肥大型心筋症ではa波が視認しやすが(自験例),心不全で認めることは稀と思われる.また期外収縮に関連する巨大a波(cannon
a waves)は必ずしも心不全の増悪を示唆しない(自験例).しかし本例では,慢性左心不全の増悪に伴い心室期外収縮が増加しその結果,頸部に巨大a波として視認できるようになったと思われる.
偉大な医学者オスラーは,”Listen to your patient, he is telling you the diagnosis.”(患者の言葉に耳を傾けなさい.患者は診断を告げている)と述べています.初診時(特に心疾患)では,病歴聴取が大切なことは改めて述べるまでもありません.病歴聴取と身体所見は表裏一体.相互に補完し合う仲良しさんです😊