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2019-06-30

カメレオンサイン Chameleon sign

  • 腹部超音波で腫瘤性状が体位変換に伴い変化する現象で肝血管腫を示唆
  • 別名はdisappearing signやwax and wane sign(意味は満ち欠け🌙)など


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(投稿者 川崎)

2019-06-29

今週のモーニングレクチャーより 👂

  • メニエール病の耳症状は片側で特に低音が障害されることが多い(低音障害型の感音難聴)
  • 原因が同定できないめまい(検査前に改善例を含む)は”めまい症”として生活指導+経過観察
  • 前庭代償とは患側の前庭障害に対して健側が順化するため自覚症状が改善する機序のこと

メニエル
(投稿者 川崎)

2019-06-28

GAS咽頭炎と抗菌薬

GAS=Group A Streptococcus=A群(β溶血性)連鎖球菌(溶連菌といえばGASを意味することが多い)

国立感染症研究所感染症情報センター (原文そのまま/2019.6閲覧)
  • 治療にはペニシリン系薬剤が第1選択薬であるが、アレルギーがある場合にはエリスロマイシンが適応となり、また第1世代のセフェムも使用可能である。いずれの薬剤も少なくとも10日間は確実に投与することが必要である。除菌が思わしくない例では、クリンダマイシン、アモキシシリン/クラブラン酸、あるいは第2世代以降のセフェム剤も使用される。

亀田感染症ガイドラン 咽頭炎version 2 (原文そのまま/2019.6閲覧)
  • 治療の目的は、症状の緩和(1-2日間罹病期が短縮)、扁桃周囲膿瘍のような扁桃周囲膿瘍のような化膿性合併症の予防(NNT 27)、周囲への飛沫感染予防(投与後24時間で感染性が減少)、リウマチ熱の予防(NNT 3000~4000)である1)
参考文献 1) Ann Intern Med 2001;134(6):509-17

※NNT=number needed to treat ➜ あるエンドポイントに到達する症例を1人減らすために必要な治療患者数

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(投稿者 川崎)

2019-06-27

画像クイズ

  • 急性左心不全で入院し内科療法で肺うっ血が少し改善した症例
  • タリウム心筋シンチグラフィの運動負荷直後のプラナー像を示す



(投稿者 川崎)

2019-06-26

外傷ならJATEC

  • JATEC=Japan Advanced Trauma Evaluation and Careで外傷初期診療ガイドライン日本版を意味する
  • PTD=preventable trauma death=防ぎ得る外傷死を回避するための重度外傷に対する初期診療手順

搬送依頼MISTの情報共有
  1. Mechanism
  2. Injury site
  3. Sign
  4. Treatment

Primary surveyABCDEの確認(15秒)と蘇生
  1. Airway
  2. Breathing
  3. Circulation
  4. Dysfunction of CNS
  5. Exposure and Environmental control

Secondary surveyAMPLEを聴取
  1. Allergy
  2. Medication
  3. Past history/Pregnancy
  4. Last meal
  5. Event

TAFな3X・MAP(致死的な胸部外傷+大量出血の原因)
  1. Tamponade cardiac
  2. Airway obstruct
  3. Flail chest
  4. pneumothraX,open pneumothoraX,massive hemothoraX
  5. Massive hemothorax
  6. Abdorminal bleedin
  7. Pelvic fructure

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(投稿者 川崎)

2019-06-25

スタンフォードA型解離の心エコ-図

  • スタンフォードA型の大動脈解離はERでのベットサイド心エコー(FoCUS)で診断可能

自験例1 妊娠後期に出現した背部痛


自験例2 背部痛後に出現した息切れ


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(投稿者 川崎)

2019-06-24

回盲部の腸炎 シンプル問答集


👿 おまけ

大腸菌O-157は上行結腸に多く,アメーバクラミジアなどの性感染症は直腸に多い.偽膜性腸炎は全大腸に生じて,白血球の著増(>3万)するケースがある.

(投稿者 伴野/堀田/川崎)

第127回日本循環器学会近畿地方会より

演題3-21
下大静脈走行異常のためMicra植込が不可能であった1例
MicraTMは本体とリードが一体化されたカプセル型のペースメーカ

演題6-17
ペースメーカー留置を回避できたジスチグミン臭化物によるコリン作動性クリーゼの一例
➜ 排尿障害あるいは重症筋無力症治療剤剤のウブレチド錠で発症しうる重篤な合併症

演題7-4
意識消失発作を主訴に来院したMINOCAの一例
➜ MINOCA=Myocardial Infarction With Nonobstructive Coronary Arteries

演題7-10
非典型的な臨床経過を辿り,診断に難渋した開胸術後の心臓障害後症候群と考えられた一例
➜ 心膜炎後などに生じるPost-cardiac injury syndrome (PCIS)の意味で用いられているが日本語訳は未確立

チョット自慢 🎵
  • 当院からも1講演と6演題の発表を行いました ✌
  • 心リハPTの笠井先生がYIA優秀演題賞をゲット 🎊

(投稿者 川崎)

2019-06-23

グラム染色



  • 小さいグラム陰性桿菌で周囲に莢膜を有するためインフルエンザ菌が疑われた(実際に培養で確定)
  • バーミー法の方が細菌や莢膜は確認しやすいが白血球の染色はフェイバー法のほうが美しい(と思う)

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(投稿者 川崎)

2019-06-22

今週のモーニングレクチャーより

  • 複雑骨折 ➜ 医学用語では開放骨折=骨折と同時に皮膚が破れて骨折部が露出
  • 骨にひび ➜ 医学用語では不全骨折=転位はないが骨の連続性が完全ではない
  • 骨折などで臥床 ➜ 1日に4%の割合で筋力が低下していく

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(投稿者 川崎)

2019-06-21

ST上昇のない心筋梗塞

  • 3時間前に出現した胸痛が持続するためERを受診した症例
  • 心電図でST上昇はないがトロポニンが0.516 ng/mlと上昇
  • 緊急カテーテルで左回旋枝の閉塞を認めたためPCIを行った


👴 呟き

12誘導心電図でST上昇のない心筋梗塞は珍しくありません.特に左回旋枝の急性心筋梗塞ではST上昇を欠くことが少なくないと思います.ペースメーカ症例(自験例)や左脚ブロック,下壁誘導の僅かなST上昇(自験例)にも要注意です.

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(投稿者 川崎)

2019-06-20

本日のERカンファレンスでの耳学問

  • 痛みに波がある場合は腸管の疾患を疑う(ざっくり小腸なら1分毎,大腸なら数分毎)
  • 虫垂炎や胆石,尿路結石はずっと痛い(嵌頓していた結石が解除された時は改善)
  • 膿瘍が疑われたらCTは造影で行いたい

(投稿者 川崎)

尿道の振子(ふりこ)部 Pendulum urethra

男性尿道の分類(外尿道口〜膀胱頚部)
  1. 亀頭部尿道
  2. 振子部尿道(陰茎の部分)
  3. 球部尿道(肛門から陰嚢)
  4. 膜様部尿道(尿道括約筋に包まれた部分)
  5. 前立腺部尿道(前立腺の中心部)
  6. 膀胱頸部(膀胱と前立腺の境目)

おまけ
  • 亀頭部尿道+振子部尿道+球部尿道=尿道海綿体
  • 膜様部尿道+前立腺部尿道+膀胱頚部=後部尿道

🐹 分かりやすい図 ➜ 尿道狭窄症でお悩みの方へ 堀口明男 Official Site

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(投稿者 川崎)

2019-06-19

心膜ノック音

  • 収縮性心膜炎で認め,硬化・緊縮した心膜に由来
  • 拡張早期に出現する中調音で,広範囲で聴取可能
  • 鑑別はⅡ音分裂,開放音,Ⅲ音,腫瘍プロップ音



(Ⅱ音後の赤矢印が心膜ノック音/生体弁置換術後であり駆出性収縮期雑音もある)


👿 収縮性心膜炎は心エコー図での診断は難しいから,心音や身体所見(フリードライヒ徴候+クスマール徴候)が重要

心臓Physical Examination広場とのマルチポストです 🎶

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(投稿者 川崎)

2019-06-18

脾摘後重症感染症 OPSI

  • OPSI=Overwhelming Postsplenectomy Infection
  • 脾摘の原因は外傷が多く原因は肺炎球菌が最多


🐧 アドバイス
  • 一見免疫不全ではないのに重症感染症を生じた症例では腹部手術創の有無を確認
  • 外傷は病気ではないと考えて問診時に自己申告しない患者さんが少なくないようです

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(投稿者 堀田/川崎)

2019-06-17

老衰(死) Senility


👉 ウィキペディア(Wikipedia)での老衰の記載
  • 老衰とは加齢による老化に伴って個体を形成する細胞や組織の能力が低下すること.恒常性の維持が困難になることが原因である.
  • 老衰死老衰によって生命活動が終わること.加齢による老化に伴って個体を形成する細胞や組織の能力が低下し、多臓器不全により恒常性の維持・生命活動の維持ができなくなることが原因である.

👤 老衰死の別名は自然死平穏死 ➜ 一読をおすすめ(医療と社会 2015;25:59-69

(投稿者 川崎)

2019-06-16

PJ & PX

  • PJ=Project=プロジェクト
  • PX=Patient Experience=患者経験価値=患者の感じた価値を評価する指標(民間企業で取り入れられているCX=Customer Experienceの医療版)

💚 ビジネス略語

(投稿者 川崎)

2019-06-15

HFrEFに使用する薬剤の推奨

推奨クラス 薬剤 病態
IACE阻害薬禁忌を除くすべての患者に対する投与(無症状の患者も含む)
IARBACE阻害薬に忍容性のない患者に対する投与
Iβ遮断薬有症状の患者に対する予後の改善を目的とした投与
Iミネラルコルチコイド受容体拮抗薬ループ利尿薬,ACE阻害薬がすでに投与されているNYHA心機能分類II度以上,LVEF<35%の患者に対する投与
Iループ利尿薬,サイアザイド系利尿薬うっ血に基づく症状を有する患者に対する投与
IIaβ遮断薬無症状の左室収縮機能不全患者に対する投与
IIaβ遮断薬頻脈性心房細動を有する患者へのレートコントロールを目的とした投与
IIaトルバプタンループ利尿薬をはじめとする他の利尿薬で効果不十分な場合に,心不全における体液貯留に基づく症状の改善を目的として入院中に投与開始
IIaジギタリス洞調律の患者に対する投与(血中濃度0.8 ng/mL以下に維持)
IIaジギタリス頻脈性心房細動を有する患者に対するレートコントロールを目的とした投与
IIa経口強心薬(ピモベンダン,デノパミン,ドカルパミン)QOLの改善,経静脈的強心薬からの離脱を目的とした短期投与
IIaアミオダロン重症心室不整脈とそれに基づく心停止の既往のある患者における投与
IIbARBACE阻害薬との併用
IIb炭酸脱水酵素阻害薬・浸透圧利尿薬などループ利尿薬,サイアザイド系利尿薬,ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬以外の利尿薬
IIb経口強心薬(ピモベンダン,デノパミン,ドカルパミン)β遮断薬導入時の投与
IIb硝酸イソソルビドとヒドララジンの併用ACE阻害薬,あるいはARBの代用としての投与
III経口強心薬(ピモベンダン,デノパミン,ドカルパミン)無症状の患者に対する長期投与
IIIその他カルシウム拮抗薬の,狭心症,高血圧を合併していない患者に対する投与
IIIその他Vaughan Williams分類Ⅰ群抗不整脈薬の長期経口投与
IIIその他α遮断薬の投与
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)の表23より(2019年5月閲覧/記載順など一部改編)

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(投稿者 川崎)

2019-06-14

視神経脊髄炎 NMO

  • NMO=Neuromyelitis Optica/視神経炎と横断性脊髄炎を特徴とする免疫性中枢神経疾患
  • 症状は視力障害(両側性や失明あり)や運動感覚障害,膀胱直腸障害,有痛性強直性痙攣など
  • 血清中に抗アクアポリン4(aquaporin-4: AQP4)抗体(抗AQP4 抗体)が疾患特異的に発現
  • 有病率は人口10万人あたり1人(東アジア地域に多い)/平均35−45歳で女性が10倍多い
  • 急性期治療は多発性硬化症(multiple aslerosis:MS)と同様にステロイドパルス療法を行う
  • 再発予防治療は経口ステロイド15-20mg/日を約半年継続〜漸減して最終的には5mg/日維持

典型例のMRI(A, T2; B, T1; C T2 FLAIR; D T1; E T2 FLAIR)

(投稿者 川崎)

2019-06-13

最近知ったコト


👂 総診カンファでの指導医と研修医のやり取りが耳学問としてとても役に立ちます

(投稿者 川崎)

2019-06-12

見たら分かる!

  • 拡張型心筋症例に対するβ遮断薬(外来導入)前後の頸部所見



(投稿者 川崎)

生まれ変わり

  • For example, the entire lining of the gut is replaced approximately every 7 days, and the skin epithelium is replaced once a month. (N Engl J Med 2019;380:2237-45より)

😲 腸管は概ね7日で,皮膚上皮は月に1回の割合で置き換えられているなんてすごいネ

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(投稿者 川崎)

2019-06-11

心に留めておきたい言葉

何か一つ,自分以外には「まねの出来ない教育研究テーマ」を持ち続けよう!
➜ 沢山俊民先生の論文の題名です(京府医大誌 2013;122:627-32

(投稿者が頂いたサイン入り別冊)

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(投稿者 川崎)

2019-06-10

HFpEFに使用する薬剤の推奨

推奨クラス 薬剤 病態
I利尿薬うっ血に伴う自覚症状軽減目的での利尿薬投与
IIa利尿薬急性心不全入院中に導入されたトルバプタンを,うっ血コントロールを目的として退院後も継続投与
IIb利尿薬ループ利尿薬を選択する際には,長時間作用型を選択
IIbACE阻害薬/ARB臨床イベント発生抑制を目指してACE阻害薬/ARBを忍容性のあるなかでできるだけ増量
IIbβ遮断薬臨床イベント発生抑制を目指してβ遮断薬を忍容性のあるなかでできるだけ増量
IIbミネラルコルチコイド受容体拮抗薬臨床イベント発生抑制を目指してMRAを忍容性のあるなかでできるだけ増量
III硝酸薬予後改善や活動度の向上を目指して硝酸薬を投与
急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)の表26より(2019年5月閲覧/記載順など一部改編)

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(投稿者 川崎)

2019-06-09

網嚢腔 Lesser sac (or Omental bursa)

  • 大網(greater omentum)と小網(lesser omentum)で形成される腹部内の空間
  • 網嚢孔(ウィンズロー孔,Omental foramenor)で大網による主要腹腔に連絡する

=網嚢,=主要腹腔/図はパブリック・ドメイン)

網嚢腔は内ヘルニア(体腔内の窩や孔などに臓器が迷入した状態)の原因になることがある.内ヘルニアは腸間膜裂孔ヘルニアが最多で,傍十二指腸ヘルニア,網囊裂孔ヘルニアと続く.

(投稿者 川崎)

2019-06-08

SCAD スキャッド

SCAD=spontaneous coronary artery dissection=特発性冠動脈解離
  • 50歳以下の女性に多く,ACSの0.07-1.1%(欧米)、AMI患者の0.31%(日本)
  • 従来から報告されている冠動脈硬化の危険因子をほとんど有さないことが特徴
  • 誘因は妊娠(特に後期から産褥期),ホルモン療法および感情的ストレスなど
  • 急性期治療に関して,保存的加療と比較したPCIの有効性は示されていない
  • PCIは進行性虚血の存在例や血行動態が不安定な例,近位部病変例に考慮
  • 5年間の心血管イベント率38%,再解離27%(そのうち42%が30日以内に発生)
  • 海外の研究でβ遮断薬の導入が再解離率を減少させる可能性が示されている
参考)急性冠症候群診療ガイドライン(2018 年改訂版)

 - SCADの分類 - 

CAGで典型的な解離所見を確認できる例(上図Type 1)は25-43%にすぎない.半数以上のSCAD症例では明らかな内膜のフラップはなく,びまん性かつ辺縁が滑らかな狭窄所見を認めるのみであることに要注意.このような場合は冠動脈イメージングの併用で冠動脈壁内の偽腔を確認することを考慮する.


(投稿者 川崎)

2019-06-07

膵性脳症 Pancreatic encephalopathy

  • 定義 膵炎に随伴して生じて精神神経症状を呈した病態
  • 初報 Rothermichらが提唱(J Clin Endocrinol 1941;1:872)
  • 症状 失見当,意識障害,錯乱,病的反射,運動失調など
  • 機序 膵障害によるニコチン酸低下?膵酵素による脳障害?
  • 治療 対症療法+サイアミン?(Semin Neurol 2009;29:136-53
  • 予後 不良(ショック,ケトアシドーシス,多臓器不全など


膵臓の関連投稿 💨

(投稿者 川崎)

2019-06-06

クラウンド・デンス症候群の治療

Crowned dens症候群46症例の検討洛和会病院医学雑誌 2016;27:43-6
  • 82.6%はNSAIDsだけで治療,17.4%の症例でステロイドによる加療
  • ステロイド使用の理由は,腎機能障害・激しい痛み・痛み遷延など

🚀 実際の処方

通常はNSAIDsの常用量で1週間前後で痛みは軽快するようです.ただし難治性の場合は(感染の合併が否定できたら),プレドニゾロンで1日10~15mg程度を併用すると2~3日で痛みは消失する(ドクターサロン 2016;60:649-52).ちなみに難治性の痛風や偽痛風では経口プレドニゾロン15~30mg/日(漸減し3週間で中止/1-3日では再発例あり)(⬅ 過去の投稿).

🎓 指導医からの一言 「ポイントは回旋制限,左右に首が回らなくなったら怪しい!

😱 頸部痛の復習

(投稿者 川崎)

2019-06-05

オースチン・フリント雑音

当院の初期研修医 吉岡先生の論文が出版されました 🎉


大動脈弁逆流(高度)と大動脈弁狭窄(軽度)を認める症例の心尖部で記録

心音図の解説 ➜ 拡張中期ランブルと前収縮期雑音からなるオースチン・フリント雑音+Ⅲ音

👉 ちょこっとメモ
  • 米国の医師 Austin Flint が発見(Am J Med Sci. 1862;44:29–54)
  • 主に心尖部で聴取する拡張中期 and/or 前収縮期の低調性雑音
  • Flintは妥協を許さない厳格者で医学に人名をつけることを嫌った
  • 機序として左室流入血との衝突や心内膜面を擦る音などが提唱

👊 オースチン・フリント雑音を認めた他の自験例 ➜ 心音図塾 【症例93】

(投稿者 川崎)

2019-06-04

僧師(そうし)

  • 師匠となる僧侶のこと(高野山大学)/師僧(しそう)とも記載
  • 高徳の僧を意味する和上や和尚に近い用語と考えられる(参考

💫 医師かつ僧侶である先輩が自らを僧師と呼ばれていたことを耳にしました.その他にも僧医,医僧,お坊さん医師などいろいろな呼び方があるようです.

➜ 近年,ホスピスや緩和ケア分野で注目されているようです(コチラ).

🉐 関連投稿

(投稿者 川崎)

2019-06-03

尿管結石の疼痛管理(特に水分)

Mindsガイドラインライブラリからの要約
  • 第1選択 ➜ NSAIDs(腎機能低下例では要注意,アスピリン喘息例では禁忌)
  • 第2選択の鎮痛薬 ➜ モルヒネ製剤,ペンタジンなど(臭化ブチルスコポラミンは補助的)
  • 芍薬甘草湯は即効性がありNSAIDsよりも鎮痛効果に優れるという報告あり(下図)
  • 排石促進薬(尿管拡張作用) ➜ カルシウム拮抗薬(ニカルジピン)やα1遮断薬
  • 薬剤抵抗性 ➜ 尿管ステント留置や腎瘻造設,ESWLやTULによる砕石治療

👻 補液や水分摂取について 
  • ガイドラインの記載 ➜ 「疼痛管理の一環として輸液を行う場合,強制大量輸液で鎮痛薬の使用量の減少や排石率が増すことはない」
  • 知人の泌尿器科専門医の意見 ➜ 「悪いことはない.むしろ感染のリスクを減らすと思う」
  • 西横浜国際病院 ➜ 「大きさが5mm以下の結石については、鎮痛剤で痛みをコントロールしながら水分摂取を積極的に行うことにより比較的速やかに自然排石が可能」

尿管結石疝痛発作25例  芍薬甘草湯(2包=5g) vs ロキソプロフェン(60mg)

💫 マラソン愛好家の先輩医師の意見
  • 「マラソン中に足がつったときにも芍薬甘草湯はすぐに効くよ!」

(投稿者 川崎)

膵鉤部癌

膵鉤部は上腸間膜静脈の背側、上腸間膜静脈より左側に位置する。
ここに発生する癌は膵外進展が強く、十二指腸水平脚や上腸間膜動脈、上腸間膜静脈に浸潤するほか、神経周囲浸潤も多い。
また、後腹膜の深部に進展していくため、気づきづらい。

(投稿者 田嶋)

日本内科学会 第224回近畿地方会より

個人的に気になった演題 👀

演題2 Pseudo-progressionから免疫関連有害事象(ir-AE)を疑い診断し得た胃癌患者の1例
  • Pseudo-Progressionとは免疫療法によって活性化されたリンパ球が腫瘍に集簇して腫瘍が大きくなる現象で原疾患の本当の増悪との見極めが大切.ir-AE=immune-related adverse event.

演題19 経皮的リンパ管閉塞にて腹痛が緩解した乳糜腹水を伴った慢性腹膜炎の1例
  • リピオドールを用いたリンパ管造影はリンパ漏に対する診断手技のみならず治療方法として有効であることを報告.

演題34 Backwash ileitisを併発し治療に難渋した潰瘍性大腸炎の1例
  • 潰瘍性大腸炎の病変は一般的に大腸に限局するが,backwash ileitisでは類似した炎症が回盲弁を越えて連続的・び慢性に回腸に波及している.ileitis=回腸炎.

🎊 当院からの発表は以下
  • 演題79 急性肺血栓塞栓症を合併した脳梗塞の1例(吉岡 希ほか,総合診療科)

(投稿者 川崎)

2019-06-02

右 vs 左

  • 拡張障害による急性心不全で入院した症例の頸部(座位,呼吸調整なし)



(投稿者 川崎)

2019-06-01

妊娠と心疾患

妊娠の際に厳重な注意を要する,あるいは妊娠を避けることが強く望まれる心疾患

⚠ 上記の中で項目3は要注意 ➜ NYHAとLVEFはand/orの関係と考えられる(心エコー 2019;20:476-85)
⚠ 例え安定している拡張型心筋症例でも左室駆出率がある程度低下していれば専門施設への紹介を考慮

(投稿者 川崎)