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2025-01-04

逆ゴットロン徴候 Inverse Gottron's sign

  • 手指関節屈側の鉄棒豆用皮疹で皮膚筋炎の特徴的な身体所見の一つ
  • 通常のゴットロン徴候は手指・四肢関節の背面に認める角化性紅斑
  • 他に機械工の手(Mechanic's hands) や徒歩旅行の足(hiker's feet)

図1はゴットロン徴候・図2は逆ゴットロン徴候

機械工の手・徒歩旅行の足

(投稿者 川崎)

2025-01-03

OGCSオージーシーエス:夜間・休日における妊婦搬送の手引き

  • 先日,中高年の女性が腹痛のため深夜のERを受診しました.そして(本人も含めて誰もが予期しなかった)切迫早産(破水後)であることが判明しました.たまたま看護師さんの中に助産師さんがいたため比較的スムースにことが運びました.
  • 産婦人科医が常駐しない病院も少なくありません(当院も休診中).そんな時に役立つのが産婦人科診療相互援助システム(Obstetrical Gynecological Co-operative System: OGCS)です.厚生労働省が提供する資料をここにもアップしておきます.


💁 妊娠に関する過去の投稿 ➜ コチラ

(投稿者 川崎)

2025-01-02

負荷心尖拍動

慢性左心不全の増悪例

😐 解説
  • 乳房下に抬起性心尖拍動 → 左室の拡大・肥大
  • 心窩部にも明瞭な抬起性拍動 → 右室負荷の疑い
  • 座位から立位の体位変換で左室の拍動は変化なし
  • 心窩部の拍動は減弱~消失(右室負荷の減少?)

💟 追加コメント
  • 本例の心尖拍動の変化をどう解釈するかは難しい.心窩部の拍動が立位に伴い目立たなくなったことは,前負荷の減少による右室負荷の低下で説明できそう.一方,心尖拍動(左室)の所見は,前負荷の減少が立ち上がりという仕事で相殺されたと考えるのがいいかもしれない.
  • 心臓の検査では負荷を積極的に併用している(心電図や心エコー,核医学,MRI,心カテなど).身体所見でも然り.負荷を併用した頚静脈評価法(負荷頚静脈)はかなり解明されてきたと個人的には思っている.今後は負荷心尖拍動の臨床的意義も調べていく必要があるかも...

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

(投稿者 川崎)

2025-01-01

ライム病のブルズアイ(牛の眼)

  • ライム病(Lyme Disease)の初期症状として皮膚に出現する古典的な遊走性紅斑の一形態
  • Ring-within-a-ring patternやtarget patternとも呼ばれる(頻度は低い,35例中2例=6%)
  • ライム病の起因菌はスピロヘータの一種 Borrelia でマダニ類が媒介する人獣共通感染症
  • 臨床症状と血清学的診断基準から総合的に診断(培養は困難で患者からの2次感染はない)
  • 遊走性紅斑例にはドキシサイクリン,神経症状例にはセフトリアキソンが第一選択である
  • 名前の由来は米国コネチカット州ライム地方で初めて確認(Arthritis Rheum 1977;20:7-17

古典的なbull's eye所見(下図のCとD)

(投稿者 川崎)