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2017-01-20

松下金曜会 「胸痛」

胸痛のレッドフラッグと重篤な原因
  1. 持続性または休息中におこる定型狭心症 ⇒ 心筋梗塞,不安定狭心症
  2. 労作性胸痛の新規発症または進行 ⇒ 不安定狭心症
  3. 左上肢,右肩まで放散する胸痛 ⇒ 心筋梗塞,不安定狭心症
  4. 突発の胸痛および急性の呼吸困難 ⇒ 肺塞栓,自然気胸,心筋梗塞
  5. 喀血を伴う胸痛 ⇒ 肺塞栓,肺炎
  6. 発熱を伴う胸痛 ⇒ 肺炎,急性の消化器系の病態
  7. 突発の胸痛・重篤な移動性の胸痛および背部痛・マルファン体形 ⇒ 大動脈解離
参考書籍:「聞く技術 答えは患者の中にある」

(投稿者 川崎)

2021-04-22

🎯 今週の一枚

胸痛で循環器内科を紹介受診した症例


(投稿者 川崎)

2016-10-11

胸痛 OPQRST

胸痛を訴える症例に対する問診テクニック いわゆる ”OPQRST”
  1. O : Onset: いつ始まったのか
  2. P : Provoking and palliating: 増悪あるいは緩解因子
  3. Q : Quality: 胸痛の性状(鈍い痛み,圧迫感,鋭い痛み,不快感など)
  4. R : Region and radiation: 胸痛の場所と放散(左胸から左腕に広がるなど)
  5. S : Severity and symptons: 症状の程度(1-10のスケール)と随伴症状(嘔気や動悸の有無)
  6. T : Timing: 持続時間
もちろんこの ”OPQRST” 問診テクニックは胸痛以外にも応用できます
(投稿者 川崎)

2019-02-21

右胸心 vs 右胸痛

  • 右胸痛を訴えて来院する急性心筋梗塞は稀(左側の胸部圧迫感が多い)
  • しかし右胸心(dextrocardia)では右胸痛(right chest pain)の報告が散見

Jang SY, et al. Successful Primary Percutaneous Coronary Intervention for Acute Myocardial Infarction in a Patient with Dextrocardia and Hypertrophic Cardiomyopathy (J Lipid Atheroscler 2012;1:29-33)

E Özel, et al. Primary percutaneous coronary intervention with drug-eluting stent in patient presenting with acute inferior myocardial infarction with dextrocardia (International Journal of the Cardiovascular Academy 2015;1:16–7)

👴 ただし統計的に検討していないので,右胸痛~右胸心つながりで積極的に症例報告されている可能性あり.ちなみに右胸心の頻度は12,019例に1例で,内蔵正位(situs solitus)・内蔵逆位(situs inversus)・その他の頻度は概ね同じで,内蔵逆位を除き心奇形がほぼ必発(Am J Cardiol 2007;100:305-9).

関連投稿

(投稿者 川崎)

2022-04-22

🏆 論文

  • 当院の初期研修医である土橋先生が循環器内科で経験した症例が出版されました
  • 労作時の胸痛で紹介受診して身体所見のばち指から肺癌合併の診断に至りました
  • 肺癌 ➜ 狭心症の順に治療を行い,バチ指も経時的に改善しています(下の写真)


😀 追加コメント
  • 本例は右肺尖部の肺癌で,パンコースト腫瘍として胸痛を生じることがあります(パンコースト症候群).しかし本例の胸痛は典型的な労作性でした.実際に肺癌切除後も胸痛は続き,冠動脈の治療後に消失しました.
  • バチ指(Clubbed finger)を生じる機序として,「肺内シャントを通過した凝集血小板や巨核球から放出される血小板由来増殖因子で爪床下の軟部組織が増殖する」ことが推測されています(J Pathol 2004;203:721-8)
  • 本例のばち指改善は肺癌の術後から始まりました.しかし冠動脈治療に関連して開始された抗血小板による効果もあったのかもしれません.両者の関係に言及した論文 ➜ J Am Acad Dermatol 2005;52:1020-8

🎉「論文」の過去投稿は コチラ(ウェブ版なら画面右の分類からも選択可)

※ 心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2021-01-30

胸痛クイズ

心原性胸痛の可能性が低いジェスチャーは?
(左からパームサイン,レバインサイン,ポインティングサイン,アームサイン)



(投稿者 大神/川崎)

2018-06-13

T波終末部の陰転化 👀

  • 2ヵ月前に高血圧などのスクリーニングで心電図を記録(胸痛なし) ➜ 正常心電図
  • 胸痛を主訴に受診(来院時には消失) ➜ V1-4で新たなT波終末部の陰転化(矢頭)
  • 12時間後に持続する胸痛でERを再診した ➜ V1-4でST上昇+下壁誘導でST低下

緊急カテーテルを施行:左前下行枝の閉塞(矢印)を確認してステント留置

ポイント 胸痛の改善後にも残存する新たなT波変化には要注意 🆘 ➜ ウェレンス症候群

🉐 おまけ
  • ST上昇の誘導や発作後も残存する陰性T波の誘導は冠動脈の病変部位と関連する
  • ST低下誘導から冠動脈病変の部位は推定困難(Ann Intern Med 1987;106:53-5)

(投稿者 川崎)

2022-09-29

🎯 今週の一枚

安静時の左胸痛を訴える高齢者



(投稿者 川崎)

2023-01-25

🏆 論文

  • 当院の初期研修医であった梶先生が循環器内科で経験した症例が出版されました
  • 転落後の胸痛で当院のERに搬入 ➜ 右側気胸+前壁心筋梗塞と診断して順に治療
  • 本例のポイントは気胸は外傷性ですが心筋梗塞は外傷によるストレス誘発の疑い


😀 おまけ
  • 本例の主訴は胸痛と呼吸困難感でした.もちろんともに外傷性気胸で説明は可能です.ER搬入時に心電図も記録していますが,大きな問題はないと判断しています(ただし後から見返すと僅かにST上昇?)
  • 胸痛が持続するため心電図を再検(受傷後120分後/来院40分後)➜ 全胸部誘導で明瞭なST上昇が判明しました.胸腔トロッカーを挿入後に緊急カテーテル治療(ヘパリンや抗血小板薬は通常通り投与)
  • 精神的ストレスが心筋梗塞を誘発するの機序として,血行動態の過負荷・自律神経機能障害・神経内分泌活性化・炎症反応・血小板活性化などによる冠動脈プラークの破壊と血栓形成が提唱されています(※)

👿「論文」の過去の投稿は コチラ(ウェブ版なら画面右の分類からも選択可)

※ 心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2024-05-26

第137回日本循環器学会近畿地方会より

😃 個人的に気になった報告
 
1-9 ペースメーカ留置時に偶発的に採取した心筋片より診断に至った心アミロイドーシスの一例
  • 経静脈PM植込み時にポケットから採取した脂肪とリード先端より偶発的に採取できた心筋を提出し,病理検査で心筋組織にアミロイド沈着を認めた。伝導障害例や高齢者では生検の実施が困難な場合があり,我々は経静脈PMの植込み時に低侵襲でアミロイド沈着を証明できた症例を経験したので報告する。

3-21 右腋窩-右外腸骨動脈バイパスにより心不全の改善を認めたCoral reef aortaの1例
  • 主に腎動脈上の腹部大動脈に起こる限局性,珊瑚状の石灰化及び狭窄病変が特徴的であるCoral reef aortaは,難治性高血圧,臓器・下肢虚血を呈する。後負荷増大による心不全をきたしExtra-anatomical bypassが奏功した症例を報告する。

3-28 右総腸骨動脈の慢性完全閉塞病変に対して0.035 CROSSLEADを用いて秒でwire crossできた一例
  • CTO病変にCROSSLEADを“秒”で通過させることに成功。0.035 CROSSLEADは従来の0.035ワイヤーと異なりトルクレスポンスも良く操作性にも優れているため,このようなCTO病変 治療における1stワイヤーとなり得ると思われた。

6-19 Ehlers-Danlos 症候群に合併した特発性尺骨動脈瘤破裂の1例
  • エコーでは,右尺骨動脈瘤を認めた。しかし,造影剤アレルギーの既往があり,TEAは困難と判断し,経過観察となっていた。翌週に,急激に右前腕の腫脹,尺骨側の神経障害を認めた。エコーで,同部位の破裂を認め,緊急手術となった。術中所見は,血管壁は破綻しており,尺骨動脈の中枢側および末梢側を同定して結紮。

6-35 心膜外脂肪壊死の一例
  • 数日前からの上下肢浮腫と深吸気時胸痛を主訴に前医を受診,両側胸水貯留を指摘され当院へ紹介。入院加療とするも,約1週間で症状は自然軽快し心嚢水と胸水も減少したため,第9病日より外来フォローとした。その後も症状は再燃せず,2か月後のCTでは楕円形腫瘤と心膜肥厚は消失。心膜外脂肪壊死は急性の胸痛を呈するが,保存的治療で自然軽快する良性疾患である。腹膜垂炎等と同様の機序による脂肪壊死が病因とされている。胸痛をきたす疾患の一つとして考慮すべきと思われた。


👻 当院からの発表
  • 3-7 頸静脈所見が診断に有用であった心房頻拍の1例(循環器内科 林 寛人ほか:優秀賞,写真中央)
  • 4-6 身体所見が診断に有用であった急性大動脈弁逆流の1例(循環器内科 髙林彩香ほか)
  • 6-1 急性心筋梗塞を契機に診断された心アミロイドーシスの1例(循環器内科 本田早潔子ほか)
  • 6-2 身体所見から形態学的診断に迫ることができた右室流出路狭窄を有する両室肥大型心筋症の1例(循環器内科 川崎達也ほか)

すべて英語論文化(1つは掲載済,2つは投稿中,もう1つは投稿準備中)

💁 学会に関する過去の投稿 ➜ コチラ(PC版なら画面右の分類からも選択可)

(投稿者 川崎)

2020-07-30

📣 心音クイズ:労作時の胸痛と息切れで来院した症例






(投稿者 川崎)

2022-09-15

🎯 今週の一枚

持続する胸痛で来院した症例



(投稿者 川崎)

2024-09-18

心膜周囲脂肪壊死 Epipericardial fat necrosis: FEN

  • 心膜周囲脂肪壊死によって急性胸痛を呈する稀な良性疾患
  • 初報は2005年スペインの放射線科医Victor Pinedaら(※)
  • 突然の胸痛で発症するため救急部門を受診することが多い
  • 救急部門で胸部CTを撮影した全7,463例中の20例が同疾患
  • 確立された診断基準はない(厳密には病理組織検査を要す)
  • 三徴は胸痛+炎症所見を伴う脂肪組織像+隣接心膜の肥厚
  • 咳や発熱などの付随症状に乏しいく炎症反応はなし~軽度
  • 対症療法のみで特別な対処は不要(多くの症例で誤診疑い)

A, B:左心横隔膜角の心膜外脂肪層に軟部病変
C, D:診察から3月後には軟部組織病変が消失

💁 心膜に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2019-07-26

気胸?

【症例1】咳嗽後に生じた左胸痛を訴えてERを訪れた症例

【症例2】前日に突然生じた胸痛が持続するためERを受診した症例

【症例3】転倒後に生じた胸痛でERに搬入された高齢者


(投稿者 川崎)

2017-09-23

松下金曜会 「胸痛」

胸痛のレッドフラッグと重篤な疾患の診断
  1. 胸痛 ⇒ 心筋梗塞
  2. 失神または失神寸前の状態 ⇒ 不整脈・大動脈弁狭窄・肥大型心筋症
  3. 息切れ ⇒ 不整脈・心筋梗塞・肺塞栓症
※パニック発作でもこれらの警告症状のすべてが起こり得るが,より重篤な病態を除外した後に考慮すること

参考書籍:「聞く技術 答えは患者の中にある」

追加コメント
肥大型心筋症はⅣ音,大動脈弁狭窄は収縮期駆出性雑音が特徴的.聴診でその存在を予想してから心エコー図で確認するとカッコいい!

(投稿者 川崎)

2022-05-26

🎯 今週の一枚

労作時の胸痛で来院した症例



(投稿者 川崎)

2023-06-01

🎯 今週の一枚

労作時の胸痛で来院した男性の両耳



(投稿者 川崎)

2017-07-06

高Ca血症の心電図パート2(右胸痛)


V1-3誘導で僅かにST部分が上昇しているように見える
本症例も高Ca血症(補正血清カルシウム値14.1mg/dl)
最終的に肺癌による骨転移(胸痛)+高Ca血症と診断

(投稿者 川崎)

2023-06-14

👴 歴史クイズ




(投稿者 川崎)

2019-08-06

胸痛+皮疹で決まりですが…

  • リウマチ熱による弁膜症に対し大動脈弁と僧帽弁の二弁置換術後例
  • 胸痛と眩暈を訴え循環器内科を受診/明らかな神経脱落症状はない


💁 現場レポート

右胸壁の帯状疱疹であるが眩暈は説明できないと思い耳鼻咽喉科に相談に行った
  • 循環器内科医 「胸壁の帯状疱疹だけど,めまいがひどいから見てくれない?」
  • 耳鼻咽喉科医 「いいですよ.耳鳴りはあるんですか?」
  • 循環器内科医 「耳鳴りはない.顔に水疱もないしハント症候群ではないと思うんだけど…」
  • 耳鼻咽喉科医 「でもハント症候群で顔に水疱がない症例を以前に経験したことがありますよ」

本例は最終的にラムゼイ・ハント症候群の可能性が高いと診断され耳鼻咽喉科で入院
アメナメビルで治療して合併症なく改善(経過中に胸壁以外の皮膚所見は出現せず)

👾 おまけ

※ 心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)