初報(Arch Ophthalmol 1945;33:144-9
  • 疫学 78例の検討では発症年齢は平均25歳(5歳~63歳)で男女差はなし
  • 原因 確定はされていないが,自己免疫性の機序を持つと想定されている
  • 症状 眼(充血や疼痛)+耳(めまいや難聴)+稀に全身(発熱や倦怠感)
  • 鑑別 ウイルス性またはクラミジア角膜炎,梅毒,ライム病,膠原病など
  • 治療 ステロイド点眼薬や副腎皮質ステロイド内服薬,免疫抑制薬など
  • 予後 症例毎に大きく異なるが5%程度で失明,25~50%程度で聴力消失


(投稿者 川崎)

2021-03-28

可逆性後頭葉白質脳症 PRES


  • 症状 頭痛,意識障害,精神症状,痙攣,視力障害(皮質盲を含)
  • 画像 後頭葉・頭頂葉・側頭葉・基底核などを中心に浮腫性変化
  • 特徴 高血圧と関連して,症状や画像変化がすべて可逆性である
  • 機序 血液脳関門の破綻により引き起こされると考えられている
  • 関連 高血圧性脳症,妊娠・子癇,腎不全,膠原病,薬剤性など
  • 治療 降圧+関連病態への対応(急速遂娩や痙攣コントロール他)
  • 予後 良好で2週間以内に改善(診断の遅れによる不良症例あり)


MRIのFLAIR像(上段は発症時,下段は2週間後)

(投稿者 川崎)

2020-11-25

レイノー現象 Raynaud syndrome

臨床現場
  • だんだん寒くなってきました.この病気の相談を受ける時期です.簡単にまとめておきます
  • 病態 小動脈の攣縮による皮膚の色調変化(例:蒼白→紫色→発赤の3相性で計20分程度)
  • 部位 手指末端(特に第2〜5指),足趾,耳,鼻,口唇,眼周囲など(対称性>非対称性)
  • 分類 原発性(レイノー病)と続発性(膠原病・末梢動脈疾患・職業性・薬剤・化学物質)
  • 疫学 全人口の4%程度に認め,特に原発性は15〜30歳の女性に多い(逆に続発性は高齢者)
  • 免疫 強皮症,混合性結合組織病,全身性エリテマトーデス,皮膚筋炎,シェーグレンなど
  • 治療 原因の除去+患部の保温(必要ならビタミンEやプロスタグランジン製剤、Ca拮抗薬)
  • 由来 仏の医師 Auguste Gabriel Maurice Raynaud (1834–1881) の報告(Paris: Didier, 1862



(投稿者 川崎)