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2025-09-11

今週の一枚 🎯

重症感染症でICUに入院した超高齢者

💙 解説
  • QRS波の後にP波が観察される(V1誘導に注目)
  • よく見るとPがQRS波に少しずつ追いついている
  • 房室解離であるが等頻度房室解離と考えられた
  • 最終的にPがQRSを追い越し通常の伝導が回復

💣 等頻度房室解離(isorhythmic atrioventricular dissociation)
  • P波とQRSにはつながりが無く心室は房室接合部からの刺激で収縮する房室解離のうち,洞結節の興奮発生頻度と房室接合部の興奮発生頻度がほぼ等しい状態
  • 房室解離が出現する原因として,①洞調律が遅くなった状態,②下位中枢の興奮発生機能が亢進した状態,③両方が組み合わされた状態が考えられます(引用
  • 房室解離は可逆性ですが,心房収縮が無効になり血行動態が悪化することがあります.本例でも感染性ショックが遷延 → 炎症の鎮静化に伴い房室解離も消失

👻「今週の一枚」の過去の投稿は コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

2023-11-28

心電図マイスターへの道 ③

上室期外収縮 PAC の起源
  • P波:V1陰性=右房起源:下壁誘導が上方なら上大静脈,下方なら冠静脈洞
  • P波:V1陽性=左房起源:I&L誘導が陽性なら右肺静脈(下壁誘導が上方なら上肺静脈,下方なら下肺静脈),I&L誘導が陰性なら左肺静脈(下壁誘導が上方なら上肺静脈,下方なら下肺静脈)

心室期外収縮 PVC の起源
  • 右脚ブロック(左室起源):I・L・5・6陽性+下壁陽性なら左室弁輪前壁・流出路,I・L・5・6陽性+下壁陰性なら左室弁輪後壁・下壁,I・L・5・6陰性+下壁陽性なら左室前壁心尖近傍,I・L・5・6陰性+下壁陰性なら左室心尖部
  • 左脚ブロック(右室起源):I・L・5・6陽性+下壁陽性なら右室弁輪前壁・流出路,I・L・5・6陽性+下壁陰性なら右室弁輪後壁・下壁,I・L・5・6陰性+下壁陽性なら右室前壁心尖近傍,I・L・5・6陰性+下壁陰性なら右室心尖部
  • 右室起源の大まかなルール:下壁誘導ですべて陽性=流出路,すべて陰性=心尖部,ばらばら=中隔

ペーシングの位置
  • V1でQSなら右室ペーシング,V1でRsなら両室ペーシング
  • 右室心尖部なら胸部誘導は基本,negative concordance (例えば全てQS)で上方軸
  • 下壁誘導で全て陽性なら右室上部ペーシング,すべて陰性なら右室下壁あるいは心尖部ペーシング,一定しなければ中隔ペーシング
  • 左室心尖部のペーシングなら,V1が陽性で,V2-6はすべて陰性(例:QS).ただし両心室の心尖部は近いため,心拡大や回転によって,右室心尖部ペーシングでも同様の所見になり得る.

2枝ブロック
  • 右脚ブロック+左軸偏位:右脚と左脚前枝のブロック
  • 右脚ブロック+右軸偏位:右脚と左脚後枝のブロック
  • (広義には左脚ブロック:左脚前枝と左脚後枝のブロック)

3枝ブロック
  • 右脚ブロック+左軸偏位+1度房室ブロック
  • 右脚ブロック+右軸偏位+1度房室ブロック
  • 左脚ブロック+1度房室ブロック

Lown分類
  • Grade 0=心室性期外収縮なし,Grade 1=散発性(<30個/時間),Grade 2=散発性(>30個/時間),Grade 3=多形性(多源性),Grade 4a=2連発,Grade 4b=3連発,Grade 5=RonT
  • 急性心筋梗塞症例で心室細動への移行率から作成された分類であることに注意が必要

ケント束の追記
  • デルタ波が下壁誘導で陰性+II誘導でQSなら心外膜(冠静脈洞 CSや中心静脈 MCV)のケント束
  • C型WPWなら前中隔,中中隔,後中隔に分類できる.Δ波から1mmの極性で判断:目安は下壁誘導ですべて陽性なら前中隔,すべて陰性なら後中隔,不定なら中中隔
  • Ⅲ誘導でR波高さは前中隔>中中隔>後中隔の順に大きい
  • Jemes線維は心房から房室結節下部を連結,Mahaim線維はatrio-fascicular/ventricular pathway,nodo-fascicular/ventricular pathway,fasciculo-ventricular pathwayの総称
  • デルタ波が目立たないなら左室側壁(伝わるまでに時間を要しその間に通常伝導が生じる)のケント束,マハイム線維,Fasciculoventricular pathway(purkinje組織から隣接する心筋に接続している副伝導路)
  • 束枝—心室副伝導路(Fasciculo-ventricular pathway)ではWPW patternを呈するが基本的に頻拍は来さないため治療対象ではない

心室頻拍 VT
  • 4特徴:①房室解離,②すべての胸部誘導で陰性波(negative concordant:自験例),③胸部誘導でRS(またはrS)波形がありR開始~S谷≧100ms,④特徴的な波形(RBBBならV1で前半のRが大きい(taller left rabit ear)+V6でR<S,LBBBならRS波の下行(前半)部分にノッチ
  • 左軸偏位やQRS幅>160ms,左脚ブロック+右軸偏位,RBBBでV1で単相性,aVRでQ波なし,なども心室頻拍を示唆
  • wide QRS tachycardiaの鑑別はVT,SVT,偽性心室調律


💁 心電図マイスターに関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2023-11-10

心電図マイスターへの道 ②

不定軸
  • 四肢誘導のすべてでR波,S波,Q波の波高が等しく電気軸が求められないとき.北西軸(極端な軸偏位)と混同しないように(ただし北西軸を不定軸と呼ぶこともある).
  • S1S2S3パターンはI、II、III誘導のすべての誘導にS波を認め,不定軸になりやすい.

両室肥大

完全房室ブロック
  • 一見,完全AVブロックでも,繋がっている部位があれば高度AVブロックになる.

心房粗動
  • 通常型反時計回転(common):鋸歯状波がI,II,III,aVF誘導で陰性,V1誘導で陽性(IIで陰性・V1で陽性・V6で陰性のワンパターン)
  • 通常型時計回転(reverse common):鋸歯状波がI,II,III,aVF誘導で陽性,V1誘導で陰性

心房頻拍
  • 原因に自動能亢進とリエントリーがある.開始時に徐々に心拍数が増加するwarm up現象と,停止に先立ち徐々に心拍数が低下するcool down現象がある(過去の投稿).

LGL症候群
  • 心房ーHis束以下の刺激伝導系の短絡(ジェームス線維)で頻度は2500~5000人に一人(ケント束は心房ー心室間の短絡で頻度は1500~2000人に一人)

WPW症候群
  • 順方向性房室回帰頻拍:最多で房室結節を順行,ケント束を逆行してQRS幅が狭い
  • 逆向性房室回帰頻拍:ケント束を順行,房室結節を逆行してQRS幅が広い

心室頻拍
  • 洞捕捉(途中で形の頃なるQRS:融合収縮や捕捉収縮),房室解離,突然のP波の脱落なら確定
  • RBBB+左軸偏位:左脚後枝起源の特発性心室頻拍が多くベラパミル感受性(いわゆるベラセン)
  • RBBB+右軸偏位:左脚前枝起源
  • LBBB+下方軸:右室流出路起源の特発性心室頻拍が多い
  • 子供であればVTに見えても逆方向性AVRT(antidromic AVRT:ART=心房→Kent束を順伝導→心室→房室結節を逆伝導→心房の順で旋回)が多い

先天性QT延長症候群
  • LQT1:トリガーは運動(特に水泳)が多く,大きくて幅が広いT波が特徴
  • LQT2:情動ストレス(恐怖や目覚まし音)が誘因で,T波は平低やnotchあり
  • LQT3:発作は睡眠中や安静時で,T波の始まりが遅い特徴あり


💁 心電図マイスターに関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2023-09-26

心電図マイスターへの道 ①

二方向性心室頻拍
  • 1拍毎にQRS波の軸が180°変化する心室頻拍で,多形性心室頻拍の一種.カテコラミン誘発多形性心室頻拍(Catecholaminergic Polymorphic Ventricular Tachycardia: CPVT)に対する特異度は高いが,その出現率は必ずしも高くない(感度は50%程度).

等頻度房室解離
  • 房室解離(洞結節からの興奮伝導が伝わる前に房室結節が興奮)のうち,P波とQRS波の周期がほぼ同じ状態(P波がQRS波の前後に出没).英名は isorhythmic atrioventricular dissociation で,房室弁の閉鎖時に心房収縮が生じるため心房圧上昇(cannon a wave)と血圧低下を来たし得る.

顕性WPW症候群
  • A型(最多)はV1誘導のデルタ波は陽性で波形はR型(R>S)=ケント束は左房-左室.B型はV1誘導のデルタ波は陽性で波形はrS型(R<S)=ケント束は右房-右室.C型(稀)はV1誘導でデルタ波は陰性で波形はQS型(Rなし)=ケント束は中隔.
  • Ⅱ,Ⅲ,aVF誘導でΔ波がすべて陽性ならケント束は弁輪の前壁,すべて陰性なら弁輪の後壁,不一致なら弁輪の側壁に存在(例:デルタ波がV1誘導で陽性かつ波形はrS型,下壁誘導で全て陰性なら,ケント付着部位は三尖弁輪の後壁)
  • デルタ波の極性は(最も早いQRS)の開始点から20 msの地点で判定

心房粗動
  • 三尖弁輪を反時計方向に旋回する通常型(common type,約90%)と時計方向に旋回する非通常型(uncommon type)がある.心房粗動の約9割は通常型でV1誘導ではF波がP波(陽性)のように見える.一方,非通常型ではV1では陰性P波のようにみえる.(※この分類はWellsの分類で,最近では前者を通常型反時計回り(common type AFL),後者を通常型時計回り(reverse common type AFL)とする.この場合の非通常型(uncommon type AFL)は三尖弁輪以外を旋回する心房粗動)
  • P波が陽性か陰性か分かりにくいときは,他誘導で明瞭なP波を見つけて,その時相で判断すればよい


💁 心電図マイスターに関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2020-10-19

ダブル・キャノン

1週間前から急に増悪した倦怠感で来院した症例

😊 解説
  • 正中寄りの左鎖骨上に内頸静脈の間欠的隆起(巨大a波/cannon a wave)を観察
  • 心音ではⅠ音の大きさが心拍毎に異なり4拍目に最大(大砲音/cannon sound)である
  • いずれの所見も房室解離時に認めることで有名であるが,心室期外収縮でも出現する
  • 本例は心臓サルコイドーシスによる3度房室ブロックを生じたときに記録された所見

😙 独り言
  • いずれの所見もcannonと記載されるが,そのメカニズムは異なることに要注意.巨大a波(cannon a wave)の出現機序は,三尖弁閉鎖中に心房収縮が生じるため.一方,大砲音(cannon sound)の機序は,心房収縮直後(房室弁の最大開放時)に心室収縮が生じるため.実際の本例の心音図でも,大砲音ではP波がQRS直前に生じている点に注目.
  • 注意深い聴診あるいは心音図(本例では低音と低中音を表示)ではP波の後に過剰心音(Ⅳ音)が観察される.このⅣ音も音量が変化して,心室急速流入期に合致すれば大きくなることが知られている(我々はatrial cannon soundと呼んでいます).

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2020-10-17

😳 ヘェ〜

 🚑 驚きの症例
  • 肺うっ血+三尖弁近傍のモザイク血流+発熱があり,当初は感染性心膜炎が疑われた.聴診で連続性雑音を認めたが,心エコー図ではバルサルバ洞動脈瘤破裂はなし.最終的にスタンフォードA型の亜急性大動脈解離+偽腔の右房・右室穿破と診断された.
(月刊心エコー 2020;21:1030-34より)
ポイント 💨
  • 発熱と大動脈解離はあまりピンときません.しかし2020年改訂版 大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドラインには「急性大動脈解離の発症後に血管の炎症,凝固線溶系の活性化から全身の炎症反応(SIRS)が引き起こされることがあり,約30%に38℃を超える発熱を認める」と記載されています.
(同ガイドラインでの引用:J Thorac Cardiovasc Surg 2013;145:385-90.e1

👾 おまけ
  • 上記の症例は独歩で来院されたようです.なんともすごい症例があるものです.当院も独歩で来院した心不全症例で,原因疾患の同定に時間を要したスタンフォードA型の急性大動脈解離例を経験しています ➜ コチラ

🉐 関連投稿(大動脈解離編)
(投稿者 川崎)

2017-02-13

規則正しい幅の広いQRSによる頻脈

動悸とふらつきで救急外来を受診した症例.心室頻拍と診断し直流通電を行った.その診断根拠は?


➽ Regular Wide QRS tachycardiaで鑑別すべき疾患
  1. 心室頻拍(心拍数は毎分120~250回)
  2. 心室粗動(とても珍しく心拍数は毎分250~300回)⇒ 自験例はコチラ
  3. 脚ブロックを有する症例の上室頻拍や心房粗動
  4. 変行伝導を伴った上室頻拍や心房粗動

多くの鑑別方法が提唱されているが,房室解離は心室起源を示唆する重要で確実な手がかり
本例のように奇麗に確認できる症例は少ないが,常にモニター誘導であるⅡ誘導に注目すべし

(投稿者 川崎)

2020-08-07

不整脈 vs 頸静脈

陳旧性心筋梗塞例に生じた頻脈時の心電図と頸部所見


🔎 臨床現場
  • 可能性としては心室頻拍,心房粗動,変更伝導を伴った上室頻拍などが考えられる
  • 心室頻拍なら房室解離が生じるため一定の間隔でサイズの異なる巨大a波が生じる
  • 本例ではa波サイズは一定と判断 ➜ 上室性を疑いアデノシンを投与したが変化なし
  • 引き続きカルディオバージョンを行い洞調律に回復(下図) ➜ 最終診断は心室頻拍


😳 コメント
  • 本例は血圧が比較的保たれていたが,バイタルサインが不安定な時は迷わずカルディオバージョンを行うことは言うまでもない.サパイラ先生も心拍数が毎分100回以上では(初心者は)波形解析を試みないよう述べている(Sapira's Art and Science of Bedside Diagnosis, p363).ただし頻脈でも,頸静脈のフロッグ・サインは分かりやすいので覚えておきたい.

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2019-10-27

心電図クイズ

  • 心肺停止(初期波形は心静止)してER搬入後にROSCが得られた症例




(投稿者 川崎)

2018-09-11

wide QRS頻拍に対するブルガダ・アプローチ

スペイン人の医師Brugada Pらが開発(Circulation 1991;83:1649-59
もちろんブルガダ症候群を発見した有名なブルガダ三兄弟のひとりです

  1. 胸部誘導でRS(またはrS)波形なし
  2. 胸部誘導でRS(またはrS)波形がありR開始~S谷≧100msec
  3. 房室解離あり
  4. QRSの波形解析(少し複雑)

  • 上記のひとつでもあれば心室頻拍の感度98.7%,特異度96.5%
  • 特に所見1は分かりやすくてお薦めです(≒胸部誘導がすべてQ波
  • 所見1はwide QRS頻拍554例で心室頻拍の特異度100%,感度21%

実例

ブルガダ・アプローチの所見1があるため心室頻拍と即断できる

👶 じっくり勉強したい方 ➜ JPN J ELECTROCARDIOLOGY 2002;22:S2.5-25 (日本語)

(投稿者 川崎)

2025-09-12

頚静脈波形

  • 頚静脈拍動と中心静脈圧、ドプラ波形の関連を概説する論文(Ther Adv Pulm Crit Care Med 2025 Jul 16;20:29768675251359700)を眼にしました。
  • 頚静脈の波形の分かりやすいイラストがあったのでアップしておきます。なお図の説明文はAIによる自動翻訳を活用(説明文中の引用論文は割愛)

頸静脈拍動(JVP)および頸静脈血流速度(JVFV)の生理学
(A) 心電図(ECG)、心音図(PCG)、および右心房圧(PRA)の時間的関係を示す。PCG の SX は心音を表す。PRA または JVP の上昇波は本文で説明される a波、c波、v波 である。下降波は x下降、x′下降、y下降 と呼ばれる。IC は等容収縮ノッチを示す。灰色で塗られた領域は JVFV を表し、s波(収縮期) および d波(拡張期) を含む。図解は心周期における右心の変化を示し、RA は右心房、RV は右心室を意味する。 (B) JVP の波形記録は19世紀半ばに初めて発表され、12 世紀末から20世紀初頭にかけて Mackenzie によりさらに詳細に発展した。JVP の陽性波は、その解剖学的・生理学的な起源に基づいて命名され、a波は右心房、c波は総頸動脈、v波は右心室 を反映するとされた。Mackenzie はまた、三尖弁逆流症における JVP の病的変化を記載しており、初期には a(心房型) から v(心室型) へと移行することを示した。疾患の初期段階では、顕著な v波 は心房細動(すなわち「心房性」)により生じる。心房収縮が失われることで右心房がうっ血し、右心房圧(PRA)が収縮後期に上昇するため、機能している三尖弁(TV)が心基部方向へ戻る際に高い v波が発生するためである。しかし疾患が進行すると、v波はさらに顕著になり、収縮期の早期に出現するようになる。これは逆流性の血液量が機能不全の三尖弁から逆流するためであり、いわゆる「心室型 v波優位」と呼ばれる。 同様の進行は、肺高血圧患者において Ranganathan と Sivaciyan によって内頸静脈(IJV)ドプラ超音波で記録された JVFV でも報告されており、以下で述べる。(C) JVFV は 装着型ドプラ超音波 によって測定され、これについても以下で記載する。

Sivaciyan と Ranganathan が提唱した頸静脈血流速度(JVFV)の分類システムの模式図
詳細は本文を参照のこと。ここおよび図1において、右心房方向への JVFV は y軸の下向きに、頭部方向への血流速度は y軸の上向きに示されている。 仰臥位では、最上段のパターン(s > d)が正常であり、持続的な逆行性 a波は認められない。大きな逆行性 a波および v波は、単相性拡張期パターン(ここでは表示されていない)で観察されることがある。 逆行性収縮期速度(最下段のパターン)は、臨床的に重要な**三尖弁逆流(TR)**を示す典型的な所見であるが、房室解離において心房収縮が閉じた三尖弁に対して生じる場合にもみられる。この場合、逆行性収縮期速度は不規則である。 略語: RA = 右心房 RV = 右心室 TAPSE = 三尖弁輪収縮期移動量(tricuspid annular plane systolic excursion)

😇 おまけ

上記論文では当院で行った頚静脈の臨床研究を4編も引用してもらいました 😊 謝謝
  1. Kasai K, Kawasaki T, Hashimoto S, Inami S, Shindo A, Shiraishi H, Matoba S. Response of Jugular Venous Pressure to Exercise in Patients With Heart Failure and Its Prognostic Usefulness. Am J Cardiol 2020;125:1524-1528 ➜ 日本語の解説
  2. Shako D, Kawasaki T, Kasai K, Sato Y, Honda S, Sakai C, Harimoto K, Shiraishi H, Matoba S. Jugular Venous Pressure Response to Inspiration for Risk Assessment of Heart Failure. Am J Cardiol 2022;170:71-75 ➜ 日本語の解説
  3. Kasai K, Kawasaki T, Hashimoto S, Kanehiro C, Yabu S, Shindo A, Matoba S. Jugular Venous Pressure and Kussmaul's Sign as Predictors of Outcome in Heart Failure. Int Heart J 2023;64:1088-1094 ➜ 日本語の解説
  4. Noguchi M, Kasai K, Honda S, Sakai C, Harimoto K, Kawasaki T. Jugular Venous Response for Risk Stratification in Heart Failure. Cureus 2024;16:e58423 日本語の解説

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(投稿者 川崎)

2018-10-17

心電図クイズ

突然,動悸を自覚してその後に意識レベルが低下した症例




(投稿者 川崎達也)

2026-01-19

ChatGPT(GPT-5.2)の返答

  • AIを仕事で利用する頻度がとても増えました.とんでもない嘘を自信満々で答えるときがあるため,返答を鵜吞みにすることはできません.しかし大いに参考になります(特に基本的な知識がある領域)
  • AIは進化がとても早い領域です.その変化を知るため現時点のレベルをまとめておきます.各設問に対するAIの答えをそのまま記載します.忘れなかったら😅1年後に同じことを最新AIに問うてみます

 
Q1 心尖拍動の臨床的意義を200語程度にまとめてください
  • 心尖拍動は左心室収縮により生じる胸壁の拍動で、心機能評価に重要な身体所見である。正常では左第5肋間・鎖骨中線上に触知され、範囲は限局する。外側・下方への偏位は心拡大を示唆し、びまん性で強い拍動は左心室肥大や容量負荷を考える。触知困難な場合は肺気腫や肥満が原因となることがある。このように心尖拍動は心疾患の存在や重症度推定に有用である。

Q2 心音の臨床的意義を200語程度にまとめてください
  • 心音は心臓の弁運動や血流変化により生じ、心機能や弁膜症評価に重要な身体所見である。第Ⅰ音は房室弁閉鎖を反映し、増強は頻脈や僧帽弁狭窄、減弱は心筋障害を示唆する。第Ⅱ音は半月弁閉鎖音で、分裂の変化は肺高血圧や右脚ブロックなどの診断に有用である。第Ⅲ音は容量負荷や心不全、第Ⅳ音は心室拡張障害を示すことが多い。さらに心雑音の有無や性状から弁膜症や先天性心疾患の推定が可能であり、心音聴診は非侵襲的に循環器疾患を評価できる基本かつ重要な診察手技である。

Q3 頚静脈拍動の臨床的意義を200語程度にまとめてください
  • 頚静脈拍動は右心系の圧・容量状態を反映する重要な身体所見である。内頚静脈の拍動を観察することで中心静脈圧を推定でき、右心不全、容量負荷、脱水の評価に有用である。正常では半坐位で鎖骨上に軽度の拍動を認める程度であり、明らかな怒張は右心不全、三尖弁閉鎖不全、心タンポナーデ、収縮性心膜炎などを示唆する。波形の観察も重要で、a波増高は右房圧上昇、v波増高は三尖弁閉鎖不全を考える。Kussmaul徴候(吸気時の頚静脈怒張増強)は収縮性心膜炎や右室梗塞に特徴的である。頚静脈拍動は非侵襲的かつ迅速に右心機能を評価でき、循環動態把握に欠かせない所見である。

Q4 頚動脈拍動の臨床的意義を200語程度にまとめてください
  • 頚動脈拍動は左心室からの駆出血流を直接反映する重要な身体所見であり、心拍出量や大動脈弁疾患の評価に有用である。正常では立ち上がりが速く、なだらかに下降する拍動を触知する。拍動の減弱や遅延(parvus et tardus)は大動脈弁狭窄を示唆し、逆に強く跳ねるような拍動(bounding pulse)は大動脈弁閉鎖不全や高拍出状態で認められる。二峰性拍動は肥大型心筋症を、拍動の左右差は頚動脈狭窄や大動脈解離を疑う所見となる。また、頚動脈雑音の聴取は動脈硬化性病変のスクリーニングとして重要である。頚動脈拍動の触診・聴診は簡便かつ非侵襲的に全身循環や弁膜症の手がかりを得られるため、循環器診察における基本かつ不可欠な所見である。

Q5 傍胸骨拍動の臨床的意義を200語程度にまとめてください
  • 傍胸骨拍動は胸骨左縁で触知される心拍動で、主に右心系や心室負荷の状態を反映する重要な身体所見である。正常では明瞭に触知されないが、持続的で強い傍胸骨拍動は右心室肥大や右心系圧負荷を示唆する。肺高血圧、肺動脈弁狭窄、慢性肺疾患に伴う肺性心などで認められることが多い。また、胸骨左縁下部での拡張期に強い拍動は右心室容量負荷や三尖弁閉鎖不全を考える手がかりとなる。心室中隔欠損などでは拍動が増強する場合もある。傍胸骨拍動は視診・触診のみで評価可能であり、右心機能や肺循環異常を推定するうえで有用な、基本的かつ重要な循環器身体所見である。

💁 AI (人工知能) に関する過去の投稿 ➜ コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶
(投稿者 川崎)

2021-06-04

心不全の増悪因子:FAILURE

  • Forgot medication:薬の服用忘れ
  • Arrhythmia/Anemia:不整脈や貧血
  • Infections/Ischemia/Infarction:感染,虚血,梗塞
  • Lifestyle:塩分過剰摂取やストレス
  • Upregulation of cardiac output:甲状腺疾患や妊娠
  • Rheumatic valve or other valvular diseases/Renal failure:弁疾患あるいは腎不全
  • Embolism:肺塞栓など

🚜 ガイドラインに記載されている心不全の増悪因子(82ページの表50)
  1. 急性冠症候群
  2. 頻脈性不整脈(心房細動,心房粗動,心室頻拍など)
  3. 徐脈性不整脈(完全房室ブロック,洞不全症候群など)
  4. 感染症(肺炎,感染症心内膜炎,敗血症など)
  5. アドヒアランス不良(塩分制限,水分制限,服薬遵守などがで きない)
  6. 急性肺血栓塞栓症
  7. 慢性閉塞性肺疾患の急性増悪
  8. 薬剤(NSAIDs,陰性変力作用のある薬剤,癌化学療法など)
  9. 過度のストレス
  10. 過労
  11. 血圧の過剰な上昇
  12. ホルモン,代謝異常(甲状腺機能亢進・低下,副腎機能低下, 周産期心筋症など)
  13. 機械的合併症(心破裂,急性僧帽弁閉鎖不全症,胸部外傷, 急性大動脈解離など)

🙆 循環器疾患の語呂合わせ(英語ですが…)➜ List of cardiology mnemonics

💁「語呂合わせ」に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2019-12-26

日本内科学会 第226回近畿地方会より

🐤 参加できなかったのですが抄録集から個人的に気になった演題

演題8 1度寛解を得たが5年後に再発をきたしたMiller-Fisher症候群の1例
  • Miller-Fisher症候群はフィッシャー症候群とも呼ばれ,急性の外眼筋麻痺+運動失調+腱反射消失を三徴とする病態.先行感染や髄液蛋白細胞解離などがありギラン・バレー症候群の亜型と考えられている.

演題45 呼吸不全を契機に診断に至ったネマリンミオパチーの1例
  • ネマリンミオパチーとは生直後あるいは乳児期より顔面を含む全身の筋緊張低下(フロッピーインファント)を来す遺伝性筋疾患の一つ.乳児期早期に死亡する乳児重症型,歩行可能で非進行~緩序進行の良性先天型,そして成人発症型に分類

演題 64 Submitral aneurysmをマルチモダリティーにて評価し得た1例
  • Submitral aneurysmとは左室筋組織と僧帽弁輪間の結合組織に瘤を形成した病態.先天的に脆弱な部分に好酸球やリンパ球が浸潤して瘤化すると考えられている.アフリカ系人種に多くアジア人では稀

演題67 左房内異常構造物をきっかけにVACTER連合症候群の診断に至った若年女性の1例
  • VATER症候群(ヴァーター症候群)とは椎体異常(V),肛門奇形(A),気管食道瘻(TE),橈骨奇形及び腎奇形(R)の5徴候を特徴とする病態.そこに心奇形(C)や四肢奇形(L)が合併した場合にVACTERL連合と称される.

演題188 構音障害、不随意運動を認めたBickerstaff脳幹脳炎症例
  • ビッカースタッフ脳幹脳炎とは眼球運動・運動失調・意識障害を三徴とする自己免疫疾患で病変の首座は脳幹.症状は1月以内にピークとなりその後は徐々に回復に向かうのが,四肢筋力低下の後遺症を生じる例もある.30歳前後の若年者に多い.

演題216 黄色爪症候群による胸水貯留の1例
  • 黄色爪症候群Yellow nail syndrome)とは成長遅延を伴う黄色爪+胸水+リンパ浮腫を3徴候とする病態.リンパ系の異常が原因と考えられているが,腫瘍随伴症候群や膠原病,薬剤誘発性でも生じえる.

(投稿者 川崎)